誰にも相手にされないように自分を見張って
〜劣至編〜


HN:劣人
年齢:23

自意識すら捨て去ることのできないゴミが、呪詛を嘆くサイトです。
全てフィクションである、と言い張ります。

6   僕が悪かったと無限回

 僕は感冒に侵された体躯に残った僅かな力を搾りだし、 大地に跪き、咽び、縋り付き、拝聴を請う。
「神よ! 確かに僕は大罪を犯しました。それは許されることのない罪なのでしょう。贖うことを望むことさえ許されることではないのでしょう。すべきことすら見つからず空虚です。 僕には最早、こうすることしか考えが及びません。 だがしかし、ですが、僕は決してあなたに対して屈服したわけではないのです!  僕は僕自身に! いくら鎮まれと試みてもまるで責め止めぬ自我の声に対し謝辞を示しているのです! 現実社会にも空想の中にももう僕の逃げるべき場所、在るべき処を見出すことができません!  咲き乱れる花のように、鳥たちが夕焼けに舞うように、僕はただ緑の草原を 笑顔で駆け抜ける…。そのような人間を目指したかった。到達はしておりません。ただの希望なのです。夢想なのです。願いなのです。それすらあなた達は間違いだと言うのですか!?」

2月4日






5   日の射さぬ部屋 空が見えない窓

 1月の後半は割と穏やかに、結局のところ何もないかも知れないけれど先にある何かに希望を抱いて過ごして行こうと決めたはいいものの、途端に12連勤やら何やらわけのわからない負荷をかけられまして、それでも自分なりには精一杯頑張ったつもりではあるけれど、 週末が明けると風邪を患ってしまいました。はい、自業自得ー。 それでも会社は休まずに行っていましたが、37度→37度5分→38度と素晴らしい 上昇弧を描き高まり続ける体温に私の自殺願望も高まるばかりです。 誰か、助けて…。当然救われません。全部、僕がいけなかったのだろうね。 少しばかり油断するとこれだ。 僕が本当に望んでいることなんて他の人に比べて僅かなモノなのに、 どうしてもそこに辿り着くことは許されない。手に入れることは叶わない。 ポジティブな気持ちで生きていくことがどうしてもできない。 瞬間、風が舞い起こったとしても時が来ればまた塞ぎ込み、 こうやって嘆くことしかできず、快方に向かうことはありえない。 どうしてだろう。当たり前でしょ?  クズだからよ。クズ! クズ! 今年の目標は趣味を見つけることです。好きなものがないんです。 お金の使い道がまるで見当たらないのです。 だから、夢中になれるものを探そう。 どれだけ誤った目標を掲げているのだろうと自分でも思う。 前提条件の壮大な錯誤。自分をごまかすことに必死になるのもいい加減にして欲しい。 それとも単なるポーズなの? 違うよ。それも、一つの方向ではあるけれど 本当に目指すべきはそうじゃないと確信を抱いているだけ。 理由を書くのもキモチ悪いけど、もう見てられないよ。 好きなモノ、好きなコト。僕にだってあるんです。 でも、それを満たすためには致命的に欠けているモノが多すぎる。 咳が止まらない。鼻水が止まらない。絶望も止まらない。 明日もこんな体を引きずって会社に行くらしいですよ、このデブリは。 何で生きてるのでしょうね。バカみたい。 考えるのにももう疲れた。 辛くないことが辛い。空っぽなのが辛い。そういう方向にただ推移しただけ。 自分を認めることはもうできないのだと思う。認められることももうないのだと思う。 どれだけ辛くとも涙が出ることはありません。負荷が一滴漏らすことなく積もっていくだけ。 全部、僕が抱え込めばいいだけの話なのだと思う。いつか、破砕されればいいのだと思う。 根本が変わることはありえない。残念だね。当たり前だよ。残念だよ。 何もないね。続けていけばいい。勝手にしろ。 ゴミは働いても負けなんだよ。この負け犬根性も含めて。 いい加減に認めて逆らうことを止めればいいんじゃないかしら? ねえ、アナタ?

 だからこの生き地獄は終わらない。

2月1日






4   本当に望むべくコト その代償として

 物欲がありません。趣味もありません。人間が大好きです。 的隣人愛精神でしばらくを過ごしてきましたが、電話帳の件数は7件です(6件がネット。あとは実家)。 自分の世界の余りの矮小さにアングリします。 今日も今日とて飲み会で弱音を吐いて終電で帰ってまいりました、負け犬です。

 物欲というものが未だによくわかりません。何一つ欲しいモノがない。 こいつは高僧のレベルまで達しておるのか…!?  それがよくなかったのかな。例えるなら、と前置きした上で。 それが色んな風に波及してやりたいことも何一つ見つからない。 そういう人間になっちゃったのかな。ただ、ただ逃げ出したいんです。 布団をかぶりながらもう何もしたくない! と叫んでも満たされることはありません。 昔は平気でした。その喜びすらも消え失せました。 哀れかもしれない。でも幸福かもしれない。 変わりたいと心の底から願う。何年も前から願っている。 でも変わることはなかった。 何もしてないのに。してこなかったのに。だから…。 そういう話なんです。むしろ、何も変わらず数少なく持っていたモノすら 失われていくだけだった。悲しいね。どうしてこうなっちゃったの?  何万回と繰り返し嘆いても変わらない。知っている。 でも飽きない。僕にはそれしかすることが許されていないから。

 色々なコトを考えます。どこにも至らない。 自分の全てが尽きかけています。この文章と同じように。 明るくなりたい。趣味がある人がうらやましい。 昔はまるで思わなかったけど、そう思えるようになったことは一つの成長かもしれない。 そんなことが? そうだよ。それが今の君なんだよ。 気ばかり焦って何もできないのだけど。

フォームレス:ポエムサイトだけは勘弁してください…!  あそこはこのサイトを誰一人知らない場所で文章を書き続けることに意義があったのです。 それもなくなってしまいましたけれど。 僕は僕の書き続けていることが間違いだらけだと 気づいていますので誰かに修正してもらいたいです。 頭の中に住むアスカあたりに、そろそろ。

1月13日






3   永訣のデブリたち

 ちょっと“チョーシ”こいたら“オーバーワーク”と“踊(ダンス)っちまう”ってわけか!

