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1.  アローアロー

 初めての人ははじめまして、そうでない人はお久しぶりのこんばんは。 なんといいますか、ホームページ(可愛く言えばホムパゲ)というものを 再開してみようと思います。






2.  ハッピースプリング

 波乱といえばそうだったし、 何もなかったかと思えば平凡だった学生時代にも一区切り。 4月を迎え、僕は社会人となった。 東京という大都会の荒波に揉まれて、満員電車に揺られて、 毎日会社へ通勤する毎日。だが、そこには何かが足りなかった。 明確ではなかったが、何かが確実に足りなかったんだ。
 なんだろう? なにが足りないのだろう? 同期の人達は皆、いい人だ。 始まったばかりの会社にも特に不満はない。 だが……だけど本当にそれでいいのだろうか?  僕はこのまま漠然とした日々を過ごしていていいのだろうか?

 いや!

 僕は超人的なスピードの条件反射で やりかけだったゲーム機のコントローラーを放り投げ、 家庭用電話の線を思いきり引き抜いてインターネットに接続する。 これではダメだ! このままでは僕はダメになる!  ダイヤルアップ接続の音を聞きながら、 僕は懐かしいこの感じに恍惚を覚えていた。(←変態!)






3.  人は世界と繋がっている!

 この世に誰もが幸せに暮らせる楽園はないし、 僕が望む希望もこの世界で叶わないことも知っている。 叶えようとする努力もしないそんな僕がどうしようもなく 終わっていることも、社会にそれほど、 むしろまったく必要ではないことも知っている。 部屋に唸るはPCの起動音と、たまに家の側を走り抜ける電車の音だけ。 こんな時、世界には自分一人しかいないのではという気分になる?  いや、違うね。それは前提から全然違う。

 人は自分たちがどれほど無意味で愚かで矮小な存在であるかを 認識しなければならない。 宇宙空間の温度は絶対零度、太陽の表面温度は数千度。 その間のごく僅かな範囲の温度でしか生存を維持できない 生物の、なんて惨めほどに脆く壊れやすい存在であることか。 そしてそのことを自覚して、人は初めて他の生物と区別されうるのだ。

 よく人々は機械に囲まれた都心部での生活には疲れ、 こんな生活は人間的ではないと自然の多い田舎に来た時、 これが真に人間らしい生活だなぁと言うことがある。 だが忘れてはいけない、自然は人間の作り出したものではない。 自然に人間らしさなどないのだ。 では人間的な生活とは?  機械こそ、コンピューターこそ、 ネットワークこそ、人間だけが作り出したもの。 ネットワークに触れていてこそ、人は人間的な生活を送っているといえるのだ。

 僕は今、とても人間的な生活を送っています。 おっかさん、見ていますか?  ネットワークに繋がっている僕が見えていますか?  今にも切れそうな細い回線で世界と繋がっている僕が見えていますか?  僕はこんなに立派に育ちましたよ!(ディスプレイを見つめる瞳は廃人寸前)






4.  世界と世界は繋がっている!

 別世界という概念が物語の設定上多くある。 それは魔物が跳梁跋扈する荒んだ、剣や魔法が 絶対的に猛威を振るう世界だったり、 僕らの生きる世界と同じように見えるけど、 「世にも奇妙な物語」に代表される 価値観や物理法則が違うという世界だったり、 人々は昔から、ここではないどこか遠い場所を想い、 色々な世界の概念を空想してきた。

 だが果たしてそれは本当に空想だけで終わるのだろうか?  終わっていいのだろうか? どこか遠くには人々の 思い描くものとは違うかもしれないけど別世界、 別次元というものは存在しないのだろうか?  君たちはどう思う?  僕たちはこの世界でしか物語を終えることはできないのかい?   僕は嫌だね。旅立ちたいんだ! 僕にはこの世界は狭すぎるんだ!  どこまでもこの世界を駆け抜けたあの日々。 心からのお願いだ! 返してくれ!  無くしてしまった翼を返してくれ!

 うららかな陽気が肌に心地よい昼下がり。 僕はビルの最上階から飛び立った。 はは、地上を歩く人たちがゴミのようだね。 春はもうすぐ終わりを告げる。 僕の世界ももうすぐ終わりを告げる。 翼を取り戻せなかったから、空には飛び立てないけど…… 僕が別の世界に飛び立てるのかどうか、 その答えは数秒後には知ることができる。






5.  世界と世界が繋がっていく!

 ビッグバンという大きな爆発が昔、起こったらしい。 僕らも、僕らの住むこの世界、そして宇宙も、 その爆発から生まれたものだと言われている。 気の遠くなるような昔の話だし、推測の域を出ないから真偽は わからないけど、今でもビッグバンの影響で宇宙は広がっているそうだ。 広がっていく僕らのこの世界。  円が半径を広げていけば、別の円に繋がるのと同じように それはいつか、どこか別の世界へと繋がってしまうのではないのだろうか?  あるいは既に別世界は遠い宇宙の先に広がっているのかもしれない。 僕たちはこんなところで落ち着いている場合じゃない!  とりあえずは広大な宇宙へと旅立たなくっちゃ!  僕はどこへでも飛んでいけるんだ!






6.  どうしようもないです

 調子に乗りすぎた。相変わらずどうしようもない。 僕は、なんていうか別世界とか どうでもいいので温泉に浸かってゆっくりしたいです。 冒険とかでなくていいので、旅に出たいです。 そろそろ疲れました。でもこの適当さ加減が どうしようもなく心地よいです。






7.  世界意思が僕を殺す

 毎日、毎日、週5日間もの時間を朝から晩まで拘束 され馬車馬のような扱いに耐え、日にこなすべきノルマを達成したものだけが 定時に解放される、という信じられないシステムを迎合している 僕ら社会人にとってのオアシスといえば給料日と飲み会しかない。 だなんて言ってて自らで虚しくなってくるけれども、 とにかく今月もなんとか正気を保って生き延びた僕は 給料日という給水地点へとたどり着いた。

 一ヶ月の労働を金銭という形で明確化する、 給料明細という薄っぺらい紙切れを配られ、 ワクワクしながら中身を見たときにそのあまりの金額に僕は絶望した。 僕は今月何時間働いたのだろうか?  同期の大卒の明細を見ると、僕のものより2万円近く多い額面 が支給額という太い枠に無機質に描かれている。 僕は彼と同じ時間に出社し、同じ時刻に帰社する。 残業をしているからという理由からでの差ではない。 なんだ? なんなのだ? この金額差はなんなのだ?

