za beat コラム集
| 2001年7、8月号 | 映画を安く見る方法 日本の映画料金はとても高いとよく言われています。恋人とのデートで2人分の入場料を払い、パンフレットを買うだけで、かなりの散財ですよね。そこで出来るだけ”安く”映画を観る方法をいくつかお教え致しましょう。 1・前売券の利用 一番簡単な方法は、前売券を購入する事でしょう。映画料金は”一般1800円”ですが、前売券を使用すると200円〜500円引きの料金で観る事が出来ます(映画によって割引料金が違うので要注意)。また、観たい映画が上映中でも前売券は買える場合がありますので、プレイガイドや金券ショップ等をマメに周ってみるのも手です。 2・映画サービスデーを利用する 俗に言う“映画の日”は入場料金が1000円になります(ならない劇場もあり)。このサービスの実施日は地方によって異なっており、大阪だと第1水曜日(12月と1月は1日)、京都だと第1火曜日、奈良は月に2回あって毎月1日と第3水曜日、兵庫県も毎月1日です。また最近では毎週水曜日は“レディースデー”ということで、女性のみ1000円の劇場も増えてきました。その影響で“メンズ・デー”を採用している映画館もチラホラ。こういうサービスを見逃す手はありません。どの劇場がどんなサービスが受けられるのかは、ぴあなどの情報誌に記載されてますので、チェックしてみてはいかが? 3・各種割引きサービスを利用する 前売券も買えず、映画の日でもない時に急に映画が見たくなった場合はどうするか? そんな場合でも、ぴあやLマガジンなどの情報誌を窓口に提示するだけで割引になる場合があります(もちろん映画館によります)。あと、案外知られていませんがJCBやVISA、ペルソナカードなどのクレジットカードによる割引もかなり一般的です。ただし、どの映画館にどのクレジットカードが有効なのかはなかなか難しいので、情報誌などで確認することを忘れずに。 4・会員になる よく映画を見に行く人なら、映画館の会員になるという方法もあります。ほとんどのミニシアターでこうした会員制度を設けているので、詳しくは劇場にお問い合わせください。今後の上映スケジュールを送ってもらえたり、前売券が一般よりも100円引きで購入できるとか、入場する際に押してもらえるスタンプが一定の個数溜まったら招待券が貰えたりと、なかなかおトクです。ミニシアターではありませんが、三番街シネマでもこうした会員制度を設けています。また、テアトル梅田やシネ・ヌーヴォのように回数券を販売しているところもあります。 これらの方法を実践すれば、少しは安く映画を見ることができます。浮いたお金でもう1本見るってのはいかが? ※月一回の映画サービスデーは、現在では毎月1日に固定されています。 |
| 2001年10月号 | レンタルビデオ活用法1 前から見たかった話題の映画がビデオになったと聞き、喜び勇んでレンタル店にやってきたA君。だけど、カラのパッケージだけが並んでいる状態。全部レンタル中というわけ。せっかく来たんだからこのまま帰るのももったいないと思ったA君は、何か借りて帰ろうとビデオの棚を見渡した…。目の前にはビデオの山、山、山。見たことも聞いたこともないタイトルもいっぱい。さて何を借りる? ビデオを借りたくても、あまりにもたくさんの知らないビデオが並んでいるので、何を借りていいのか途方に暮れてしまう。せっかく借りるのだから、“ハズレ”は掴みたくない…。そんな時に、映画についての知識なしにそこそこの面白さの作品をGETできるコツをお教えしましょう。 こういう場合、本来は“詳しい人に聞く”のが一番なのですが、ほとんどのレンタル店の店員はアルバイト。中には映画好きもいますが、まずアテにならないと思ってください。大きめのレンタル店の場合、その店のオススメ作などに手書きのPOPなどを付けているところや、今月のレンタルベスト10といった棚を設けてある所もあります。よく回転している作品が必ずしも面白いとは限りませんが、こういった情報は作品選びの参考になるので活用しましょう。レンタルビデオはできるだけそういった情報をオープンにしている“熱意ある店”で借りるように心がけてください。そうすればお目当ての作品がなくても、代わりになる作品が見つけるのが簡単になるはずです。 冒頭のA君が入ったのはそういう“熱意ある店”ではありませんでした。参考になるものは何もない状況。最後に、そんな時でも極力“ハズレ”を掴まない究極の秘儀(そんな大ゲサな!)をお教えしましょう。 それは“続編が出ているタイトルの1作目を借りる”ということです。秀作やヒット作には続編が作られることが多い映画の世界。続編が1作目の出来を越えることはまずないので、もしまだ見ていないシリーズがあるなら1作目を借りましょう。もちろん例外もありますが“ハズレ”は少ないはずです。ただしこの方法、アクションやホラー、コメディしか通用しないのが唯一の弱点。ラブストーリーにはパート2なんてほとんどないですからね。では、GOOD LUCK! |
| 2001年11月号 | レンタルビデオ活用法2 前回は、映画の知識がなくても極力ハズレをつかまない方法をお教えしましたが、今回のはほんの少し映画の知識が必要になってきます。と言ってもそんなに難しい訳ではないのでご安心を。レンタルビデオ店は身近にある映像ライブラリーです。様々な国で作られた新作から旧作までが揃っている、まさに映画の歴史がお店の形になったと言っても過言ではありません。なのに新作ばかりを借りるのではもったいないと思いませんか? とは言っても、たくさんの作品が並ぶ中、何を借りていいのかわからない方も多いでしょう。そんな時には、あなたの知っているスターの過去の出演作を借りてみましょう。例えば、今が旬のレオナルド・ディカプリオ君。本人は否定していますが、彼のデビュー作はB級SFの「クリッター3」です。今や押しも押されぬ大スターとなったシルベスター・スタローンは、無名時代に「ウディ・アレンのバナナ」や「デスレース2000年」に出演しています。と、このように、スターの無名時代や若い頃の姿を見ることができるのもレンタルビデオの1つの楽しみです。また今ではすっかり落ち着いた演技の俳優が“若さゆえ〜♪”な役柄をしていたりするのも笑えます。「ロッキー・ホラー・ショー」のスーザン・サランドンは下着姿で踊りまくってるし、「ハネムーン・イン・ベガス」のニコラス・ケイジは、プレスリーのコスプレをしながらスカイダイビング! こういった情報はスター辞典やインターネットの検索ですぐに見つけることが出来ます。たいていの俳優さんにはファンが運営するサイトがあり、その中のフィルモグラフィーを探せば簡単に見つかるはずです。その他、ぴあが運営するサイトもあるので利用してみましょう。 この楽しみ方は、最近の出演作ではなく、デビュー作ぐらいの方が変化が大きくて楽しいのですが、デビュー作となるとほんのチョイ役で出演ということも少なくないので、どこに出ているのかわからないこともありますのでご注意下さい。「ラブ・イン・ニューヨーク」という映画にケビン・コスナーが出てるはずなのですが、僕は見つけることができませんでした。 |
| 2001年12月号 | レンタルビデオ活用法3 前回は、有名スターの意外なフィルモグラフィーを楽しむ方法をお話しましたが、いかがだったでしょうか? 今回はいよいよ、映画監督についてお話しましょう。監督とは映画作りの総責任者です。だから監督が違えば同じ物語でも全然別のテイストの映画になってしまいます。例えば、シェイクスピアの有名な戯曲「ロミオとジュリエット」は幾度となく映画化されています。オリビア・ハッセーが主演した68年のものは極めてオーソドックスな作りですが(監督はフランコ・ゼフィレッリ)、舞台をニューヨークに移しミュージカルに仕立てた「ウエストサイド物語」(監督はロバート・ワイズ)や、レオ君主演で大ヒットした「ロミオ&ジュリエット」(監督はバズ・ラーマン)といった作り方もできます。さらにアカデミー賞に輝いた「恋におちたシェイクスピア」(監督はジョン・マッデン)も元ネタは同じです。このように映画の方向性や雰囲気を決めるのが監督のカラーというか持ち味なのです。 監督論をやり始めるとキリがないのでこのぐらいにしておきますが、「監督というのは素材(=物語)をどう調理(=表現)するかを決める料理人」という風に覚えておいていただければOKです。難しく考える必要はありません。 例えば、とあるビデオを借りてきて、それが面白かった場合、監督の名前をメモっておきましょう。 もし機会があれば、その監督の他の作品も借りてみる。それが面白いってことになれば、その監督の調理法(=表現)があなたの口に合っているってことです。ただし監督によっては、作品ごとに毎回調理法が違う人もいますが。 このようにして自分のお気に入りの監督を増やしていけば、レンタルビデオ店に行って何を借りようかと悩むことは少なくなるはずです。 |
