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51   僕の物語5

「この世界の人間をわかっている人と、わかっていない人に分けるとすれば、 どちらかといえばあなたはわかってる方だと私は思っているわ」
 彼女はいきなり意味のわからないことを話し始めた。 それはいつものことだった。
「僕は君ほどに頭の回転が速くないから、君が何を言っているのかが よく理解できないのだけど。わかってるって? 何がわかってるというの?」
「世界の構造について、だよ」
 僕は「世界の構造について、だよ」なんて言う女の子と あまり接したことがなかったのでどう答えればいいのか、 よくわからなかった。
「世界の構造、という言葉が曖昧すぎるよ。よくわからない」
「あなたは感覚的には理解しているのだけど、こう、自分の中で それをまとめられるほどにはなっていないんだよ。まだ」
「それが君の中の僕の定義?」
「そうだね。私はそう思ってる」
「僕はその、君の言う世界の構造をもっと理解すべきなの?」
「あなたがそうしたいのならそうすればいいし、 したくないなら何もしなくてもいい。 でも私はあなたはきっと自然と理解するときが来る、と思っているけど」
「思っている、というのは根拠としてはとても曖昧だね」
「あなたの言うとおりだけど、 誰かを好きになるっていうことだって同じことじゃない?  誰がその好き、という気持ちが本物だということを確かめられるというの?  その人を大切に思っているという気持ち。それが好きだっていうこと。 思うということだけが根拠なのに、それを信じ、 あろうことに一生を一緒にしようという多くの男女がいるじゃない。 根拠としてはそれでも不十分?」
「世界を曖昧にしようという人が思っている以上に多いのさ、きっと」
「やっぱり」
「え?」
「あなたはだからわかってるの」
 そういって、彼女はにっこりと微笑んだ。 その微笑みは魅力的であると同時に僕は恐怖を感じた。
「今のあなたは世界の構造に関する問いに、 全て答えられる段階ではないのだわ。 まだ、『ある一瞬に感覚的に答えがひらめく段階』なのよ。 それはそれで素敵なことだけれど、私の求めているあなたではない。 単純で不完全だわ」
 世界のことをわかってるなどと僕は露ほどにも思っていなかったけど、 彼女のことはもっとわかりたいと思った。 彼女のことをわかろうとすれば、世界の構造についてもわかるように なると思った。だから僕は、ああ、なるほど、彼女の言う自然に 理解できる、とはこういうことなのか、と思った。 彼女はとても複雑で、僕よりも何もかもをわかっていた。

9月23日







52   僕の物語6

「満月の夜に人は狂う、なんて話を聞くことがあるけどあなたはどう思う?」
 満月の夜、公園のベンチ。 彼女は空を見上げながらそう尋ねてきた。 僕はといえば、その唐突な質問にまたか、 と思いながら彼女と一緒に月の輝く空を見上げた。
「満月の夜に殺人事件が増えるというのは聞いたことはあるよ。 月の引力が関係してるとかいう話だっけ?」
「あなたはその説を信じる?」
 僕は彼女の横顔をちらっと見て、少し考えてから言った。
「僕は満月の夜だからって何かを壊したいとか、 誰かを殺したいとか思ったことが無いから そんな話は信じられないな」
「私もそんな話は信じていないの。 でもどうして満月の夜に殺人が増えるなんてデータが出ていると思う?  ただの偏り? 偶然?」
 僕が黙っていると、彼女は話の先を続ける。
「『月には人を惑わす力がある』、『不思議な魔力がある』、 なんていう逸話や物語がたくさんあるわ。 その話をどこかで見たり聞いたりして 意識下に刷り込まれたある一部の人たちが、 月の影響を受けたふりをして事件を起こすことがある。 自分では意識していなかったとしても」
 彼女はナイフを持って人を突き刺す、ような 空モーションをしながら、僕のほうを見た。
「なんて私は思っているのだけどどう思う? こんな話には夢はない?」
「夢はないかもしれないけど、素敵な説だと思うよ」
「月の模様がウサギが団子を餅でついてるように見える、 だとか全部誰かがこじつけた後付けの理屈だよ。ねぇ、わかる?」
「君がロマンチストが嫌いなのは少なくともわかったよ」
 彼女は側に生えていたすすきをクルクル回していた。
「でも、君の言う『影響を受けたフリ』を している人もいるかもしれないけど、 月の人間に対する影響は科学的には解明されたわけじゃないんじゃないかな?  実際のところを僕は知らないのだけど」
「あなたの言っていることはまったくその通りだわ。 でも私はそう思っている、というのが今日のお話」
「思うことは根拠としては充分なんだっけ?」
「自分の中に留めておくだけ、ならね」
 僕は彼女と一緒にいるこの状況をまるで 遠い世界での出来事のように感じていた。 なぜ彼女ほどかわいくて聡明な人が、 わざわざ僕という普通の存在を選び、今、こうして話しているのか。 どれだけ頑張って、背伸びして、 必死に走り続けても僕は彼女には一生追いつけない。 いや、そもそもこの発想ですら凡庸だ。 彼女は自分一人で何もかもを完結することのできるシステムを持っている。 あきらめろ。僕にはわかりえない何かが僕の中には存在しているのだ。 彼女はその何かが僕の中にあることがわかっていて、 だから今、僕と一緒にいることを選択している。 あきらめろ。僕はもう一度そう思った。 これは既に決まっていたことで、僕などがどうこうしようとしても 変えられないことなのだ。 選択したと自分の意思で決めたことだと思っていても、 それは既に決まっていたことにすぎない。前提条件だ。 世界と同じで僕にはどうしようもできないことなのだ。
 僕は不安で、不安でしょうがなく逃れるようにもう一度月を見上げた。 何が不安なのかもわからなかったけど、見上げた月はやっぱり丸かった。

9月24日(本当に、こっそり月見ッ雑文祭)







53   社会人としてのオンとオフの考え方

「そもそも、オン・オフという言葉の定義そのものが曖昧なんだ。 休みの日がオフ? 仕事の日はオン?  じゃあ仕事が終わった後をオフという人もいるのはなぜ?  全然意味がわからない。幻想さ。イリュージョンさ。 この言葉は使うべきではない。前提から間違っている。 僕達が使うのはオフライン・オンラインだけで充分だ。 世界と繋がっているか否か。それがオンかオフかを判断する基準なんだ。 状況で決まるんだ」

9月29日







54   ブルレでっす

 台風が来てる、ということも露知らず それが戦後最大級とか喫煙室で騒いでいる輩がいるものだから バカな、と煙を吐き出し呟いていたわけだけど、 どうやら本当のようであると周りのざわめきから察す。 そうとなればこうしてはいられぬ! と定時で会社をカミングアウト。 別にいつも定時帰りだよ! ゆうちゃん! という声はさておいておこう。 そうして颯爽と駅へ向かうならばこんな日は残業してなどいられない!  と、いつもは死んだ眼で残業に 勤しむ社蓄達も今日ばかりは我も我もと帰宅しようとしていたらしく、 電車が混みすぎ。 何かが起こったならば自分達のスタイルを崩し、 あるべき姿を崩そうとする。 いつもは乗車率80%の電車に120%乗り込もうとする姿は正に異常。 彼らはそうだ。いつもそう。 なのであるが何が言いたいかというと、 お願い! もう潰さないでー(>▽<) マジ、死にそうになった。

10月2日(今日から日常日記編、ブルレアレンジ)







55   人にかわいく

 ねぇねぇ、わたしって入社して半年になるんだけどー。 あ、皆の会社はどうなのかわからないけどね、 わたしの勤めてる会社っていうのは半年は仮採用期間っていって、 まだ正式採用したわけじゃないんだよ、 という企業側のずるいやり方があるんだ。 まぁ、そんな話はどうでもいいの。 と・に・か・く、その期間が9月末までだったんだけど、 皆は10月1日に正式採用ですよ、という辞令をもらったらしいの。 でもわたしだけまだもらってないんだ。 これってどういうことかなぁ?  あなただけは正式には採用しませんよ(笑) ってことなのかしら?  皆も会社なんか信じちゃダメ! 絶対ダメだからね!  信じたら信じただけ裏切られるんだから。 前から思ってたけど、わたしの部っておかしいよ。 絶対おかしい。

10月3日







56   カンパニーにドロップキック!