 偏差値で、学歴で、人を評価しないという風潮が一昔前は あったような気がした。 しかし現在の僕はといえば学歴社会の圧政下の中で、 社会の大きな意思の力によってこんな奴は殺してしまえと差別されている。 確かに僕には夢も希望も会社に貢献しようというやる気もない。 この社会の最下層の位置にいる瞳の輝きを失った無気力な 人間であることは自明ではある。 ある部分に特化した才能のない平凡な人間が、 このピラミッドの底辺に迷い込まないためには 大学に入っていなければならなかった。 大学に入れなかった要因としてはもともとの才能も さることながら、努力ができないという人間が成長するに あたって最も基本的な能力が絶望的に 欠如していることに起因する。 そもそも人と競争して追い抜かしてやろう! という気力がないのだ。 その行為はただ、ただ無力な自分を社会に向けて さらけ出すだけに終わることがわかっているのだから。 僕は露出狂ではない。

 だから僕はそんな学歴社会を迎合する。だからこの給料額面の差を 迎合する。仮に逆らったとしても変えることはできないのだから。 今まで社会に逆らって楽な方ばかりを選んできた僕は 今まさに、いや、これから一生社会に報復され続けるのだ。






8.  ハニー、僕ももう20歳さ。

 これまでの日記を通読しますに、 死にたい、死にたいだの世界に希望はないだの、 お前は10代の悩める少年かよ! バッカじゃないの?  という陰惨たる気分に襲われたので、これからの日記たるや ハッピーな未来を予感させるものにしていきたいと思うのです。 ので、スペックと稼働率が著しく低いマイブレインを使い、 そのことを勤務中にやるべき処理(ジョブ)に加えて考えてみたのですが、 生誕から僕の肉体ちゃんと長いお付き合いの、辛苦を共にしてきた 脳みそちゃんから弾き出される答えがどうにもこのジョブやめちゃえー とハッピーなお加減。はっははー、確かにそりゃハッピーだね、 脳みそちゃん。そりゃー精神的にはハッピーだけど、 仕事をやめるとお金がなくなる。 お金がなくなりゃ食事もままならない。 シャンプーも買えなくて頭も洗えない。 部屋も追い出されるしさ。 肉体的にはアンハッピーなんだよ?  そこんところわかってる?   はっははー、君はとっても相変わらずなんだね。 死んでしまえ。(ハッピーな未来が予感できませんでした)






9.  イート・インフィニティ

 昨日は、首都圏に二人しかいない専門学校時代からの友人の一人と (僕は友達が少ないです)と神奈川県川崎市溝の口というところで お食事をすることになったのですが、 やっぱ焼肉しかありえないよねー、と話していたところ 適当に歩いていて発見した焼き肉屋にレッツインといった感じで そのお店へ。

 その 店に入ってまず驚愕したことが僕たち以外の客がいない!  いくら5時半で時間がまだ早かったとはいえ土曜日の夕方に この閑散さはないだろ、と私が友人に向けアイコンタクトを 試みたところ彼もまったく同じ意見のよう。 ここはやばい、退避したほうがいい。 僕は瞬時にそう思ったのですが、しかしエレベーターで直通のこのお店。 出るためには再びエレベーターを召還せねばならず、 閑散な店内には非常に帰りづらい空気が流れていた。 そうこうしていると、
「いらっしゃいませ」
 あまりやる気のない店員が僕たちに気づいて近づいてきた。 せっかく来た客なんだからもっと嬉しそうにしろ、 など心の中で毒を吐きつつも、 もう帰れまいと判断した僕たちは2名です、 とその店員に告げ店の奥へ案内されたのでした。

 広々とした店内の広々とした4人掛けの席に広々と腰を落ち着けて メニューを見る。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
 先ほどの男ではないのだが、これまたあまりやる気のなさそうな 店員が注文を取りに来た。
「中ジョッキで」
 と、友達。
 僕はといえば、
「どちらかといえばカルピスサワーをジョッキで」
 何と比較してるのかといえば、帰ることとだぞ!  感じろ! このニュアンスで感じろ!  とまぁ、心の中で叫んでみたのですが、店員無反応。 関東の人間いうのはあれやね。 言外に含まれる微妙におかしい言葉やニュアンスを 感じ取る能力に欠けとるね、と店員が去った後、友達と 語り合いましたとさ。 肉は普通でした。
 仕事関係の話もかなりしたのですが、 ここではとても書けないほどディープ、かつ倦怠感ばかり 溜まっていく結論しか出ないのでやめておきます。






10.  僕らはお金も取られていく

 お金がない。冗談じゃない。一体僕が何に使ったというのだ?  高級な服を買ったわけじゃない。CDも本も買っていない。 毎日、毎日、会社と家の往復とその間にただ少しばかりの 飯を食らって生きているだけの毎日だ。 もしそうだったとしたらお金は貯まる。 貯まらざるを得ない。 なのに僕の所持金ときたら給料日から 10日しか経っていないのにもう半分になっている。 こいつはどういうことだい? パラドックス?  社会のクズは一日2食も許されぬと?(僕は朝ごはんを食べていません)