| 2002年2月号 | 私的キャスティングのススメ 映画界は慢性的な企画不足なので、話題になった小説が映画化されることが多いのですが、そうなると困ってしまうのがキャスティングです。小説を読む読者は顔の見えない主人公をイメージしながら読み進んでいくから、実際に映画になって俳優が演じてみると、かなり違和感があったりして不評を買うことも多いのです。最近の「ハリー・ポッター」はまずまず成功した例だと思いますが、宮部みゆきの大ベストセラー「模倣犯」はSMAPの中居正広と山崎努で映画化されるそうで、これはどうなんでしょう? そこで、「もし自分が監督ならどういうキャスティングにするか?」を考えてみましょう。やってみると意外に難しいですよ。この場合、小説だと読んでない人がいたり、マンガだと絵があるのでイメージが膨らみにくかったりするので、外国映画をネタに、“これを日本でリメイクするとしたら?”と考えていくのです。例えば、「スター・ウォーズ/エピソード1」で登場するナタリー・ポートマン扮するアミダラ姫は、安達祐実とか(笑)。これを仲間うちでワイワイやってみると結構楽しいです。逆に「日本映画をアメリカでリメイクしたら?」もOK。ハリウッドは俳優の層が厚いので、こっちの方が面白いかもしれません。 実際に外国語映画のリメイクすることが多いハリウッドでは、日本映画のリメイクも検討されていて、宮本信子が国税局員に扮した「マルサの女」は、ゴールディー・ホーン主演で製作される計画があったとか(結局流れてしまった)。現在ハリウッドでは、鈴木光司原作のホラー「リング」や「仄暗い水の底から」をリメイク中とか。これらのキャスティングはどうなるのでしょう。興味はつきません。 ※「リング」のハリウッド版リメークでは、松嶋菜々子の演じた役柄をナオミ・ワッツが担当していましたね。 |
| 2002年3月号 | アカデミー賞トトカルチョ 毎年1月の後半ぐらいから3月にかけて、各種ベストテンや様々な映画賞が発表されますが、その中でももっとも有名なのはアメリカのアカデミー賞でしょう。ノミネートされたアメリカ映画は世界中で公開されていますから、どの作品がどの賞を取るかを予想するのも映画ファンの楽しみの1つです。ただ日本ではまだ公開されていない映画もあったりするのでかなり難しいですが、予想が当たった時の感激はひとしおです。ちなみに昨年度は「グラディエーター」が授賞しました。 本年度のアカデミー作品賞のノミネートは、 『ビューティフル・マインド』 『GOSFORD PARK(原題)』 『IN THE BEDROOM(原題)』 『ロード・オブ・ザ・リング』 『ムーラン・ルージュ』 この中で授賞式前に日本で見ることができるのはギリギリ3本。映画好きの友達とお茶代を賭けて対決すると盛り上がるかも。またアカデミー賞には他にも演技賞や技術関係の賞などたくさんの賞があるので、それらをすべて予想して、当たった数を競い合うという楽しみ方もできます。 ちなみに私の予想は「ムーラン・ルージュ」。昨年はテロの影響などもあって暗い1年でしたが、そんな時代だからこそ文句なしに楽しめる映画が選ばれるのでは?と選んでみました。結果は3月24日(日本時間では25日)に明らかになります。 ※結局この年のアカデミー作品賞は『ビューティフル・マインド』が受賞。予想は外れてしまいましたとさ。 |
| 2002年4月号 | 映画タイトルしりとり 今回はちょっとマニアックです。要は日本で公開された映画のタイトルだけでしりとりをしようというもの。言うまでもなく知識量と記憶力の戦いになります。だからいわゆる普通の“映画ファン”には向かないと言っていいでしょう。マニアのレベルじゃないと難しいかもしれません。と言いつつ、私は新婚旅行で普通の会社員である妻とこれをやって、負けてしまいました(笑)。 しりとりなのでルールは簡単。ただし、最後の言葉が「ン」でも負けにはなりません。それで負けになってしまったら、最後の文字が「ン」の映画に対して失礼だからです。最後が「ン」の場合はその前の文字でしりとりを続けます。あと、最後の文字が濁音(が・だ・で)や半濁音(ぱ・ぴ)の場合は点々を取って続けるのはOK(「ガ」で終わった場合「か」で始める)。「ショー」で終わった時は「ショ」で始めても「ヨ」で始めてもOK。そして続ける事が出来なくなった者が負け。 例「ブラックホーク・ダウン」→「海と毒薬」→「クリスマス・キャロル」→「ルードウィッヒ」… やってみると分かりますが「ソ」「ツ」「ネ」「ツ」などは非常に苦労します。「ヌ」「ル」「ム」などは致命的に少ないです。どうしても思いつかない時は、勝手にタイトルを考えるのも手です。しりとり参加者さえ騙せればOKなんですから、もっともらしい事を言って勝ち残りましょう(笑)。 映画ファン(マニア)であればあるほど、仲間には負けたくなくて真剣になっていく姿が面白いです。試写会の待ち時間などにやると盛り上がれるのでは? もっと難しくなるけど、俳優の名前などでやっても面白いかもしれません。 |
| 2002年5月号 | ロケ地散策のススメ 映画の撮影はほとんどの場合セットで行われる事が多いのですが、外の風景などが必要な時にはロケも行われます。ロケはセットを組まないので金がかからないんだけど、野次馬の整理のために人員をたくさん動員したり、ロケ場所によっては許可を取るのが難しかったりと問題も多かったりします。 別に映画を撮るわけではないので、そういう問題は我々には関係ありません。そんな映画のロケ地に行ってみようというのが今回の趣旨です。大阪はかなり多くの映画の舞台になっているので、家でビデオを見て、それからロケ地界隈に遊びに行くなんてのも楽しいのではないでしょうか。あまりにも古い映画だとビデオでも見つけにくいかもしれませんので、比較的新しい映画を紹介したいと思います。 まず、つい先日公開されたばかりの「ミスター・ルーキー」。ごく普通のサラリーマンがタイガースの救世主になるという奇想天外な物語が受けて大阪でも大ヒットしたのも記憶に新しいところですが、梅田第一生命ビルや阪神電車の地下構内、天満橋のOAPタワーなど、見覚えのある場所がたくさん登場。池脇千鶴主演の「大阪物語」ではもっとベタな大阪の名所(通天閣、法善寺横丁など)から黒門市場や大阪港など“知る人ぞ知る”的なロケ地が選ばれていたりします。通天閣と言えば杉本哲太が命懸けで通天閣のてっぺんに立った「ビリケン」があり、今やかなりディープな地域となった新世界界隈の雰囲気が見事に写し取られていますし、室井滋がママさんバレーに挑戦した「ヒロイン!」は主に今里近辺で撮影され、その下町っぽい温かさが画面にも滲み出ていました。 za beatの読者層はミナミの方が多いので、ちょっと古い作品になりますが、ミナミ界隈を舞台にした映画も紹介していきましょう。松阪慶子と真田広之主演の「道頓堀川」は、ネオン溢れる道頓堀の賑わいの中で描かれるラブ・ストーリーで、この界隈ならではの鬼気迫る描写も結構あって、ミナミを知っている人間なら“わかるわかる”と頷けるのでは? 1981年当時、人気絶頂の漫才コンビだった島田紳助・竜介が主演し、キタとミナミの不良学生が対決するという「ガキ帝国」は20年前のミナミの姿を見る事が出来る作品。大阪人が出演しているのでリアルな大阪弁の啖呵が聞けます。同じく漫才コンビ、トゥナイトが主演した「二人が喋ってる。」では、なんばNGKなどを中心に千日前などが多数登場します。 そしてトリを飾るのはハリウッド映画「ブラック・レイン」。あのキリンプラザ大阪が超高級クラブ(!)になってました。 大阪ロケーションサービスなんていう行政による映画撮影支援も始まって、これからも大阪が舞台になる映画は増えると思います。それらの映画を見る時は、撮影場所も見てあげてくださいね。 |
| 2002年6月号 | 短編映画の魅力 小説でも大長編小説もあれば、わずか原稿用紙数枚という短編もあります。映画でも同じ。3時間を越える超大作もあれば、たった10分の映画もあります。小説や映画の面白さはページ数や上映時間に比例する訳ではありません。3時間でも見るのが苦痛なものもあれば、わずか10分でも大きな感動を与えてくれる作品もあるのです。ただ映画の場合、料金体系が既に決まっている映画館で上映するというのが基本なので、日本ではそういった短編が上映される機会はほとんどありませんでした。過去にチャレンジした人もいますが、定着するには至らなかったようです。海外では劇場公開されている一般映画の併映作品として上映されることも多いし、あのアカデミー賞でも短編映画部門が設けられていたりと、かなり一般にも浸透しているようです。そんな短編を足がかりにして映画監督になった人(スピルバーグやジョージ・ルーカス、タランティーノもそう)も多いですし。 ただ最近では日本でも多チャンネル化が進み、多くの放送局がコンテンツ不足に悩んでいたり、はたまたインターネットのブロードバンド化によって映像配信が容易になったり、という理由から、そういった短編が注目されるようになってきました。これによって映画関係者だけでない一般の観客にも作品を見てもらえる機会が増え、ビジネスとして成立するところまで行けば、映画監督を目指している若者たちにとっても作品を作りやすい状況も生まれるし、ひいてはとてつもない新しい才能が日本から生まれる可能性も出てきます。と、夢は膨らんでいきますが、そううまく行くかどうかは今後の展開次第ですが…。 今年で4回目を迎えるアメリカの短編映画の秀作を集めたアメリカン・ショートショートフィルムフェスティバルは、今年からタイトルを一部変更し、アメリカに限らず面白い作品を世界各国から集めて開催されることになりました。CGを使った韓国のアニメーションや、わずか1分で人生の深淵を見せてくれるメキシコのブラック・コメディ、今や有名になったジェーン・カンピオン監督が昔作った短編、有名俳優の監督デビュー作、日本の若手監督による新作短編など非常に多彩なプログラムが楽しめるイベントです。これが6月24日〜27日、心斎橋ビッグステップ4Fの“BIG CAT”で開催されます。 「映画はこうあるべきだ」という固定概念を覆してくれる作品群なので、映像表現に興味のある人、映画が好きな人に是非見て欲しいイベントです。詳しい情報は06-6263-3588 実行委員会事務局までお問い合わせ下さい。http://www.imedio.or.jp/shortfilm2002 ※このイベントは2003年にも行われる予定になっています。 |