 月曜日の朝はカンパニーにドロップキック! (ビルの壁にはじかれておもいっきり吹っ飛びながら) でお馴染みのブルーレッドですが、 しかしお馴染みだとビルのエージェントこと、 守衛さんに捕まり地下の尋問部屋→鉄格子のついた病室行き 系のコンボが炸裂確率9割超えなので、 お馴染みではないということをまず訂正しておきます。 実際どちらでもいいですが、お馴染みだったらホントに危ない人だ。 昨日マトリックスをTVで見たので エージェントという単語を使いたかった ということをあなたにだけは伝えたい。アンニュイ。

 さて。最近のボクはといえば働きたくないのでいつも電車止まれ、 会社燃えろ、という企業人にあるまじき暗黒妄想ばかりしているので、 こんなやつが本当に社会人でいいのだろうか?  という疑問系の毎日が続いています。 まぁ、会社でもそろそろはみ出し系(Yシャツの乳首が透ける系) の認識をされてきたのでそれもいいんじゃね? なーんて、 よくないのですが、ボクはそれを心の奥深い ところで思っているだけだからいいのです。 それがあるまじきことにこの前の台風によってどこかの建物が倒壊した、 という話をしていたら30代後半の方が、 「ウチのビルも倒れればよかったのにね(笑)」 などと。 バカな! そんな発言が許されるというのか! 偉くなればそんな反カンパニー的な発言もジョークで できるようになってしまうのか!?  正に権力。ボクはこうしてまたシステムの不合理に 言葉を飲み込んでしまう。 ここから早く脱却しなければ!  エマージェンシー、エマージェンシー。

10月6日







57   抗えず、逆らえず。

 家の鍵がなくなったことも、それを探し出せなかったことも そのことに対しての対処も世界的には既に決まっていて、 これを人によっては運命と呼んでいる。 大体変えられなくて、変えられたとしても、 そのことも既に決まってるぐらいの勢い? みたいな? (一般的な視点から見て)天文学的な確率で起きた 感動的な事象例を奇跡とか呼んだりね (もちろんそれも決まっている)。 まぁ、だからといって何もしなくてもいいわけでもなくて、 僕たちは既に決まっているその事象がどういったものなのか わからないのだから、できるだけの行動は起こすべきなのだ。 努力すべきなのだ。 全ては決まっている。自由意志は個人の視点からなら存在するが、 世界的視点に立った場合は存在しないのだ。 当たり前のことだけど、 どうせダメなんだとあきらめることも決まっていて、 必死で努力したことが一瞬で水泡に帰すことも決まっているのだ。 世界不平等宣言。 (ポーズとしてではなく)人類みな平等とか戯言を言う人間は狂ってる。

 だから僕がダメであることも既に決まってるのだ。 と、いうのが僕がダメ人間でもいいんだ!  ということを正当化するために作られたこじつけ理論。 最悪。自分にシールドを張るにもこれぐらいやらなければ死ぬ。 こんなこと意識せずともまったくもって生きていけるのだけど、 僕にとっての人を見るときの基準は、自分内で こういう「どうでもいい理論」をいかに展開しているかどうかである。 意識しているかどうかは別にしても、 そういう思考傾向を持つ人は見ればわかる。 発言が違う。放つオーラが違う(往々にして属性は負)。 生き方がクリアになる。
 システムに対しての疑問。 これも一つのシステムである。 意味不明なのは眠いからである。

10月7日







58   きれいな風景。

 鉄製の扉を開けて屋上に出ると、 秋とは思えない暖かく優しい風が頬を滑っていった。 地上高くは太陽が近くに感じられた。 おそらくは状況感覚の認識だろうけど、普段より眩しかった。 彼女は柵に腰掛けていた。 屋上の端から端の、ちょうど中心部分。 ボクが開けたドアから真っ直ぐにあの人が見えた。 ドアの開閉音に気づいていないのか、姿勢はそのままだ。 外へと足を投げ出して、ただ遠くを見ている。 夕暮れ時に距離十メートル。 一歩、一歩近づく。 彼女を今驚かせれば、 体勢を崩して数十メートル下の地面に叩きつけられるかもしれない。 あるいは背中をそっと押すだけで。 彼女は簡単に死ぬ。ボクが殺せる。ボクが彼女の生命を操作できる。 そんな想像が浮かんだ。 でもそんなことはしない。ボクの中にシステムが作り出した壁があって、 彼女の生命を操作する欲求より彼女の存在するこの風景と、 世界を今、ボクは欲しているようだから。

 彼女はこんなところで何をしているのだろう。 何をしている? 彼女は屋上の柵に腰掛けてちょっと強い風が吹いたら バランスを崩して下に落ちたら死んでしまうかもしれないけど、 そんな中で何かを見ている。馬鹿げた質問だ。 ボクは自分で何か言葉を相手に伝える前に、 その発する言葉に対しての答えまで 浮かんでしまって何も話すことができなくなる。 事実、誰にもボクの言葉が届いたことがなかった。 いや、届かせたことがなかった。

 彼女のすぐ目の前まで近づいた。 言葉をかけようとして、いつものことだけどできなかった。 彼女の横にそのまま黙って並ぶ。 柵の上に腕を組んで、頭をそこに預けたまま彼女の横顔を見つめた。 あの人はボクが視界に入っても、注意をこちらに向けようとしなかった。 ボクが屋上に来たときから気づいていたんだと思う。 ここまで近くに来て、声もかけず横に並ぶのなんて ボクぐらいしかいないんだって。あの人はわかっているんだと思う。 あの人、という言い方は2人きりで相手がすぐ側にいる今使うのは変だけど、 ボクにとって、彼女の呼び方はあの人としか浮かばなかった。 あの人という言葉をボクが使うときは、 もういなくなった人、会えないだろう人を指すとき。 ボクにとっての彼女はもう死んだ人間と一緒。 もういいんだ。 何度もそう思い、でもこの場所へと足を運んだ自分が 愚かしくみじめだと思った。 ボクが黙ったまま屋上を去るまで。ボク達の間に一言も会話は無かった。

 ボクは彼女を好きになって、そして彼女とどうこうなることを諦めて。 この気持ちを墓場まで持って行こうと思う。 6年経った今でも、その気持ちは薄れていない。

10月13日







59   終わりに僕が思うことは 2

 夢を見なくなったとよく思う。 正確には朝起きたときにああ、これはいい夢だった、 悪い夢だったと思うことがなくなった。 夢を見たのかどうかを認識していないだけかもしれないけど、 夢の記憶が僕にないということはどっちにしたってそれは同じだ。 変わらない。つまり、夢を見なくなったとよく思うのだ。
 夢を見なくなった代わりに僕は昔のことを思い出すようになった。 過去にあった出来事で、もしあの時こうしていれば 僕の物語はああいう風になっていたのではないかといった、 言ってみればそれは後悔に近い。 ただストーリーを僕の望むように勝手に展開させていたとしても、 今、ここにいる僕が変わっていたとも思えない。 毎朝、スーツを着て満員電車に乗って出社。 一日の大半をそこですごし、家に帰ってきて一日の少しをすごして眠り、 朝になってまた同じサイクルを繰り返す。 6畳の部屋でキーボードを叩くことも、食事をすることも、 隣で一緒に過ごす誰かがいないこともそれは変わらないのだ。 もし、変化があったとすれば、僕の思うとおりに昔が上手くいっていたら、 僕は今、この文章を書いてはいないということ。その一点だけだろう。
 ただもしその時、上手くいくよう自分の思う最善の行動を とっていたとしても、僕にはそれが上手くいかなっただろうと 心の奥底ではわかっている。 その事象は発生したことがイレギュラーに近く、 初めから上手くいかない結末だったということが今思うとはっきりとわかる。 奇跡など起きず、ただあるがままに推移しただけ。それだけだ。 何を後悔する? だから後悔する。 脳の隅っこの方で影が囁くのだ。どうしてあの時諦めたと。 僕もそう思う。今からでもなんとかできるならば今すぐに行動したい。 しかし、既に時期は過ぎているのだ。 ある期間からある期間までの間で終わった断絶した事象なのだ。 現在まで連続していない、既に終わっている。 僕は初めから、最後まで事象の連続性の中での中心にいたにも関わらず 何もできなかった。もう終わったこと、諦めろ。 囁く影にも何度も何度も言い聞かせてきたのに、 いつまでも壊れたラジオのように僕の脳内には声が響く。

