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4 有限要素法の陽解法による定式化とその補正

式(10)において θ=0とし、左辺のマトリックスを集中化させると

次式のような陽解法による定式化を得る。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(20)

ここで、の集中化マトリックスであり、は移流項と拡散項を含むマトリックスである。

図1に示される各点での補正係数f及びgは式(8)より、次式のように得られる。


(1) 正四面体一次要素の場合[EXR(C)]

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(21)

(2) 不等長六面体一次要素の場合[EXH(C)]

 ・・・・・・・・・・・・・・・・(22)

α=β=γ=1のとき  

(3) 不等長四面体一次要素の節点TH1の場合[EXT1(C)]

    ・・・・・・・・・・(23)

α=β=γ=1のとき 

(4) 不等長四面体一次要素の節点TH2の場合[EXT2(C)]

・・・・・・(24)

ただし、

α=β=γ=1のとき  



5 各種要素形状の誤差解析結果

5.1 誤差解析の前提条件

三次元問題での各数値解法の増幅因子と一般解の増幅因子とを比較することにより、

各解法の精度を
評価することができる。そこで精度を評価するために次式のような理論誤差を用いる。

ただし、は位相誤差を示し、は散逸誤差を示す。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(25)


 ここで、(ξの虚数部)/(ξの実数部)},

N=(の種類の個数)×(の種類の個数)×(の種類の個数)×(の種類の個数)であり

方向の波数である。

数値解法が安定条件(|ξ|£1)を満たしている場合には、理論誤差が小さいほど、その計算誤差が高いと

いえる。いま、のように
独立に変化するものとし、としては (a)  

(一方向流れ)と
(b)(三方向流れ)の2通りを考える。

図1(b)に示されるそれぞれ2種類の節点(TH1とTH2)は、数値実験では領域全体で同じ個数だけ現れるので

これらの節点の誤差(TH1)と(TH2)は次のような一つの誤差にまとめて考える。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(26)

したがって、ガレルキン法の四面体要素については、2種類の節点を式(26)によりまとめてGT(補正なしの場合),

GT(C)(補正ありの場合)として評価した。同様に、変形ガレルキン法ではMGT(C)の記号を用いて一つの誤差にまとめた。

  

図2  四面体要素における代表長さ

四面体要素と正四面体要素とでは一要素当りの節点数が同じであるが体積が違うため正四面体の体積を

四面体の体積に合わせるためにの比率を求める。二要素の体積はそれぞれ次のようになる。

       より

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(27)

したがって正四面体要素についてはメッシュ幅に式(27)の比率を掛けて誤差解析を行う。

5.2 誤差解析の結果

(1)正四面体一次要素の場合

正四面体要素の精度評価を行うために、等長六面体要素及び等長四面体要素とともに変形ガレルキン法,

ガレルキン法及びその陽的有限要素法についての理論誤差を導出した。表1,2はのもとで、

 0.05~0.3(0.05きざみ)および0.1~0.7(0.1きざみ)とした際の、及びでのを示す。

表3,4は、安定域において誤差が最小の値となる0~1.3の範囲での最適タイムスキームパラメータ

(0.1きざみ)を示す。下線を付した数値は、そのrでの最小値を示しており、"-"はこのの範囲では

安定条件(|ξ|£1)を満足していないことを示している。

   表1,2から,全体的に見て六面体要素が計算精度の点で最適である。また変形ガレルキン法については、

等長四面体一次要素よりも正四面体一次要素の方で精度が高く安定範囲が大きいという結果を得た。


表1 陰解法の理論誤差の場合)

'' shows  |ξ|max.>=1 )


表2 陰解法の理論誤差の場合)

'' shows  |ξ|max.>=1)


表4 最適タイムスキームパラメータ(の場合)

'' shows  |ξ|max.>=1 )

表5,6に陽解法の各要素形状についての安定域におけるbxmax.を示す。この際bxを0.1から1まで

0.1きざみで変化させて検討した。なお,表5,6中,EXH,EXT及びEXRは,式(20)を等長六面体一次要素,

等長四面体一次要素及び正四面体一次要素により,補正項なしで定式化した場合であり,EXH(C),EXT(C)

及びEXR(C)はその補正方式である。表5,6から等長六面体一次要素,
正四面体一次要素,

等長四面体一次要素の順で安定域の広いことがわかる。


表5 陽解法の安定域でのの場合)

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表6 陽解法の安定域での の場合)

'' shows  bxmax.>=1 )

陽解法では陰解法に比べ安定域が狭いので,bx=0.1~0.5(0.1きざみ)及びbx=0.05~0.2

(0.05きざみ)での場合の誤差 Et を表7,8に示した。表1,2,7及び表8において下線を付した数値は,

その rx=ry=rz での最小値を示している。これより全般的に等長六面体一次要素で精度が高いことがわかる。

なおEXT(C)では,これらのどの範囲でも不安定となった。

表7 陽解法の理論誤差の場合)

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表8 陽解法の理論誤差の場合)

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