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(「ブックカフェものがたり」の読者書評に申し込みました)

幻戯書房より12月刊行された『ブックカフェものがたり』に自前のホームページを持っているヒトが自由に書評(紹介記事)を書くという企画に参加しています。
「ブックカフェものがたり」のサイト: http://kawasusu.exblog.jp/


追分コロニーが開店を準備している古本屋もカフェを併設する予定です、この『ブックカフェものがたり』の発行は私たちの計画に大変参考になりそうです、自分で勉強になるところを中心に感想をコメントして行きたいと思っています。
12月9日、『ブックカフェものがたり』が届きました。これからじっくり読んでコメントを書きたいと思います、が、コメントは本の目次の順番どおりではありません。ご容赦を。

【最後に】
なんだかんだ言っても本とコーヒーは合うと思いますが、本屋が喫茶店をしないのは本屋の仕事が忙しいからだと思います、だから本屋の中の喫茶店は三省堂とか丸善のような大きい書店の中で、喫茶を専任で営業できないと現実的にはしんどいと思います。書店員しかいない小さい街の本屋がブックカフェを兼営するにはかなりの工夫が必要かと思う次第ですが、この本はそのへんの工夫のヒントを我々に教えてくれたと思いました。[感想文−完]
(H18年1月14日記)

【コメント#5-[古本結構人ミルクホール]】
「「潜めることのよさ」を表現した路地裏の8坪の店」、「営業時間が12時から17時」、「電話連絡は遠慮ください」...いいですネ。「うるさい日本の私」という本がありますが、静かな落ち着く場所が本当に少ないと思います。ドトールコーヒーは道の人通り(店前交通量というそうです)が一定の人数以上になると開店するらしいですが、ドトールと逆のビジネスモデルです。24時間営業の店が増えるなかで、5時間という営業時間の短さもいいですネ。どうやって営業を続けていくのか心配になるくらいですが、このような店のほうが意外に長続きできるのではないでしょうか。
(H18年1月7日記)

【コメント#4-[ブックカフェ開業講座]】
ブックカフェというのは本屋にカフェがついているのか、逆にカフェで本を読めるようにしているのか?その点について開業講座の石川さんは「ブックカフェは本屋が丁寧に本を売るための仕組み」と明快です。カフェが商品である本の座り読みの場になってしまっては、商売としても厳しいでしょうし、お客様も本を買うよりは、漫画喫茶かちょうちょぼっこのような貸本屋さんというような気持ちになり、本を売るという感じではなくなるのではないでしょうか。また、そのブックカフェの雰囲気についてですが、私のアパートの近くにも古本屋にカフェがあるのですが、カフェでひとが話しをしていると気になってなかなかリラックスして本を選べません、ブックカフェは、しずかな空間であって、買った本をすぐコーヒーでも飲みながら読む場所くらいだと私はいいと思うのです。
(H17年12月30日記)
12月31日に大阪に帰省したときに「Calo Bookshop and Cafe」に行きました。セレクトされた本でゆったりと作っている本棚、本を買ってちょっとコーヒーを飲む窓に向かっているカウンター席、ギャラリースペースの照明など、ひとつひとつに工夫が感じられ大変参考になりました。寒かったのでスープを注文したのですが、ベーコンと具沢山の野菜が美味でした。
(H18年1月4日追記)

【コメント#3-[ボヘミアンズ・ギルド]】
「1時間ほどいてもらって1冊買ってもらう」という発想の店がボヘミアンズ・ギルド、コーヒーはサービスだそうです。古書会館から御茶ノ水の駅に行く途中ですので私もお店に入ったことがあるのですが、ショーケースの雰囲気がいいですネ。京都の寺町通りにある古書店などと雰囲気が似ていて本好きの人がゆったりと時間を過ごすという古本屋は確かに少ないですので、東京では稀少な本屋という気がします。ただ、私などは、神保町や早稲田の古書店街に行くときは店から店に遊歩する古本ボヘミアンですので、一ヶ所でゆっくりするというよりは、何冊か購入した後、疲れて喫茶店に入るという感じですので、ボヘミアンズ・ギルドの棚も良く覗くのですが、本屋が多い神保町では「1時間ほどいて1冊買う」というにはならないのです。本屋が少ない郊外の町の古本屋のほうがこういう雰囲気で長居ができる店になる可能性が大きいのではないかと思うのです。
(H17年12月23日記)

【コメント#2-[貸本喫茶ちょうちょぼっこ]】
貸本というのが面白いと思います。「貸本世代ではありません」とのことですが、貸本といえば我々中高年にとっては漫画です、こずかいでは読みたい漫画を全部買えない、という問題を解消してくれるのが貸本です、いまでも、「ブ」で立ち読みをしている子供の気持ちよくわかります。大人になると、お金もあるし、なんといっても古本の値段が安い。貸本屋で借りて読むというよりは、たいていの本好きの大人は新刊本せよ、古本にせよ買ってしまうのではないかと思います。それに加えて、もうひとつの問題は図書館かと思います、図書館に行けばタダで本が借りられます。そうすると貸本のニーズはないのではと思うのですが、ちょうちょぼっこは資本屋をしている、そうすると貸本屋とは、図書館ではないような本を置いていて、立ち読みではなく、座ってお茶を飲みながら本が読める場所ということになります。「自分が欲しい本をおいている」ということですが、一度大阪に行って、本棚を見たいと思いました。
(H17年12月18日記)

【コメント#1-[おわりに]を読んで】

計画した出版社の倒産で頓挫した本が発行されました、「ブックカフェものがたり」の発行と同じタイミングで、執筆者の石川あき子さんの「書評のメルマガ」の寄稿文「いかなる紆余曲折を経て(「ブックカフェものがたり」が)世に出たのか?」を読みますと、「印刷されていない本に破産管財人は関与しない」ということで、債権者も価値無しと見捨てた本を、幻戯書房の河上進(南陀楼綾繁)さんが救ったといいます。まずは発行おめでとうございます。

さて、その石川あき子によりますとこの本はもともと、石川さんがのコメント「関西では本のマーケット自体が小さいので、小さな独立系本屋さんでも、本の売上げに頼らず店を維持する方法を模索している人が多い、ということ」だそうです。このことは、これから古本屋をはじめようとしている我々が考えていたことと同じです、本が好きな人は喫茶店に買った本を持って入ることが多いですよネ。

でも、寄稿文によりますと、「こんな儲からない商売をおススメする本を作るのはいかがなものか?とかなり(勝手に)紛糾したそうです、この本はそのようなたのしい苦労話の本かもしれません、じっくり読んでいきたいと思います。
(H17年12月13日記)