 最近会社にいると保険の勧誘が仕事中にやってくる。 将来のためだとか、若いうちに入っておいたほうが いいだの色々言ってくるけどね。 僕には将来など想像もできないし、 そもそも将来というものがなんなのかよくわからないのだよね。 何より今の状態から月一万取られたら本当にどうしようもなくなるので もう来ないでください。 本当に奇跡的、天文学的な確率でしかないでしょうが、 僕がもし結婚するとしたら、その時には保険のことも ちゃんと考えようと思いますのでもう来なくていいです。 金のない人間からいかにして更に搾り取ろうか。 そのシステムのことはよくわかっているし、 実際のところそれは正しいことなのですが、 僕はもうあなた達の同類、金を搾取する側の人たち にきつく搾られた後の人間なので、 一銭も銭はこぼれません。ひからびてしまったボロ雑巾と同じです。 僕から金を取るぐらいなら他の人から搾り取ったほうが労力は少なく済む と思うので、だから2度と来ないでください。  






11.  いつのまにか死んでいく。

 咳が止まらない。会社でも家でも僕は数分に一度 ゴホッ、ゴホッ、と咳込んでしまう。 周りは風邪を移されるんじゃないか という不快感を込めたオーラを僕に発する。 咳のしすぎで本当、もう喉は焼けきったように痛くて 咳込むたびにそれはひどくなっていっている気がしてならない。 思えばこの具合の悪さは4月ごろからずっとだった気がする。 ピーク時にはもう講義中に意識が遠くなったりしていたんだけど、 新人研修中に休むっていうのはどうにも僕にはできなかった。 毎日、毎日茫洋とした意識の中、会社へと通い続けた。 家で寝ていたとしても直るとも思えなかった。 あの頃は熱は計ってなかったけど、38度あったんじゃないかって思う。 きっとこの咳は僕の中の虚無感やら、絶望感、無力感といった負の感情が 形になって体内から排出されているのではないか、などとも思った。 あれから2ヶ月経った今でも咳は止まらない。 慢性的に僕の体を蝕んでいる。再び咳込む。 咳が止まらない。ダメ、苦しい、このままでは死ぬ。 この状態が続くようであれば、近いうちに死ぬ。 それでいいとも思う。いつの間にかこうなっていて、 原因もわからない不条理な出来事が僕の身に降りかかるというのは、 僕自身がいつも言っている、圧倒的に逆らえない、抗えない力の前 で死にたいなぁっていうのと合致しているではないか。 でも、とも思う。 問題は一瞬ではなく、これから長い間続いて、慢性的に苦しむのだろう ということ。 そしていつの間にか死んでいく。それでいいと思う。 それでね。






12.  流転する、高揚する、変わり続ける。

 そろそろダークな展開に飽き飽きしてきたので、 スタイルを変えようと思います。






13.  変わらないもの、変わりゆくもの、そして変えていくこと。

 あなたは結局何も変わらなかった。
 変わりたい、変わる、変えたい、変える、だなんてどんどん 意思は明確になっていたけど結局何も。 あなた風に言うなら何も変えられなかったのね。
 口では僕はダメな人間だって言っているのに、 本当はいつだって世界を斜めからわかっているように見下ろして。 心の中では、他のやつらは何もわかっていない、自分はできるんだ、 って優越感に浸って。 でも本当の心の奥底では、自分は誰にも勝てないし、どうしようもない、 やる気や希望や明るいビジョンのない 誰よりも劣っている社会の底辺の人間なんだということにも気づいていて。 人間は複雑だけど意味がわからないよ! ねぇ、どうしたかったの?  あなたはそんな自分を変えたかったんじゃないの?  朝、起きたらコーヒーを片手にカーテンを開けて、 眩しい陽光に眼を細めながら外の空気を胸いっぱいに 吸い込んですがすがしい朝を満喫。準備をして颯爽と出社する。 そんな社会人になるんじゃなかったの?  今のあなたときたら全然違う。 カーテンは閉めっぱなし、布団も敷きっぱなし、 朝食もとらずにただただ倦怠感を周りにいつだって振りまきながら 出社してる。世間のダメなタイプの、 模範にしちゃいけない社会人の典型よね。 ダークなオーラを放つ人間を、 ただそれだけの理由で排他する人は、 あなたが思っているより全然多いことにまだ気づかないの?  わかっている? だったらどうして変わろうとしないの?

 私にもひとつだけわかっていることがあるよ。
 だからあなたはダメな人間なんだっていうこと。
 2回ひっくり返っているけど、あなたは間違ったことは言っていない。






14.  ぶつけられるエネルギー。

 仕事帰りの疲弊した体を引きずりながら渋谷で降りると、 駅の前では日本のWカップ勝利に対して騒ぐ若者たちが道を占拠していた。 警官も集まって拡声器を使って何やら騒いでいるようだけど、 止めることはできないでいた。 歓喜、奇声、怒号が飛び交うその空間では、爆発的な エネルギーが拡散して僕を包み込む。

  そんなエネルギーに包み込まれたなら僕もそのエネルギーを もらって、明日も頑張ろう、やってやるぞ! という 活力に満ち溢れるのだろうけど、 僕の持つエネルギーといえばもともとがドス黒い負に満ちている。 彼らの放つエネルギーはそれとはまったく逆属性。 相反する属性のものがぶつかり合えば、それは相殺されて 消費されていくだけ。 もともとが彼らとはまったく別の人種であり生き物なのだ。 僕のエネルギーは有限だけど、彼らは大多数で無限とも 思える時間、騒ぎ、喜び、踊り続けている。 そしてエネルギーは放たれ続け、僕にぶつかり消耗されていく。 そうして僕はまたボロボロになっていく。 ボロボロになりきって、 もうどうにもならなくなって 僕のこういうドロドロとしたものが全て洗い流されて、 浄化されてしまえばいい。 僕も向こう側の人間になりたいのだ。 正しい生き方、まともな思想を持つ一人前の人間になる。 なれればいいなって。