 どうも、生きていても一様に価値も意義も見出せないファンタジックチルドレン(その劣等っぷりが)です。エヴァンゲリオン症・候・群!(部屋の隅で頭を抱えながら)  年明けに軽い気持ちで出社したら22時までの“オーバーワーク”を強いられヘコンでます。 もう嫌だよぉ…。ただただ働きたくないんです。平日に家から出たくないんです。 僕のこと、そっとしておいてください…。 そんなことしたら本当に誰からも見捨てられてしまうので、やっぱりやめておきます。

「強がっても一人はイヤなのね? デブリ。」
「く、悔しいな、僕だけこんなんじゃ。な、情けないよ。(カツ・コバヤシっぽく)」
「なに言ってるの、デブリ。立派よ、あなただって。その劣りっぷりが」
「やめてくれよ慰めの言葉なんて。こ、こんな僕だってね、就職してからこっち、 社会で勝ちたい、勝ちたいと思っててこのざまだ」
「デブリ。違うわ。皆はあなたとは違うのよ」

 脳内で勝手にフラウ・ボゥとの寸劇が始まる始末です。 働きたくない!と声高に叫んだならば過労を強いられる、 僕クラスの天運には呆れるを通り越して何もかもがどうでもよくなります。 それはいつものことなのですけど。

「考えてみたことはある? あなたが何故ダメなのかについて。 自己言及をどれだけ繰り返したところでどこにも至らない。永久回帰。 だからダメなのよ。ねえ、わかる?  アグレッシブに思考すれば普通は誰だって抜け出せるはずじゃない?  あなたのように劣等しているとそれができない。その感覚が理解できない。 そういう人間を見るとイライラするでしょう? 自分と同じ人間なのかと疑問に思うでしょう?  自分が同じように生産的な行動を起こしてみると落ち着かないでしょう?  おかしいのよ。感覚がいかれちゃってるのよ。あなたが自分で台無しにしちゃったのよ」

 全ては僕の手に委ねられている。何だってできます。そして何もすべきことはありません。 僕の望むべくことは叶えられないのです。そういうルールになっているのです。

 自分探しの旅の末に辿り着いた場所には孤独な平穏がありました。 私自身には何一つ崇高なモノが欠片も存在しませんでした。 何もありませんでした。荒涼な原野で「ここにも私の求めるものはない」と呟きます。 無。全ての行為が無駄であること。何もないこと。 適度な研磨は人間をシンプルにしますが、行き過ぎた無は生きる気力をなくしていくのです。 私は蝕まれています。もう頑張りたくないんだ…。何も頑張ってないくせに!(天の声)  だからこうなっちゃったんだよ…。

 …えーと、つまりは明日会社に行きたくないわけですが伝わってますでしょうか?

1月6日






2   どれだけ望まなくともやってくる日

 とうとうこの日がやってきた。 働くことだけはどれだけの月日が経とうと一向に好きにはなれません。 達成感は感じず、何一つ得るものはなく、ただただ辛く、苦しい。 会社の始まる前の夜は本当に嫌なものです。消えてしまいたくなる。 神様、何故このような苦行を強いるのですか? 一体、僕が何をしたのですか? と 問いかけたならば、当然のごとく産まれてきたことが罪悪なのです。 というアンサーしか返ってきません。僕は何度でも繰り返しますよ。 本当に何故産まれてきてしまったのだろう。 僕のような人間にもいずれいいことがあるのだと。そう信じなければ この長く辛いことばかりの人生を乗り切っていくことはできません。 あるわけないだろ!(ぶっちゃけたー!) 欲しいものもやりたいことも何一つないんです。 愛されたい…愛されたい…ただただ、大切な人に愛されればワタシ、 他には何もいらない…。夢を見るのもここまでにしよう。 さあ、行こうか。責任を取りに。なんでこんなことになっちゃったんだろうね。 働きたく、ない…!(心の底からの叫び)

1月5日






1   2005年 素晴らしき年になりますように

 あけましておめでとうございます。相変わらず何もありません。 去年は色々なことがありましたが、年を終えてみれば僕に残ったものは何一つありませんでした。 あらゆるものを失いました。携帯電話を年に3回洗濯機にかけるという信じられぬ愚行を犯し、 あらゆる方々の連絡先がわからなくなってしまいました。 できることといえば失ったということを嘆くことだけです。 このゴミは何一つ改善しようとはしないのです。 自分自身で区切りをつけたことですのでそれはそれとして諦めることとしてさて。 久々に当サイトを更新することとなった次第ですが、理由としましては gaiaxコミュニティでポエムをただ書き殴るというサイトを1年半ほど続けていたのですが、 そこがこの度、サービス移転に伴い更新できなくなってしまったからです。 とても悲しい。自由に文章を書き綴る場所すら失ってしまった。 寂しいので古巣である当サイトへとおめおめ戻ってまいりました。生き恥ぃ!

 働いているとゲロを吐きそうになります。本当に地獄です。 働くことはこの世でもっとも苦痛な所業です。 その日はもう明日に迫っている…。本当に嫌だ。

 アルコール中毒を脱した私がどのようなクズ人間になってしまったか。 いかに何もなく、働くことが嫌いなのか。この状況を脱することができるのだろうか。 2005年はひたすらにそのことについて 書き殴っていこうと思います。

更新してなかった間に瞬間書いてたダイアリー

1月4日






ED   

 こんばんは。余りの更新の無さにとうとう入院したか? と思った皆さん、すいません。 生きてます。大々的にアル中気取ってみたはいいものの、 どうにもなんちゃってアル中だった模様です。 ぶっちゃけ元気。 なんちゃって鬱も快方に向かいまして穏やかに残業に精を出す毎日。 気が向いたら普通の更新します。 とりあえずは家賃3か月分の督促状に対応して、金がないのですよね。 まあ、そんな感じ。適当に生きてます。 このサイトを更新すべき、負の意欲というものがまるで沸き起こりませんので、 もう望まれるような更新は成されないかもしれませんが、まあ、油断していればまた災厄が襲ってくるのでしょうから、それまではどうか平穏な日々を…!