| 2002年7月号 | 長編映画の誘惑 前回は短編映画について書いたので、今回は長編映画についてです。ここで言う長編映画とは、1本が非常に長い映画のことで、スター・ウォーズやダイ・ハードのようなシリーズ物や、テレフューチャーは含まないこととします。長い映画の場合、登場人物と接する時間も長くなる訳ですから、感情移入度が増したり、映画の世界にどっぷりと浸ることが出来るのが最大の利点。そして最大の欠点は、何と言ってもお尻が痛くなることですね(笑)。また、上映時間が長くなると、1日に上映できる回数が限られてしまうので、実際に映画を上映する劇場側に嫌がられたり、見に行く側としても時間が合わなかったりと様々な弊害が生まれたりしますが、それでも「映画を見たぞ!」という満足感が得られます。 最近は3時間を越える映画も珍しくなくなってきました。あの「タイタニック」や「シンドラーのリスト」も3時間を越えます(「ロード・オブ・ザ・リング」はギリギリ3時間を切ります)が、これぐらいのレベルの映画だと長さを感じさせないですよね。劇場の椅子の快適性も、近年かなり改善されてきましたし。 今回、この文章を書くに当たって長い映画について調べたところ、3時間を越える映画は結構あるのですが、4時間となると途端に少なくなります。私が見た映画の中で一番長かったのは、ベルトルッチ監督の「1900年」で316分ありました。その次はベルイマン監督の「ファニーとアレクサンドル」で311分。日本の小林正樹監督のドキュメンタリー「東京裁判」が277分。これがベスト3でしょうか。これ以上の長さだと映画館で上映するのはちょっときついでしょうね。これらの映画はさすがに途中で休憩が入ります。そう言えば昔の映画は、2時間半ぐらいのものでも途中で休憩が入るケースが多かったと聞きます。ほとんどお芝居のノリですよね。 ではそれ以上長い映画はないのでしょうか?(あったとしても見たくないけど)と調べてみました。ありました。映画制作にも力を入れていたアーティスト、アンディ・ウォーホールが製作した「エンパイア」は何と8時間!しかもN.Y.のエンパイア・ステートビルを定点観測で8時間写しただけという代物。いくら実験映画だとしても見せられる方はたまったもんじゃありません。劇映画では「美しき諍い女」という4時間の映画を撮ったジャック・リヴェット監督(この人の映画は長いことで有名)の「アウト・ワン」という作品が何と12時間!劇場では短縮版で公開されたらしいのですが(日本では未公開)、どこかの映画祭で12時間の完全版が上映されたってことで、ご覧になった方お疲れ様でした。 と、ここで終わろうと思ってたら、何と24時間の映画もあるという情報が!やっぱりアンディ・ウォーホール関連の映画でした。興味のある人は各自調べてみてください。 ※ちなみにその24時間もある映画のタイトルは「☆☆☆☆(フォー・スター)」というタイトルです。 |
| 2002年8月号 | 「ワンピース」って何? 映画ファンなら、自分で映画を撮ってみたいと思う人も少なくないでしょう。私もそうでした。ですが、映画製作にはとにかくお金がかかります。私の頃は8ミリ(ビデオじゃなくてフィルム)を使用していましたが、フィルムの場合1本約200秒で現像料を含めると約2500円ぐらいになり、NGや取り直しなどもあるので、ちょっとした作品でも完成までにはかなりの費用が必要になります。その後、家庭用ビデオが普及したためビデオでの作品作りが可能になりましたが、ビデオの場合、撮影にはそれほどお金がかからないのですが、ちょっと編集に凝ろうと思うとプロ用の機材をレンタルしなければいけないし、それらの機材を使いこなすために専門の人に来て貰ったりして、これにお金がかかります。最近はデジタルビデオで撮影し、パソコンで編集することも出来ますが、編集用のソフトは高価だし、扱いが難しいという声もよく聞かれます。 では、何か作ってみたいと思った人はどうすればいいのでしょうか? そんな映像初心者+制作費があまりないという人にオススメしたいのが「ワンピース」です。女性用の服でも海賊が活躍するコミックでもありません。これは映画監督の矢口史靖(「ウォーターボーイズ」)と鈴木卓爾が「お金はないけどヒマだから何か作品を作ろう」と考え出した、ビデオカメラを完全に固定し、その中でドラマを紡ぐという手法です。必要なのはビデオカメラ一つ。ズームやパンといったカメラワーク一切なし。ついでに編集もアフレコもなし。置いたまんまのカメラが捕えた一片(ワンピース)の四角い世界をワンシーン・ワンカットで一話完結のドラマとして描くというのが決まりごと。これだとアイデアさえあれば簡単に作品を作れます。映画というよりもお芝居って感じは否めないものの、そんな中でも作り手のアイデア次第でかなり面白いものが出来上がったりします。2人が作り上げた「ワンピース」の作品群は日本だけでなく、世界中の映画祭に招待されたり、他の監督も同じ手法で作品を作り始めたりと、かなり大きなムーブメントになっている模様。 こうして文章で説明するよりも見て頂いた方がわかりやすいと思うので、興味のある方はweb上でも一部の作品は無料で見ることが出来ますし、DVDも2本発売されていますのでご覧になってはいかがでしょう。あなたの中にある隠された才能が発見できるかも知れませんよ。 http://www.mochiya.nu/tadano/works/onepiece/works_onepiece.html |
| 2002年9月号 | 映画作りの実際 前回、いきなりワンピースの事を書いたのには理由がある。今年の春、知人の製作する自主映画を手伝いに行った際、久々の現場でやたら楽しかったのだ。その気持ちは他に手伝いに来ていた人たちも同じだったようで、打ち上げの時に「それならみんなで何か作ろうよ」という話で盛り上がったのだ。名乗りを上げたメンバーの中には私も含めて監督経験のある人が多かったので、1人1本15分程度で脚本・監督をして、それらをまとめてオムニバスにしようということになった。飲んでいる時は「やろう、やろう、やりましょう!」とすっかりその気になっていたんだけど、いざ冷静になってみるとちょっと困った問題が…。前回にも書いたが、映画作りには金がかかる。こちとらしがない映画ライター。嫁はんもいる。そんなに自由になる金があるわけではない。そこで、いかに金をかけずに製作するかを考え、ワンピースの事を調べていたのだ。 しかし、困った問題はお金の件だけではない。私が自主映画を撮っていたのは15年以上前。当時の仲間たちは散り散りになっているものの、スタッフはまだ何とかなる。今回のオムニバスのメンバーに交換条件で頼めばいいのだから。一番の問題は出演者なのである。私の場合、出演者に合わせて脚本を“当て書き”するため、出演者が決まらないことにはどうしようもない。ちなみに普通はまず脚本があって、脚本の役柄にピタッとくる人物を配役するんだけど、自主映画の場合それはかなり難しい。ピタッとくる人が見つかるとは限らないし、見つかったとしても出てくれるとは限らないからだ。だから私はまず出てくれるという人を見つけて確証を得てから書き始める。ということはつまり、まだ一行も書けてないわけです、ハイ。 なので、ここで出演者募集をしてみようかと思う。もちろんのことギャラは出ません。ギャラどころか移動代やメシ代も自腹。実質的な拘束期間は1週間ぐらい(ただし連続ではなくバラバラ)。撮影自体は今年の冬か来年の春に大阪近辺で予定。芝居をやっていた方が望ましいが、経験はなくても可。なにより根気とやる気のある人で、線が細くファッションセンス(あ、衣装も自腹です)に自信のある男性・女性を募集します。自分自身でもどんな作品になるか全くわかりません(笑)が、一緒に苦労(涙)してやろう!という奇特な方は、簡単なプロフィールと連絡先を明記の上このアドレスにメールください。写真を添付してくれると嬉しい。 ひょっとして、これって誌面の私物化? でもうまくいけばここで撮影日誌などを書けるかも。乞、ご期待! ※ちなみにこの募集で何人かの人に会いました。が、いろいろあってまだほとんど進んでおりません。よって、この募集はまだ生きておりますので、一緒に何かをやってみたいって方はメールにてご連絡ください。特に男優さんは大歓迎です。 |