 でもね。これだけ後ろ向きに歩いて、後ろ向きの考えで やってきたのに、今さら前に進んでもね。 来た道を戻るだけで誰にも追いつけないし、 そもそも元々のスタート地点にだって戻れない。 なーんだ、だったらそんなのは無駄じゃないか。 などと思うからダメでありどうしようもないのだけど、 どうしようもないことがわかっていて、尚もその道を 進み続ける、戻ることができない 僕はだからこそ何も知らない人よりもどうしようもなく ダメなんだなぁ。






15.  さてさて、わー。

 ダークなスタイルに飽き飽きしてきたと言いつつも この暗黒に包まれたかのような更新はなんなのだろう?  と思ったので、次回からこそライト・ダークを交えつつ更新していきます。

 うーん、ただこのサイトは昔から 妄想、もしくはダークしかなかったので 両方とも封じられるとね、ぶっちゃけ書くことがなかったりするのが 一番の問題だ。






16.  3種類のクズ

「クズには3種類あるの」
「ずいぶんいきなりだなぁ」
「自分がクズであることもわかっていないクズ、 もうクズであることをわかっていて、そこから抜け出そうとしているクズ、 そして………」
「クズであることをわかっていて、何もしようとしないクズ、だね?」
「そう。抜け出そうとしているクズは、 もしかするとそこから抜け出してまともな人間になるかもしれない。 クズであることをわかっていないクズも、自分がクズであることに 気づけばそこから抜け出そうとするクズになってクズでなくなるかもしれない」
「なんだかややこしいなぁ」
「でも、ね………?」
「なに?」
「クズであることをわかっているのに、 なおも何もしようとしないクズは、 もう一生クズから抜け出すことができない。 希望も何もない。ただ、ただ、終わってるの」
「それは………」
「そう、あなたのことよ」
「でも、誰の記憶にも残らない、誰にも、何も期待されない、 そんなクズであることがとても幸せで、 楽だと思う人だっているかもしれないじゃないか?」
「あなた自身のことを他人事のように語らないでくれる?  そしてもしそんな人がいたとしてもそれはそれで終わってる」
「………」
「そんな考え方だからこそ、だからこそ、あなたは終わってるのよ」

6月18日







17.  生きていくため。

「必要なものは概念だ」
「概念?」
「そう、概念」
「なんのために?」
「生きていくため」
「抽象的すぎるよ」
「ある事象や現象に対して抽象的に定義する、それが概念というものなんだ」
「じゃあ質問を変えるね。生きていくためにどうして概念が必要なの?」
「全てを曖昧にするために。答えを出さないために」
「意味がわからないよ。そうしなければ人は生きていけないの?」
「そうしなければ人間は世界に絶望して死んでしまう」
「どうして? 答えを出すと世界に絶望する?」
「そう。だって全てはもう終わってるのだから」
「終わってなんかいないよ」
「………」
「終わってるのは、あなた。あなたは答えを出さないのではなくて 出せないのよ」
「………」
「いい? この世の全ての事象は曖昧なんかじゃない。 全てのデータを揃えて考えれば本当は一つずつこれだ、 という答えを出すことは可能なのよ。 ただそれは選ばれた一部の頭のいい人にしか出すことはできないの。 選択も同じ。今、何をすべきかという時に答えを出せないのは ただ、ただ、能力不足なだけ。優柔不断なんていうけど、 それって能力不足だって自分で社会に露呈しているだけのこと」
「………」
「どうして黙っているの? このことももうわかってる?」
「………」
「わかってるのに、それを口先だけでごまかそうとする」
「………」
「だからあなたは終わってる」

6月18日







18.  それが社会。

 ぶっちゃけ、君は社会人として足りないものが 多すぎるね、的なことを言われました。 まったくその通りだと思うし、何も言い返せませんでした。 何が足りないってそりゃー金がね。 絶望的に。

6月18日







19.  Are you happy? (死ねー!)

事情により削除されました。







20.  ただ喰らえばいい。

 なんていうかまたまたまたまた焼肉屋に行って参ったのですが、 焼肉屋に行っていつも思うことは いかに上カルビを喰らうかである。 僕らがどうせどれだけ食べようと、 店に払った値段分食べるというのは不可能。 なのはわかっているけど、 これは店と僕らの戦いなのだよね。 向こうが食べ放題という作戦を持って僕らから 金銭を奪おうとするならば、 こっちもそれ相応に肉を喰らい向こうの利益率を下げる。 負けるのはわかっているけど、 こちらの肉1グラムの単価をいかに抑えて消耗しないようにするか。 奴らは奴らで肉の消費を抑えるために盛り付けは少なめ。 2人前も3人前も量が変わらない、 という暗黒技法を使い戦力の消耗を抑える。 そう、これは消耗戦。 水面下での静かなせめぎあい、緻密な戦略と胃袋をカルビで満たす欲望と。 あと、たまに豚トロ。もちろんご飯など頼まない、 デザートなど頼まない。 僕は一人いつもこうつぶやく。 ただ喰らえばいいと。 焼きあがった肉を口に放り込むと同時に、 また新しい肉を焼く。機械的な無駄のない動作で このサイクルを永続させる。させようとする。 限界は確かにくる。だが、それでもなお 僕は自分にこう言い聞かせその回転運動をやめようとはしない。 ただ喰らえばいい。そう、ただ喰らえばいいのだ。

6月23日

21.  私は待つの、フライデーナイト!

