「猫舌(再録)」
自分自身、昔から重度の猫舌である。
そして、以前から猫舌とそうでない人との不公平さについて、どうも腑に落ちない。
納得イカン!のである。
猫舌というと、明らかに何のメリットもない。
無理に挙げるとするならば、何やら可愛らしい印象を与えることぐらいか?猫だけに。
実際、そんなことはどうでも良い話なのではあるが。
それに引き換え、
猫舌でない人は熱いラーメンも、グラタンも、石焼ビビンバも…
長い時間置くことなくすぐさま手を付ける事が出来、割とクールな印象を受ける。
こちらはというと、しばらくは冷ますための時間を置かなくてはならない。
例えば、猫舌でない人と食事をした場合、もう、相手は完食しようかと云った頃合に、
ようやく、手を付ける事が出来るといったような具合なのである。
これとは、相手を待たせてしまうために罪悪感を覚える。
相手は「別に気にしなくていいからゆっくり食べていい」とは云ってくれるのではあるが、
心の内では「とっとっと喰え!」と思っているに違いない。
かくして、自分にとって丁度良い状態になったその食事を取り急ぎ摂取することとなり、
味わって食べる猶予がまるで与えられない。
自分自身、基本的に食事はゆっくり取りたいたちなので、
すぐさま食事を済ませてしまうことになるというのは、
何とも自分の性格とは正反対の道を行くこととなりこの上なき辛い心情ではある。
やや大げさだが。
ともあれ、食事くらいは自分のペースで気を遣わず、ゆっくりと食べたいものである。
ところで、
重度の猫舌であると同時に、慣れてさえくれば重度の(?)毒舌だったりもする。
猫舌なのに毒舌。
何やら、性格の裏表があるような感じがして、なかなか面白い組み合わせではある。