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 ( 本文は日本機械学会信越支部主催: 「青少年向け公開シンポジウム:コンピュータ・シミュレーションの世界
〜日常生活での物理と数学 〜」(12/22/96) 松田、使用教材の拡張版です。)
 

1 はじめに

 皆さんが学習してきた科目の中で、物理や数学についての感想は
いかがでしたか? 面白かったですか? 理解し易さの程度はどうでしたか? 
あるいは難しかったですか? これらの科目は一体何のために勉強する必要が
あったのでしょうか? 

もちろん理工系大学等への進学希望者には受験科目として必須でしょうから
最優先で勉強すべき科目とはなるでしょう。 しかし、いわゆる文系志望者、
又は将来“理系に縁のない職業”につくことを考えている人達にとっては
まったく無用のものなのでしょうか?

それでは“コンピュータ”についてはどうでしょうか? “ファミコン”での ゲーム・
ソフトを楽しんだことのない人はほとんどおられないのではないでしょうか?

 もう少し別の角度から質問させて下さい。毎日テレビを見ない方は
どれぐらいおられますか? 仮にニュースを見ない人がいたとしても
明日の天気予報は、やはり気になるのではないでしょうか? 
又、夏の暑い日などにエアコンのお世話にならない人は少ないでしょう。
少しどこかへ出かけるのには車で、又、遠い所だと新幹線に
乗りますね。 船や飛行機、さらには宇宙探査ロケットなどたくさんの
乗物がありますね。 一方、家庭にはあらゆる種類の電器製品で
あふれていますね。

 コンピュータはこれらのいたるところで使われています。
そして皆さんが学習してこられた物理や数学は、このコンピュータや
その応用分野と切っても切れない関係がありますし、又、皆さんの
身近にあるいろいろな製品の開発にも直接、役に立っているのです。

 本小文では”物理や数学の知識がコンピュータを通して
どのように役立っているのか?”について、
流体解析に関わるコンピュータ・シミュレーション
その一例として
説明していきたいと思います。