 マジかよ! 日曜がもう終わる・・・ 僕らの夢時間、惰眠を正午過ぎまで貪り、 テイクアウトのジャンクフードを喰らいつつタバコをプカー、 ああ、幸せってこういうことなのかもしれない・・・ という暗黒に包まれた世界の隅に咲く一輪の小さな花、 そう、それは希望という名の花だったの・・・ 恐ろしき事実による驚愕と、狼狽による動揺のため 言ってることが意味不明になってきましたが、 つまりはこの世もまだ捨てたもんじゃない・・・的な 素晴らしさを堪能することができる 桃源郷パラダイス・ワンダフル・ウィークエンドの最後に僕らを迎える、 希望デイことハッピーサンデーがマジもう終わってしまいます。 月曜から金曜までは長いのに、金曜から日曜までというのはあっというま。 こいつはおかしい。何かがおかしい。

 落ち着いて考えてみるに、時の神は頑張るソサエティパーソンが嫌いなので、 愚昧な人間どもを休ませるか、と時間操作していることは明白なのですが、 というか、こんなことを言っている僕の頭がおかしいことが明白なのですが、 とにかく! もう日曜が終わってしまうのです。 って! あー、 これ書いてる間に日付が変わってもう月曜になっちゃったよー。 僕はなんて無駄なことをしているのだろう。 その無駄のなんと楽しいことか。

 そして私たちは月曜を迎える。 私の概念でいえば、金曜まで世界は闇に包まれている。 ようするに私にとっての朝が来るのは金曜の夜からなのね。 だから私はその時が来るまで眠ったように時間をすごす。 会社のデスクでも顔を伏せて待ち続けるの。 ああ……私にとっての夜明けが……あの人が来るのを…… 私にとっての王子様、フライデー・ナイトを!

 ナイトの使い方が上手いかもーと思って書き始めましたが、 終わってみると死んだほうがいいと思いました。 どうでもいいけど、フライデーナイトという語感って凄く好き。 週末がハッピーになりますようにと 願って、金曜日をフライデーと呼ぶようにしたのなら その人はきっと愛に満ちていたのだと思う。 フライデーナイト。マジ大好き。萌え。 でもいつだってあなたは遠くにいるの。 それはとても寂しい。

6月23〜24日(そろそろ普通に書けそうです)







22.  給料日は絶望ワンダフル!

 会社、などという企業戦士たちがデスクの合間を怒声、 奇声を挙げ右往左往、 跳梁跋扈するカンパニーというU−TIC機関に所属するようになり、 げに信じられないことなのですが早3回目の給料日を迎えました!  これは入社二日目の3分間スピーチをやると聞いた時点で、 あー、辞めたいなどと言っていた輩とは思えない素晴らしい進歩ですね^^。

 これはびっくりもののけ21世紀なる現象と呼んでも問題はなかろうので、 話を続けますが、先月ももらった給料明細を再びもらいました。 ああ……僕はあと何度この紙切れをもらえるのだろう…… などという未来への予感? 明るいビジョン? むしろ曰くダークイリュージョンみたいなものが、視えた(空へ……)のですが 頭を狂ったように振り乱し邪念を霧散させ金額を確認。 先月と一円たりとも変わらない額面表示に嘆息をもらしつつも、 その紙切れたるをマイデスクにプットインする直前に 僕は恐ろしいジョブを思いついてしまいました。 いわゆる給料の時給換算。 電卓が傍らにあったのは僕を絶望させるために ハートフル・カンパニーがわざわざ用意した備品であることは 間違いないのですがとにかく計算、計算、ピッピコピ。 ヒッ、ヒィーっ!  結果数値を見た瞬間にふざけるなー! と四角時空平面ことマイデッスク をちゃぶ台返し! を敢行しようとしたのですが、重すぎて無理でした。 というかやろうともしていません、ごめんなさい。 その……ね、ぶっちゃけ1000円切ってるなんてね…… そりゃー、企業戦士になることを放棄してフリーターになる人も 増えるよね? みたいな? 的な感じな今日の業務でした。チャンチャン。 死ねー!(半狂乱で刀を振り乱しながら)

6月24日(ダーク・ライト・バイオリズムが上向きに!)







23.  ラブ・アシッドレイニー・カンパニー

 なんとまぁ、 桜咲き乱れるうららかな春などと思っていたらもう夏です。 春に会社に入りそして夏。一つの季節が過ぎ去っていきました。 僕と同じように着慣れないスーツの感触にソワソワしながら 出社していたこの春、新社会人になった皆さん。 今もお元気ですか? 入社したころと同じ瞳の輝きをしていますか?  夢とか希望とか、あの頃のままですか?  僕はあの頃から変わっていませんよ。

 などと、ちょっとコジャレた ハートフルな出だしで始まる今日のブルーレッド、 エピソード4・ライフ・イン・カンパニーなわけですが、 (過去のエピソードは正直思い出したくありません) あ、あの頃から変わっていないというのは夢も希望もないままだし、 ドス黒い瞳の輝きも変わっていませんよ、ということなので。 そんなことを言うとまたブルレ暗黒時代に突入してしまうので、 あまり突き詰めるのはやめておきます。 それはそうと最近、会社で習得したいスキルはテレーポーテイションです。 今、時を呼ぶ〜♪ です。 てか、マジ最近会社がファッキンなので、 というか仕事がきついとか嫌だとかそういうわけではなくて 、いや働くことは嫌なのですが、 会社という組織に所属している自分という存在が嫌なので、 僕はこのシャドウスキルを 社内でいち早く取得して今の状況から抜け出そうと思います。 でもね、正直な話をしてしまうと、 もう色々な周りの環境やら立場やらに 鎖で雁字搦めにされて動けなくなってきているのだよね。 このしがらみやら檻やらを全てぶち壊してしまう というのは最早かなり難しい。

 全ては僕がクズで怠惰であるというところからきているのだけど、 本当に、なんていうか微妙。 こういう気分はわからないだろうし、わかってもらう気もないし、 わかったとしても原因が僕自身にあるのだからどうしようもないし。 そして何よりも問題なのはそうやって 他人を排斥する僕の根底にあるものなんだよね。 だからといってそういう人格の基盤みたいな位置にあるものというのはもう 変わることなんてない気がする。 だから最終的な結論としては僕はダメ人間だ、という所に 帰結してしまう。それが頭の中で何度も何度もグルグルと繰り返して 回る。永久に無限ループ。もう抜け出せない。 そんな毎日なんですよ、実際のところは。 などと突き詰めるとまたダークになってしまったー。 あー、あー、あー。

6月27日







24.  あなたに会えた。それだけでよかった。

 ハッピー、エーブリ、フライデーッ! といった按配で とうとう金曜日がやってまいりました。 ああ……この一週間長かったわ。会社のデスクでも顔を伏せ続けてきたわ。 どこでだって心を閉ざし続けてきたわ。 いつまでだって待ち続けたわ。でもやっと会えたの、 私の王子様!