| 2002年10月号 | 映像メディア栄枯盛衰 NHK「プロジェクトX」を始め、「陽はまた昇る」というタイトルで映画にもなった家庭用VTR(VHS)開発秘話。どちらも佐藤正明氏のノンフィクション「陽はまた昇る/映像メディアの世紀」を原作にしているのだが、この本がすこぶる面白い。ソニーの先発商品ベータマックスとの戦いを克明に、そしてサスペンスフルに描いていて、下手な映画よりも面白く読めた。そして今年、ソニーはベータマックスの完全生産中止を決定、その27年間に及ぶ歴史の幕を閉じることになった。 この本の中にはもう1つの映像メディアの話も書かれている。それは“絵の出るレコード”VHDとLD(レーザーディスク)だ。結果はLDの圧勝に終わったわけだが、そのLDも今やDVDにとって替わられており、それを考えるとVHSってのは息の長いメディアだなぁと感心する。商品としての魅力はもとより、世界規格を勝ち取った戦略がうまかったとも言える。 今の若い人たちの中は、その昔、ほとんどすべてのビデオソフトが、VHSとベータの2種類で販売されていたことを知っているだろうか? レンタルビデオ店でもこの2種類をきちんと置いてあったのだ(店にもよるけど)。ビデオ戦争でベータの劣勢が伝えられた際、ベータからVHSに乗り換える人たちが続出し、その結果、町の中古ショップにはベータのビデオソフトが二束三文のような価格で叩き売りされていた。私のベータ派の友人はそんなソフトを買うため、買い物に奔走していた事を記憶している。 ということはつまり、だ。LDからDVDへ乗り換える人が多い今、中古ショップは宝の山って事である。今ならLDを見るための機械(DVDとのコンパチになるけど)はまだかろうじて売っているし、ソフトはかなり安くで手に入る。古い映画でお気に入りのものがあれば今のうちにGETしておくのも手だろう。しかもDVDの影響からか中古ビデオの価格もかなり下がり始めており、お目当てのソフトがあるなら、日本橋などのショップを回ってみるのもいいかもしれない。 技術はどんどん進み、古いものは新しいものにどんどん置き換えられる。寂しさはあるけどそれはしょうがない事かもしれない。だけど、せめて規格の統一ぐらいはしてもらいたい。今、記録媒体としてのDVDの規格も数種類あって、そのほとんどが互換性がない。企業として利益を優先させなきゃいけない事情はわかるけど、もうちょっとユーザーの立場になって考えてもらいたいものである。 |
| 2002年11月号 | 映画祭へ行こう! 芸術の秋っつーことで、映画祭のシーズンです。本当は秋だけじゃないんだけど、大きいのが秋に集中しているのは事実。でもって、私は映画祭オタクです。今回は映画祭の楽しみ方について書いてみましょう。 一番わかりやすい楽しみは「スターに会える(かも?)」って事です。実際私もイザベル・アジャーニやジャッキー・チェン、ダイアン・レインと言った海外のスターから日本の俳優まで数多く会いました(というか見ましたという方が正しい)。大きな映画祭では警備が厳しかったりして話し掛けるのも難しいですが、地方の国際映画祭などでは、そういったスターとお酒を飲んだりするチャンスもあるので、一般参加の人でも映画の裏話も聞けたり、サインも貰い放題!かなりおいしい思いができる可能性もあります。一緒に写真など写せば、かなり自慢できること間違いなし、です。 でも私はどちらかというと人間嫌いなので、スターにはあまり興味がありません。そんな私の楽しみ方は2つ。1つは映画祭でのみ上映され、後に劇場公開もされずビデオ化もされないものを見ることが出来るという点です。映画が劇場公開されるかビデオのみになるかはその作品を買った配給会社の意向によって決定されるため、面白い映画だからすべて公開されるという訳ではないし、もちろん買い手がつかない映画もあって、その場合はビデオ化すらされません。そんな映画が面白いかどうかは別として、その場所でしか見ることが出来ないという点が重要なのです。いわゆる個数限定商品と同じノリですが。 2つめ。こっちの方がより重要なのですが、わざわざ映画祭にまで足を運ぶ客というのはかなりの映画ファンです。特に東京国際映画祭などではチケットも取りにくく、取れたとしても開場まで延々と並ばされるわけです。そんな努力を惜しまず、わざわざ映画(舞台挨拶のスター目当てかも)を見に来るという人たちは、最初から映画を見る気マンマンな訳で、そんな奴らで満杯の映画館で映画を見ると、駄作だってそこそこ面白く見られるから不思議。私が映画祭に行き続けるのは、この雰囲気を味わいたいというのが最大の理由です。 今年で9年目を迎える大阪ヨーロッパ映画際が11月21日〜24日の期間で行われます。アメリカ映画は公開されてもヨーロッパ系の秀作は公開されにくいという事情もあって、ここも未公開作の宝庫だし、来場者はそんなヨーロッパ映画が好きな人ばかり。私を魅了した“映画好きたちが醸し出す「映画を楽しむぞ!」的オーラ”の中で映画を見たい人は是非、ご一緒しましょう! |
| 2002年12月号 | ベストテンについて思う事 毎年この時期になると、映画ベストテンへの投票を依頼されます。今年のお正月映画から、来年のお正月映画が始まるまでの1年間に公開された映画のリストを渡され、外国映画と日本映画でそれぞれ10本を選ぶわけです。この作業は結構キツイんだけど、映画ファンにとっては楽しいものだったりします。どれを落としてどれを入れるか、私の1票なんてそれほど重みなんてないのですが、かなり悩んでしまったりして、たった1本を選ぶのに思い切り時間がかかったりしますが、この作業が自分的にその年の映画状況の総括にもなるので真剣に選んでいました。今までは。 しかし、ここ3年ほどベストテン依頼はすべて断ることにしています。最大の理由は自分の生活が変わったため映画を見る本数が激減したこと。年間に300本近くの映画を見ていた頃とはやっぱり事情が違います。極端な話、年間10本しか見ていなければ、その10本がその人のベストテンになってしまう訳です。一応、映画の専門家を自負していますから、そんないい加減なことは出来ません。だから投票は辞退することにしたのです。 そういう意味でよくよく考えてみれば、極論になってしまいますが、ベストテンなんていうものは日本で公開されているすべての映画を見ている人じゃないと選んではいけないと思うのですよ。少なくとも雑誌など一般の人に向けて発信するベストテンでは。じゃないと、マイナーだったりインディーズ系の映画は真っ当に評価されないことになってしまいますし、上位に食い込むのは必ずヒットした話題作ばかりになってしまいます。でも、あの映画専門雑誌「キネマ旬報」のベストテン選考委員ですら全部見ている人はまずいないでしょう。公開される映画の本数が増え過ぎて物理的にまず無理なのです。 それ以外にもベストテンの制度については疑問があります。なぜ外国映画と日本映画を分けるのか? 最近では日米合作や日韓合作などの映画も増えてきてますが、それはどちらに入れればいいのか? 豊富な製作費を使い全世界に向けて発信されるハリウッド超大作と、アジア映画の小品を同じ“外国映画”として1つにまとめて論じることにどういう意味があるのか? 最初の公開版と後になって公開される完全版やディレクターズ・カット版は同じ物とみなすのか、違う物として評価するのか? 細かいことを言い出せばキリがないないのはよくわかっています。年に1度のいわゆる“お祭り”だから気にせずに楽しめばいいんですが、いろいろ考えてしまうところが私の“こだわり”なのです。 |