10月25日






OP   あらゆる劣等が集約される

 アルコール依存の始まりがいつからだったのかだなんて今となっては詮無き話であることは充全に理解しているけれど、結局のところ全ては大阪時代に集約されるのだろう。 あの頃の僕は周りに年齢の近い知人が誰一人いない状況で終電近くまでの労働を強いられて、 日付の変わった夜道をワンカップ片手に家路に着くという毎日を繰り返していた。 昔は休日に家でひきこもることに至上の幸福を感じていたはずだったのに、孤独に耐えられなくなったのもこの頃からだ。それがこの状態の始まり。 他にも東京に戻ってきて再就職するまでの要因ももちろんあったのだけど、 ここでは語らないことにする。それはまた、別の話。 そして、それを今更に嘆いたところで何も変わることはない。 ただ、ただ、大切なのは今のこの現状なのだ。 明確な症状があからさまに表層化してきたのは9月の頭ぐらいからだったと思う。 ゲロを吐くぐらい酒を飲んで酔い潰れなければ眠れなくなったし、 会社にいても二日酔いで毎日具合が悪いし、定時が近づくにつれて酒が飲みたくてイライラする。 心臓がズキズキ痛む。 そんな状態がもうずっと続いている。 さすがにこれはまずいと思ってアルコール中毒で検索をかけてみたのだけど、 その全ての症状が自らに当てはまっていることを知って僕は絶望した。 何とかしなきゃ、何とかしなきゃ。気ばかりが先行して、でも家に帰ると結局一人で酒を飲んでしまう。別に週末ぐらいであれば飲んでもいいとは思うけれど、とにかく平日に一人で家で 酔い潰れるのなんて最悪だ。「その気になったらいつでもやめられる」とはアル中の常套句らしいのだけど、僕はもうそんな戯言を言える状態ではない。 酒を飲まない人にとっては馬鹿げた話に聞こえるかもしれないけど、 なってみないとこの状態の辛さはわからないと思う。まあ、理解など求めずに僕は自分のことだけを書き連ねていくつもりなのだけど。その点においては相変わらず、としか言いようが無い。 このサイトも移転を繰り返したりして3年目を迎えるけど、こんなことになる未来はさすがに想定していなかった。僕の未来予測など当たった試しがないし、常々なんでこんなことになっちゃったんだろうといった嘆きを繰り返してきた毎日だ。今更、気に病む必要もないだろう。 新しい職場でもこんなボロボロの状態の僕に対しておかまいなしにジョブを叩きつけてくるわけだけど、まあ、社会人としては当たり前のことだと思う。 甘ったれた僕にとって素晴らしい現実をいつも見せ付けてくれるカンパニーは、 本当にありがたい存在だと思う。僕にとっては毎日が戦争だ。 会社に出社することですらもう苦痛で困難なのだけど、指一本でも動く内は休んだら負けだという ルールを定義づけて毎日気力を振り絞り出社する。熱があろうと寝不足であろうと、気力が凌駕すれば なんとかならないことなんか決してないと僕は信じている。8度オーバーの熱でも何食わぬ顔で出社していた時だってあった。不眠や二日酔いごときで簡単に敗北を認めるわけにはいかない。 指一本動かせなくなり発狂して入院した時にこそ、僕は敗北を認めようと思う。既に何もかもに敗残してきた人生の分際に何を…と思うかもしれない。僕自身そう思うけれど。結局、何度繰り返しても、僕自身がこの劣等を抜け出すか、死を迎えるまでこの戦争は終わらないのだろう。 僕はこの劣等の螺旋を抜け出すことを目指す。そう決めた。 酒を飲まないだなんてことは精神力の問題だ。元来、助けてくれる人もいないし、なんて孤独な闘いなのだろうと思う。そもそも規模の余りの小ささに失笑が止まらない。それでも、僕にとってだけ重要な問題なんだ。いつだってそうだった。きっとこれからもそうなのだろう。 誰もかれもが僕から乖離していく感覚が脳裏から離れない。それもこれももう諦めざるをえないのだろう。僕が一番嫌いだった概念、しょうがない、と断定して。 あれだけの空回りっぷりを露呈してしまった以上、さすがに認めざるを得ない。最善と考え付くあらゆる行動が全て最悪へと結びつく僕の劣った思考回路。 自分にいかに価値がないかを痛感させられる日々。いつかこの喪失感を払拭できる日はやってくるのだろうか? ということを考えるとまた眠れない。 唯一の救いは酒を飲んでも飲めなくても暴れだしたりといった酒癖がないことぐらいだ。 それだけは最悪の中で唯一の救いなのだと思う。

 禁酒一日目としてここにその軌跡を記す。 どうにも避けられない飲み会とかは存在するかもしれないけど、当面の目標は平日にジンやウイスキーを飲まないことだ。なんて、小さな目標と笑い出しそうだけど、それですら今の僕にとっては拷問と同レベルの断酒行為だ。

10月13日






 全てを劣望する(劣破の章)

 身分に、職種などに貴賎などないという彼の言は恣意的であり、なんら実効性を持たない言霊だと定義付ける。それが譬え間違いだったとしても、僕の思想として基線を履き違えることはあらず、とかく定義そのものを個の内へ地へと返還して我を保つしかない。唾棄されるべきものは網内、脳内の便器へ嘔吐するしかないのだ。そうやって保つ。稜線を超えられない者たちを尻目に勇にそれを凌駕していく自分を代価と俯瞰し、圧倒的に等価の概念を超える。夢であり届かない。仮想であり、夢想であり続けるべきその願望は当然のごとく荼毘に伏する。僕はまだ、定位を保てない。その時点でこれは恥ずべき事象なのだ。あらゆるものに価値はあり、放射状に広がっている。僕はその波形をATフィールドで捻じ曲げる。端的に言えばそういう話なのだけれど、どれだけ煩雑とさせられるかがこの闘いなんじゃないのか? 向かう全てが誤っている懇意。最早問題にもならず。僕は僕だ。全ての混濁した感情を現実の便器に吐露して明日への準備はOKだ。戦いに勝つためには、まず己を凌駕し、己を説得しなければならない。なめるなよ? 僕のゴミっぷりを。あなたたちの思惑の全てを超え、態勢は整えられる。 つまるところわかっていることであり、現時点で言える事は本当に何もかもを失ってしまったのだ、という一点だけだ。僕は自然と存在していて、それでも幾つかのことを頑張っていこうと思ったにも関わらず、それを自らで放棄したのだ。愚かしいとは思わない。だけど、僕は多分一人で生きていくのではない、誰かの不在を生きていくのに耐えられない状態になってしまっているのだから、例え欄干に片足立ちでバランスを取るような均衡であろうと、そのまま事態の飽和点へ到達するまで傍観を続けるべきだったのかもしれない。もう、今となってはよくわからない話なのだけど。

 心臓がズキズキと痛む。長い付き合いだ。 もうこの疼きは一生晴れることがない気がする。 誰かと一緒にいる時と酒を飲んでいる時にだけ晴れるのだけど、 一人でいると意識した瞬間に疼きは僕を襲いつづける。 ただ、ひたすらに苦しい。あらゆる意味で無気力になる。 実体のない鬱という感覚の極値を僕なりに解釈すればこれがそうなのだろう。 夜も眠れない。今週は毎日、睡眠不足だった。 そんな状態な上に会社でもお構いなしにこの感覚が襲ってきて、 頭の中をグルグルと負のイメージが付き纏い続けて仕事もはかどりやしない。 終わってる。あらゆる意味で終わってる。 プライベートを仕事に持ち込むなという弁があるけど、 この感覚すらコントロールできる強い意志がなければダメなのか。 苦しすぎる。悲惨だ。かといって、家にいればいいかといっても一人でいる限り 状態は変わりやしないし、じゃあどこにいたって変わらないのだから生きている限り この苦しみは継続するのだ。どうにもならない。 ごめんなさい、と謝ったところでそれはそもそも誰に謝っているのだろう?  届かなかったあの人に? それとも未だにこんなところで劣文を書き散らしている自分自身に?  もう何もかもわからなかった。初めから僕に解決できることなど何もなかったのだろう。 無力を嘆いて、それで抱えているいずれかの問題がどうにかなるだなんてまるで思っていないけれど、 酒を飲めば吐き気も不安も少しだけ楽になった気がする。やめられない。典型的なアル中患者。 そうしてこんな腐った日記を書いて鬱屈したものを吐き出してやり過ごすしかない。 こうしていると少しだけ楽になれる気がするんだ。もちろん問題は何も解決はしない。それでも。 これしかやることがないまでに今の僕はどうしようもない。