「あなたが自分の世界を創り出しても、 そこですらあなたの思うとおりにならない」
「世界が自分の思うとおりになるわけなんてない」
「あなたが創り出した世界でも?  嫌なことから逃避するために想像に逃げ込んでしまう人がいるけど、 せめてそこでは自分の思うがままに世界を構築できるはずよね?  社会一般から見てとても情けない行為だけど、 自分の脳内で完結する分には問題はないよ。 でもあなたはそこですら思う通りにはならないから、 また逃げ出そうとする。次はどこ?  あなたを受け入れてくれるところは?  永遠と、どこにも逃げ場の無い人はその後どうするのかしら?  自殺する? それとも自我を破壊して狂ったまま死ぬか。 どちらにしても明るい未来じゃあないわね」
「選択肢はそれだけではないはずだよ。 現実に立ち向かうという選択だってある」
「世界があなたを受け入れてくれたなら、 初めからあなたはこうなんてなっていないはずよ。 いつも感じているんでしょ? 世界からはみ出している自分の存在を。 僕は世界と繋がっていない、だなんて昔、言ってたよね。 そうね、あなたは世界の外にいる。 距離、なんて概念がそういう状態に対して使っていいのか微妙だけど、 あなたと世界の距離はどんどん縮まってきているわ」
「離れていっているんじゃないのかい?」
「勘違いしないで。いい意味で近づいてきてるんじゃないわよ。 世界の壁があなたに迫ってきている。 あなたの存在を全否定して、押しつぶしてしまおうとする 抗えないほどに巨大な壁がね。 世界意思はあまりにも世界と離れすぎた存在を 排除しようとする機構を持っていて、 遂にあなたもそのターゲットとなった。 あなたにはどうすることもできないわ。 だってその壁にはドアがないんだもの。 潰されて、あなたはボロボロになって二度と社会復帰できないほどに 絶望感を抱いたままこの先の一生を過ごし、 何一つ幸福だと思えることがないまま 自分の意思が世界に何も反映されないまま理不尽に死ぬ。 あなたの言い方で言えばそれは決まっていることなのよ」
「君の言うことはもっともで、 このままだったら確かにそうなるということは僕も感じているよ。 でも、チャンスでもあるはずなんだ。今まで離れていた世界が 向こうからやってきてくれるんだ。 巨大な世界の壁を突き破れば僕だって……あの頃のように希望を持って もう一度生きることができるようになるかもしれない」
「半年前に、あなたはあなたの創り出した世界で 自ら死を選択したんじゃないの?  あの時にあなたは現実世界が自分を受け入れてくれないことに 絶望してそうしたはずよ? 自分勝手にあなたの世界を終わらせて 何を今更。あなたはいつも言っている。諦めろ、と。 夢も希望もあなたにはないのだからそうすればいいじゃない。 適切な選択、もっとも最良の処理を否定するというの?  あなたは後悔はするけど、反省をしない。 ただ過去を思い出し、どうして? どうして?  と世界を呪うことしかできない。 どうしてって言われたって… なにもかもあなたが悪かったに決まっているじゃない。 何度も口にしていると頭がおかしくなりそうだからあまり言いたくないけど、 決まっているのよ、全て。これから、があなたにはない。 これからをよくしていこうという意思が感じられないの」
「君はどうしてそこまで僕を全否定しようとするのかな?  いくらなんでも度が過ぎる。 そこまで言われるとさすがに僕も少しは傷ついてしまうよ」
「ワタシはあなたの世界から生まれた存在だもの。 その世界を否定して終わらせたあなたをワタシも全力、全存在をもって 否定するのは当然じゃない。 よかった、少しはダメージを感じてくれたみたいね。 傷つけるために否定しているのだもの。 何もダメージがないんじゃ、これまでの労力が無駄になってしまう」
「君は人間として何かが欠けている。歪んでいるよ」
「何をもって歪んでいると定義するの?  これが世界の意思だとしたらどうなの?  どこかの誰かが人を殺しました。その人は人格が歪んでいます。 どうして? 世界の大半の人が人を殺す、 という行為を一般的認識の範疇で危険であると判断するから この人は歪んでいる、自分達とは違う、という共通認識を持って その人を社会的に排除しようとするの。 排除しようとする場合に全力でその人を傷つけようとする、 一般人の行為は果たして歪んでいるのかしら?  世界意思は一般人の意識の集合体でもある。 世界意思があなたという存在を排除しようと迫ってきている。 さて、ワタシは歪んでいるでしょうか?  ワタシはあなたを傷つけるという明確な目的を持って行動している。 崇高な世界意思よ。目的のないまま生きているあなたとは違う。 存在理由があるの」
「生きている限り誰かからの悪意を受けるのはしょうがないことなんだ。 僕をよく思っていない人が平均よりもどうにも多いらしいというのは、 いくら愚鈍な僕でもわかっているよ」
「世界の皆はあなたに優しくない?」
「そうかもしれないけど、僕にはよくわからないな」
「困ったことにね、あなたがそう思うのだとしたらそれは 被害妄想の塊でしかないわ。 あなたに皆の優しさを受け取るだけの感受性が欠けているということ。 自分の能力不足が原因なのに、あろうことに周りのせいにするだなんて、 随分と傲慢だと思わない?  これは前にも言ったと思うけど、もう一度言ってあげる。 どういう歪んだ育ち方をしたかはわからないけど、 皆のできていることができない人を頭がおかしいというのよ。 もしもね、そうでなかった。本当に皆があなたに優しくしなかった、 という場合は世界の皆はあなたに優しくしても 何のメリットもない、と思っているの。だから優しくする必要なんか無い。 ないわよね? あなたに優しくしたって精神的な充足感も得られないし、 あなたからの見返りも無い。 そんな無償の優しさを提供する人はワタシは頭がおかしいと思っていて、 世界は広いからそんな人もいるかもしれないけど、 あなたが狭い人間関係の中で孤独に生きている間には、 そんな人とめぐり合うことはないと思う。 そんな奇跡が起きるより、あなたが先に狂って死ぬほうが自然だわ。 言ってしまえばどちらにしたって終わっているということ。あなたは結局」

 彼女の言葉に何も反論できない自分に気づいたとき、 今までにない絶望感が僕を襲った。 視界に移る世界全体がぐにゃぐにゃと歪んでいた。 涙で視界が覆われていたことと、脳がぴりぴりと痺れて ただでさえ歪んでいる視界の情報が上手く脳に伝達できていないからだった。 あなたの言ったことは全て僕の潜在意識下においては 気づいていたことなんです。お願いだから、もうやめてください。 世界だけではなく、自分自身からも全否定されたらどうすればいいのですか?  言ったでしょ? あなたを傷つけるのが目的だと。声は途絶えない。 もう何がなんだかわからなくなっていた。 この感覚はマズイ、この感覚はマズイ。 必死でこの感覚を否定しようとしたが、その前に僕に関して否定するべき 事項が多すぎて、脳のタスクの優先順位としては すごく後の方になってしまっていた。 でもこの感覚は以前にも経験したことがある感覚だった。 そしてこの感覚に対する処理が、 しばらくすればなんとかなるということもわかっていた。 とても嫌な気持ちになるけど、 こんな状態の自分をコントロールできるという 時点で既に僕は狂っているのかもしれない。 そうでないとしても、この感覚を持ったまま 生きていくのだとしたら狂ってもおかしくないだろうと思った。 彼女の言うとおりだった。どちらにしても終わってる。 それはいつまで続くのだろう?

 もういい。ふりはやめろ。僕は中途半端だった。



10月17日(一応、3月のやつの続きっぽい)







60   あれあれ

 バカな。寒いなどとは。 いきなりなんだろうかと物申せば、 ブリザード吹き荒れる北海道で生まれ育った僕にとっては 東京の秋など向こうの夏、冬は秋程度であろう? と信じて疑わない 桜咲く4月であったはずなのだが、朝のシャワー後の 部屋の空気が最近は少し肌寒い。 どうにもこうにも思い出すのは冬でもこっちなら コートいらないかも的話をしたときの関東人のあの眼だ。 明らかにこいつ…奇人といった認識を押し殺そうと必死だった あの眼を思い出す。数ヶ月前。 まただ、また僕はシステムを迎合しなければならないのだろうか。 しかしコートを買えるだけの金銭の もらえるシステムを僕は提供されていない。 パラドックス。

 もし冬が来てコートを着た人間達、まぁどうせ手入れの行き届いた 私たち、金銭をこんなに消費しているんです!  といった形式がみえみえな高級防寒具を身に纏っただろう、 彼らと電車に乗るということは 車内がコートの分だけ更に狭くなるのではないのだろうか?  想像でしかないが実際はどうか。 あんな薄皮一枚でもバカにはならない。 現状でさえ、かなりのフィジカルが要求される 車内が、更に心温まるサディスディックゾーンと化してしまう。 いや、そこには既に空間などない。

 もし、そんなことになろうものなら、 あなた達のコートが一枚でも破けるよう先が鋭利な傘を 持ってあのヘル・トレインに乗り込むことにしよう。

10月23日






61   なくした

 携帯を失くした。 携帯じゃなくて正確にはPHSだったけど、 呼び方なんて僕にはどうでもいい。 あいつだ。あいつがいなくなった。 頼む。心からのお願いだ!  なくしちまったあいつを帰してくれ!  僕はそのためならなんだってしてやる。 なんだってできるんだ。 帰ってくるんじゃない。 帰ってこさせるんだ。 次なんてありはしない。今だけだ!  あいつだけなんだ!  メチャクチャに! そうだ、メチャクチャに!

 何も残さず、何も残らない。全てはゴミだ。 あいつがいなくなって、そのことがわかった。
「またいつか会えるといいね」
 偶然を期待する言葉。それは意思ではなく希望。 そんなことじゃない! 希望など持つものか。 僕は僕の意思であいつを見つけ出す。

 男は言った。
「どうしても行くのか?」
「ええ、あいつは僕のことを待っていますから」
「素人に何ができる? 専門家に任せておけばいいじゃないか」
「何ができるじゃない。大事なのは何をするか、なんです。 canじゃないdoなんです。することそのものに意味があるんです。 意味はないことかもしれないけど、意味のないことに意味を見い出せる 人に対しては、その枠で縛ることはできないんです」
「好きにしろ」
「ええ、あいつのことが好きですから」

有休を取った。
あいつを探しに行く。

10月25日






62   らんらららん

 気づいているのに気づかないフリと、本当に気づかないこと。 どう行動しても結局指摘されるということは、 どうでもいいことに気づいて、 (その場において)大切なことに気づいていないということ。 行動しなくてもいい、余計なことばかりして、 どうでもよくないすべきことはしていないということか。 おかしいと思うのはその指摘が人によって違うということ。 ある人に合わせればある人には合わない。 まったくこっちはどうすればいいのか全然わからない。 統一されていない事柄を決まっていることのごとく 話すのはやめてほしい、まったく。 それで○○さんがここはこうすべきと 言ってましたと指摘しようものなら逆切れ。 ままならない。日本語が通じない、 わけではないのだろうが、少しでも自分の意に反したことが あったなら不機嫌さをあからさまにするのはどうかと思う。 そして上の人間にはへこへこですか、はい、そうですか。 こういう人間になりたくはないと思ってはいるのだが、 今までにどれだけの人がそんなことを思ってきたのか?  結局彼らのほとんどが僕の思う最悪級の人間に なってしまっているのではないか?  自分がそうなるまいと思っていても、 この環境にいてはそうなってしまうのではないか?  そこまでの強靭な意志を持ち続けられるかどうかの自信が僕にはない。 迎合することが一番楽なのだが、精神的にはもっとも苦痛なので それは勘弁してほしい。 改善するにはここを去るか、今いる環境を変えるか。 選択の決められる期限は迫っている。 決められるのはいまのうちだけ。 さて、どうしよう。

10月28日






63   あなたの武器はネクタイ一丁

 たーのしいカンパニーライフ♪ カンパニーへGO! GO!  電車の中はミスティックー♪ 痴漢が捕まりポーリスへGO! GO!  満員電車で本読むおっさん♪ タイトル覗けばハリーポッター? デース!