 というわけで、ハッピー、ハッピーフライデーナイトを満喫しております。 ただ、肉体の疲労と申しますか、精神的な疲労がかなり溜まっていますので、 今日は回復に努めようと思うしだいです。 平日(水・木)飲み会2連チャンとかマジきつい!

6月28日







25.  ドリーム ライフ イッツ ジョブ。

 ほぅむぺぇじというものは そのサイトの管理人は、好き勝手な発言が できるドリーミーなプレイスだと伺ったのですが、 私、発言してよろしいのでしょうか? よろしいのでしょうか?  などと僕が世界と繋がるために不可欠なターミナルフレンド、 ディスプレイちゃんに尋ねてみたのですが、 ディスプちゃんは答えてくれません。 彼女はいつでもつっけんどん。でも僕はそういう君が大好きさ。 いつまでだって友達でいてね。

 そんな電波発しまくりな挨拶はどうでもいいのですが、 金曜日はいつもファッキンなジョブの中でも 更に際立ってファッキンな部内の会議での 議事録というものを作成していました。 苦労しながらもできあがったので、部長にメールで送り、OKです。 部内の人たちにメールで配布してくださいと言われたので、 いざ送信しようとしたところ、僕のチームのマネージャーに ちょっと待て、貴様もう部長にまで送ったのか。 まず、議事録というのはチーム内で回してチェックしてから 部長に送るものなのだぞ。のようなことを言われたので僕は、 すいません、でも部長にはOKもらいました。次回から気をつけます。 と返しました。すると、まぁ、いい。 とりあえずはチーム内にできた議事録を印刷して回せ。 チェックしてやる。などというジョブを通達されました。 めんどくせぇ……もういいじゃないか。 しかし大きな権力の前では逆らえず、僕は印刷をしてチーム内に回しました。 するとここ、直せ、これはどういうことだ? 意味がわからない。 などという修正事項が雨あられと書き込まれた議事録ちゃんが僕の手元に 戻ってきて、さあ修正してまた回してね(笑)。とマネージャー が悪魔の笑みを浮かべて僕にまた地獄ジョブを通達してきたのです。

 というわけで、現在その議事録を家にメールで 送って修正作業をしている最中でございます。 のですが、このジョブはかなり苦しい。 僕の精神に非常にダメージを与えてくれます。 苦痛。 そもそも部のこれからの方針という部分で、 「どうしてこの方針にしていくのですか?」 の修正事項に至っては、そんなこと入ったばかりで使えぬクズで あるところの僕に聞かないでくれ! それは部長に聞いてくれよ!  なんていう呪詛の文句を吐きそうになりました。

 これまではこのサイトでは給料に関しては言及してきましたが、 仕事に関しての毒は吐いていませんでした。 が、なんということ、つまりはこれは僕の限界が近いということなのです。 明日はびっくりすることに最早月曜日。 前にも記述したとおりにやはりこの時間の流れ方はおかしい。 時の神は僕らの眼前に存在する。 ヤツを倒さねば僕たちの休日は時空操作され奪われていく!  今こそ白金の剣を取りて、立ち上がれ勇者よ!  奪われた時を取り戻すのだ!  閉塞された神の支配したる空間。 時の狭間への入り口を白金の剣にて開きたりた時、 我々はこの時の円環から解放されるだろう……… また始まりそうな電波ストーリィは割とどうでもいいです。 とりあえずあした、かいしゃ、イキタクナイ。

6月30日







26.  僕の世界を救って。

 形式は見える。 最近嫌と言うぐらいに大体のことが読めるようになってきた。 一見何気ない情報でも、それがふとした瞬間にある出来事と繋がる。 そうか、あれはそういうことだったのか、とか。そういうこと。 それは後気づきといって恥ずべきことで、 本当はその前から全てのことに気づく人間こそが僕の目指したい 最終到達地点。 最近その感覚が更に鋭敏になってきたと思う。 でもそれはいつだって後になって気づくのだ。 本当、いつだってそう。 しかし気づかない人間はどうしたっていつまでも気づかないし、 気づく気すらないのだろうから、 そういう意味ではその人たちよりは恵まれているのだろう。 けれども、ね。

 僕は地位や名誉とか、そういった社会的な名声は 何一ついらないのでもうワンランク上の人間になりたい。 それは僕の中だけで完結して、僕だけが満足する完全たる自己満足。 だって、僕がそういう人間になったな、と納得したのなら 終わってしまうのだから。 感覚的に僕がそれを得ることができるのなら、後のことはもうどうでもいい。 全てがホントにどうでも。僕はそう思ってる。

7月4日







27.  グッモーニンッ!

 あなたにとって、気持ちのよい朝を迎えるために必要なものは?
 ある人は芳醇に香る一杯のコーヒーで。
 またある人は隣で安らかな顔で眠る大切な人を見て。
 では僕にとって気持ちいい朝を迎えるために必要なものは?
 それは朝、一本のテレフォンで。
 今日、会社休みますと告げるだけで。
 お腹が爆発しそうなほど痛かったのですが、最高の朝でした。

7月8日







28.  グッイーブニングッ!

