1.3 不等長間隔メッシュにおける誤差解析手法の導入
式(1-2)において流速 u , v 及び拡散係数
が定数である場合、
この式は変数分離法によって解くことができ、その一般解はフーリエ級数で表現される。
離散化の結果一般解における増幅因子は次式のようになる。
ここで、 A:複素定数 βx,βy:x,y方向の波数(=2π/λ)
λ:フ−リエ成分解の波長(−∞〜+∞)
t=nΔt, x=nxhx,y=nyhy クーラン数:bx=uΔt/hx,by=vΔt/hy
フーリエ数:rx=KΔt/hx2,ry=KΔt/hy2
( ただし、nx,ny:x,y方向の指標,hx,hy:x,y方向のメッシュ幅,Δt:タイム・ステップ ) とする。
いっぽう、FWA法の増幅因子は次式のように表される(1)。
ここで、 Q1,Q3,Q5,Q7:rx,ryとβxhx,βyhyの関数
Q2,Q4,Q6,Q8:bx,byとβxhx,βyhyの関数 である。
式(1-5)のような不等長メッシュについての定式化におけるQ1〜Q8を次式により
表すことができる。
また、, である。
(hi=Hihx,hj=Hjhy,ここで、hxおよび hyは“代表長さ”である。)
ただし、a(i)〜e(i),a(j)〜e(j),a(i)*〜e(i)*,a(j)*〜e(j)*は以下の通りとする。
いま数値解の精度向上のために拡散項と移流項に補正係数fおよびgを導入し、
次式のような補正されたξN(C)を考える。
(1-10)
よって補正係数fとgは式(1-7)と式(1-9)とを等置することにより求めることができるが、この際
βxhx,βyhyに依存しない係数を求めるためにβxhx →0,βyhy →0の極限を考えると次式を得る。
(1-11)
(1-12)
したがって式(3-10),(3-11)で求めたfとgを拡散項と移流項に適用することにより、
数値解法を補正することができる。 以上の結果、不等長間隔メッシュを用いたFWAの
補正係数を次式のように得ることができる。
(1-13)
式(3-11)の補正係数をFWAに導入した方式をFWA(C)と定義する。
2 数値計算例
2.1 数値計算の一覧
計算パラメータおよび数値計算結果(Ra=105〜Ra=107)
|
Method |
Meshes |
Δt |
W=0 |
W=0.5 |
W=1 |
Ra=105 |
FWA(C) |
20×20 |
1×10-5 |
4.32 |
4.51 |
4.50 |
50×50 |
1×10-6 |
4.52 |
4.52 |
4.52 |
||
MSR* |
30×30 |
1×10-4 |
4.55 |
|||
Ra=106 |
FWA(C) |
20×20 |
1×10-7 |
8.76 |
8.70 |
8.65 |
50×50 |
1×10-7 |
8.81 |
8.81 |
8.80 |
||
MSR* |
50×50 |
1×10-5 |
8.88 |
|||
Ra=107 |
FWA(C) |
20×20 |
1×10-7 |
16.81 |
16.35 |
|
50×50 |
1×10-7 |
16.49 |
16.47 |
16.46 |
||
MSR* |
50×50 |
1×10-6 |
16.88 |
2.2 数値計算例
参考文献
(1)松田 安弘・三木 英敬,四次差分法による非定常二次元粘性流の解析
(誤差解析手法によるアプローチ),日本機械学会論文集,
60-577,B(1994),3032.
(2)Woods, L. C.,“A Note on the Numerical Solution of Forth Order
Differencial Equation”,Aeronaut. Q., 5-3(1954), 176.
(3)岡永・棚橋,日本機械学会論文集,56-530, B(1990), 2922.
(4)松田
安弘、他3名,四次差分法による二次元自然対流問題の解析(不等長間隔
メッシュの場合),日本機械学会論文集,64-617,B(1998),10.
(6)邵
長城,松田
安弘・他1名,四次差分法による二次元自然対流問題の解析
(第2報 高レーリー数の場合),日本機械学会論文集,66-642,B(2000),332.
以 上