 といった感じで冒頭で東急田園都市線のおぞましき実態を、 ポエムで伝えようという画期的な試みであるがやってられぬ。 カンパニーでもなんだか今日はいつもよりハイテンションだね(笑) と言われる始末。疲労度が激しすぎてテンションが上がってるの!  マッサージ屋(コース10分:1000円)においても、このコリは 10分じゃ、とても(笑)。お忙しいんですか? と言われる疲労度。 体たらく。この苦しみ。 あ、初めて見る人に説明するとこのサイトはね。 ブルーレッドっていってね。ゆうっていう管理人(20歳)が送る 悪を一刀両断、愉快痛快カンパニーライフ、腐敗しきった会社を再生し、 上にのし上がっていくというサラリーマン金太郎並みのサクセスストーリーを 皆にお届けするサイトなんだ。のはずなんだけど、なんだろうね。 過去ログを振り返るにこの有様は。信じらんない。 明日から毎日更新だ! 更新するぞ! 更新するぞ! 更新するぞ!(絶対ありえない)

10月29日






64   彼女が来るまで踊り続けるんだ、僕は。

 携帯電話の使用に関して奇数号車ではマナーモード、 偶数号車では電源を切るという田園都市線ローカルルールは まったくもって意味がわからない。 マナーモードにして下さいというのは、着信音が鳴ったらうざいので まぁ、わからないでもないがその前にウォークマンの音漏れの方が 突発的に鳴る携帯と違い、恒常的に不快音を発し続け 殺人的にうざいので、そっちを先になんとかしてください。 電磁波うんぬんのペースメーカーへの影響に関しては、 皆の電源を切らせるより、ラッシュの時間にそういう人は 電車に乗らぬよう呼びかけたほうが効率的なのでそうしてください。 それにね。昔ならともかくね。話に聞くところによると、 最近のペースメーカーは電磁波に強くなったらしいよ?  ていうかね。腕一本動かすのもつらいのに、 そんな迷惑以外のなにものでもない行為を推奨しないでください。  小学生とかいたらエルボーしてまうど。
 まぁ、ぶっちゃけ言ってしまえばそういう道徳的行為を 推奨するキャンペーンっぽいことをしてるのは、 あのクソ込み具合やら運行遅延とかの不満を そらすためのスケープゴートなだけだから、 本気でとらえるだけ無駄なのだろうね。 あと今日も40ぐらいのオバサマがハリーポッターをお読みに!  お前らそんなにハーマイオニー萌えかよと。(あなただけです)  アナタは一生魔法は使えない。これは断言できる。 てか、ホント、車両もう一両増やして!  いずれヤツラ(乗客)に押しつぶされて死んでしまいそう。 一両増やしたところでまだ全然足りないのだけどね。

10月30日(やべぇ、適当だ)






65   秋の夜長にブルーレッド!

「いつも世界を嫌い、嫌い言ってたけどありゃウソだ。 愛情の裏返し。今日はとてもいいことがあった。だから言ってしまおう。 ホントウは大好きだ! 好きで好きでしょうがない」
 受話器越しに僕は叫んだ。
「あいつはいなくなって、もう戻ってこない。 とても寂しいことだけど、今の僕には君がいる」
 PHSをなくしたので新しく携帯電話を買った。 カメラ付き。時代の波に逆らえない。僕も、もうおっさんさ。

 ピース(黄色いヤツ)を吸ってたらおっさんくさいと言われた。 意味不明。タバコにおっさんくさいも何もあるもんか。 吸いたいから吸う。ただそれだけさ。黙って世界を愛しなさい!  僕は世界に愛されていないことを知っている。 でも! それでも僕は!

11月3日






66   秋の夜長にブルーレッド! 2

 クルリと回って、昇る朝日にその手を伸ばそう!  いいじゃないか、病院に連れてかれたって。 僕らは休日に高揚する。カレンダーの青と朱色に高揚する。 土と日という文字に高揚する。週末という言葉の響きに高揚する。 振り替え休日なんてものが付けば尚更だ。 シティボーイたる僕はヤングなステップを刻みながら街へと飛び出す。 愛してる、愛してる。 世界の他にもう一つ、たった一つだけ僕が愛するもの、休日。 ああ! この休みがいつまでも続けば!  いつまでもあなたと一緒にいられたら、とっても幸せになれる気がするんだ。 僕の見る小さな夢は儚く、いつも叶うことはない。 そうして気づけば一人、朝を迎える。 強く生きろ! ひどいことがあっても今日のことを思い出せ。 負けるものかと心に刻んで!

 そもそもこのサイト自体誰にも見られていないのですが、 リンクページなど輪をかけて誰一人見ていないだろ、ということで コメントも移転のアドレス直しも半年以上怠ってきましたが、 休日の高揚感に負けて少しだけ直してみちゃったりしたぜぃ。

11月3日






67   秋の夜長にブルーレッド! 3

 踊りながら駆け出そう。踊りながら更新しよう。 踊りながらキーボードをタッタカ、タッタカ!(不可能!)
 というわけであまりに暇、暇なので「トルネコの大冒険3」を買って、 さぁ僕も、暗きダンジョンに血肉湧き上がる冒険に出かけよう! と思い立ち、 資金を稼ぐためにマージャンしたのですが、 5000円ぐらい負けてしまいました。ソフト買えてるー。 人生って難しいよね^^。 納得がいかなかったのでその後に東風荘をやったのですが、 そこでもラスばかりでRが30ぐらい下がってしまいました。 現在R1960ぐらい。 なんていうかダメな日は何をやってもダメらしい。 僕は大体の日がダメなので、なんとかして凄くいいことばかり 起きる日を見極める能力がほしい。 僕の人生でそんな日はおそらくは何度も訪れはしないだろうから。

11月3日






68   秋の夜長にブルーレッド! 4

ある雀荘の看板。

4名様歓迎!
まぁ、セット卓が立つからね。

お一人様でも楽しめます。
フリーの客も打てるのかと、これもわかる。

初心者も女性の方も気軽にどうぞ。
いや! 初心者にテンピン・ウマ・ワンツー、チップ一枚はきついよ!

マナーの良いお店です。
マナーの良い店でなぜ先ヅモが推奨されてるのだ!

 それはさておいて、今日のマージャンで 5000円ぐらい勝ったのでこの前の 負け分を取り返しました。 そのお金でPS版「FFT」を買ったので、 僕はこれから冒険へ出かける!  「トルネコの大冒険」のダンジョンの暗闇ではなく、 クリスタルの輝きが僕らを待っている!  光の戦士達の古き物語は僕らを高揚させるのだ!  ねぇ? もう一度冒険したいのは誰?  僕は物語を紡ぐ!  もう今週は更新しない、更新しない、更新しない!

11月4日(来週までさようなら)






69   もう僕は

 何かを好きになったり、嫌いになったってしょうがない。 好きだからなんだっていうんだ。嫌いだからなんだっていうんだ。 暑い夏、寒い冬を嫌いになったって、何も変わらないじゃないか。
 誰かを好きになっても同じこと。 何も変わらない。どうしようもない。 全てを諦めて、何からも興味をなくして生きていこう。

11月10日






70   秋の夜長にブルーレッド! 5

 吹く風がとても冷たくなってまいりました。 この寒空の下、世界に存在するのはあなた一人。 いつも、いつだって、ほんのちょっとしたことで 僕たちはすれ違いを繰り返す。 振り返っても既にその人は後ろにはいない。手遅れだ。 ああ、うまくいかないなあ。うまくいかないなあ。 思ったとしても、その想いが相手に届くことは無い。 どうしてかって? 相手はあなたが思っているより ずっと、あなたのことなんてどうでもいいからに決まってるじゃないか。 他人のことなんてどうでもいい?  僕の周りには問えば「うん」と答える人たちがほとんどだ。 とても強い人たちばかりで僕はどうにも困ってしまう。 ああ、寂しいね。寂しいね。 泣きそうな子犬のように立ち尽くす僕の前を 彼らは無表情で通り過ぎていく。
 切なくなったそんなあなたのブラウザにブルーレッド。 表示してくれたことが僕はとてもうれしい。

11月10日






71   さすらい、飛び去る。

 目の前にある問題を解決する必要などないんだ。 やり方が間違っているとか、もっと別の方法があったとか、 方法論なんてどうでもいいんだ。解決するのは誰かがやってくれる。 やってくれなくてもそれはそれでいい。 積み重なるのは微々たるものなのだから。 欲しいと思うのは問題を見つける能力である。 ひたすらに自分の目の前に今までどうでもよかった ことを問題にまで拡大解釈して山積みにしていく。 それは当然僕の能力では解決できない。 そうして山積みになった問題の前で僕は立ち尽くし、 一つ一つは微々たる影響だった余波を一身に浴び、 どうにもならなくなればいい。 何もかもが中途半端だからいっそ極端にすればいいのだ。 いい方の極に僕が近づけるわけがないので、 当然負の方向へと願望のベクトルは向かう。 そうして流れ着いた場所でも、世界が大好きだと言えるなら、 それはとても幸せなことだと思う。

