『鞭打ち損傷』とオウム真理教

『鞭打ち損傷』とオウム真理教

   読売新聞の記事(H07.05.18、H07.05.22、H16.01.30、H16.01.31)ですが、オウム真理教の土谷正実化学班キャップ(39)は、交通事故による『鞭打ち損傷』に苦しみ、ヨガでの回復を求めて問題の教団に入信した等の記事が掲載されていました。その過去の経歴は素晴らしいものでしたが、不幸にも交通事故による『鞭打ち損傷』の治療が充分でなかったことから、重大な犯罪(地下鉄サリン事件では12人の死者と、その他に多数の被害者を出した。)の幹部になってしまったようです。又、このオウム真理教の事件では元信者で現在服役中の林郁夫、りら夫妻も共に医師ですが、やはり交通事故に関係しております。この様に医師でさえ治療方法の選択に悩み、苦しむ『鞭打ち損傷』は、その複雑性等から単純に加療方法をきめられる筈がないものです。
   次の条件の内1つでも満たされていれば、オウム真理教の土谷正実化学班キャップらによる地下鉄サリン事件等は起こらなかった様にも思えます。
1.  当人が、交通事故で受傷しなかった場合。
2.  当初の担当医師或いは転院先の担当医師による適切な診断加療が行われた場合。
3.  損害保険会社と、損害保険会社の人身事故担当者の適切なアドバイスがあった場合。
4.  医師による治療以外にも、(オウム真理教の様な集団以外での)適切な加療方法がある事を知らされていた場合。
5.  過去の司法判断で、明確な正しい方向性(非常識で無知な裁判官と、依頼人の都合によって主張が二転三転する弁護士による弁護により、作り出された判例でなく)が示されていた場合。
  自分自身が交通事故に絶対遭遇しないとは言い切れない社会情勢下で、仮にこの様な状態に自分自身が置かれた場合、果たしてどうなるのか(被害者の立場としても、加害者の立場としても)不安に思えます。平成16年2月27日に首謀者とされている麻原彰晃こと松本智津夫の第一審の判断が下されました。首謀者を含め事件発生の責任に関して全く弁護するつもりは有りませんが、責任を当人のみ押しつけることもできない様にも感じられます。歯車が何処でずれてしまったのかを考える必要が有る様に思えます。
1.   交通事故の防止阻止は、旧運輸省と各都道府県の警察の役目であり。
2.  医師の技術力の向上は、旧厚生省の役目であり。
3.  損害保険会社の指導は、旧大蔵省の役目であり。(行政指導など『お構いなし。』の損害保険会社、自社だけ『なりふり構わない』損害保険会社もありますが。)
4.  治療方法の研究の推進は、旧厚生省の役目であり。(研究している『ふり』をしている場合も有りますが。)
5.  司法(非常識で無知な裁判官を排除せず、不良弁護士の展開する主張によって一貫性が無く、判例自体がボロボロであるのに注目しない。)に関しては、旧法務省と、国会(国会議員…弾劾裁判所は衆参両院議員各7人の裁判員で構成。)の役目です。
  この様に見ますと、お役人の怠慢と、それに関心を持たない国民自らが、不幸を招来している様に思えてなりません。筑波大学大学院化学研究科にも、他の国立大学同様多額の税金がつぎ込まれており、善用すれば、国民の為になる人材を単なる犯罪者にしてしまったことは、当人を取り巻く周囲の関係者にも大きな責任がある様に思えます。

2004.01.11