 雨が嫌いだとか、夏が嫌いだとか、 全部感覚と気分で決まるもの。
 ある人が好きとか嫌いとかもおんなじ。なんだかなぁ。

 僕は直感はあてにならないと思っている。 でもその直感が外れることが最近ない。 しかも僕はいつも悪い予感ばかりするのだけど、 驚くほど当たって、そして絶望的な気分に。

7月8日







29.  どうでも

 ある事象や対象について、自分の内に閉じ込めておけず、 外に向かってどうでもいいと発言した時点で 実際はもうどうでもよくなってはいない。 なんて当たり前のことだからそのことを今更のように言う人が 僕にとってどうでもいい。

7月9日(やる気ねー)







30.  あなたへ届けたい。

 暑くて、暑くて、もうこの暑さで自分はとろけてしまうのではないか と疑いたくなるほどにこの街は暑苦しい。 「正にトロピカルだね(笑)」なんて言う人間は死んでほしいのは やまやまなんだけど、ほんと、暑い。 キチガイじみてる。 「ダベサー」なんておよそ日本語とは思えない 方言の使う地域も未だにある、北海道・試される大地こと エゾから上京してきた僕はわかっていなかったけど、 首都圏とかいう魔都では常識のことらしくて、 この暑さは異常気象に違いない、などと呟いたものならば 「君の頭が異常(笑)」とレッテルを はられたりして更にブルーになってしまう。

 エアコンというものを作った人は本当に天才だと思う。 人の生活の利便性を高めたことに貢献したと思う。 僕はエアコンを誰が世界で初めて作ったかも知らない。 内部構造がどんな風になっているかも知らない。 でもスイッチを押せば冷たい空気が流れ出てくる。 これを人類の英知と言わずして何と言おう。 これがなければ僕はとっくに死んでいる。 現代では人間の命すらもあんな小さな機械一つで 救えてしまえるのだ。科学万能の時代?

 でもそんな僕らの夏の番人。守護者たる エアコンですらも夜、僕を眠らせるには至らない。 エアコンをつけて布団に入らないと、暑苦しくて眠れない。 それは絶対だ。 でもつけていても布団をかけて肌を露出していない部分 は暑くて、暑くて、汗ばんでしまう。 かといって布団をまったくかけないで横になっていると 今度は寒い。 まったくなんということだろう。 最近の僕は毎日布団に入って 数時間は眠れず、そんな感じで悶々とした夜をすごしている。

 それにもまして布団が悪いのか、僕のこれまでの 生き方やら思想やらが原因なのか、 毎日嫌な夢を見たりもしちゃって、 よく眠れないで、睡眠不足のまま会社に行けば 居眠りもしてしまうよね。 たるんでるだとか、新人の癖に何様のつもりだ。 ってな感じのよくありがちなセリフで凄い罵倒されたけど、 たるんでもいないし、何様のつもりでもない。 もう絶対に寝ないぞ、ここは冬山、寝たら死んでしまうぞ、 ぐらいの気概を持ってデスクに座っているけど、 気づいたら意識がなくなっているのだから もうどうしようもない。 不慮の事故、起こるべくして起こった必然のアクシデントだよなぁ、 なんて思うけど、実際確かに悪いのは全て僕であって何も言い返せなんてしない。神妙な顔ですみませんとか言ってるけど、頭の中は依然ボーっとしていて 言葉は脳髄までなんて届きはしない。 わかっているけどどうしようもないんです。 こうして、こいつは企業人として、社会人として 不適格というのが露呈していって、 対外的なクズレベルも自意識化のクズレベルも 着実に上がっていって、クズ街道まっしぐら。 クズの王。ロードオブ・クズ。僕に開かれている 未来の終着点はそこしかないのかもしれない。 最近そう思うようになってきた。 でも、クズにはクズのやり方がある。 隔たれた向こう側の世界にアクセスすること。 クズなりの上位階層へのアプローチ。 僕はそれを知っている。 だからまだギリギリのラインで、泥沼に落ちそうな ギリギリの端っこで踏ん張っているのかなぁと。 そう思う。本当に、そう思う。

7月15日







31.  そこにあるもの。厳然とそこに存在する意思。

 神も宗教も信仰してはいないのだけど、 世界意思というものは存在すると思っている。 眼には見えなくて、だが確実に何かに向かって収束していく 大きな流れとでも言えばいいだろうか。いや、一言で言えば民意。 世界が変わろうとする時に、働く大きな力。 そんな話はどうでもいい。 問題はその世界意思が僕という個をこの世界から、社会から 排斥しようとしていることなのだ。 経済やら利益やら、社会のため、会社のためだとか、 そんなことを平然とした顔で言える人間は狂っているとしか 僕には思えない。 僕は僕のためにしか生きられないし、 そのぐらいの気構えでいなければいつ死んでもおかしくない 経済状況やら、心理状態で日々切迫して生きているのだから。 心の中で密かに会社潰れてくんねーかな、 そうすれば自分で退職するより世間的には 好印象なのじゃないかしら、とさえ思っている。 あー、でも今給料が入らなくなれば死ぬ。 おそらくは本当に死んでしまう。 ホームレスのように、今より更なる底辺で生きていかなければ ならなくなる。でもそれもちょっといいかなぁ、とか そんなことすら仕事中に考えるぐらいだ。 そもそも仕事がきついとかそういうことじゃなくて、 スーツを着ている自分を鏡などで見たときの違和感といったらない。 まるで異物。この世に存在してはいけないほど面妖な存在がそこに映る。 電車などで同い年ぐらいの大学生の男女が楽しそうに、 バカみたく明るく話しているのを 見ちゃったりするとその思いは更に強まる。 自分はなんと遠い所に来てしまったものか…… まるで違う舞台に立っている自分という存在が、 どうしようもなく嫌になる。 ドロドロとした、どす黒い暗鬱たる気配。 世界意思は世界に害しか及ぼさないそんな僕の意思を いち早く察知し、社会から排斥する。 それはシステム。 長年かけて洗練された見事なシステムとしか言いようがない。 世界意思は何の力もない、何の害も及ぼさない弱者は守るが、 少しばかり力のある、だが平均人よりは弱い、 いわゆる中途半端な弱者を守ることはしない。 むしろ排斥する。 僕の立場は今、そんなところ。 でもそのシステムは実際正しい。 他にもっとやる気満々で、世界に希望を持っていて、 でも就職が決まらない人だってたくさんいるのだから、 僕のようなやる気のまるでない人間が働いていてはいけないのだ。
 大半の人は世界意思のシステムを疑問も持たずに迎合する。 一部の有能な人間は迎合するふりをしながらそれを利用する。 迎合しない人間は排斥され権利を奪われて、 そのまま狂うか死んでいく。 システムを破壊しようとする人間は存在する。選ばれし者。 だが破壊したとしても新たなシステムが生まれるだけなのだ。 世界意思はだから滅びない。滅ぼせない。悠久の存在。神。