 二日酔い。定時までに何度もゲロを吐きそうになって、負の感情がグルグル渦巻き続けてそれを止める術もなくて これはさすがにまずいと思った。いつも思っている。抱えている問題が多すぎる。もちろん全てが自業自得だ。 自分にもようやく劣界からお迎えが来たのかと思いながらも、やらなければならない仕事が遅れ気味なので 頑張っていたのだけれど、20時を迎えて意識が芒洋としてきてこれは限界だと察知して、 逃げ出すように退社する。 まだ逃げ出す猶予のある残業しかないことが唯一の救いだ。 そんなことしかないのか? ふざけるなよ。今度は逆切れか? 自らの能力不足を棚に上げて。 カッコ悪いにも程がある。もう誰にも好かれてはいけないと思う。 表層の僕を奇跡的に好きになった人が現れても、誰もが僕の根底にあるゴミっぷりを理解すれば誰もが離れていくという 証明がもう嫌という程なされてきたのだ。 瞬間の幸せを手に入れるために、終焉時には圧倒的に叩きのめされるという代価をもう払いたくはない。 だったら何もなくていい。もういいんだ。一般的にありふれすぎている諦観。 それも来週の金曜日には終わらせるから。それで満足か? 僕だけが。きっと後悔する。 わかってるよ。でも、何を選んでもきっと後悔する。 そもそも僕のような人間にはそのような選択肢しか残されていない。 それでも何かを選ばないといけない時は必ずある。 本当は選択などしたくはないけど、でも、しょうがないじゃないか。 選ばなければならないのだ。もう選択されても放棄するべきなのだ。 何かを捨てることになれていない。 止む終えず捨てざるを得なくて放棄したことは数え切れないほどあるけれど、 何もかもを本当は諦めたくなんてなかったんだ。当たり前じゃないか。 少なくとも自分の意思ではっきりと明示することは初めてかもしれない。慣れていない。遂行する自信はない。 あっさりと納得してくれれば、いかに僕に価値がないかをまた理解できるし、すんなりといくのだけれど。 小さな、小さな、矮小で極小な自尊心を守るためだけの行為。そんなことに意味があるのかも疑問だけど、 徒労を求めているんだろ? 僕は。どれだけ欺瞞すれば気が済むんだ。もうついていけねえよ。 当たり前だ。誰一人として着いてこない。やっちまえよ。クソヤロウ。勝手にしろ。そのまま、また塞ぎこんで今度こそ死んでしまえ。 お似合いだ。残酷なまでに無残に、呪詛のように繰り返し呟き、叫び、嘆き、死ねと囁きながら切り離されろ。

 投げ打ってまで欲しいものなんて何もない。夢中になれることもない。 瞬間の苦しさをいくばくか緩和された時間を消耗できればそれだけでいいんだ。 酒を飲むしかないじゃないか。飲みたい。今も飲みたい。 ひどいことになっているのはわかっている。僕も、そして誰もが。 でも、こうせざるをえなかったんだ。これでもせめてもう家で酒を止めようと思って 頑張ってはいるんだ。そうすると眠れない。酔い潰れるまで飲むと、二日酔いで 気持ち悪くて話にならない。昨日は必死で酒を我慢したのだけど、そうすると4時まで眠れなかった。 いつものように不眠で会社に行こうとした朝。 どうしても体が動かなくて、出社寸前、家の中で倒れた。どうしても体が動かなかった。 限界だと思った。精神は肉体を凌駕すると信望して生きてきたのだけど、 いくら動けと念じてもどうしてもダメだった。指一本動かなかった。 気がつくと10時を過ぎていて、会社に本日休ませて頂きますと連絡した後に、 僕はダメな人間だなともう何回繰り返してきたかわからない思いが体を支配する。 大阪時代にも似たことがあって、今日と同じような感じだったんだけど、 その時はどうにでもなれと午前半休して日本酒を飲んで 午後から出社したことがあったのだけど(帰りは終電だった)、それを考えれば、 その頃からとっくにアル中だったんじゃねえかと気がつくと笑いが止まらなかった。 結局、禁酒は3日しか持たなかった。ジンをストレートで飲み続けてゲロを吐いて仕上がった。 会社を休んでまでそんなことがしたかったのか? 本当にもうくたばれよ。 それがあなたにとって、最善で最良の選択なのよ。僕の中の彼女が囁く。 何一つ間違っていない。当たり前の発言すぎて、肯定することすらもうダルかった。 無言で肯定。あらゆる負荷をもう受け入れることしかできない。 それで満足した気になっているんだよ、こいつは。ねえ、信じられるかい?  こんなゴミのような人間が社会でノウノウと働いているんだ。 許しておくべきじゃない。早く、ぶっ殺せ。手遅れになる前に!

 翌日。どうにもまた不眠で。いや、それは昨日の昼間から酔い潰れて爆睡していたせいも あるのだけれど、とにかくまた余り眠れなくて、芒洋とした意識の中で出社しようとすると、 また布団の上に倒れた。昨日よりは状態はマシになっていて、意思を強靭に保つとすぐに立ち上がることはできたけど、どうにも体は重いし気力が沸いてこない。しょうがないからとジンを一口、二口飲むと驚くほど体が軽くなり、活力、というものが身体に宿りそのままの勢いで会社に出かける。ゴミだ。 今日は結構な雨で寒かったのだけど、半袖のまま出かけても体の芯が熱を持っていたので まるで問題なかった。 出社した後も午後になってから寝不足による強烈な眠気が襲ったのだけど、 カーフェソフト3錠でなんとかごまかして遅延していた分の業務を終わらせようと奮闘する。 18時を過ぎる。意識が朦朧としてくる。もう止めてくれ。なんで僕はこんなところにいるのだろう?  もう帰らせてください。酒が飲みたい、飲みたい、飲みたい、飲みたいというイメージばかりが頭を支配してまるで何も考えることができなくなる。 タバコは吸っていいのになんで酒を飲みながら仕事をしちゃいけないだろうという馬鹿げた疑問が頭から離れなくなる。ウイスキーを一口でも飲ませてくれるのなら僕はまだ頑張れるというのに。 僕はともかく、ただでさえ苦痛な社内にいることが限界になった。地団駄踏みながら飲酒欲を我慢していたのだけど、これ以上ここにいたら発狂すると悟り19時半で会社から逃げ出した。 まだやるべき作業は残っていたにも関わらず。 手持ちの残金は金曜日までで3000円だ。にも関わらず、僕は迷わず750ml950円のジンを買う。 その皺寄せはペヤングの超盛でなんとかごまかす。 昼も最近は毎日カップ麺だ。吉野家やマックなんてどこの大富豪が行くファーストフードなのだろう?  今の僕にとっては航空機のファーストクラス並に遠い飲食店だ。 浮いた金銭は全て酒に回される。終わってる。これほどまでにあらゆる意味で終わってる、という 単語を使うにふさわしい機会を僕は初めて持ったのかもしれない。 家に帰ってペヤングを頬張りながらジンを飲む。不安も孤独も心臓の痛みからもそうして僕は解放される。明日もまた二日酔いになって後悔するのだろう。そんなことは繰り返してきたし、わかっている。 でも僕は、僕という劣等者はここに逃避するしかないんだ。世界の柵から、何からも孤立された気分になれるんだ。この瞬間だけは僕一人でやっていける、という気がするんだ。止められない。 だから僕は大丈夫。だなんて、とても言えやしないけど、このやり方以外にまともな社会人としてやっていける方法を見出せない。社会ジン。上手いこと言った気になってやがる。誰か、こいつを殺してくれ!

