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ひとりおもふ
幻の「キラク」
  ハラハラドキドキの場面が多かったが、どうにか負けないですんだ試合だった。

 
前半はけっこう攻撃でいける場面があったが、後半の20分すぎは体力の消耗戦だったので、負け試合をやっとのことで引き分けに持ち込んだという感じだった。

 予選リーグの最終戦であるブラジルには、おそらく歯が立たないだろう。
 良くて引き分け。
 ただ、ブラジルはオーストラリアにも勝ち、決勝トーナメント進出の切符をすでに手に入れたので、日本戦は「調整」しに来るだろう。

 〜ブラジルの「調整」とは〜

 現在の「F組」の勝ち点と得失点差は、

 
@ブラジル    6(得失点差+3)
 Aオーストラリア 3(  〃  0)
 Bクロアチア   1(  〃 −1)
 C日本      1(  〃 −2)

なので、日本が決勝トーナメントへ進出するためには、

 @オーストラリアとクロアチアとが引き分けて
かつ、
 A日本がブラジルに3点差以上で勝利する

という条件が必要であるが、オーストラリアとクロアチアの試合内容によっては2点差でも可能性はある。

 つまり、オーストラリアが勝利した場合は、当然のごとくオーストラリアの2位以内が確定するし、クロアチアが勝利した場合は、「得失点差」で「1」のハンデをもっているので、日本の勝利が1点差であれば文句なくクロアチアの2位以内が確定するのである。

 日本が2点差で勝利した場合は、両試合の得点がカギとなる。
 要するに、「総得点」の争いとなる。

 それで、ブラジルの「調整」ということが、日本の2位確定に重要な意味を持つことになるのである。

 F組のチームが決勝トーナメントへ進出した場合は、E組の1位・2位とまず戦うことになる。

  @E組1位×F組2位
  AE組2位×F組1位

 E組は、イタリア、チェコ、ガーナ、それにアメリカで構成されており、現在のところ、

 1位 イタリア(勝ち点4)
 2位 チェコ(勝ち点3)
 3位 ガーナ(勝ち点3)
 4位 アメリカ(勝ち点1)

となっていて、最終戦は、

  @イタリア×チェコ
 
Aガーナ×アメリカ

が組まれており、順当にいけば、イタリアとガーナとで1位と2位がそれぞれ決まるかもしれない。

 そうなれば、ブラジルが日本に勝った場合は、F組1位通過でE組2位のガーナと対戦する可能性があるが、イタリアがコケた場合は、イタリアが2位となって、いきなりブラジルと対戦する恐れが出てくる。でも、確立的にはその可能性は少ないと思う。

 要するに、ブラジルがF組1位をキープするためには、日本戦を「引き分け」するだけで十分であり、仮に「負けた」としても大敗しない限り1位の座は確実なのである。

 こういうことから、ブラジルは日本戦ではチームの「調整」をしてくるはずである。
 言い換えれば、現状にほとんど影響のない日本戦は、主力組の「力」を温存したかたちの「控え組」で構成されたチームで挑んでくる可能性もあるということである。

 以上のことから、日本は逆に勝利の可能性もあるということになるし、昨年のコンフェデでも2−2で引き分けているブラジルであるから、ややもすると勝てるのではと考えられるのである。

 以上のことから、日本代表の勝利の可能性は十分に考えられることであるが、現実はそんなに甘くないと思う。良くて、せいぜい引き分けだと思う。

★★★★★

 対クロアチア戦では、GK川口がPKをはじめ、世界レベルのシュートを好セーブしたことにつきるが、サッカーは点を入れないことには勝てない。
 
それにGKが目立つような試合は、はっきり言って心臓に悪い。

また、柳澤が消極的だとか、俊輔がボールを持ちすぎてパスが出せない状況を自ら演出している・・・など、いろんなことが言われるだろうが、僕は日本はラッキーな部分が多かったと思っている。

対ブラジル戦での一番の心配ごとは、キャプテンであるDFの要「ツネさま」こと宮本が累積警告で出場できないということである。

DFの要は、中澤一人となるので、残るは坪井と組むしかないだろう。
 
ということは、4バックか3バックかという決断にジーコは立たされるわけで、どういったシステムで挑むのだろうか見ものである。

また、後半出場した稲本が存在感を示したこともあって、対ブラジル戦では先発すると思う。

僕が監督だったら、次の布陣で挑みたい。

GK 川口
DF 中澤、坪井、加地、三都主
MF 稲本、遠藤、ヒデ、小笠原
FW 高原、玉田

 勝つためには、ここは4バックしかないだろう。

 そして、確実性のない華麗なテクニックの披露はいらない。
 
どんなに泥臭くてもいいから、どんなかたちでもいいから点を取りに言ってほしい。

対ブラジル戦は、これからの4年間の日本サッカー界の運命がかかっていることを肝に銘じて、完全燃焼してほしい。

がんばれ! サムライブルーの戦士たち!