11月10日






72   皆、大好き。

 やめることをやめないで。その人は言った。 おかしなことを言う人だなぁって、あたしは心の中だけで笑う。 この人はいつだっておかしなことを言って、あたしを困惑させる。 でもこの時の彼の言葉はおかしくはなかった。 おかしなセリフを言わせたのはあたし自身のせいだった。
 いい? もう終わってるの。あなただけなんだとは思う。 これから先、あなた以上に素敵な人は現れないって。 恋は盲目だとかの一時期の思い込みなんかじゃない。 あたしは幾度も、幾晩も考えて考え抜いてあなただけなんだなって思った。 空気がすうーっと澄んでいく感じ。 運命をあたしなりの言葉で表すならそんな感覚?
 あなたと一緒にいるといつもそう思う。 じゃあ、どうして付き合うのをやめるって?  あなたはきっとわからないと言うと思うのだけど、 あなたより好きなものがあるの。だから付き合うのをやめる。 一言で言うならばそんな感じ。
 あなたといた時間は素敵だなあ、楽しいなあって今でも思うよ。 でもね、でもね。なんて、言い訳じみてて言いたくないけど、 決まっていたんだなあ、と思う。 とても素敵で毎日が楽しかったとしても、 そういう決まっていることがわかるのは唐突なの。 別れるのは浮気をしたり、ケンカをしたりでばかりじゃない。 こういう形もあるんだって、突然それはわかる。 感覚なのかなあ、そこまではわかっていないけど、とにかくそう。 あなたにとってはきっと大事なことよね。 あなたを納得させてあげられれば素敵なことだと思うけど、 わかることはあたしにとっては大事なことばかりで、 あなたにとって大事なことはみんなどうでもよくなってしまう。 「わかってしまった人」がどれだけいるかわからないけど、 突き詰めていけば、みんな同じ。とても自然なことだもの。 見た目には不自然に見えてしまうよね。
 あたしが好きになったもの?  知ってしまえばあなたは笑うかもしれないし、 なんだそれ、と怒るかもしれないけど、じゃあ言うよ。

 世界。

 でもね、だけどね、あたしが世界で好きな人はあなただけ。 それは間違いないし信じて欲しい。 でもね、だけどね、一番好きなものは世界なの。 好きになってしまったの。 毎日、毎日、世界のことを考えると胸が苦しくて眠れないの。 ねぇ? 聞こえてる? どうしようもないね。毎日だよ。 窮屈で、窮屈でどうにもならない片想い。 あなたとあたし。どうにもならなかったんだなって。 あなただけ好きだったなら幸せだったかもしれない。 でもこうなってみて、今の気持ちになってみて 今の状況以外はありえないなあって、初めてわかる。 シスターが男の人と付き合わないというのと同じだよって言えば わかってくれるかなあ?  今はわかってくれなくても、いつかきっとあなたもわかってくれると思う。 世界が大好きなあたし。あたし自身どうしようもないなあと思う。

11月11日






73   ドミノ・ステイツ

 会社ってヤツはさ、ドミノとおんなじなのさ。 社員たちはドミノを構成するコマの一つ。 皆、いかに大きなドミノを作ろうか、必死になってる。 完成させた会社は今のところない。 どこの会社も完成させる前に崩れちまってる。 最初にどの会社がこの無限に続くドミノを完成させるんだろうね。
 え? 完成させたら? そりゃー、崩してしまうのさ。 それがドミノの醍醐味だからね。倒れる火種は指先一本。 バカバカしい遊びさ。 バカバカしいからこそ皆、必死なのさ。 僕がいるのはそんなところ。

11月14日






74   ねぇ? 血肉沸き踊る冒険に出る?

 わたしは冒険に旅立ちたい。 それは冷たい風に誘われて?  秋の太陽が眩しくて?  あまりに青い空を見上げて?  ううん、違うの。今日は会社に行く日だから。

 といった、毎日恒例の会社呪詛りから始まる、 和み系の最高峰ブルー・レッドなわけですが、 ブラックホール的、極地にあるこのサイトも一周年を迎えました。 9月に。迎えていました。僕自身気づかなかった。驚き。 この調子で愉快なカンパニー生活も一周年を迎えられるといいのですが、 最近朝目覚めても体が上手く動かぬのだよね。はっはー、 当然にこれは霊症だと判断し、先日、ビデオ屋のパッケージで見かけた 陰陽師というヤツの印を結ぼうとするのだけど、 はたまたカンパニーのかけた呪詛の念というやつは強力無比。解けぬ、 解けない、解きたくない。 僕はそうしてまた会社を呪詛る。ヤツラも僕を呪詛る。 それは連綿とこの世界で続く、終わらないサディスティック・ストーリィ。

11月14日






75   テイク・イット・イージー

 ニア、ハッピ、デス! ニア、ハッピ、デスといった 様相を見せ始める世界に対し、僕はラブリー、マネー というハッピーマニアにパラダイムシフトしているのですが、 今日はといえば財布が僕にスペクタルな幻を見せ始めています。 サイフ! お前もか! 歴史的遺言を残した巨匠も語るように 最近僕の周りを世界的にイリュ−ジョンが取り囲む現状です。 ホント、給料明細とか見るたびに宇宙が視えるよネ。 どこがどうなって歯車が噛み合わなくなってしまったのか… 「決まっていたのよ、全て」というセリフから始まる 定番の展開が始まりそうなので割とやめておきます。 頼むからやめて! 会社もついでにやめたい。

 呪詛るのも飽きてきたので冒険の話をします。 先日購入した『FF1』ってなクラシカルなゲームについてです。 過去の名作だけがわたしを世界の果てへの 冒険の旅へと連れ出してくれるのね、と疑わない10日前だったのですが ラスボスがスーパーモンク(ふざけたジョブ名だ)の攻撃5発で死ぬという 絶望的なバランスだったため、まるで血肉沸き踊らない。 ただ倒すだけじゃダメ! ピンチがないわ!  わたし、バイオレンスを求めてるの。 必要なのは愛と血肉と殺戮と。 綾サイドへシフトしてきてまずいのでバイバイ!  目覚めちゃう!

11月14日






76   ノン・スペース

 先日僕の予見していた、 冬にはコートの摩擦で電車がヘルに繋がる理論なのですが、 最近ますます激しいプレッシングを受けるようになってきました。 ホント、あいつらワールドクラス。 スペースは見つけるんじゃない! 作るんだ!  というどこぞの漫画に出てきそうな理論を完璧に遂行してきます。 ああ、苦しい、苦しい。日本代表もこの練習を取り入れるべきダネ。 10分歩くより、10分の車内の方が苦しいなんてありえない。 文明は人を楽にするために進歩してきたのではないのですか?  まぁ、そんな具合のドリームトレインワールド。 ハッピー、ハッピー、ニアハッピー。 幸せに近づくためには張り切って会社に行くことだよね!  金曜日ということで俄然やる気マ・ン・マ・ン!  早朝、朝日に目を細めていると亜光速でジョブを こなせる気がする光の啓示を受けたので、 よ〜し、今日は頑張っちゃうぞ!(電車内でのプレッシングを)

11月15日






77   お前ら、空は青いか!?

 私にはここしかないことが身にしみてよくわかったのです。
 ああ、ここしかない、ここしかない。
 ここが私の生きられる場所なんだなあって。

11月19日






78   とっても、ブルーレッド♪

   いやぁ、師走を間近に控えカンパニーライフも差し迫ってまいりました。 ここで僕の今年度における抱負を発表したいと思います。 僕はそのぅ…幸せになりたい。目指すはハッピーマニア。 なお、僕の幸せというのは主夫となり、愛しいあの人のために せっせか家事をこなし帰りを待つ日々のことを言います。 何を世迷いごとを…と嘆息した方もいるでしょうが、 そもそも僕が働きに出るより配偶者というかね、 誰かは知りませんが未来の恋人様の収入の方が間違いなく多いので これは奇言ではありません。日本の文化・利益効率追求主義的に理にかなっていることは疑いようのない事実です。 ここで気が付きました! 今年は後一ヶ月少ししかありません。 一生幸せになれそうになれないヴィジョンが日々脳内でリピート再生 モード・オートとなっている僕に幸せは訪れないの…

 今日も暗鬱な書き出しで始まるブルーレッド・会社絶望編なのですが、 そろそろ、そろそろ、ゲージが振り切れるのではないかと 満員電車のプレスで内臓圧迫される度に思うしだいです。 どうにも未確認ではあるますが、 心臓を病んでいるらしい僕のお胸が最近傷む機会が増えてまいりました。 フィジカル面とメンタル面、両方から攻め立てられています。 苦しい、苦しい。明日はいらない。頼む!  過ぎちまった給料日を返してくれ! 心からのお願いだ!  毎日給与が振り込まれてくれれば、月収うん百万になってとっても幸せに なれる気がするんだ。 割かしイリュージョンめいた危言はスルーしてしまって結構です。 本当に起こればハイパーインフレーションの勃発。 僕らのファニーフード、吉野家の牛丼並盛がうん万円に値上げだ とか恐ろしい事態が起こっても困ります。 それにしても最近寒いです。 僕はここが魔都・東京であることを忘れ去っていました。 人情なんかありゃしない。温もりなんか感じない。 コートを買う為の金銭は僕を取り巻く、権力者たちに搾取され続けて 手元には残らない。まったく恐ろしい街であります。 おかげさまで風邪をひきました。体が蝕まれています。 咳がマジ止まらないので今日はもう寝ます。 コートはいりませんが、ねぇ、誰かあたしを暖めて?  寒いの…この街はホントウ、寒い。心臓も痛む。 ドキドキが止まらない。恋のトキメキじゃないのよ?  わたし、暖めてほしいだけなの…

11月26日






79   青空を見上げて絶望!