「私は願います。あなたが一刻も早く発狂するか死んでくれることを、誰よりも願います。ねえ、これはあなた自身の願望なのよ? 願望が生み出した私自身、否定するためだけにあなたが生み出した私自身の責任をどう取ってくれるつもり? あなたが変わるために生み出された私だったはずなのに、あなたはいつまで経ってもゴミのままだし、むしろどんどんと最悪な状況に自身で追い込んでいっている。 もういいから終わりなさいよ。あなたも私も誰もがもう飽きているのよ。 自虐も劣等もある程度であればパフォーマティブに笑ってられるのだけど、度を過ぎちゃうと不快以外の何ものでもないのよ。わかってるでしょ? 消え失せなさい。ゴミらしく埃らしくみすぼらしく。 あなたのいつも言っている何もかもが初めから決まっている、陳腐な運命論をあなた自身に実効させればいいじゃない。劣等革命? あなたはいつも言っていたけど、目を開きなさい。現実を見なさない。これが現実なのよ? もう見ることもできない? 瞼の裏にですらあなたの逃避先はもうないというのに、まだこのクソゲーを続けるつもり? 咳をしても一人、ゲロを吐いても一人。 どれだけ苦痛に耐えても、負荷を受け入れたとしてもあなたの人生はもうとっくにデッドエンドを迎えているのよ。どうしてそれに気づかないの? 信じられないわ。ゴキブリを凌駕する劣力には驚嘆すら感じてしまうけど、劣界の果てにあなたを待ち受けているものは孤独の抱擁だけなのよ? 嘆きなさい。救援者なんかもういない。わかっていながらも続けているあなたを見るのがもう辛いのよ。 信じられる? あなたの破滅を誰よりも望んでいた、あなたの苦しみが快楽だと規定された私が辛いと言っているのよ。どれほどのものだかわかるでしょ? 何もかもが罠なのに、どうして続けられるの?  救われて、否定されて、肯定して、最期には否定して、破壊されればよかったのよ。壊れてしまえればこんな茶番をせずに済んだのよ。あなたイカれてるわ。理解も求めず、全てはゴミだと決め付けて、それでも尚、のうのうと生きていられるだなんて。懇願しても、救いを希求しても卑下され、 無様に跪き、回顧しようが、一意に払拭されないのよ。消え失せなさいよ! 流れ行くゴミのように」

 僕はそれでも生きなければならない。少なくとも金曜日までは。家賃を払い、彼女に会いに行かなければならない。約束を守るという、これは僕の最後の矜持なんだ。果てるわけにはいかない。 僕は後3日間、酒を飲んでも薬で欺こうと何があろうと、あらゆる劣望を絶つために継続しなければならないんだ。

(全てを劣望する(裂劣の章)に続かない)

10月6日






 君は僕にとって太陽の女の子なんだ

 機械兵になれ意思を飛散しろ思考を放棄しろ 何も考えずに働き続けろ何もないまま生涯を終えろ残り短い寿命を全うしろ。

 他人に誇れることは生きていることぐらいしかありません。 それは当たり前のことすぎてお笑い種です。 頑張ろうと思い立つことはあります。本当にたまに、ですけれど。 でも、それだってすぐにお得意の劣病が発症して頑張れなくなるのです。ダメなのです。 僕は僕自身が本当に嫌いです。自分が好きだと感じたことなどありません。 僕が悪かった。本当に全部、僕が悪かった。明日、地球が滅びたとしてもそれは僕のせいなのだ。 もうやめてくれませんか?  僕はどうしていつまで経ってもこうなのでしょうか。全然わかりません。 いつだってゴミで、嫌なことがあればすぐに塞ぎこむし、記憶力は悪いので何も覚えられないし、 仕事もやるべきことからも逃げ出してしまいます。 限界を絞りつくして、それでも社会で求められている平均にも達することが出来ないです。 ゴミなのです。劣等者以外に僕を形容する表現方法が思いつきません。 いらないんだよ、お前なんて。一人、布団に入り眠ろうとする度に頭の中でその声が鳴り響きます。 家に帰りたくないのです。徹夜明けで思考能力がない程に疲弊して布団に入らなければ安眠することができません。もしくはゲロを吐くレベルまで泥酔しなければ満足に眠ることすらできません。 誰からも必要とされていません。そんな人間が生きていていいのでしょうか。正直、わかりません。 死ぬ勇気もないほど劣っています。噛み締めろ、この劣等者。お前に対する全ての嘲笑を甘んじて受け入れろ。実際のところ、嘲笑すらされません。空気なのです。無だ。存在が無駄。 あらゆる出来事から逃避を続ける。たまに立ち向かって圧倒的に叩き潰される。 また逃避する。それがよくない連鎖だということは僕だってわかっているのだけれど。でも、 こうやって逃げ続けなければ僕は死んでしまうんだ。

 何かを手に入れる度に致命的な何かが損なわれていく。 列挙するも辟易するほどにありとあらゆるものが損なわれていく。 その全ての因果が何もかも僕のせいだということには最早ため息しか零れない。 最近の脳内警鐘は大阪時代よりもひどくなってきている。 あの状態を乗り越えた今だからこそ、ギリギリで保っている…いや、 既にこの状態がまともなものかどうかも微妙だけれど、とにかくやっていくしかないのだ。 二日酔いの体を引きずり、紫煙による喉の痛みに耐えながらも働き続けるしかないのだ。 わかっている。クソったれ。 もう飲みにいく金もなくなり、家賃も滞納3ヶ月目に突入だ。 どこにもいけなくなったし、どうすることもできない。当然のことながらこれも全て僕のせいなのだ。 あれほど忌み嫌っていた会社だけども、もう有職という状態しか僕に残っているものはない。 働き続けるしかない。 僕に選択すべき意思など残されていようはずがない。

