1年でJ2へ降格するだろうと予想はしていたものの、まさかこんなに負け数が多い結果になるなんて、実際は思ってもいなかった。
昨年のちょうどいまごろ、5年ぶりのJ1復帰を決めたときは、その感激のあまりテレビの前にくぎ付けとなったものだ。
J1とJ2との違いは歴然である。
だから、優勝戦線に食い込むことはおそらく無理だろうと思っていたし、うまくいけばギリギリで残留できるかもしれない程度の考えでしかなかった。
昨年、コンサと同時にJ1へ昇格した「東京ベルディ」「京都サンガ」は、それぞれ「日本テレビ」「任天堂」などの大スポンサーがバックアップしているので、大型補強で挑むことができたが、カネのないコンサはJ1他チームでの戦力外選手をスカウトして挑んだかたちとなった。
結果としては、コンサは予想どおりで、ヴェルディは元コンサの大型FWフッキが想定外の電撃的海外移籍から一気に下位争いとなり、挙句の果てに18チーム中17位と自動降格圏に落ちてしまった。
もう一方のサンガは、これも元鹿島アントラーズのFW柳澤を獲得したりして大型補強をした結果、どうにか残留することができた。
コンサは、もともと累積赤字が多すぎたため、J1へ昇格する際にも協会から経営改善等の勧告を受けていたほどだから、スカウトにカネをかけることができないという台所事情があった。
だから、J1で使える年棒の安い戦力外選手を雇用して補強するしか方法がなかった。
シーズン終了後に辞任した三浦監督は、そういう理由からこの戦力で良く戦ったとほめてやりたいが、実際は「なんで?」の采配や選手起用ばかりが目立って、シーズン当初からのサポーターの不信はかなりの数に上っていたことだろう。
それと、実際にケガ人が多すぎた。
これは監督の想定外のことだったろうが、これも予測して挑むことも必要であろうと思う。
統計的に考えれば、得点の割に失点が多すぎた。
ということは、守備に問題があったと考えがちだが、4バックの両ウィングが攻めたときのケアがなされていなかったことも失点の理由だろうと思う。
要するに、「ザル」のディフェンスということになるのだが、それにしてもあまりにも点を取られすぎたのではないだろうか。
今どうのこうのと話したところで現状に変化が生じるわけではないが、J1チームの速い攻めにディフェンスがついていけないといった場面を何度も見せつけられた。
それと、体力の差だろう。
後半20分からの正念場で、選手の動きがほとんど止まってしまう光景に、「負けグセ」が付随していったのだろう。
3月にJリーグが始まり、5月くらいにジェフ千葉と入れ替わって最下位に居座ってから一度も上昇することなく、最後まで「定位置」に居座り続けた。
正直、応援する気力もなくなり、スカパーのJリーグ契約も打ち切り、ホームページでのコーナーも閉鎖した。
無策にほぼ近いような監督采配と危機感のないフロント体質に、嫌気をさすかたちにもなった。
J2降格が確定した段階で、さっさとダルちゃん擁する北海道日本ハムファイターズへ鞍替えしたファンもいたと思う。
すべての責任を、監督やフロントに押しつけるつもりもなく、特定の選手に対して「戦犯」を名指しすることも避けたいと思っているが、では、そんな「お人よし」なファンがいったいどこにいるのだろうかと。
辞任した三浦監督談として、「2009年の戦力は、J1昇格争いを演じた2007年のときよりも数段上だ。」との紹介記事が掲載されていたが、たしかに2008年にJ1を経験した若手の台頭が目につくものの、絶対本命視はできないだろう。
要は、スポーツの特にサッカーは「点を取ってなんぼ」の世界だから、点を確実に取れるストライカーがいなければならない。
J2で圧倒的な力を見せつけた「サンフレッチェ広島」には、日本代表の佐藤寿人がいるように、我がコンサにもストライカーがいなければならない。
2年間、そのストライカーを務めたダヴィも三億円で名古屋へ「売却」したので、来季は未知数であるブラジル選手「キリノ」に頼らざるを得ない状況なので、これがコケるとかなり面倒なことになる。
幸い、MFのクライトンが残留したので、試合の組み立ては大丈夫だろうと思う。
だからこそ、ストライカーがほしい。
U−20日本代表のFW宮澤が飛躍すれば別だが、あてにできるほどの「力量」があるかどうか。
ディフェンスも箕輪が完全移籍してくれたので、ラインを統率してくれるだろう。
中盤も上里が安定してきたので、なんとなくやれそうな感じだが、もうひとつの問題はGKだろう。
佐藤優也は、今季の後半にかなりの経験を積ませたものの、信頼感がいまひとつ。
もう1つのコマが必要だ。
監督は、柏レイソルを勇退する石崎さんが有力視されているので、おそらく引き受けてくれるだろう。
赤と黒のストライブが、2年後に再びJ1へ復帰することを信じて、来年はスカパーのJリーグ契約を復活し、そして開幕からホームページの「がんばれ!コンサ」も復活掲載することとしている。
来年が正念場であることは言うまでもない。
道産子の活力の源であるために、ガンバレ! コンサドーレ札幌!