 満面の笑顔で別れたあの人と再び会える日はいつ?  僕たちは約束を交わしたが、それは果たされることはなかった。 ああ、そうだね。遠い昔の出来事だったね。 彼女を姿を思い出そうとするけど、 幻影のように朧で記憶には霞がかかっている。 その通り。旧世紀の出来事なんて忘れ去られていくばかりだ。 悲しく、虚しく、新世紀は過ぎ去っていく。 皆のベクトルは各々の方向性は違えど半円を描いているが、 僕は真逆だ。皆がゴールを目指して進む中、逆走している。 いくら頑張ってもその先にゴールは存在しない。 そうして思い出の中に希望を捜し求めている。 そう、初めから存在していなかった希望を。今も。 そしてこれからも。

12月1日(果たされない約束は毎日更新)






80   夜空のムコウに絶望!

 目の前に何か障害があったとしたら君ならどうするだろう?  顔を伏せて嵐が過ぎ去るのを待つのかい?  子犬のように尻尾を振って逃げ出すのかい?  そうだね。それも選択肢の内の一つであるけど、 ちょっと消極的すぎやしないだろうか?  闘おうじゃないか! 僕たちは戦闘民族だ!  そいつが血気盛んな頑強な男なら殴り飛ばしてしまえ!  そいつがまだうら若き乙女なら組み伏せて抱いてしまえ!  それが人々を苦しめる極悪カンパニーだったら呪詛って潰してしまえ!

 うーん、病んでるね。病んでいるぞ僕。 飄々とした軽いステップを刻み、迫り来る障害をヒラリとかわす。 そんな大人がカッコイイ。さあ、来たぞ。あいつだ。 会社がやって来た(月曜)。ちょっと待て。 ストップザベイビー。落ち着こう。話せばわかる。 時計の針よ、止まれ! 太陽よ、昇るな! 電車よ、走るな!  ははは。僕はまだあいつの突撃をかわすことはできないみたいだ。 ガムシャラに猪突猛進するヤツは原動力がシンプルなだけに、 いつの世の中だって皆、手を焼いてきたものだ。 それでも、僕はやってやる。 権力には弱いという、革命を起こす際には致命的な欠陥を自覚している 僕だけども、微弱な個人の力が強大な法人を打ち倒す、 そんな奇跡めいたストーリィがあってもいいじゃないか。 果たされたとき、人々に希望はよみがえる!

12月2日






81   ありえませぬ2

 意味がわからない。僕と世界、はたまた未来への架け橋、 インターネットといつまでも繋がっていられる! という 託宣レベルの売り文句で宣伝を続けていた常時接続契約を プロバイダ様と結んで早一ヶ月。 来たるべき約束の日を心待ちにするも、 一向に繋がりたる気配はない。 最早これは公人レベルでの精神崩壊を促す人格攻撃であろうと判断した僕は、 サポートセンターにお電話。 もしもし、ADSLが繋がらないのですが。 原因がわかりません、お客様のお宅に社員が伺っての派遣工事となります。 いくらかかるのですか? 一万五千円となります。ハウマッチイズイット?

 もう意味がわからない。といった感じで、 常時接続ならぬ、常時不接続という障害を負った 僕なわけだけど本当に意味がわからない。 常時不接続なのに、定額制。いくら繋がらなくてもお値段変わらず。 何度も言うと頭がおかしいと思われそうだけど、意味がわからない。 お手軽簡単、常時接続。テレヴィジョンという電子箱の中では、 随分と簡単に言ってくれちゃってますが、ここにいるよ。 お手数難解、常時不接続な輩はここにいる!  ああ…また僕が頭がおかしいことが証明されたね。 「誰でもできることができていない人を頭がおかしいというのよ?」 まったく持って、その通りでございます。

 さようなら。さようなら。ショキングな事態に驚きを禁じえないので、 今年はもう更新しません。さようなら、さようなら。 常時接続という人並みのことができるようになってから、わたし、更新するわ。 頭のおかしい人がインターネットにいちゃいけないよ。 希望に満ち溢れていた、淡い常時接続への期待も打ち破られた私… 一体、誰に? 何に期待すればいいの?  国家認定、デジタルディバイディングロードの歴史から抹殺されし、 重度障害者(病名:常時不接続)は、何にも期待しちゃいけないわ。 他人に、外部に何かを期待する? おこがましい。身分をわきまえさい。  さて、そろそろ本日のまとめに入りたいのですが、結論から言えば、笑えない。 繋がらない当日は、「あ、繋がらないなあ(笑)」と、軽笑(軽症)を浮かべる余裕が あったのですが、近日を迎えましてそろそろ笑えない。 上司のウィットにとんだジョークにも関連付けて笑えないという、 公務に支障をきたす公害レベルの末期症状を 見せたりし様相となってまいりましたので、 ホント、賠償責任を追及したいしだいでございます。 ドリームジャンボとか言ってる場合じゃねえんだよ、 当たるわけがないだろうが! はしゃぐんじゃねえ!  開かれしは修羅への門。眼前にそびえるは羅刹の扉。 この先には一体、何があるのだろう? 殺意のゆうが、今目覚める!  滅殺のことわりをおまえ達に!

このサイトのコンセプト: (社会人として、イッパイ、イッパイの管理人ゆうさん(先月で21才になりました。おめでとう!)がその社会不適合性を巧妙に隠匿するためにストレスを発散するサイトでっす)

12月17日






82   空に近づくことと同じ

 さぁ、はじめましょう? 眠って、起きて、キーを叩いて。 簡単でしょう? 踊りたくなるのと同じ。 書きたくなるのはとても自然なこと。 あなたにはもう一度だけチャンスが来るの。 本当よ。さぁ、夢を見てもう一度。誰にも届かない言葉を紡ぐ。 おめでとう。

12月18日






83   空に近づくことと同じ2

「おめでとうって言われたの」彼女は言った。
「それはおめでとう」3杯目のワイングラスを空にした僕は、ほとんど何も考えずにそう言った。
「私はちっとも嬉しくないのにね。 おめでとうって言われる意味がわからないの」
「どこらへんがわからない?」吐く息は熱を帯びていた。
「全部よ」
 なるほど、重症だ。僕はため息をついた。 呼吸の温度がスゥーと下がっていく。
「はっきり言ってね、意味なんかないんだ。 朝の挨拶と同じで世界が上手く循環するためのシステムなのさ。 そこに疑問を抱き始めたなら、何回狂ったって狂い足りやしない」
気だるそうに彼女は新しいワイングラスを手にとって、飲み干した。
「誕生日におめでとう。高校に合格しました、おめでとう。クリスマスです、おめでとう。何がおめでたいの? 彼らにとって? 私にとって?」
「自分にとって意味がわからないことを納得するためには一つずつ、 一つずつ、理由付けしていくしかないんだ」
「一つずつ?」
「そう。一つずつ、全てに。例えばおめでとうならその喜ばしく見える出来事について、感動を共有したいのかな、とかね。理由付けしないものが、 本人にとっての不思議であり、納得できないこととなる」
「大変ね」
「大変さ。大変だから、このやり方を選択する人間も大半が狂って放棄してしまう」
「どちらにしても狂ってしまうの?」
「そういった類の人間には生きづらい世界になっているんだ」
「それもあなたの中での理由付け?」
「そうかもしれない」
「意味はあるの?」
「はっきり言ってね。意味なんかないんだ」
4杯目のグラスを空にしてテーブルに置いた。

12月18日






84   羊をめぐらない冒険(1月4日)

 お久しぶりです、こんにちは。 ようやく生誕した北の大地より帰ってまいりました。 そろそろサイトの放置っぷりに僕自身驚いてしまったので、 更新を再開します。 つーか、移転してー。今日は非常に疲れたのでさようなら。 色々片付けなければならない問題が溜まってるなあ。

1月4日






85   羊をめぐらない冒険2(12月28日)

 できるだけ正確なリズムを刻み続けようと努力する。 この冬の街で自分の体温を保とうとするなら、より正確で 完璧なステップを刻むことが重要だ。 この街の人間は、そのことがわかっている。 だから足取りは皆が皆、一様なリズムで雪に自らの足跡を残していく。 ザクッ、ザクッと。だがその音も足跡も降る雪にかき消されて何も残りはしない。 この街は静かで、そして死んでいた。 ほぼ一年ぶりにこの街に帰ってきたボクにはそんな感覚がした。 実際には静かでもないし死んでもいないし、そもそも街が死んでいる、という 感覚がどういったものなのかがボクにはよくわかっていなかった。 つまりは適当なのだ。ボクの思うことには常に一貫性がなかった。 気持ち悪い言い方をするならば、『ボクの思うことには常に一貫性がない』 という一貫性はあるのだ。 だが、世界に対してボクがいくらそのことを訴えたとしても、 世界に対してボクの言っていることが響くことはない。 常に一貫性がないという一貫性は彼らの前では効力を持たない。 それは一貫性では『ない』ということにされてしまう。 「あなたっていつも否定的だよね」「いや」「ほら!」と同じことなのだ。 違うということが違う。それはどんどんと複雑化されて最早何がなんだかわからない。ボクはただバス亭に向かっているだけなのだ。 雪で白一面に覆われた世界の中で、別色だと明確に 認識できるものは数少なく歩く人と、走る車だけだった。 街はボクを迎え入れてくれているのだろうか?  いや、今の言い方は少しずれている。それを決めるのは僕なのだ。 問いに対する結論は僕の中にしかない。 こういった類の小さな範囲の世界意思は自分で決定することができるのだ。 一人では改変できない世界意思も当然あることにはある。 そのような問題にはボクは立ち入らない。 円形に広がる世界の外か中、どちらに身を置くか程度であれば。 自分の意思でこじ開けられるんだと。 ボクはそのように思いこの街に迎え入れられるかどうかの その振る舞いを未だ決めかねていた。

1月5日






86   北国での衝撃的事態

「うーんと、なんだっけあの霊能者……」
「誰?」
「アボ?」
アボ!?

