正月休みを利用しての関西古本屋めぐりの最終回は神戸。神戸は中学・高校時代を過ごした街、愛着があります。今回は山の手に新しくできた古本屋「トンカ」からスタート。古本屋を始めるにはある程度の開業資金もいるはずだし開業後もたいへんのはずだが店主は若い女性、感心しました。本棚は女性らしい感性で作ってあって面白かったです。

しかし、古本屋が元町・三宮界隈には少ない。「トンカ」のあと、生田中学のとなりの一軒を覗けたのですが、高架下の古本屋などは皆シャッターがおりていました。それで次に海文堂に行くと幸い2Fの奥で古本市をしていたのですが、本らしい本はなく昔の写真とか古地図とか雑誌+均一本などで正直のところ少しがっくり。

それから海文堂の1Fに古本コーナーが出来ていました。古本ファン(とくに関西の)は安い本を掘り出すことに執着するディープな古本好きが多いので新刊本の売上にはつながらないような気がするのですが、新刊本屋の古本コーナーの目的は何だろうかと思いました。京都に「ガケ書房」というセレクションにこだわった良い新刊本屋さんがあって昨年行ったのですが、やはり古本を売っているコーナーがあって同じ印象を持ちました。外野が余計なことをいってもしょうがないですが、海文堂のすぐ先のセンター街にジュンク堂があって、結構競争が厳しいのではないかと心配にはなりました。

今日は、神戸の地震があって15年目。後藤書店が閉店してとくに感じるのですが、神戸の本屋+古本屋の状況はそうとう厳しい印象があります。(古)本屋を覗きながら街歩きをしようにも店の数が減ってきているのは、商売がそうとうしんどくなっているのではないか。昨今の100円本に代表されるデフレ圧力が地震などの被害とあいまって他の街よりも古本屋の淘汰が加速しているのではないか。杞憂だとよいのですが、「神戸の古本力」を信じたいです。

「神戸の古本力」といえば、最後に六甲で降りて、宇仁菅書店に行きました。ここは「古本力」健在で本棚には本を棚から抜くのも大変なくらい良本がギッシリ詰まっています。そして立錐の余地もないほど本が積んである。そういえばこの本屋は地震のときはどうだったのか、今度、行ったら聞いてみたい。

ということで正月あけの関西古本屋めぐりでした。これができるのも実家が関西にあってしかも両親が健在なため、感謝です。