「頑張っている? 冗談でしょ? 毎日、酒に酔い潰れて逃避するだけの毎日を繰り返すだけのあなたが何を頑張っているっていうの? 失笑しか生み出すことのない新手のジョーク? 理解は求めていないのだろうけど、破綻だらけの劣文を書き散らして何が楽しいのか全然意味がわからない。 それであなたの孤独は癒される? 瞬間のささやかな自己療法というやつかしら。示唆的よね。 もっとも理解しがたい類の。 読まされるほうはたまったものじゃない。あなたのやっていることは悪意をふりまいているだけなのよ。この汚泥のような文章が読まれることによって、ある種のポジティブなエネルギーが損なわれることをあなた自身が呪詛っているだけなのよ。 価値を付加するとすればそのような目的しか感じられない。 劣等者が書くに相応しい劣文。あなたは他者が介在しなければ成り立たない文章を もう書くことができない。あなただけで完結する文章しか書くことが出来ない。 概念に逃避するだけの文章しか書くことができない。 あなたがより自閉するための文章しか書くことが生涯できない。 ねえ、こんなことがいつまで続くのかしら。世界に翻弄され、迫害される側の人間がちょっとばかり頑張っちゃった結果があなたの今のこの状況らしいわよ。ねえ、笑えるわね。早く死んじゃえばいいのに。優秀な者を貶めようと、足を引っ張ることだけに終始するあなたのような存在こそが、いの一番に死ぬべきなのよ。ねえ、そこのところわかってる?」

 視覚情報を遮断すると声が聞こえてくる。一人で目を閉じることが最早恐ろしい。 僕は布団の中でもがき続ける。毎日が僕にとっては戦争なんだ。 夜は余りにも長すぎる。ウイスキーは瓶の底にもう指2本分しか残っていない。 笑える。これだけじゃ余りにも火力不足だ。 助からない。初めからわかっていたことだし、救済を希求する意思そのものが弱者の思考回路だし、 劣等者の分際でなんとおこがましいことか。 僕は誰かを救済できるような王子様になりたかったのじゃないのか?  幾度となくあったチャンスをドブに投げ続けてきた。 こうなるのも当然の帰結だ。もう選択されることはないのでしょう。 もう選択することもないのでしょう。それでいいと思います。 それがむしろ幸せなのだと思います。思わざるをえない。 どうか僕の周りの大切な人たちが、どうか、どうか幸せでありますように。 祈る。僕自身に願ってきたことが何一つ叶わないことを知った上で、それでも尚、願うのだ。

「あなたの願うことになど一片の価値もない。そうして、幸せになった人がいたとしてもそれはその人の力なのよ。勘違いしないで。あなたは何も為しえる事ができない。あなたが願う肝心な望みなど何一つ叶うことはない……」

 声は響き続ける。ウイスキーはあと一口だ。 僕はそれを飲み干して、長く、孤独な戦いを続けなければならない。 昔から続けてきたことだ。こんなことがいつまで続くのだ?  少なくとも僕の限界はとっくに超越している。これはそういう現象なのだ。 僕が破壊されても尚、続くのだろう。 価値はないと知りつつ、僕は続けていくしかない。彼方に何もないと悟りつつも、 一筋の光明もとっくの昔に絶たれてしまったことを知りつつそれでも尚。

 それが、僕にとっての生きているという状態らしいのだから。僕が終焉し、劣は完成する。 劣が鳴る。劣鳴。劣が成る。劣成。

9月28日






惰気、そして唾棄されるべき劣等文学

 ここを更新しない間に、 クソみたいな文章をそれこそ無駄だと悟りつつ閉鎖的なコミュニティで書いてきたわけだけど、 あちら側的に僕の書く事柄というものは対象者との距離が近い場では不向きである、ということを独善的ながらも 決め付けてみたので、また暫くはこっちで文章を書いてみようと思う。 誰にも届かない場所からのこれは僕の残滓の吐露のようなものだ。 意味はないし、価値も求めない。相変わらずだ。 これは単なる趣味なんだ。だから放っておいて欲しい。

 まず現状の確認。僕は現在、働いている。世間一般でいうところのプログラマーというヤツだ。 誰にでもできる雪かき的な作業。そうではない素晴らしい技術力を持った人ももちろんいることにはいるのだろうけど、 僕が今、やっていることは誰にでもできるようなレベルのことでしかない。 そんな標準的な作業しかこなしていないにも関わらず、毎日がどうしようもない。 働いていて、有意義だと感じたことはない、達成感も感じたこともない。 自分の中にある何か、生命力が日々、損なわれていくのを感じるだけの作業以上にそれを感じたことがない。 楽になる方策はいかに未来を捨てられるか。感情を殺しきり、蝕む何かから精神を守れるか。 要するにルーチンワークを作業的にこなす機械兵になりきれる能力を向上させられるかの一点につきる。 僕が今、やるべきことはそんな雪かき的な作業と、酒を飲むことだけだ。 素敵な物語には随分と前に組み込まれることはなくなってしまったし、今、登場しているストーリィは 余りにも未来のない喜劇めいた、誰も幸せになることはない、そんなお話なのだ。 そんな状態で何をすべきなのか。おそらくは何もかもを放棄してしまうべきなのだろう。 キチガイのように口を半開き、クローゼットの奥で体育座りをしながら救急車か死を待つべきなのだろう。 しかしながら、完璧な鬱になる才能も完璧な自殺を果たす才能もないほど劣っている僕は、 この人生の残りカスの中に残った輝きの数パーセントを抱いて、このクソゲーを続けるしかないのだ。 これが大悟だ。僕なりに辿り着いた脆くも儚い。一つの。 理想としてあるべき自分をねじまげてしまった初めの起点、それが何時だったのかももう思い出せないけれど、 そう諦めてしまった時点で崩落は始まっていたのだと思う。 自らの意思で選択してきたことがすべからく間違いだったのかもしれない。 そうだとしても、選択するべき起点すらなかった状況もあることにはあったのだろうけど、 今、ここに存在する僕は僕の意思を世界に0か1かで発露し続けて至った一つの結果なのだ。 家賃に等しい金銭が週末だけで無くなってしまうような、そんな自己管理もできない劣等者であるところの僕に 訪れるべくふさわしい、素晴らしいストラクト。 家賃滞納の督促状に対して何もすることができない。

