「鞭打ち損傷」の治癒率について

「鞭打ち損傷」の治癒率について

  全治率が高いとされておりますが、その信頼性には多くの疑問があります。『鞭打ち損傷』の年表からも明らかですが、次の様な起点(『鞭打ち損傷』の取り扱われ方)から考えた場合、本当にその様に言いきれるものか疑問です。

2003-1928=75年…  初めて『鞭打ち損傷』の存在が問題にされてからの年数
2003-1958=45年…  初めて日本に『鞭打ち損傷』の存在が知らされてからの年数
2003-1967=36年…  ようやく日本でも『鞭打ち損傷』が問題視されてきた頃からの年数
2003-1978=25年…  まだ、『鞭打ち損傷』に関して、損害保険会社がほとんど対応していなかった時代からの年数

  当初からの年数を考えた場合、この程度の経過観察で、平均寿命が、80余歳前後になった今日、はたして充分と言えるでしょうか。(当院には、20〜30年以前に交通事故で受傷した患者さんが来院することがあります。…この当時の損害保険会社の対応は、『被害者意識』『詐病』等の扱いを受けたと聞き及んでおります。ところが、その実体は、発生機序も充分判らない為、ほとんど触診もせず、いわゆる保存療法のみで、疼痛の除去のみに終始した結果だった様に思われる節があります。(触診で明らかな過去の椎骨の偏位の触知も可能です。…偏位の残存したままの椎骨の放置状態。)
 決して全てがその様な状態のものとは申しません。「心因性神経症状」「加齢による退行性変性との合併」のものも有ると思います。しかし、全ての交通事故傷に対してその様な要件が付随しているとは考えられません。  
















2004.01.11