春に家族で「卒業旅行」と称してイギリスに行きました。念願の湖水地方とコッツウォルズ地方を訪ねることができたわけですが、その町並みからはたいへんな刺激を受けたというか、「村の古本屋」として勉強ができました。イギリスはアメリカとともに日本の10年くらい先を行く資本主義国の先輩であり、安売りの大型古本屋やアマゾンのように古本を大規模で販売するサイトが栄える中で、町の古本屋がどのようにして生き抜いているかというのを見れた気がします。

一言で言えば、古本屋は、サッカークラブやテニスクラブ、あるいはバーやカフェのような仲間が集う場所として残っているということです。日本では珍しい会員制の古本屋もたくさんあります。おそらく日本でも同じようになっていくと思いますが、追分コロニーも古本屋を大事にしたいと考える古本屋サポーターみたいな人が集う場所になっていければというイメージがはっきりと持てました。

追分では「軽井沢町の再整備事業」が始まろうとしています。軽井沢町が広報などを通じて発表した計画案は、追分地区が過去に町に提案していた案をベースにした「歴史と自然景観」を保存していく内容に沿っています。そのようなハード面の整備が進むのと並行して、「追分コロニー」も古本屋として、たとえば文学散歩道を散歩した人たちが休んだり、本を読んだりする場所として、あるいは、イベントなどを通じて追分の歴史と自然を楽しむ場所として頑張っていきたいと思うのです。