| 2003年2月号 | シネコン賛歌 日本にシネコンが上陸したのは'93年4月。ワーナー・マイカルが海老名と東岸和田に作ったのが一番最初。これが大方の予想を裏切り大当たりしたもんだから、それ以降あちこちでシネコンが乱立し始めた。友人たちはこぞってシネコンを見に行き、その快適な空間に酔いしれ、見た映画の内容そっちのけで劇場の素晴らしさを語った。 ところが私は大阪市生まれ大阪市育ちのシティボーイ(死語)なので、見たい映画なら大阪市内で見る事ができたし、わざわざ郊外まで映画を見に行く必然性を感じなかった。その上、免許も車も持っていなかったため、車で行く方が便利な郊外型シネコンにはなかなか行く機会がなかった。私がシネコン初体験を果たしたのは'97年3月のMOVIX六甲の劇場内覧会の時である。確かに素晴らしい空間に感動したが、大阪市内でも公開している映画をわざわざ六甲まで見に行くなんてことは考えられなかった。 ところが近年、梅田のブルクセブン、京都のMOVIXなど、都市部にシネコンが進出してきた。劇場の設備や快適性は従来の映画館より数段上だし、同じ映画を見るならやはりシネコンでと思う人も多くなってきた。私だってそうである。だからナビオの北野劇場もシネコン風に改装されたのだろう。それはいい。劇場が快適さを増すってことは、集客力もあがるし、映画人口も増えるからだ。 だが、映画ファンとして1つだけ耐えられないことがシネコンにはあるのだ。それは座席指定のシステムである。最近のほとんどのシネコンは座席が勝手に決められてしまう。映画ファンはそれぞれ、映画を見る時のベストポジションのようなものを持っているので、自分の座る席は自分で決めたいのだ。試写会なら話はわかるが、金を出して映画を見に行ってるのに、何で他人に席を決められなきゃならない? こんなことがあった。ブルクセブンにとある映画を見に行ったところ、観客は十数名だった。そんな状況にも関わらず、俺の両隣には人がいるのである。私にとってのベストポジションは空席にもかかわらず、である。 座席指定には、観客の入れ替えの時間を短縮したり、空席状況を正確に把握するという意味合いもあるのは承知しているつもりだ。 混雑する大作や話題作ならしょうがないとしても、満席になる心配のない作品の場合は指定をやめておくぐらいの臨機応変さは持ち合わせて欲しいとつくづく思う。 間違いなくこれからの映画興行はシネコンが主体になっていくだろう。だからこそ、みんなに喜ばれる施設になって欲しいものだ。 |
| 2003年3月号 | 何を食う? 前回、シネコンでの座席指定の話を書いた直後、驚くべきニュースが飛び込んできた。梅田松竹会館(梅田ピカデリーとかが入っているビル)も3月から座席指定制を導入するというのだ。この風潮はもはや止める事は出来ないだろう。でもこれに反対している声をあまり聞かないのは何故なんだろう? みんなは座席指定に納得しているのだろうか。反対しているのはもしかして俺だけ? 皆さんの意見を聞かせてください。 さて、今回は「(映画館で)何を食う?」です。その昔、一日に映画を4、5本見ていた頃のこと。すべてのスケジュールを映画の上映時間に合わせて行動するため、食事を取る時間が全然なかったので、よくマクドやサンドイッチなどを劇場内に持ち込み、食べながら映画を見ていたものです。でもこれって、結構嫌われるんだよね。特にマクドの袋などはカサカサ音がするし、匂いが充満してしまうから。でも食べない訳にはいかないので、なるべく予告編の間に食べ終わるよう努力してました。周りを見渡すと、場内で何かを食べている人は結構多いです。特に平日の最終回などは。コンビニ弁当やサンドイッチなどはかわいいものですが、中には意外なものを食べてらっしゃる方もいました。 とある映画館で聞いた話ですが、映画の上映中にざるそばを食べていた方がいたそうです。上映作品は「ダメージ」、ジェレミー・アイアンズとジュリエット・ビノシュ主演の官能ラブ・ストーリーなのですが、その最中に「ずる〜ずる〜」という音が場内に響き渡ったとか。私が経験した中で一番異様だったのは、天津甘栗を食べていた人。定期的に聞こえてくるパチッパチッの音は最初何の音かわからず、気味が悪かった。映画が終わってから音のした方角を見たら、そこには夥しい数の栗の殻が落ちていたので、音の正体は判明しましたが、何で映画館で甘栗?と思ったものです。その答は実にシンプルでした。映画館の売店に甘栗が置いてあったのです。売ってるんなら食べる人がいても不思議じゃないわな。 自分が映画館の中で何かを食べるタイプの人間なので、誰か他の人が食べているのを見ても、そんなに気にはなりません。確かにカサカサとうるさい時には閉口しますが、それもまぁ許容範囲でしょう。ただ1つだけお願いしたいのは、「豚まん」だけはやめて欲しいってこと。あの匂いだけは映画に集中しようとしている時に嗅がされるとちょっと辛い。「しゅうまい」も同様ですが、私はまだ映画館で「しゅうまい」を食べている人は幸運にも見たことがありません。 |
| 2003年4月号 | アカデミー賞予想2003 この号が発行される頃には既に結果が分かっているアカデミー賞。しかし原稿を書いているのは3月中旬なので、赤っ恥覚悟で予想してみたいと思う。見事、予想が的中した際には拍手(よりも現金)をお願いいたします。でも自信がないから作品賞だけで勘弁してください。 今年は珍しく、作品賞にノミネートされている5作品をすべて事前に見ることが出来た。見たからと言って的中するってものではないけどね。でもさすがノミネートされるだけはある力作、秀作揃いでした。では消去法で考えていきましょう。あらかじめ3部作になるという事がわかっている作品の第2作に受賞させるなんてことは考えられないので「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」は除外。力作だけど、物語が破綻していてカタルシスを与えてくれない「ギャング・オブ・ニューヨーク」も除外。実に緻密に巧妙に作り上げられた時代を越えた3人の女性たちによる濃厚なドラマ「めぐりあう時間たち」も、演技陣が実に素晴らしいんだけど、ちょっと地味かなってことで除外。すると残ったのは「戦場のピアニスト」と「シカゴ」の2本。さて、ここからどう絞り込むかが問題。時代が1歩1歩確実に戦争へと向かっている中、賞に反戦の意味をこめる人が多いなら「戦場のピアニスト」、そんな時代だからこそ誰もが楽しめるミュージカルをと思う人が多いのなら「シカゴ」。どっちが受賞してもおかしくない。ただ、「戦場――」の監督であるロマン・ポランスキーは過去にアメリカで事件を犯していて、そのせいでアメリカには入国できない。当然、授賞式にも不参加でしょう。作品の良し悪しとは何の関係もない話なんだけど、気にする人は絶対にいるでしょう。そうなると「シカゴ」でしょうか。ってことで、私の予想は「シカゴ」です。ちなみに主演女優賞は「シカゴ」のレニー・ゼルウィガーと予想しております。「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマンも捨てがたいけど。 さて、今年のアカデミー賞の一番の話題は、長編アニメ部門で「千と千尋の神隠し」が受賞できるかどうかってこと。ベルリン国際映画祭での金熊賞を皮切りに、全米映画批評会議、ロサンゼルス、ニューヨークの両映画批評家協会の賞を連続して獲得しているのはご存知の通り。さて、この勢いでアカデミー賞を制することが出来るのか? 私の予想は「受賞する」です。海外のサイトをいくつか回ってみたけど、書き込みされている批評はおおむね好評だし、いけるのでは?と勝手に思ってますが、さて、結果はいかに? ※主演女優賞のみ外れましたが、他は珍しく当たりました。こんな年もあるのです。 |
| 2003年5月号 | 「死」について考える1 先月号の原稿を書き上げてすぐに友人が亡くなった。そのショックを今も引きずっていて、何をするにもヤル気がしないという困った状況にいる。正確には1つ年上だったけど同世代だし、俺に負けず劣らず映画が好きだったし、なんだかんだと月に一度は会っていたから、今もやりきれない思いで一杯です。 お通夜には行けなかったので、妻と二人で告別式に行った。映画やドラマ、本の中では随分人が死んでいるのを見ているけど、身近な人を亡くした経験がほとんどない俺にとってはこれがほぼ初めての告別式だった。悲しさよりも喪失感の方が大きかったが、それでも泣きそうになるので、告別式の様子を観察する事で涙をこらえようとした。故伊丹十三監督が初監督作品である「お葬式」のシノプシスを思いついた時のように。だが出棺の際、彼の安らかな顔を見てから、涙が止まらなくなった。話の流れから斎場まで行く事になり、お骨上げまでさせていただいた。これも初めての経験である。フレームだけ焼け残った眼鏡と、骨だけになってしまった彼の姿に、もうこの世に彼はいないのだということを再認識させられた。 それからというもの、映画やドラマを見て泣く事のない冷血人間を自称する俺が、人が死ぬシーンになるとウルウルするようになった。告別式の時に見た彼の死に顔や、号泣していた彼の母親の泣き声がどうしても思い出されてしまうのだ。身近な人を亡くした経験がほとんどない俺だから特に強い影響を受けたんだろうけど、息子に先立たれてしまった彼の両親の“無念さ”と、映画の中で親なり恋人なりを亡くしてしまった登場人物たちの“無念さ”がオーバーラップしてしまい、そのやりきれなさ、理不尽さに目頭が熱くなってしまう。俺ってこんなキャラではないはずなのに。 やっぱり人間、生きているうちが花なんだよね。まだショックから立ち直っていませんが、立ち直り次第、生きているうちにやらなきゃならないハズの数々のことを少しづつでもやっていこうと思います。それが何なのかはわからないけど、きっと彼もそれを望んでいることでしょう。 今回は随分、暗い話になってしまいましたがお許しください。 |
| 2003年6月号 |
死について考える2
友人の死から約2ヶ月が経ち、ようやく落ち着きを取り戻してきました。メールや電話でいろいろ励ましてくださった皆さん、どうもありがとうございました。この場を借りて心よりお礼申し上げます。
