今年を振り返るの3回目。夏ごろだったでしょうか、軽井沢ナショナルトラストで活躍されている松岡さんから「今は昔、追分に河村目呂二(メロジ)なる人物がいてその孫にあたる人が遺作品の展示会を企画したいと言っている」というメールが来ました。孫というのは内山夫妻で、「玉村豊男さんに相談したら、松岡さんを紹介」され、そして「追分コロニー」に辿り着いたという話です。我々は河村メロジという名前も知らず、「展示会ならばギャラリースペースがある喫茶「ごんざ」さんはどうですかと、またまた安易に紹介したのですが、その「ごんざ」さんが都合が悪く、では「追分コロニー」のブックカフェのスペースで良ければ展示会をしましょうということになりました。

ところが、河村メロジがあの三田平凡寺の蒐集家集団「我楽他宗」の一員だと知ってビックリ。我楽多宗は山口昌男氏の一連の「敗者学」本を読んで興味を持っていたのですが、その一人が追分人だったわけです。追分に新たな大物趣味人の発見です。

という経緯で「河村目呂二の猫日和」という展示会を10月末から11月初旬に開催したのですが、結構多くの方に来場していただきました。松岡さんによれば、このような地域の遺産は、イギリス流で言えばナショナルトラスト、フランス流で言えばエコミュゼアムということで地域が守っていく地域の資産であり、グローバル化というか均一化の流れに対抗して「町づくり」の資源としてとなる各地域の多様性の源泉ということになります。このエコミュゼアムについては、松岡さんが信州の情報誌「KURA」の1月号・2月号で取材記事を書いてくれました。

「町づくり」と言えば、今年を振り返る(2)では追分の話をしましたが、軽井沢町のもうひとつの「町づくり事業」が中軽井沢駅に新設される新図書館です。この新図書館を「貸本屋」ではなく、「地域の情報発信の活動拠点にしたい」みたいなことを軽井沢町の教育委員会にアピールしていたのですが、12月に「図書館運営協議会」の新委員に選んでもらいました。こうなってくると、この「エコミュゼアム」のコンセプトで新図書館の発信する情報を企画していけばよいのではないかと、自分の頭の中で一気に整理が進みました。

アート関連の展示会とか、美術館とかコンサートとか、高原文庫、など軽井沢はいろいろ面白い活動、そして面白いお店、おいしいレストランなどがたくさんあります。追分コロニーもイベントなどを積極的にしてきたわけですが、図書館がこれらの文化活動を紹介して推進する役割を担えば面白い。そう考えると、軽井沢だけでなく「浅間山麓」、東は高崎から西は長野・松本くらいの情報をテリトリーにしても良いのではないか。つまり「浅間山麓」の情報はまず軽井沢にくれば見つかるくらいの評判が出てくれば面白いのではないか、その先に、例えば神保町と協力して、「本の街」信州版と夢はふくらみます。

最後は話が大きくなりましたが、年末に至って、来年の方向性が自分なりにはっきり見えたような気がしました。ということで、ことしは「追分コロニー」いろいろな出会いがありました。いろいろな人にアドバイスをもらい、支援してもらった1年でした。

明日から実家の関西に帰省します。正月をゆっくり休んで、また年明けからボチボチいきたいと思います。来年もよろしくお願いいたします。尚、この日記は明日からお休みをいただいて1月10日過ぎくらいから再開したいと思います。今年1年ありがとうございました。皆様も良いお年をお迎えください。