1月6日






87   死の予感

  仕事始めの会社にて熱を測ると38度という死を予感させる 熱量を計測したために即家へと帰還、現在に至りますが、 ホントウに危険です。下痢、嘔吐が激しすぎます。 誰かタスケテー!(残有休1.5日)

1月7日






88   ボクの物語6(そろそろ好き勝手にやらせて頂きます)

「さあ、そろそろ救いましょうか? 私たちの世界を」
 この現実であまりにも現実離れした言葉はスルリと耳をすり抜ける。
「世界を……救う……?」
 超然とした彼女に対して凡庸なボクはそんな返答しかできなかった。
「私たちの世界を」
 私たちの、を強調して彼女は言った。
「気になっていることが数点あるんだけど、そのことについてもっと訊いていいかな? それともあまり訊かない方がいいかな?」
「訊くのはあなたの自由だけど、答えるのも私の自由よ。それでかまわないなら」
「世界には救わなければならないような危険が迫っているの?」
「世界を救わなければならない危険が迫っていない、だなんてあなたには証明ができる?」
 ボクはしばらく考えて言った。
「その証明はできないけれど、だからといって迫っているかもわからない危険に対して救うというのは妙じゃないかな? 対象が曖昧だ。妊娠しているかわからない夫人がいきなり子供服を買うようなものだ」
「あなたの言うことはまったくその通りよ。 私はその上で救うと言っているの。曖昧な対象。曖昧な世界。いずれ来る危機に襲われる世界。いい? 危険は訪れるわ。私にはそういうことはわかるの。 ねえ、そういう感覚は理解できる?」
「わかる気もする」
 ボクは世界に危険が迫っているという感覚は理解できないけど、 彼女が感じることは現実になり得る、という感覚は理解できる。 彼女が言うのなら、何かが迫っているのだ。 危険は何なのかもわからないし、 実際彼女が何を言っているのかも理解できないが、 言葉にはできぬ高揚感がボクを包み込んでいた。 最近、感じることのなかったワクワクがボクの中を駆け抜けていた。
「いい? 始める前にこれだけは言っておくけど。」
 彼女の視線は中空を捉えたまま定まらない。
「私たちの世界が救われたとしても、私たちが救われるとは限らない。  それでもあなたはかまわない? つまりは世界を救うというのはそういうことなのよ? それでもいいの?」
「かまわない」
 頭がおかしくなりかけていた。それでもかまわない、 という決意表明もその言葉に意味を込めていた。 それはボクにしか伝わることのない意味なのだろうけど。 あるいはそれでも、かまわない。

1月8日(信じられないことに続くかもしれない)






89   闇

全ては闇から始まりました。
全ての光は闇から生まれました。
闇は万物の根源。
暗闇に恐怖を感じる人は、何かが欠落しているのです。
わたしは暗闇が大好き。
闇はきたないわたしを映し出さない。
灯りを消したときに、優しく包み込む闇はわたしを安心させる。
目の前には暗闇がある。
手を伸ばしてもどこにも届かない。
とても大きくて、あまりにも大きくて。
わたしは眼を閉じてその流れに身を任せる。
閉じた視界の先にもまた、闇が広がる。
血走った網膜で赤く染まった闇。
とてもきれいで、わたしを高揚させる。

1月9日






90   ある惨劇の始まり1

 あてもなく睡眠階層の中をダイブ。冒険活劇、涙アリ、笑いアリ、様々な人間ドラマをものすごい処理速度で展開していた自由意識は、古来よりの呪法Alarm Bomの発動と共に強制的に今、ここにある世界、現実と呼ばれる世界へと強制送還される。ゲートは開かれ今日も世界にこんにちは! 今日もここに帰って来れた。通常、向こう側へロケットダイブして戻ってきたのなら、ほとんどの者はさぁ今日も頑張ろうと、自らを鼓舞するものなのだが、男に笑顔は浮かばなかった。つかの間の休息など男には存在しない。この後にも、闘いが待っている。しかもそれはダイブしていた時のような心躍るような、ワクワクするような、そういった類の闘いではない。ただ不毛な、心に何も生み出すことのない戦いだ…。男は起き上がり一息ついた後、身に纏った聖布(世界との隔絶を強固にするための聖なる毛布)をバサリと地に落とし、聖戦(ジ・ハード)に備え準備を開始する。その生気の感じられない緩慢な動作はロボトミーを受けた兵士を想起させる。そう、これがカンパニーに隷属を誓ったものの一日の始まり。「始まりからハッピーエンドの物語なんてないんだ」そう思い、絶望感に包まれた気分を払拭しようとするが、男は気づいていなかった。今いる地点が物語の終着点だということに。もう物語は終わっている。バッドエンドで終わった物語の続きだということに気づかないでいることは、あるいは幸せなのかもしれない。現実はいつだって、不幸な者を幸せな気分へと転換させるトリックを欠かすことはない。世界はいつだって、秩序の収束点の位相をずらすために様々な画策を欠かさない。本当に、いつだって。世界を単純化しようとする者たちと、複雑化しようとする者たちの闘いは終わらない。

1月10日






91   ある惨劇の始まり2

 異界にひきずりこまれそうな意識を奮い立たせ、 なんとか布団から脱出した男は闘いの準備を始める。 男はシャワーを浴びるためバスルームへと向かった。 毎日、カンパニーへと遠征(ザナルカンド並みに遠い)に赴くたびに 鮮血と汗でその身は汚されるからだ。 生温い聖水を体一杯に浴び、血生臭い己の身が清められることに、 男は安息感をしかし、覚えない。暫く後、再びその身が清められる前と 同じ状態に戻ることを知っているからである。 髪を乾かす間もなく、聖衣(Yシャツ)に身を包み カンパニーへの隷属の証である聖鎖(ネクタイ)を首に巻いたならば いよいよ出陣だ。 内部と外部との唯一の接地店である鉄の扉の前に立つと、 男がこれから乗ろうとしている太古からの移動機関、 エレキテル・トレインの通る音が耳をかすめる。 男は闘いが再び始まる予感にため息をついた。 また今日も始まるのか…。眼を伏せて、深呼吸して静かにその扉に手をかける。 そう、それは今日「も」なのだ。永遠に終わらない。 それがカンパニーに隷属を誓った者たちの運命。 扉を開いたとき、男の今日の闘いが始まった。

1月12日






92   髪伸びてうぜー

 カンパニーは髪を切れと要求する。いやあ、それは正確な言葉ではない。 はっきりとは言わないが、 社の空気がそれを要求しているのがボクにはわかる。 床屋に行くことは、時間の無駄かつ、非常に億劫である。 決して金銭の問題などではなくってよ?  4月に東京に来てからの床屋に行った回数は9ヶ月で2回。 3回目! 3回目が近づいているというのか!?  それにしてもこの3連休で行けなかったのは失策であった。最早、後はない。 社内の能力評定における、 「あなたは今後、どんな形で会社の利益のために貢献できると思いますか?」 回答欄の前で立ち尽くしたボクにとってこれ以上のマイナス評価は致命的である。 いざ、行きましょう。黒の舞い散るあの楽園へ。 どこへでも飛んでゆけると言うのなら!

1月13日






93   ボクの物語7

「世界を救うといっても、世界中の人々を絶望から救うとかいう、 そんなに大それたことを私は言っているんじゃないの。 私だってそこまでの力が自分にあるんだと妄信するほど 傲慢ではないし、そんな力が自分にはないことはわかっているものね」
「じゃあ、君の救う世界というのは一体ドコの世界なんだい?  君の脳内で作られたどこかの世界を救うとでも言いたいのかい?  ボクにはわからないよ」
「私の脳内で作られた世界……うん。そうよ。私が救おうとしているのは、 あなたの言った、その脳内で作られた世界のことよ。 だってこうは思わない?  私たち皆が今、共有しているこの世界は私それぞれの脳内が作り出している 世界に他ならないもの。それがこの、今いる世界。ここにある世界。 世界は生物の数だけ幾つも、 いちいち数えてると頭がおかしくなりそうなほどたくさん存在している。 イエス・キリストが言う救済するというのは、 キリスト教を信仰する人たちの世界を救おうということなんじゃない?  信仰する人たちの持つ世界の数がどれほどのものになるかは 私にはわからないけど、それは確かにものすごいことよね。 奇跡といってもおかしくはないと思うな。 私が救おうと言っているのは『私とあなたの世界』 2人だけから見えるこの世界を救う。 凄く限定的だけど、それだってとても難しいことだと私は思ってる。 ねえ、こんなことを言う私は頭がおかしいと思う?」
「頭がおかしいとかおかしくないかというのは今、問題じゃないし、 それを決めるのはボクじゃない。 ねえ、ところで君はどうしてボクたちの世界を 救わなければならないと思ったのかな?  こう言っちゃあ認識の相違があるかもしれないけど、 君とボクはこれまでにケンカやお互いをののしりあったりせずに 割と上手くやってきたんじゃないだろうか、なんてボクは思っていたんだけど。 世界を救うだなんて大それたことをする必要性はあるのだろうか?」
「必要がなければ何もしなくていい、このままでいいということにはならないわ。 これは未来のために、なのよ。いずれ来る未来の危機のために救う」
 未来のために、という言葉が耳に響く。
「それで君はどうやって救おうとしているの?  この、ボクたちの世界を」
 その空間は裂けてちぎれる。 激しい疲労感が残って、悲しくなった。