この2ヶ月の間、死についていろいろ考えました。人間いつかは死ぬんだし、その間に頑張って前向きに生きるしかないという結論に達しました。当たり前のことなんだけど、それがなかなか出来ないんだよね。で、自分に何が出来るんだろう?と考えたところ、やっぱり映画しかない事に今更ながら気付いた。自分の人生の時間の大半を使ってきたんだから。ということで、今回は「死」について描き、印象に残っている映画を2本紹介します。興味があればレンタルしてみてください。 1本目は「オール・ザット・ジャズ」。現在上映中の「シカゴ」の原作である舞台版を作った演出家ボブ・フォッシーの自伝的作品でカンヌ映画祭グランプリに輝いた(確か「影武者」と同時受賞だったはず)。ロイ・シャイダー扮する主人公の演出家は、家庭を省みず、仕事と酒と女に入れあげている。当然、健康を害して最後には死ぬんだけど、彼は自分の死までを演出しようとするのだ(もちろん幻想の中でだが)。天職に巡り合い、死の瞬間まで自分の職業を全うしようとする姿に、高校時代の俺は感動に打ち震えた。どうせ1度の人生、こういう生き方をしてみたいと思ったものだ。 もう1本は「ブレインストーム」。当時SFXの第一人者だったダグラス・トランブルが監督を務めた第2作。とある科学者グループが人間の思考、記憶、体験などを記録・再生できる画期的な装置(でも記録媒体が磁気テープってところが時代を感じさせる)を開発する。これを使うと、例えば宇宙遊泳を楽しむという体験を記録したテープさえあれば、その体験がそっくりそのまま共有できるという優れものだ。ところが、そのテープを記録中に死んだ科学者が現れた。ということはつまり、テープには「死」そのものが記録されている訳だ。当然このテープは極秘扱いになるが、主人公の科学者は好奇心に勝てず、生きたまま「死」を体験することに挑戦する…。 情緒的な部分がカケラもないまさに“冷血人間”らしいセレクトだけど、俺の中ではかなりお気に入りの2本。楽しんでいただければ幸いです。 |
| 2003年7月号 | 野球シーズン到来! この号が出る頃にはどうなっているかわからないけど、阪神がやたら好調だ。私は野球には全然興味がなく、むしろ嫌いな人間だが、大阪人の性か何故か阪神が勝つと何となく嬉しいから不思議なものだ。 今回は映画ではなくTVネタである。私は映画も好きだが、ドラマもよく見る。昔はそれほどではなかったんだけど、「踊る大捜査線」や「トリック」のように最近はドラマのヒットから映画になるケースも多いので、話題のドラマはなるべくチェックするようにしているのだ。だからこの時期は本当に憂鬱になる。野球の延長放映があるからビデオ録画がやりにくくてしようがない。いくつものドラマを見ようとすると、ビデオデッキが最低でも2台は必要となる。それでも失敗することも多い。本当にあれはどうにかならないものか。 その昔、TVでの映画放映の際、あまりにも無残なカットの仕方をしたTV局に対し抗議をした映画ファンがいた。するとそのTV局のプロデューサーは「我々は映画を放映しているのではない。映画のダイジェストを放映しているのだ」と答えた。ダイジェストではない本物の映画が見たければ劇場へ行けってことだろう。まだビデオも登場していなかった時代の話だからかなり突き放した言い方ではあるが、これはある意味正論である。だったら野球でもそうしろよ。本当に最後まで見たければ球場へ行くべきだ。また選手たちもプロなんだから、TV中継がある場合は8時45分前後にゲームが終了するよう努力すべきだ。 むちゃくちゃ極論なのは承知しているが、この問題に関しては長年の恨みがある。誰かの引退試合とか、優勝がかかった大事な試合や日本シリーズなら話はわかるが、何でもかんでも延長すればいいってもんじゃないだろう。その後の番組を作っている人たちに対して失礼である。もちろんそれを楽しみに見ている視聴者に対しても。 と私がここで書いても、状況は変わらないだろう。野球放映はヘタなドラマより視聴率が取れるしね。ただ、ドラマを待っている人のことも考えて貰いたいだけなのだ。野球が延長した場合は深夜でもいいから振替再放送をやるとか、ビデオの発売を早めるとか。ま、何を言っても無理かな。 ちなみに映画界においても似たような話はあるので、それはまたの機会にお話することにします。あー、ちょっとだけすっきりした(笑)けど、プロ野球ファンの方、失礼いたしました。←ちょっとだけフォロー(笑)。 |
| 2003年8月号 | 野球シーズンの憂鬱 前回、野球中継の延長でそれ以降のドラマやニュースが延び、えらい迷惑していることを書いたが、同じ思いをしている人が結構多いようで、「この時期はドラマを見ないようにしている」とか、「ビデオデッキを3台買いました」などのメールを頂きました。みんなそれぞれ自分なりの工夫をしている様子。うちにもビデオデッキは2台あるけど、それでも前クールの一押しドラマ「ぼくの魔法使い」を2回ほど見逃してしまいました。早くビデオやDVDが出ないかな〜、でも視聴率悪かったらしいし、大丈夫かな?とヤキモキしている最中です。 一方で、阪神に早くもマジックが点灯し、野球ファンの応援も熱が入っているようで、私宛のメールには「ぶっ殺すぞ!おらぁぁぁ!」的な反対意見(?)もちらほら。本名を晒しているだけに眠れない日々が続いています(笑)。ところがその中にちょっと気になるメールがありました。野球中継を延長放映するようになったのはそんなに昔のことじゃないでしょう、という内容で、それを読んでちょっと思い出したことがあります。 冴えない高校教師(扮するのは沢田研二)が原爆を作ってしまうという'79年の日本映画「太陽を盗んだ男」の中で、主人公は日本政府に対して2つの要求を突きつけるんだけど、その1つが「ナイターを最後まで放映しろ!」というもの。この頃は延長放映がなかったか、あるいは少なかったのでしょう。ちなみにもう1つの要求は「ローリング・ストーンズを来日させてコンサートをしろ!」で、映画の中ではどちらも実現しなかったけど、あれから24年、どちらも今では普通の事になってしまいました。この映画は現代でも通用する大傑作なので、一見の価値あり!です。 ところで、ナイター中継と言えば今のようにドーム球場がない昔、雨天中止というのがありました。何故かその頃は雨天中止の場合、映画を放映することが多かったような気がします。新聞の番組欄のところに「雨天中止の場合○○」と書かれてあって、それが見たい映画の時には雨乞いをしたものです(笑)。あと、ナイター中継が始まってしまってから雨が降り、中止となった場合には、残りの放映時間に合わせてタイトルもわからない短編映画やドキュメンタリーが放映されていました。それらを見るのが野球嫌いの私の密かな楽しみだったのですが、あれってどういうものだったか未だに謎です。誰か知っている人いませんか?情報お待ちしております。 |
| 2003年9月号 | 席取りゲーム 「デュランデュランがオリジナルメンバーで再結成してコンサートをやるらしいよ」と妻が教えてくれたのはコンサートの1ヶ月前だった。私も妻も特にファンという訳でないのだが、いわゆるMTVが始まった頃の人気グループでヒット曲も多いし、「007/美しき獲物たち」の主題歌を担当していたから私にとっては馴染み深いグループだったので、行ってみようか?てな話になった。既にチケットは発売済だったので良い席は取れないだろうってことでネットオークションで大阪城ホールのアリーナ3列目の席をゲット。話に聞くと大阪公演がワールドツアーの初日だとさ。てな訳で行ってきました。初日ってこともあって、動きがこなれてなかったり、歌詞を間違えたりとハプニングはあったものの、充分に楽しめました。何よりも3列目の迫力ってのが凄い。歌っているサイモン・ル・ボンの表情や飛び散る汗まで肉眼で見えてしまう。オークションで買ったので多少は高くついたけど、その価値はあったと思う。何しろそんな前の方でライブを見るなんて初めてだったから。 大きなライブ会場へ行くといつも疑問に思う事があるんだけど、アリーナの一番前の列と最後列が同じ値段ってどういうことなのだろう? 一番前に座っている人たちはどうやってチケットを入手しているんだろう? ライブに行くとどうも不公平感が残ってしまうのである。 その点、映画はいい。座席は早いもの順だからだ。シネコンでは座席指定をされるけど、それも早いもの順でしょう。ライブのチケットなどもそうなんだろうけど、電話予約オンリーの場合が多いので、どこの席が当たるかは予約番号とチケットを交換してからじゃないとわからないが、映画館ならその場で確認することができる。 だが昨年の東京国際映画祭ではほぼすべてのプログラムで座席指定が導入されたようで、それもオンラインシステムでチケットを発券するもんだからシネコンのように細かい注文をつけることが出来ず、不評だったらしい。まぁこれは、並ぶ時間を少しでも短くさせようという主催者側の苦肉の策であるようだが(並んでいる間に倒れた人がいたらしい)。 ライブでも映画でも、どの位置で見るかというのがかなり重要なので、なるべく自分好みの位置で見るために努力をするのはやむを得ないが、それにしてもちょっと不自由な時代になったもんだなぁ、と思うのは私だけだろうか。 実はデュランデュランよりも同時期に公演を行っていたピンクレディーの復活コンサートに行きたかった私は、もうすぐ39歳です(笑) |
