先週の土曜の夜のこと。
パソコンを終えて、ベッドに入ろうとしたら、急に「ブルッ」とした。
そして、ガクガクと震えが襲ってきた。
カゼかなと思い、買い置きの市販薬を急いで飲んだ。
ベッドに入って、明日にでも病院へ行こうと考えたら、明日は日曜日。
まして、月曜日は「旗日」。
とりあえず、市販薬でごまかして、いよいよなったら「当番医」へ走るかと考え、そして寝た。
翌朝、ノドが痛くなった。
やっぱりカゼかと思ったが、そういえば火曜日は札幌の日帰り出張だったことに気づいた。
とにかく2日間は、バイパス交換のため入院している女房の見舞い以外は外出しないで、じっとしていることにしよう、と決めた。
だが、そんな「決めごと」をあっさり打ち破ってしまうような穏やかなお天気だったので、次の瞬間、カメラ片手のぶらり散歩に出かけようとする僕の姿があった。
まさかそれがカゼをこじらす原因になろうとは、そのときは全然思わなかった。
「旗日」の月曜日は、とうとう鼻水をすするようになってきたので、家のなかでもマスクをした。
札幌出張の朝、熱はなかったので、午前9時30分発のJRに乗車し、札幌へ向かった。
車中の片道3時間30分は、キヨスクで購入したレモンたっぷりの飲料水を飲みながら、ひたすら熟睡した。
札幌での仕事を終えて函館へ戻ったのは、午後10時少し前。
往復の車中では、「ゴホゴホ」「ゲホゲホ」のカゼ気味の客が多く、マスクをしていて正解だったと思った。
ちなみに女房は、知人へ付添いを依頼して、午後に勝手に退院していた。
『わたしに、カゼうつさないでね。』
翌水曜日は、朝から調子が良かったので、カゼも峠を越したのかなと思ったりしたが、午後から少し身体が熱くなったりしたので、「一進一退」の状況となった。
その日の午後から大事な会議があったので、早退して主治医のもとへ行くわけにもいかず、市販薬を飲み続けることにした。
「ありゃあ〜、木曜日はインフルエンザの予防接種だった。」
翌木曜日は、午後からインフルエンザ予防接種を予約していたことを思い出した。
カゼ気味の人間が予防接種をするというのもおかしな話だ。
『熱があったり、カゼを引いている人は予防接種はできないと言ってましたよ。』
インフルエンザの予防接種を延期して主治医の病院で、カゼの治療をするかどうかの判断となったものの、とりあえず、インフルエンザの予防接種を済ませておこうと思った。
木曜日の朝に、体温を測ってみた。
36度8分・・・。
ビミョー。
午後から休みを取り、指定された市立函館病院へ向かう。
たった1本の注射なのに、やれ診察申込書を書くだの、診察券を発行するだの、初診受付と内科受付とで同じ書類を2度も書かされるというバカバカしさに腹を立てながらも、「呼吸器科」前のソファで医師から呼ばれるのをひたすら待った。
ひたすら1時間も待った。
やっと、これで完了かと思って、右腕をまくりながら入室すると、若そうな医師が
『あっ、腕まくりはまだいいですよ。』
と、問診を始めた。
『ちょっとカゼ気味で、熱が6度8分あるんですが・・・』
『7度5分以上だと予防接種はできませんが、その熱だと大丈夫です。』
『ちょっと、ノドが痛いのですが・・・』
『問題ないですね。』
ひたすら1時間待った後の、およそ1分間のやりとりがこうだった。
『それじゃ、問診は終わりますので、外で待っていてください。』
『・・・ここで、注射をしないのですか。』
『処置室で行います。』
言われたままに退室して、またソファでひたすら待つ。
待つことおよそ10分。
10メートル右手で、看護師が僕の名前を言っていた。
『インフルエンザの予防接種を行いますので、あちらにある処置室へ行ってください。』
と、書類の入ったクリアケースを渡された。
で、言われた先の処置室に入った。
看護師のバカ笑いと会話が聞こえる。
話に夢中になっていて、僕が入室したのも気づかないようだ。
まったく緊張感のない処置室。
『すみません。インフルエンザの予防接種をお願いしたいのですが。』
このセリフを僕が言うまで、気づかないフリをしていた。
市立函館病院は、利用する市民の間では、看護師の態度が問題となっているような会話がクローズアップされていると耳にしたが、これじゃあ・・・。
その後、帰宅して寝た。
★★★★★
金曜日も仕事が忙しく、夜は夜で飲み会が催されたため、かえって症状が悪化していった。
先週の土曜日の夜にカゼかなと思ってから、1週間後の土曜日に、ようやく主治医の病院へたどりついた。
馴染みの看護師からケツに2本注射され、ナデナデもしてもらった。
飲み薬を5日分もらった。
『今年のカゼはしつこいからね。完治するまで1週間はかかるかも。』
主治医のその言葉はほんとうだった。
完治したのは、2週目の木曜日、そう今日だった。