「お助けキャラ」

 昔、いろいろなゲームをプレイしていた頃、

 物語が進むにつれ色々な「お助けキャラ」が出現してきた。

 錬金術師やお笑い芸人のほか何故か最初から改心しているモンスター、

 果てには収納箪笥までいたものである。


 このように自分自身に何かしらの利益を与えてくれる人のことを

 現実世界でも「お助けキャラ」と呼ぶことにする。

 すると、お金を貸してくれる友人はもちろんのこと、

 消しゴムを貸してくれた隣の見ず知らずの学生や

 目的地までの道順を教えてくれるコンビニ店員、

 果てには養ってもらっている親や勉強を教えてくれる教師陣など、

 すべて皆「お助けキャラ」という事になる。

 
 ここまで読んで、なんという自分を中心とした考え方だろうと思う人もいるだろう。

 しかし、実際 はそうでもない。


 世の中には当然、自分に不利益(というとやや語弊があるかも知れないが)

 を与えてくる人たちもたくさん存在する。一概にはそうと言えないかも知れないが、

 基本的には上で挙げた例の逆の立場であったり、

 明らかに犯罪の匂いを漂わせている人たちのことを言う。


 こうした人たちのことは「非お助けキャラ」と呼ぶことにする。


 当然、「お助けキャラ」が「非お助けキャラ」に成り代わる時もあるだろう。

 具体的に例を挙げるとするならば、

 お金を貸してくれた業者の人が貸してくれたその時は「お助けキャラ」だと思っていても、

 あとで、何百倍もの利子を上乗せして返済を要求してきた時点で

 「非お助けキャラ」へと変貌を遂げる。

 もっと言えば、今は養って貰っている親でも、

 老後はこっちが養ってあげないといけない時が来るかもしれない。

 その時は、親も「非お助けキャラ」となり、

 自分自らが「お助けキャラ」として生まれ変わるそのときである。


 このように「お助けキャラ」と「非お助けキャラ」が

 そのときどきで互いに成り代わっていった先に、信頼関係が生まれる場合もある。


 ただ、このことをいくら理解しているとは言え、

 自分の親に「お助けキャラ」と読んだら怒られるだろう。

 ましてや、「非お助けキャラ」などと呼んだ日には・・・。

もどりゃんせ。