年甲斐もなく、宮アあおいの笑顔が好きなんだなあ。
それも、あの映画「NANA」でステージを見つめる表情がなんとも言えなくて、そのシーンを観るたび、おじさんは胸がしめつけられるんだよねえ。キューン。
売れっ子女優の上位にランクされる彼女を最初に観たのは、2001年製作の函館を舞台にした映画「パコダテ人」で、主演の彼女は当時15歳だった。
西部地区に現存する1927年(昭和2年)に建築された「大正湯」というレトロな銭湯が舞台となり、ある日突然、高校生の彼女のお尻にしっぽが生えてくるというとんでもない設定で、そのしっぽ人間を「パコダテ人」と呼ぶようになりもてはやされるのだが、彼女らの正体は実はキタキツネで、寄生虫が感染してしまうというデマが流されてからドタバタとなっていく非常にバカバカしい映画だったけど、ほのぼのさというものを感じた。
それ以来、彼女は「お気に入りリスト」のひとりに加わった。
昨年大ヒットした映画「NANA」はピッタシの役柄だったものの、今年のNHK「朝の連続ドラマ」はちらっと観たが、正直言ってマイナスだったと思う。イメージチェンジを図ったようだが、結果として残念でならない。このコには暗い表情は似合わないんだよね。
で、今年は続編の「NANA2」が年末に封切りされたが、彼女は事情があって降板したと聞いてガクッとなった。はまり役だったし、中島美嘉との絶妙な雰囲気が良かったのにねえ。おじさんはさびしいよ。ショボッ。
彼女には悪いが、どちらかというと「愛嬌のある顔」なので、20代を迎え、これから先を考えてのイメチェンで、どういう路線を歩んでいくのか、彼女自身かなりナーバスになっているのかなと心配しているけど、おじさんとしてはこのままでいってほしいなと願っている。
若い女優さんでは、この宮アあおいと「セカチュー」「涙そうそう」の長澤まさみ、そして「スイング・ガールズ」の上野樹里が伸びていくのではないかなあと、おじさんは読んでいるんだけどね。
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函館を舞台にした映画やテレビドラマは数多くあり、その中でも特に、森田芳光が監督した映画、女優では竹内結子が主演した映画やテレビドラマなどが話題となった。
だが、これらの映画やドラマでは、全国の旅番組や旅行雑誌でおなじみの「五稜郭」や「トラピスチヌ」などの観光名所を舞台にしたわけでなく、『へえ、こんなところもあったんだあ。』といった地元っ子しかわからないマイナーな名所がけっこう使われていたのには驚いた。
なかでも、フジテレビ系列で放送された竹内結子主演の「ランチの女王」は圧巻だった。
地元っ子でも『どこにあるの、この公園。』と唸らせた「船見公園」がそれである。
函館山のふもとには、いくつもの坂があって、それぞれに名前が付けられている(エッセイ「坂道のある風景」を参考にしてください。)。
その坂のなかでも一番長い「幸(さいわい)坂」を登っていくと、ほぼてっぺんの左側にその船見公園が見えてくる。
「幸坂」には、名所「旧ロシア領事館」があり、頂上には「山上(やまがみ)大神宮」がかまえていて、幅が広くてなだらかな勾配が急に細くきびしくなっていくので、クルマでめざすと登りは容易である反面、下りはどこでUターンしたらいいのかあせってしまうので、前述の旧ロシア領事館あたりに路上駐車して、坂の残りを歩くのが無難である。
この公園敷地には、もともと「常盤小学校」があったので、その記念碑が建立されており、そこからの港の眺めは「すばらしい」というひと言につきる。
地元の人たちは「常盤公園」とも呼んでいる。
「ランチの女王」は、2002年7月から9月まで「月9」で放送されたテレビドラマで、竹内結子と江口洋介とが話をするシーンに「函館再度公園」という名称で使われている。
テレビの影響というのはすごいようで、今では「隠れた名所」として人気スポットとなっている。
