「白隠道」(はくいん・みち)の夢   松下 宗柏


沼津市内でも、旧原町は戦災をまぬがれた貴重な地域である。
すでに宿場町の面影はないが、東海道に沿って神社や寺院が並び、歴史的景観を保っている。
そして、ここは浮島沼、愛鷹山、富士山と天女が舞い上がって行く、早春の謡曲「羽衣」の舞台でもある。

江戸時代のこと、長興寺は松蔭寺の白隠禅師のもとに全国から集まった修行者の宿坊として使われた。
二つのお寺の間に畑をぬって「白隠道」と呼ばれる道が今も残っている。
ある日、その道を歩きながら夢を見た。

帯笑園(植松本家の庭園)、誕生地、西念寺、松蔭寺、長興寺、清梵寺と
ゆかりの場所を結ぶオアシス「白隠の里」・・・安らぎの広場、展示と休息の記念館、
東海道に並行した散歩道、白隠の迫力に触れ生命(いのち)の力を蘇生し心を養う空間に・・・と夢は広がる。

原の歴史的遺産を生かした町並み創り、この夢を人々と分かちあい、
「May dream come true」と祈念する初春である。


(沼津朝日新聞、平成16年1月1日掲載)




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