損害保険会社と(社)交通事故紛争処理センターとの関係
(社)交通事故紛争処理センターのホームページの『はじめに』に掲載されている様に、(社)交通事故紛争処理センター扱いの紛争を考えた場合、昭和53年3月から25年の間に104000件(4160件/年)の相談を受け、延べ30万回(12000回/年)の相談を行ったとしています。更に、この様な相談窓口としては、都道府県に設置された交通事故相談所、(社)日本損害保険協会が設置している自動車保険請求相談センター、日本弁護士連合会(日弁連)が設置している(財)日弁連交通事故相談センター等が有りますが、それぞれかなりの件数の相談を受けているようです。交通事故被害者及び加害者双方が有る程度納得できれば、紛争処理の相談を持ち込まれることは無い筈です。 日本損害保険協会加盟会社は平成15年4月10日現在24社を数えておりますが、上記センターだけの取扱件数を平均した場合のみでも、1社当たり約173件(500回)に上ります。 これは見方によっては、無保険者による交通事故等を除いた場合、損害保険会社にもよるでしょうが、損害保険各社平均で、これに近い件数の紛争を引き起こしていることになり、国民或いは社会的立場から考えたると、損害保険会社は『悪』そのもののようにも写ります。しかし、国民或いは社会は、その様な片務的な考え方はしないでしょう。 医師に関しても同様です。一部の不正を働く医師の存在は誰も否定しないでしょうし、誤診の全く無い医師も居ないでしょう。(誤診をできるだけ少なくなる様に、医師・柔道整復師を問わず、全ての医療関係者は懸命に臨床にたずさわっている筈です。) 偏向した見方をすれば、全てのものにケチを付けられますが、それが物事の本質のようには思えません。『攻撃は最大の防御』という言葉があります。損害保険会社代理人弁護士は、まさにその点に着目されたのでしょうが、柔道整復師法の元での柔道整復師の実体(あまりにも寒々しい実体)も考慮し、様々な報道が偏向されたものでないのかについても充分検討された上で、評議いただきたいものです。 蛇足になりますが、上記のような件は弁護士の世界にも同様な事がいえます。一部の不正を働く弁護士を基準にして弁護士は全て悪人であるとは言わない筈です。(もっとも、法を護る者が法を侵すのは、一般人が法を侵すことより、更に悪質とは言えますが。) |