また、竹内結子が主演した映画「星に願いを」は、僕の娘が6年間通った「遺愛女子中学・高校」が病院のセットとして使われた。
高校生の教室の廊下が病院の通路に様変わりしたのには驚いたし、学生食堂が病院の食堂となり、はたまた重要文化財である「旧宣教師館」が病院の療養施設として使われたのにも驚いた。
誰がロケ地として選んだのかわからないが、現役の学校施設を病院に変身させたのには、正直、「おそれいりやした。」。
それから、函館を舞台とした映画のなかでは、ジュリーこと沢田研二が暗殺者役として主演した1984年製作の丸山健二原作の「ときめきに死す」が好きだが、この映画は森田芳光がメガホンをとっていて、彼はその5年後の1989年には吉本ばなな原作の「キッチン」という映画も手がけた。
「キッチン」は、モデルの川原亜矢子が主演しているが、どちらかというとこれは市内を走る路面電車とその線路付近の風景がうまく表現されていて、函館びいきの森田芳光ならではの仕上がりとなっている。
森田監督は、2004年にも伊東美咲主演の「海猫」を手がけており、この映画は市町村合併で函館市となった「南茅部(みなみかやべ)町」を舞台にしていて、それならいっそ、函館の親善大使として活躍してもらったほうがいいかなあと思ったりしている。ちなみに、彼は神奈川県茅ヶ崎市の出身である。
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GLAYゆかりの喫茶店としてあまりにも有名な「カフェ・ペルラ」。
函館を離れてから1年半が経過したけど、まだあるのかなあ。
場所は、西部地区のロープウエイ駅の道路を挟んだ駐車場の隣りにある「FMいるか」が入居する建物の2階。
入室すると、前方がガラス張りとなっていて、函館の街並みを見下ろすことができるし、2階と3階とが吹き抜けになっているので、3階の「FMいるか」のスタジオの窓からもその同じ風景を眺めることができる。もちろん、BGMとしてFMいるかの番組が流されている。
そのバルコニーのような一番前の真ん中のテーブルで、TAKUROは曲を作っていたと言われている。ビッグになっても、来函時にはときどき訪れているそうである。
テーブルには椅子が4つセットされていて、彼が座るのはもちろん見下ろすことができる椅子、だそうだ。
たしか、午前10時の開店だと思うが、このテーブルはいつも真っ先に埋まるそうだ。ファンでない僕ですら知っているのだから、熱狂的なファンの「巡礼」にインプットされていて、「巡礼者」は開店と同時にかけこむのだろう。
僕の知人の娘さんが大のGLAYファンだというので、「GLAYゆかりツアー」を組んだし、仕事上のつきあいで函館へ来られたこれもGLAYファンの方にも同様にこのツアーで観光案内をさせていただいた。
@ 元町公園付近のソフトクリーム店・・・GLAYお薦め
A 元町の「カフェ・ペルラ」・・・TAKUROの曲作り喫茶店
B 駅前のライブハウス「あうん堂」・・・GLAY誕生のライブハウス
これらに加えて、西部地区にある「北島三郎記念館」に併設する彼らのコーナーもあるが、これはご自由にどうぞといった具合だった。
幸いなことに、案内するときはいつも「カフェ・ペルラ」のそのテーブルは空いている。つまり、ウエイトレスさんが言う狙い目は午前11時前後だそうで、それにあわせてやってくれば、まさにグッドタイミングなのである。
で、記念写真を撮影して、眼下に広がる函館の街並みを眺めながらコーヒーを口にして、TAKUROの心境に浸るのが「巡礼者」の「義務」なのであろう。
安堵の表情で席から立ち上がる「巡礼者」のわずか10秒後に、次の巡礼者たちがそのテーブルに駆け込みセーフ。
こんな光景、いつまで続くのだろうと思ったが、リピーターの多さが観光地としての人気度を占うバロメーターになっているのだということを考えれば、いっそ、予約時間制にしたらとおもわず苦笑した。
あれから3年たったが、その椅子は、まだ「現役」なのだろうか。