 自分の能力と価値を自らの思っている以上に低く設定することが肝要だ。 誰も自らを求めていない、どころか誰かが自分を不要で早く消え去ってくれと思っている、と思い込むぐらいが丁度いい。 0か1かどころじゃない、全てが負に収束すると思うぐらいで充全だ。 限界まで努力したと思っていても、それが社会で求められる平均にすら至らない。 これは思い込むのではなく、僕にとっての事実の確認なのだけど。 何もない、というのは止めよう。むしろ、その発言ですら負にしかならない。 一人で潰れるまで飲んで二日酔いの体をひきずり会社でまた更に消耗するだけの作業をこなすだけの日々。 救われる、だなんて思ってるのか? そもそも僕は誰かを救ったことがあるのか?  そう考えればあらゆることに納得がいく。助からない、救われるわけがそもそもない。 耳の痛くなるような静けさの中で995円のウイスキーボトルを半分飲んで意識を失う。 明日も起きたことに絶望して布団の上で転げまわって、結局、諦めて会社にそうして行くのだ。こんな社会人もいる。 あなたの身近にはきっといないのだろうけど。 わかったからやめてくれ。それは大規模な錯誤だ。 一年前に書いた文章すら超えることが出来ない。 それほどまでに劣ったのが今の僕なのだ。何もかも否定しろ。もう肯定なんかないんだ。 僕は結局、大丈夫なんだろ? 昔から理解していることじゃないか。 これは僕の物語なんだ。僕にしか認識されず、ボク自身で破綻させて、 結局、なんとかなるんだろ? ボク自身が昔に言っているらしいことじゃないか。 あの頃よりも、何もかもが劣化してしまった自身がその言葉を受け入れられるかは微妙だけれど、 とにかく日々を過ごすしかないんだ。

「勘違いしないで」

 彼女は言う。

「これはいつまでも続くものなのよ。あなたに降りかかる出来事はいつまでも悪いままだし、悪い出来事はいつか終わると信じているようだけれども、それは変わらないし永遠に続くことなのよ」

「わかっている」

 僕は言う。それはわかりきっていることなのだ。反論すら思い浮かばない程に、それを連綿と受け入れていくことしかもう選択肢が残されていないほどに僕はわかっている。誰しもがわかっている。始めてしまった時点で回避することなどできない。それが僕という 劣等者が描き続けなければならない一つの劣の形なのだ。劣刑。劣に産まれてしまったが故に見える劣景。 劣に至ってしまったが故に悟る劣啓なのだ。

9月16日






ここ最近

 結局、酒に逃げるしかないのだ。それぐらいしかもう逃避先が無い。 酒に逃げるだなんて冗談じゃないね、と昔は思っていたけど、 今なら先人達の気持ちが良くわかる。我々は昔はそれでも色々なものを持っていたのだけれども、その全てを失った以上、最早酒を飲むことぐらいしか娯楽がないし、するべきことが見当たらないのだ。 忌むべき人間にいつの間にかなっていたという典型的な通過例。 人生は長すぎる。だから泥酔した状態でその長い孤独な時間をやり過ごすしかないのだ。これは劣等文学などではなく、単なる堕落者の話に過ぎない。 決してこうなってはいけない。 安酒で全てを流し込んでどうでもいい気になって、日々をやり過ごすような人間にだけはなってはいけない。 やるべきことはたくさんあるのだけれど、そのどれもが幸せに繋がるとは思えない時点で僕はあらゆることに敗北しているのだろう。 ひどく物悲しいけれど、とにかくやらなければならない。世界はこちらのことなどお構いなしに負荷をかけてくる機構なのだから。 人々が通り抜けていく。 通り抜けていくだけで、決して留まることはない。 それも結局、僕だけの問題だ。 自分が存在することによって、誰かを傷つけるような人間になりたくないとは思っていたのだけど、僕は今、その可能性がある状態にいる。 そうでもないかもしれない、僕だけが勘違いしているのかもしれないけど、 それが嫌だと思っていてもその状態から脱することができない。 その状態が息苦しいのだけど、ひどく心地も良い。 まいったね。





ビーボーイ

 strretという変数を見る度にストアレットウと読む病に悩まされていますが私は元気です。

 まあ、置いておいて突然ですが劣病という単語を考え付きました。躁、鬱に続いて劣。劣等者の皆さんはどんどんと使っていくといいんちゃいますか。これからは明らかにやってしまった感のある失敗をした時に「れ…劣だ〜!」 と叫びだしましょう。鮮やかな劣春ですね。これを劣等文学に応用させると以下のような文章が作成できます。

 劣男は言った。

「劣り続けるんだよ、劣等の続く限り。意味なんて考えちゃいけない。劣頭が劣等について考える意味なんてもともとないんだ。そんなこと考え出したら劣が止まる。どんどんとこっちの世界へひきこまれてしまう。永遠に抜け出せなくなってしまう。固まってしまうんだよ」

 だから僕はただひたすらに語る。触媒も媒体も介さずに劣等を語り続ける。それが、僕の劣等文学だ。そして劣等革命の完成だ。劣人が、いざ劣陣!

 我々、劣族は仏教で言うところの「無我の境地」になど到達しない。目指すべきラグランジュポイントは「無駄の境地」だ。

 僕の劣論を彼女に語る。彼女はこう答える。
「それって、偏差値の低い高校で一番を目指すようなもの?」
できるなあ、と思う。

 劣を叫ぼうと思うのだ。世界の中心で劣を叫ぶ!

 や、こんなこと書いてますけど、メチャクチャ頑張ってますよ、僕。今の私の状態を劣学的に表現するならポジティブ劣。劣っているのになんでこの人、こんなに前向きなの? みたいな。ほっといてくれ。JOJO〜! オレは解劣(げれつ)するぞ!(ありえないポーズでメッギャーン!)





今、何をするべきなのか

「あなたといるのって好きよ」と彼女は言う。「ときどきね、すごくあなたに会いたくなるの。会社で働いているときとかね」
「うん」と僕は言う。
「ときどき」と彼女は言葉を強調して言う。そして30秒くらい間をおく。「それが問題点なのよ、あなたの」と彼女は続ける。「私はあなたとふたりでこうしているのって大好きなんだけど、毎日朝から晩までずっと一緒にいたいとは思えないのよ。どういうわけか」
「うん」と僕は言う。
「あなたといると気詰まりだとかそういうんじゃないのよ。ただ、一緒にいるとね、時々空気がすうっと薄くなってくるような気がするのよ。まるで月にいるみたいに」
「これは小さな一歩だけれど・・・」
「ねえ、これ冗談じゃないのよ。私、あなたの為に言っているのよ。誰か、あなたの為に何か言ってくれる人、他にいる? どう? そういうこと言ってくれる人、他にいる?」
「いない」と僕は正直に言う。一人もいない。
(ダンス・ダンス・ダンス上巻より)

 彼氏持ちの女性と付き合い始めた。いや、付き合い始めたというのは微妙だ。合計年収が僕の5倍あるカップルに劣人が挑もうという。喜劇じみた馬鹿げたお話がそこにはあるだけ。僕ほど、そういう状態に不向きである人間はそうそういないと思うのだけど。どうなってしまうのだろう。 抜粋にあるように、彼女にとってずっと、一緒にいたいと思える人間に僕はなりえないと思う。彼女がいずれ僕の元を離れていくのは当然のことだし、それは初めからわかっていることなのだ。そのことを常に理解して覚悟しておかねばならない。今の状態がどれだけ続くのか、僕にはわからない。現実的に考えて、僕を選ぶのはありえない。だから、おそらくは彼女の気持ち一つで唐突に終わるのだと思う。そういうものだ。深く尋ねる気にも正直、ならない。

