「前ペース」
マイペースという言葉がある。
辞書を引いて調べてみると「自分に適した速度で仕事などを進めること」と書かれてある。
ところが、自分に適した速度=遅いとは限らない。
はやく仕事を仕上げる人はそれがその人に合ったペースなのだ。
ゆえに、そのはやさがマイペースとなり、次のような事例が考えられる。
「お前仕事片付けるのはやいなぁ。俺なんてやっと今日ここまで仕上がったトコだよ。」
「まぁ、マイペースでやってるだけなんだどね。」
「いや、俺もマイペースなんだけど。」
そう、マイペースとはその人個人個人によって違ってくるものなのだ。
従って、従来までの「マイペースな性格」という言葉から勝手に“のんびり屋”などと
決め付けてしまうと、その人にとってのマイペースが“ものすげぇはえースピード”であるかも
知れないというコトなんである。
逆にマイペースがかなりの低速である場合、
それが自分自身の“はるか前方”にすすんでいて、つまりは
自分(=本体)が本来あるべきところの自分のペース(=なんやら重要だと思わしきもの)
に追い越され、置いてけぼりをくらってしまうとした事例もあるのではなかろうか。
遅すぎなんである。すなわち“前ペース”がこれにあたる。
追い越し禁止が解除され、自分自身のペースに置いてかれる若者が近年では多く存在する。
“前ペース”の人間には試験やレポートなど、
決して直前まで手をつけようとしないといったような症例がみられる。
また、待ち合わせの時間など、明らかに間に合わない時間に家を出たとしても、
その直前までは「絶対に間に合う」もしくは「まぁ、これぐらい遅れてもなんとかなるだろう」
終いには、鼻から間に合わせる気がなかったかのように悠然と家を出る習性が確認されている。
このように、本来あるべきところのペースからあまりにもかけ離れてしまうと、
それはもはや「マイペース」とは云えない。
では、どういったものがその判断基準になるのだろうか?
とりあえず以下に思い当たるトコロを列挙しておこう。
・テスト勉強は日付が変わったあとの当日から
・レポートの提出期日はもちろん、受付の時間(時分)もギリギリ
・食事の最中、すでに他の人の分の食器洗いが終了してる
・心の中では焦りを感じつつも、まったく行動が伴ってない
・運転免許取得のための教習所通いは約半年
・なんとなく目薬は仰向けにならないと点せない
などなど、どれかひとつでも思い当たる節があれば要注意といえるだろう。
いうまでもなく、もちろん、自分は全部あてはまるんだけどね。
マイペースというより、ただ単にだらしなさすぎだけのような気がする。