| 2003年10月号 | メンズ・デー推進委員会 単純な疑問だが、何故レディース・デーというものが必要なんだろう? しかも月一回ならともかく、毎週ある。おかげで水曜には映画を見に行けなくなってしまった。どこの劇場も結構混んでいるからだ。メンズ・デーを作っている劇場も増えてはきているものの、まだまだ少ない上に料金はレディース・デーよりも若干高く設定されている(劇場によるが)。劇場側がそういうサービスをするのには、マーケティング的な理由があるのだろう。どこの業界でも女性をターゲットにサービスを開発しないと成功しないと言われているからだ。だからパチンコ屋でもレディース・シートが設置され、地下鉄には女性専用車両が導入された(これはサービスではないが)。 女性が集まるところには、男も集まってくるってのがマーケティング的セオリーなんだけど、映画の場合はどうもそうじゃないみたい。水曜に映画館へ行くとわかるが、カップルで来ている客は意外に少ない。ほとんどが女性同士のグループである。そして彼女たちは倹約家である。劇場内で飲食物は買わない。コンビニなどであらかじめ買っておき、場内に持ち込んでいる。場内で買うと高くつくからだ。パンフも買わない(場合が多い)。映画の入場料は一定の比率で映画館と配給会社に分けられるが、劇場内売店での売上げは純粋に映画館の利益となる。だが、彼女たちは入場料以外のお金を一切劇場に落とさない。そして、これが何より重要なのだが、彼女たちは自分では水曜以外の日に映画を見に行くことはほとんどない。だからこのレディース・デー、劇場にとってはあまり意味がないのが実情なのだ。 だがメンズ・デーは違う。男同士で映画を見る人は少ない。たいていは女性を連れてくる。男は見栄っ張りなので、割引となった自分の入場料だけでなく、連れてきた女性分の正規の大人料金も払うし、その上、売店であれこれ買い物をする。パンフを2冊も買ったりする(自分の分と彼女の分)。客単価はメンズ・デーの方が絶対に高いと断言できる。 だが一番の問題は、平日の仕事帰りに映画へ行こうと思う男の数は、女性に比べて圧倒的に少ないってところにある。いくら客単価が高くても、人数が少ないならあまり意味がない。しかし、そんな腰の重い男たちを動員できるような画期的アイデアがあれば、メンズ・デーももっと普及してくれるに違いないのだが…。 でも個人的には男だらけの映画館ってのはイヤだけどね(笑)。 |
| 2003年11月号 | 入院生活を楽しむ方法 入院しました。生まれて初めての経験です。救急車で運ばれ(これは2回目だけど、初回は意識を失っていたので記憶はない)、その日に入院が決定。病名は椎間板ヘルニア。命に別状はないんだけど、とにかく激痛!あまりの痛さに自力では立つ事すら出来ず、食事は寝そべったまま食い、トイレにも行けず、ベッドの横に尿瓶が置いてある…。こういう状況でした。 とにかく動けないので、退屈の極みです。本も何冊か読みましたが、本を読む体勢も結構しんどいので、休みながらしか読めません。こうなるとすることは限られてきます。寝るか、TVを見る。選択肢はこの2つのみ。腰が痛いからといって、そんなに寝続けられるものでもないし、あまり寝ると夜中に眠れなくなってしまう。てなわけでTVにはかなりお世話になりました。ベッド1つに付きTVが1台備え付けられており、2時間百円というリーズナブルな値段。だけど、病院での2時間なんてTVを見ていればあっという間で、やっぱり1日4、500円は使ってしまいました。ただし映るのは普通の地上波の放送のみ。欲を言えば衛星やwowowが入ればもっと楽しかったのにと思うけど、普通の病院にそれを望むのは無理でしょう。せめて病室に置いてあるTVをテレビデオにしてくれると、レンタルビデオなども借りれていいと思うのですが…。 だから普段は見ない2時間ドラマ(の昼間にやってる再放送)や、フジの再放送のドラマなど手当たり次第に見てました。そう、昼間が暇なんですわ。芸能ゴシップとかにはそんなに興味がないからワイドショーは見ないし、ニュースもイマイチ。ならドラマの方が気が紛れます。入院生活は続くから連続ドラマでも平気(笑)。夜も暇だけど、夜の方が面白げな番組が多いので良い暇潰しになります。そして夜は映画を放映することも多いので、結構見てました。特に深夜の時間帯は大ヒット作ではなく地味目の秀作系映画を放映する事が多いのは知ってたんだけど、健康な時はなかなか見れない時間帯。ビデオで録画しても録ったままになってしまう可能性も高い。だからそういう映画をリアルタイムで見られるって事だけが入院生活で良かったことかな? でもあのCMの多さには辟易してしまいます。しかも同じCMばっかり。 今回は自分の入院体験を無理やり“映画ネタ”にしてお届けしましたが、本当はTVや映画ではなく、食事が一番楽しみだったりします。だってそれぐらいしか楽しみがないんだもん。いわゆる病院食はそれほど悪くはなかったけど、料理がどれも冷めているのには閉口しました。寒くなり始めた時期だったので、温かいものが食べたくてしょうがなかった。みなさんも健康には気をつけて! |
| 2003年12月号 | オリジナルな企画はどこへ? これは先月に書こうと思っていたネタなのだが、11月の映画界は凄かったんです。大ヒット中の「踊る大捜査線2」がロングランを続けている中、釈由美子主演の「スカイハイ劇場版」と「木更津キャッツアイ/日本シリーズ」が相次いで公開され、気付けばTVの映画化作品ばっかり。何でこんなに多いんだろう?と考えなくとも答は簡単。客が入る(可能性がある)からです、ハイ。映画化されるTVドラマはたいてい好視聴率をマークしているし(例外はあるけど)、誰が出ていて、どんな話なのかという認知度は高い。その上、ドラマを見ていた人の1割が映画版を見に劇場に来たなら、この時点でかなりのヒット作になるわけだ。それだけではない。最近ではテレビ局も積極的に映画製作に乗り出してきているので、CMをバンバン打てるし、出演者などをいろんな番組のゲストとして出演させるなど、大掛かりな宣伝が出来るのだ。 だから日本映画には(厳密に言えば海外だって同じ状況なのだが)どんな作品なのか説明を必要とする(=認知度の低い)オリジナルな企画はなかなか出てこない。映画製作には巨大なお金がかかるし、製作者やスポンサーも危ない橋を渡りたくないからだ。TV→映画が増えるのにはそんな理由がある。 でも、よくよく考えてみればそれだけではない。公開される映画の多くは、原作モノであったり、過去の作品のリメークだったり、ヒットした映画の続篇だったりするわけで、オリジナルな企画というのは半分以下しかないはず。だから映画はいつも企画不足と言われることになるんだけど、お客が入らない物を作る訳にはいかないから、ある種しょうがないのかも知れない。前述のTV→映画や、ベストセラーの映画化、ヒット作の続篇でも、入らない映画はあるんだから。オリジナルな企画ってのは、ビジネスとして成り立ちにくいってのが現状だろう。これは映画にとってあんまりいい状況ではないんだけど。偏ったソフトばかりになってしまう。 斜陽、斜陽と呼ばれ続けた映画産業だけど、今までいろんな知恵と努力で乗り切ってきた。“スター”の魅力を前面に押し出し、この人が出ているってだけでそこそこ映画がヒットするって作戦もあったし(これは山口百恵や松田聖子、たのきんトリオやシブがき隊ぐらいまでは通用していた)、TVに出ないミュージシャンを引っ張り出したり。映画がなくなることはないとは思うんだけど、それでも今後が少し心配な今日この頃である。 |
| 2004年1・2月号 | リメーク=青田買い? 企画に困っているのは何も日本映画だけではない。ハリウッドだって苦戦している。ハリウッド映画は世界が舞台なので、大コケした場合の損害は日本映画の比ではなく、だからそこそこ安心な原作モノや続篇製作が増え続ける事になるのだ。でもそんな作品ばかりだと次第に飽きられてしまうのも確かである。そこでハリウッドが目をつけたのがリメークだ。 リメークとは、過去の映画を作り直すこと。元になる映画は名作と呼ばれている物が多く、たとえばオリジナルがモノクロだった場合はカラー化し、描写が古臭い部分を現代風にアレンジしたりして、オリジナルを知らない若い人たちを見てもらおうという作戦である。ディカプリオの「ロミオ+ジュリエット」なんかがそう(もっともこれは原作モノでもあるが)。でもね、何故かはわからないけど、これって意外にヒットしないことが多い。リメークが検討されるような名作ならば、TVなどで一度は目にした事があるからかも知れない。 それならば、という訳ではないだろうが、今度は別の国で製作されヒットした映画のリメークをするという動きが活発になった。何しろ製作した本国ではヒットしているんだから、内容というかクオリティには問題がない。そして、アメリカ人は字幕で映画を見るのが得意ではないので、英語圏以外の映画はほとんど見ないのだ。で、フランス映画の「赤ちゃんに乾杯!」が「スリーメン&ベビー」になり、「ニキータ」が「アサシン」に生まれ変わり、そこそこのヒットとなった。 そして、ここ最近はアジアの映画が注目されている。言うまでもないが日本映画の「リング」→「ザ・リング」が成功したからだ。日本からは「仄暗い水の底から」「回路」「呪怨」「Shall we ダンス?」(リチャード・ギアとジェニファー・ロペスが主演)、アニメの「AKIRA」などが予定されている。スピルバーグのドリームワークスがリメーク権を買い取った韓国の「猟奇的な彼女」、トム・クルーズがリメーク権を獲得したタイの「THE EYE」、香港の「インファナル・アフェア」はブラピ主演での製作が決定、となかなか豪華なのである。 映画ファンとしてはハリウッド版はどんな配役になるんだろうとか楽しみも多いけど、何か複雑な思いもする今日この頃。 |