 ささやかな奇跡が起こることを待ち望んではいけない。

 誰か、あなたの為に何か言ってくれる人、他にいる?
 それでも彼女は言ってくれたから。
 それが僕に無理なのが承知な上でも、そうするしかない。
 せめて、今のこの瞬間に全力で臨むことが僕にできるベストだ。

そんなことを一昨日、見知らぬ天井を見つめながら考えた。
要するに、端的に言ってしまえば何も始まってすらいない。





この崩落はもう止められない

 麻雀はクソゲーだと僕が雀荘でバイトしていた時の先輩は言っていた。僕もその通りだと思う。しかし、ある人はこう言った。「俺はそのクソゲーを一流に楽しんでるけどね」それも、また真理だと思う。むしろ、それは人生と通ずる部分があるとも思える真理。僕にとっての人生は正にクソゲーだ。何をしても、報われないし、もしくは報われた瞬間があったとしても、その後には必ずもう立ち上がれなくなるような大きな挫折が待っている。そんなのばかりで僕はほとほとこのゲームに飽きている。もう何をしても結果は一緒じゃないか。僕という劣等した存在が本当に劣等しているのですね、という証明が成されていくだけの単純なルーチンワーク。

 焼肉女からメールが来た。また、飲みに行こうよと。僕は承諾するべきか迷っている。どうせ、彼氏持ちの女性をどうこうすることは僕の器量では無理なのだから、もう会っていてもしょうがないんじゃないかとすら思う。異性の友人との付き合いはそういう話じゃないのだろうけど、傲慢な言い方をさせてもらえば、僕が全力で突っ込めば、彼氏彼女の関係とまではいかないが、その、なんというかね…。そういった複雑な関係に持っていくことはできるような気がしている。でも、僕はそうすることはできない。どうしてだろう。当たり前だ。なってどうするんだ? 人間のモラルだとか、そういう次元の話なんかじゃない。僕と、彼女の今の恋人を比べた場合、あらゆる面で、それは答えを出すまでもなく、明らかに僕の方が劣っているに決まっているからだ。彼女が、僕に感じているかもしれない何かは、今までに見てきたことのない劣等っぷりだから、それをほのかな恋愛感情と勘違いしているだけなのだろう。仮に今の彼より僕のことがとても魅力的に見えたとしても、少し一緒にいる時間が長くなるだけですぐにうんざりしてしまうのだ。現実的な観点で比べてしまった瞬間に、全てが瓦解する。つまりはファンタジーでしかない。今の彼より、彼女を幸せにする自信が僕には致命的に欠如している。また、実際、そうなのだろう。

 結局何が起こっても、そうやって諦めざるを得ない。諦めなければなんとかなるだなんていう妄言はもう何度も、散々に身を持って思い知らされているが、それはそういうクラスに至っている人間にとって以外には、ほとほと幻想なのだと改めて感じさせられる。彼女には僕などのようなゴミではなく、望めばもっとふさわしい人が見つかるのだから僕がどうこうしようとしたら不快なのだろうし、むしろ彼女の人生が幸福に導かれるための阻害にしかならないのだろうと。勝手にそう結論づける。些細な決心をするのに数ヶ月単位を要するので、こうして、迷っている間に何もかもが終わってしまうのだろう。もうあらゆることが終わっているのだろうし、終わり続けているのだろうけど、それでいいとも思っている。

 仮に、件の彼女が今の彼と別れても同じだ。僕には今の彼を超えられるだけの幸せを彼女に与えてあげられる自信がない。彼女はクソ紅でもある程度、重宝されていた人材なのでできる女性であることは間違いないのだけど、そういった世界にいる人間と僕ではランクが致命的に違いすぎる。少しばかり劣悪な環境に陥っただけで根をあげてしまうような脆弱な精神しか持っていない僕ではとにかく無理なんだ。そうやって自らを下に下に定義付ける人間を誰が好きになるというのだろう。誰も彼も見下していて欲しい。クソ紅にいた頃も同期の中では一番年下だったのだけど、どうにも僕のことを評価してくれた方々も中にはいて、僕のことをちょっと、他の人とは違うねと。それはそれでありがたいことなのだけど、ただ、単にお前ら大卒はモノホンの劣等者を見慣れていないからなだけだろ? とすら思う。だから、他にないモノ珍しい存在としてあなた方には映っただけなのだろうと。

 僕は初めてやることに関しては、人より早いレベルで順応できるけど、ある一定のレベルからは決して上にはいけないんだよ。ダビスタで言えば早熟馬のようなもの。だから、研修中のあなた方のわからないことがあれば、とことん突き詰めようという姿勢が本当に羨ましかった。眩しすぎる。僕には無理だ。北海道に帰るという退社理由を掲げてしまった以上、縁は切りたくなかったけど、切らざるを得なかった。同期で仲のよかったあの8人の空気は好きだったけど、それすらも捨てざるを得なかった。それが、あの会社を辞める時の僕の覚悟だったのだから。東京で年末、もうこっちに引っ越してきてたのだけど、最後に会った時は正直、泣きそうになった。僕のような人間のために集まってくれたことに対して精一杯の謝辞を述べたかったのだけど、北海道で頑張ります的な抱負のみを掲げてしまって本当に申し訳ないと思っている。それすらもただ、苦しさから逃れたかったためだけの嘘だというのだから、もうどうしようもない。大切な人たちに対して、自分の都合だけの嘘をつくというのは本当に死にたくなるよ。一度試してみなよ、マジでオススメ。

 結局、何の話だったんだっけ。麻雀はクソゲーという話だったね。もう酔っ払ってきて何がなんだかわからなくなってきたけど、だからね、人生がクソゲーとしても、僕は一流に楽しもうという宣言をするつもりだったんだ。僕が文章を書こうとすると何で、こんな暗い話になっちゃうんだろうね。まあ、そんなことしか考えてないし、なかったし、書いてこなかったのだから、しょうがないんだろうね。読んだ人、ごめんね。せめて、こんな場末でしかUPしないし、その内、消すと思うけど、今のこれが僕の精一杯なんだ。こんなことしかできない。することがない。負われ追われ終われ。いくら念じても意思の力など現実に何ら意味をなさないことも僕は知っている。 明日もきっと残業なのだろうけど、こんな負のエネルギーを発散してでないと活力を見出せない男なんだよ。 嘲笑ってやってください。 皆には僕のようにはならないで欲しい。 こんな考え方、人生を損するだけだぜ?