五稜郭公園のつつじ
花に酔う
春の花、チューリップが大好きだ。
チューリップは、北海道では早いところで4月下旬ころから咲き始める。チューリップに限らず、こぶし、たんぽぽ、そして梅も桜も一斉に開花する。
春が一度にやってきたようなそんな感じがする時期だ。
5月生まれの一人娘が小学校に入学するまでのあいだ、チューリップが咲く花壇のそばで必ず記念撮影した。
ヨチヨチ歩きの1歳の春は、チューリップの花びらのほうが大きかった。
2歳になってからは自分でポーズすることを覚え、花びらにほほを寄せたり、指差したりした。
その娘も、今年で20歳になる。
でも、そんな記憶も今の彼女にはほとんど残っていないだろう。
函館に住んでいたころは、五稜郭公園内をデジカメ片手によく散策した。
公園内には、いつも色とりどりの季節の花が咲いていた。
春になると、まずクロッカスが咲いた。そしてたんぽぽ。メインは公園を埋め尽くす「桜」だが、それとは別に、5月中旬から咲きだす正門の藤棚をいつも楽しみにしていた。
そして、圧巻なのは藤と同じ時期に咲き出して、土手を埋め尽くすつつじの壁。このつつじの壁に圧倒され、我を忘れてしばしその光景に浸っているとき、まさにそれが「花に酔う」という状態にあるのだろう。