戻る 2.1 コンピュータ・シミュレーションとは? この世の中のさまざまな現象を分析し、それらが 今後どう動いていくのかを予測したいというのは人間の 自然な欲求の一つではないでしょうか? こういう場合に大きな助けとなるのがコンピュータであり、 事実、コンピュータの力を借りて種々の現象を解明していく 機会は今後ますます増えていくものと思われます。 たとえば身近なところでは毎日の天気予報もその一つ でしょう。元来、天気予報は軍事上の目的で 今世紀初めに イギリスで研究が始められましたが、すでに1922年には、 リチャードソン(L.F.Richardson)による先駆的な 試みが行われています。 これは大気の運動に関する流体力学の方程式を数値的に 計算していく数値シミュレーションの始まりともいわれて いますが、現在ではスーパー・コンピュータによって刻々と 変化する雲や風の動きを計算し、気圧、温度、湿度等の 情報を得ています。 もちろん、この数値モデルはまだ完全なものとは いいがたいのですが、地球科学の研究においては今や 不可欠な存在となってきています。 また、いわゆる環境汚染問題の解明においても大気汚染や 水質汚濁シミュレーションが重要な役割を果たしています。 では実際のコンピュータ・シミュレーションの例を 見てみましょう。 |