1月14日






94   いざ赴けば世界はこの態度

 本日は全ての生命活動が今、正にこれから活動を始めようかという始まりの時刻、(僕の中での) 7時に家を出るという破天荒な荒行を行うことで己の肉体に負荷をかけたのですが、 というかすいてる電車に乗りたい☆ などと淡い期待を持ってトレインに乗り込もうとホームで 待っていたのですが、やって来た電車を見て絶句。あれあれ?  なんか普通に電車のドアに人がビターっと張りついてるよ? (あなたたちは新種の寄生生物ですか?) いつもと変わらぬ光景に体の震えは止まらない。 ギャグで荒行とか言ったけどホントに荒行になりやがった! 死の急行トレインにいざライド・オン! 新種の寄生生物さんたちの仲間入りを果たしたボクは車両の隅っこで、 電車滅べ…滅べ…滅べ…滅べ…と呪詛の文句を唱え、 激しいプレッシングに耐える。 (その光景たるやバイオハザードで燃え盛る車両のよう) ちょ、マジ、お前らぶち殺すヨ?(チキンな面でドモリながら) 田園都市線はクソ。これ真理な。今日のメモ。

 朝の修行僧(ラマ系)たちとの邂逅を済ませたボクは第2の家たるカンパニー様に今日も おっはよう! とゲンキに挨拶(言ってて死にたくなった)。 部内で一番に到来したボクはそのことに少しだけ喜びを覚えながら、 ノートPCの電源を入れる。 パスワードを手馴れた操作で入力したならば、 起動までの僅かな時間すらも待てずに、 ひたすらにIEのアイコンのある位置を目測で 16連射!(画面左部中央を血走った目で) ブラウザが5個ほど開かれたところで我にかえったボクは ネットワークとの繋がりに恍惚とした表情を浮かべる。 こんな一日の始まりも悪くないな… (溢れる喜びを体を激しく左右に捻るタイプのアクションで表現。 セイヤ! セイヤ! セイヤ! とノリノリな気分になったところで捻りすぎでイレウス(腸捻転)に。 後に出社した社員に発見された時には彼の体は既に冷たくなっていたという…)

Fin…

1月15日






95   ブルーレッドは日常日記サイト

 成人式は遠い昔の出来事のよう…な、トゥエニーワン(21)・ ジェネレーション世代のボクは今日も今日とてカンパニーとの闘いを繰り広げる。 ホント、いい加減これだけ呪詛ってるんやから潰れろって話ジャン?  夢がそろそろ叶っていージャン? 想いが届いて… や、そんなことなど当然カンパニーに隷属を誓った身ですもの。 微塵にも思ってません。 ただ永休待遇にしてくれればワタシ…何も望まない。

1月16日






96   一つの真実でもあり虚実

「あなたっていつもそう。世界が悪い、会社が悪いだの言っているようだけど、 そうやってあなたが不幸な原因を自分の力では届かないもの、 及ばないものに転換することで自分をごまかしている。  ねえ、あなたがどれだけ呪っても、その対象は漠然としているわ。 具体的でもないものを呪っても効力は薄れていくばかりよ?  そもそも呪いっていうのは人間にかけて、効力を持つものなのよ?  対象を大きく、自分にはどうにもならないものに設定することで、 納得しようとしている。いつまでそうやって逃げ続けるつもり?」

 そこには君の今言ったこと以外の理由もあるんだ。 ボクはそうしないわけにはいかなかった。どうすることもできなかった。 どうにかできたかもしれないけど、どうしようもしなかったし、 何をどうすればいいのかを思いつくこともできなかった。

 全ては鮮明に、輝きを伴って白日の下にさらけ出される。
 でもボクは呪詛って呪詛って呪詛り続ける。
 それはもうやめることはできない。後戻りすることはできない。

1月17日






97   ついに本格的に来やがった!

 このサイトのWEB上における孤島っぷりとくれば、 一年近くサイト運営を続けてきたのに、 未だに一日のアクセス数が2ケタに届かないという 絶望的な状況を顧みることで窺えるのですが、 そんな脆弱なボクに対しついに世界は更新してもアンテナに 反映されなくなるというアタックを先日から仕掛けてきやがりました!  やってやる。そっちがその気ならやってやろうじゃないか。 世界との本格的な闘いが今、始まる!  ボク、世界に宣戦布告。

1月18日






98   意思が話させる。そこにボクの意思はない

 どの様に話そうかと考える前に口が先に言葉を発している。 手が出るのではない。考えるより前に口が動いているのだ。 その言葉をボクも相手と一緒に聞いて、言ったことについて考えてなのだが、 考えるよりも前にボクはまた次の言葉を発している状態。 自分で考えて喋っているのではなく、これは世界から刷り込まれた意思の 声を聞いてそのまま喋っているんじゃないかと思う。 決められた役割を上手にこなすことに集中する。 そこにボクの意思はない。 発した言葉を半秒遅れで追いかけるけど、追いつけない。 わけがわからない。頭が痛い。その先に幸せはない

1月24日






99   カウントダウン

 月曜日といえば言うまでもなく思い思いの休息を終え、 鋭気を養った希望に満ち溢れる社会人たちの脳内には、 Kinkiのやる気マ・ン・マ・ンSONGが流れているわけだけど(あいつらホント頭がおかしい)、 そのせいで電車のプレッシングがマジうぜーって感じの 絶界層(絶望で世界との隔離を目指す者のヒエラルキー)に 住まう者としてはそのショックで髪がゴッソリ抜け落ちてもおかしくない こと朝からうけ合いな、マンセーなんていう腐臭漂う2CH用語の語源にもなった ってことで皆にもお馴染みの曜日であることは疑いようのない事実なんだけど、 まあ、ボクはそんなことはどうでもいいから、いつものように社に賊が闖入した時の対策として、マニュアル3-12に従って、カンパニーへの隷属の象徴、 ネクタイをヌンチャク代わりに振り回すなどという割とハッピーな仮想シミュレーションをしながら駅に滑り込んだならば急行電車は本日は運転しません、いくら待っても走るのは普通列車だけ、 ってか、いつもより長い時間電車に乗るけど、キミ達うんこは我慢でっきるかなー?(漏れちゃうよぉ…)  なんて驚きのニュアンスを言外に含んだアナウンスにホームで痴呆老人のように しばし立ち尽くしたことを皆さんにご報告致します。

 僕たちのバイブル:「正しいカンパニーライフシリーズ・IN・出社」を 血まなこになって読み直しても、会社から遠いヤツはマジ急行。 急行以外乗ったら間に合わない。間に合わなかったら減給ネ! (お局様が眼鏡を直しながら睨むイラスト付きで)  などと書いていやがる。田園都市線はクソ。 このやろう! マジやってられっかよ!(ギニュー特戦隊・バータのポーズで電車の前に飛び出して轢死)

1月26日






100   ゲームオーバー

 あなたはどうやら最近、金銭に困ることも無く、 辛いことも無く傍目から見れば充実した毎日を送っているようだけど、 あなたが幸せになることなんかありえないのよ。 どこまでも絶望感を抱き続けて、どれだけのチャンスがあっても 自らの意思でそれを放棄して、楽しかったことも無理やりに辛いことに 転化して生きていこうと決めたんじゃなかったの?  うそばっかり。主体性の無い意識。漂うように漠然と生きて。 絶対に、どんなことがあっても、世界中の誰もがあなたのことを 肯定したとしても私だけは否定し続けてあげる。呪い続けてあげる。 あなたが望んだことなんだよ? 正確にはあそこでは果たされないであろうことを 私という媒体を使って行われることをあなたが選んだ、というところかしら?  意味がわからない? 私も言ってて意味がわからないもの。お互い様。

 想いはいつかきっと届く? 夢はいつかきっと叶う?  あなたの夢は「この夢から抜け出して意思の届かない遠い世界へ」だったっけ?  もうあなたがここから抜けだすなんて不可能なのよ。 ねえ、意思って何? 届かないって何? 別の世界へって何?  全然わけわかんない。頭がおかしい。 ここが既にあなたの世界なのよ? いい加減に認めたらどう?  今更、放棄しようとしても無駄よ。先に放棄したのはあなたなんですもの。 グチャグチャに。呪ってあげる。 あなたが今まで呪い続けてきたものと同じぐらいの呪力で永遠に。 それがどのぐらいのものなのか想像つくかしら?  想像できなくとも実感してもらえればいいのだけど。 ここから逃げ出すなんて許さない。 頭がおかしいから病んでいくのと、病んでいるから頭がおかしくなる。 2通りのアプローチが世界にはあるらしいけど、あなたはどちらでもない。 ただ、頭がおかしいのよ。 病んでいるからだとか簡単な理由付けなんか許さない。 ただ、頭がおかしいの。勘違いしないでね。 頭がおかしいけど、おかしいことには気づいているから あなたは病むことも狂うこともできない。 そんな逃げ道を私は用意しない。 永遠に孤独感と絶望感を抱いたまま寿命が尽きるまで苦しんで、 よかったことを思いつかないまま最後には死ぬ。 それが私の呪い。 真剣に、手を抜かないでホンキで呪ってやるんだから。 ねえ、忘れないでね? あなたのことをここまで思ってくれる人は他にいる?

1月26日