| 2004年3月号 | アカデミー賞予想2004 何故か今年はいつもの年より1ヶ月ほど早く授賞式が行われるアカデミー賞。この号が発行される頃には既に結果が分かっているんだけど、この時期の恒例ってことで、またまた赤っ恥予想をやってみようと思います。 早速、作品賞から始めますが、「ミスティック・リバー」も「シー・ビスケット」も捨てがたいけど、今年は「ロード・オブ・ザ・リング」で決まりでしょう。これだけのスケール感の映画はなかなかないし、その製作過程がすでにエポックだし。だって、ヒットするかどうかわからない映画を製作前から3部作で公開すると決め、300億以上ものお金と一年半もの時間をかけて一気に撮影するという、暴挙と呼んでも過言ではない手法で、またそれを成功させたってのが凄いじゃないですか。前2作もノミネートされていたってことで、認知度やクオリティには問題ないし、何より映画界全体に与えた影響も考え合わせると、これしかないと思います。で、監督賞も「LOTR」のピーター・ジャクソンに。この人は「バッド・テイスト」ってホラーでデビューして以降、カルトな映画を作り続けていた人で、こんな大作を手掛ける監督ではないんだけど。でも今さらイーストウッドやピータ・ウィアーら重鎮に賞をあげることもないでしょう。対抗は「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレスでしょうか。ソフィア・コッポラも捨てがたいけど。 主演男優賞はビル・マーレイで決まり。と言いながらまだ日本では公開されてないので作品は見てません(笑)。あちらのコメディアンは俳優としていい味だしてる人も多く、ビル・マーレイもそんな一人。ちょっとクセがあるからトム・ハンクスみたいに人気があるわけではないけど、個人的には好きなコメディアンの1人です。主演女優賞については今回はパスしたいのですが、体当たり演技が評価されているシャーリーズ・セロンかなぁ。 日本人として気になるのは助演男優賞でノミネートされている「ラストサムライ」の渡辺謙と、外国語映画賞の「たそがれ清兵衛」が受賞できるかどうかってこと。私の予想は残念ながら両方ともダメ。ゴールデングローブで渡辺謙に競り勝ったティム・ロビンスの2冠に終わるのでは、と私は読んでます。外国語映画賞はこれまた前評判の高いカナダ映画「みなさん、さようなら」が最有力かも。 さて、好き勝手に書き綴ってきましたが、結果はいかに? |
| 2004年4月号 | 「ロード・オブ・ザ・リング」のこと いや〜盛り上がりましたね、アカデミー賞。予測出来たこととは言え「ロード・オブ・ザ・リング」があれほどの強さを見せつけるとは思いませんでした。「ロード・オブ」の受賞者が登場する度に渡辺謙が映るのも何だか少し可哀想でしたし(笑)。しかし、前回も書いたように、この映画がその製作過程からして物凄いエポックなのは確かで、その上、これまでSFやファンタジーに決して受賞させることのなかったアカデミー作品賞まで獲得した事は正に快挙でしょう。あの「スター・ウォーズ」や「E.T.」ですら成し得なかったことなのですから。 しかし、あのピーター・ジャクソン監督がこんな風に大化けするとは正直思わなかったです。元々は新聞社に勤めながら、土日を使って自主映画を撮っていた人で、デビュー作の「バッド・テイスト」は完成させるのに4年半かかったとか。地球を乗っ取って人類を食料にしようとするエイリアンとの戦いを描いたスプラッター・ムービー(と言うより悪趣味ゲロゲロ映画)で、監督本人もオチャメな役で出演。私はこの映画を'88年の東京ファンタで見て、実は結構気に入ってたのでした。今ではDVDも売ってますので「LOTR」で監督のファンになった方は、使われている血ノリの量がおそらく最多だろうと言われる監督3作目の「ブレインデッド」と一緒にご覧下さい。扱っているテーマは違えど、物語をグイグイ引っ張っていく作風や、やりたい事は極めなければ気がすまないというポリシーは「LOTR」に通ずるところがあります。 さて、その「LOTR」ですが、劇場で公開されたものよりも長い《スペシャル・エクステンデッド・エディション》があるのをご存知でしょうか? 1作目で30分、2作目で40分ほど長いヴァージョンがDVDで発売されたり、限定公開されたりしましたが、完結編となる「王の帰還」でも《長い版》が出るのは確実。劇場公開された版では、悪い魔法使いであるサルマン(クリストファー・リー)が1カットすら出てこないし、旅の仲間の人気ナンバーワンとの呼び声の高いアラゴルン(ヴィーゴ・モーテンセン)が船を奪うシーンもない。上映時間は3時間半もあるものの、すべてのエピソードが駆け足で語られ、省略されている部分も多い。せっかくの超大作なんだから、《長い版》できちんと見たい。できれば1作目から順に全部を。そしてそれが見られる日こそ、指輪を巡る冒険が終わる日なのだと私は思うのです。 |
| 2004年5月号 | ネット散策1 ネットの普及によって、世の中は随分便利になりました。たいていの調べ物は図書館等に行かずとも自宅で調べられます(ただし、ネットでの情報は信頼度に欠けるので、結局は裏付け調査をしなけりゃいけないのですが)。そんなこんなで調べ物をしていると、結構面白いサイトを見つけることがあります。まず1つ目は「ロード・オブ・ザ・リング」の字幕問題についてのサイト。トールキンの原作のファンの人たちが、劇場公開時の日本語字幕を不適切と判断。署名運動などをして配給元に対し字幕の改善を求めた。その結果、ビデオやDVDでは一部改善されることになった、というもの(※1)。元々トールキンって人は言語学者で、自分で新しい言語を作った。文法や単語だけでなく、その言語に歴史をも与え、そこから大きな物語を作りあげた。それが「指輪物語」で、だから、言葉というものに特別な思い入れがあり、世界各国で翻訳されるに当たって、色々と細かな注文を付けたという。原作のファンであったピーター・ジャクソン監督は、そのあたりをきちんと踏まえた上で映画化しているんだけど、日本語字幕がその世界観をメチャクチャにしてしまっている、と。この映画の日本語字幕は戸田奈津子。私は原作を読んでいないので何とも言えないし、英語を聞き取れるだけの耳を持っていないので、HP上で指摘されている部分について、あまりよくわからないってのが正直な感想です。でもこういった運動が映画を巡る環境を良くしていくのなら、どんどんやって欲しいものです。特に字幕は日本人が作品を理解する基本中の基本なのだから、そこで間違いや誤訳があれば、間違ったものを鑑賞するってことになるわけですから。 もう1つ面白かったのは「マスター・アンド・コマンダー(以後M&Cと略)」の宣伝問題についてのHP(※2)。こちらは映画本編にではなく、映画の宣伝全般について異議を唱えたもの。イギリスでM&Cを見て感動した管理人さんが、帰国してM&Cの予告編や新聞広告を見た。すると予告編の内容と自分が見た映画の内容が全然違う。映画の宣伝のためある程度の内容の改ざんはやむを得ないかもしれないが、これは明らかにやりすぎ。こちらも原作のファンなどの署名運動を経て、その予告編がJARO(日本広告審査機構)の調査を受けるまでに発展した。 どちらも読み物としても面白いので興味と時間のある方は読んでみてはいかが。 でも、そう遠くない昔、前述した二例よりももっとひどい事が行われてたってこと、私は知ってます。自分のHPを立ち上げたら、すべて暴露する予定。乞う、ご期待!(←っていつになることやら) (※1) http://sa.sakura.ne.jp/~straydog/bard/toda.html (※2) http://www002.upp.so-net.ne.jp/kumiko-meru/mc_senden.htm ※ご覧のように既に自分のHPを持っていますが、za beat誌上に本名を晒しているので、危なくてここには書けません(笑)。そのうち過激な裏サイト(変な意味じゃないよ)を作る予定なので、その時まで待ってください。 |