肩関節周囲炎(40肩、50肩、とし腕)と、北島康介(日本水泳界の期待の星)氏の肩

肩関節周囲炎(40肩、50肩、とし腕)と、北島康介(日本水泳界の期待の星)氏の肩

  肩関節周囲炎は、40代50代にならなければ、発生するものではありません、稀にではありますが20代にも発生します。又、世間では、『なかなかなおらない。』とか、『なおる迄に2〜3年はかかる。』とか様々な言い方をされております。当院でも、多数の方々を診てまいりましたが、やはり、早期発見早期加療が回復の最短コースのように思えます。
  肩関節部の動きを考えますと、一般的に言われている事は、「肩甲骨の動き(40%)」+「肩関節の動き(60%)」 =「肩関節部の動き(100%)」なのだそうです。実際、肩関節周囲炎と思われる方々の多くに、胸部及び背部に圧痛が有ります。これは前記の「肩甲骨の動き(40%)」部分の動作不良により、胸部及び背部の筋の過労状態から発生するようです。当然回復させるには、「肩甲骨の動き(40%)」を回復させる必要があります。又、「肩甲骨の動き(40%)」部分の動作不良を放置していた場合、残りの 「肩関節の動き(60%)」により過大な動きが要求される結果、本来60%だけの守備範囲である肩関節により大きな負担を負わせる事になり、やがては、肩関節の故障にもつながってまいります。
   平成15年12月25日のTBSの スパスパ人間学! 「若い顔&老けない体を手に入れよう!見た目年齢・徹底若返りスペシャル」に出演していた水泳の北島康介氏の肩甲骨の動きから、肩関節周囲炎(40肩、50肩、とし腕)の発生と、同氏の水泳での速さの元を発見した様に思いました。(あくまでも上肢と肩部に関してですが。)下図の赤色の部分を中心にして上肢が動くと仮定し、加わる力が一定であるとするとトルクは14%アップすることになります。下図の様に一般人の肩の動きと、同氏の肩部の動きを比較しますと、その違いがはっきり判ります。
  参考までに、過去に 肩関節周囲炎(40肩、50肩、とし腕)を患ったが、『何の治療も受けずに動作可能になって、現在は快調です。』と言う方々を診てみますと、可成りの方々に、「肩甲骨の動き(40%)」部分の動作不良が診られます。(ご本人が、『快調です。』と言われておりますので、当方としましてはその言葉に逆らうことは致しませんが、「肩関節の動き(60%)」により過大な動きが、要求されている関係で、やがて肩関節に障害を起こす可能性は大です。)
  肩関節部の動きを正常に保つ為には、 
     1. 入浴後の両上肢の、ゆっくりできるだけ大きな回旋動作。
     2. 腕立て伏せ(無理な場合は、荷重軽減の為に、壁等に向かっての腕立て伏せ…いずれも        肘関節は全屈曲)が有効な様です。肩関節周囲炎(40肩、50肩、とし腕)にならない様に努力         し、なってしまった場合には早期加療をお薦めします。



2004.01.11



































2004.01.11