先週の古書連の大市でのシンポジウム「滅亡か復権か」の感想を書いてみたいと思います。シンポジウムは古本屋の生き残るヒントをゲストからもらいたいという趣旨で開催されたもの。最初の講師は国立国会図書館長の長尾氏です。

長尾氏は現在、国会図書館で本の電子化を進めているわけですが、本の電子化により近い将来、人はまず電子本を読んで興味あるものを絞り込んだあとで、紙の本を買うようになる。だからデジタル化が進んでも紙の本を扱う古本屋の存在が必要とのことでした。

しかし、なぜ電子化が進むかといえば、電子本の制作コストが一番経済効率がよいからであり、効率が良いデジタル本は、効率の悪い紙の本をあっという間に淘汰すると思われます。そのときに、紙の本は大量出版ができなくなり高価になるはず。それでも本が好きな人は、紙の本を買うとは思いますが、簡単には買えない贅沢品になる予感がします。