7月18日(やる気ありません)







32.  求めること。

 ひきこもりのくせに飲み会には毎度参加するということは、 あなたはまだどこかで人と繋がろうとしているのね。 みっともない。中途半端。結局、そう。 どこかでまだ希望を持とうとしている。 勘違いなのに。幻想なのに。 わかっていて気づいているのに。いつも見ないふり。 可能性はゼロなのに。 だからダメ。

7月22日







33.  終わらない物語。(本当に終わりません)

 静かな秋の夜はなかなか寝付けず、 ベランダに出て外の空気を吸いに行くことがある。 新鮮な、しかし少し肌寒いと感じるほどに 冷たい空気を吸っていると気持ちが落ち着いてくるのだ。 しばらくそうしているうちに、程よい眠気が 体中に浸透し、再び床に就き朝までぐっすりと眠る。 それがこの時期にたまにある、僕の秋の夜の過ごし方だ。 だが、何事にも例外はあって、ごくまれにそうしていても、 むしろ頭が冴えてまったく眠くならずどうしようかと 困ってしまうことがあった。 今日が運の悪いことにそんな日だった。思考する処理速度が 極端に上がり、普段解けないような難しい計算問題も今なら 解けそうな……思考がクリアになり、脳内に血液が行き渡り 不思議な高揚感さえあった。 街はもう眠り、周りの建物の電気も消え真っ暗で 景色を楽しむこともできない。 おのずと視覚に処理能力は使わずに、 活性化した脳細胞は思考ばかり処理しようとする。 唐突にリフレッシュされたそのメモリーは いつもより遥かに鮮明さを増していた。 普段脳内の使わない部分にまで、血液が行き渡っているのか いつもは引き出しの奥にしまっている懐かしい思い出。 こんな夜には必ず思い出す。 空から突然舞い降りた彼女と、そしてこの闇夜の空を 駆け巡った冒険の日々を…… さて、聞けば幼稚だと笑われそうな、ばかげた物語を話そうか。 夜明けまではまだ長いのだから。

7月22日(続かない)







34   顔を伏せて

 システムだの世界がどうこう言う人ってのは 世間一般的には普通に電波として扱われるから要注意だよ!

7月25日(残有休日数6.5日)







35   その能力があったとしたら

 現実で誰かと恋愛することの素晴らしさ。 それを上回る仮想世界を構築することのできる 脳内システムの処理能力があったなら。 その人にとって仮想現実より現実は意味がないはずだ。 何か間違っていますか?  近い自己完結能力は既に持っている。

7月25日







36   吹く風を切り裂いて

 夢も目標も何もかもが宙ぶらりんな状態。 何かをしなくちゃ、何かをしなければならないという焦燥感すらない。 期待することや希望をどこかでまだ持とうとしている自分は果てしなくダメ。 そんなものはないことに気づいているのに、 まだそういう感情を持とうとしているからだ。 他の人にはきっとあるだろうけど、圧倒的に社会に背を向け、 反発し、無気力な自分に明日などはない。 それをもっと完全に、無意識のレベルにまで浸透させなければならない。 そしてそういう絶望的に生き続けて 他人から見ればああ……この人は不幸なんだろうなぁ、 と思われる状態こそが僕にとっては幸せな状態なのだ。 自分を常に誰よりも下に置き、できないことが当然であるという 甘えが許される環境に持ち込もうとしていること。 曖昧で汚い形式だ。理解してますか?  僕がそういう人間だということを。 だからあなた達はダメ。全然わかっていない。 形式一つとっても何も。

7月25日







37   死のうとするから殺す

 人々に忘れられ、廃墟となったビルで僕達は対峙していた。 目の前には二十歳前後に見える長い髪の彼女が僕のことをにらんでいる。 お互いの手には鈍く光るナイフが握られていた。
「どうして私を殺そうとするの?」
 人気のないビルのフロア内に彼女の声が静かに響く。
「君が自らで死のうとしているから」
 彼女の問いに僕はそう返答した。
「何それ。全然意味わかんない」
 彼女は鼻で笑った。自嘲的な笑いだった。
「じゃあ、どうして君は死のうとしているの?」
「私が好きだから」
「それこそ意味がわからないよ」
 いや、僕は彼女の言っていることの意味はわかっていた。
「私は、自分のことがこの世界の誰よりも、 そして誰にも負けないぐらいに好きなの、愛してるの。 好きで好きでたまらなくてどうしようもないの。 そうなってしまった人はどうすればいいと思う?」
 ナイフをヒュッと一振りして彼女は続ける。
「誰にも傷つけられたくない、誰にも触れられたくない。 誰にも干渉されたくない。 そんなのこの世界で生きている限り無理。不可能……」
「だったら自分で命を絶ってしまえ、そう言いたいわけ?」
 そう、その通りと満足げに彼女は頷いた。
「自己愛の究極系……でも歪んでる」
「私は正常じゃないわ。狂ってる。 でも今まで誰にも自分は正常な人間です、だなんて言ったこともないもの。 狂っていたとしても何も問題ない」
 そう、問題はない。問題はそんなことではない。
「それよりもあなたはどうして私を殺そうとするわけ?  放っておけば勝手に死ぬわたしを」
「君が死のうとしているから、とさっきは言ったっけ。 もっと突き詰めて言うなら僕も同じさ」
 一呼吸おいて、言う。
「君が好きだから」
「更に意味がわからないよ。 好きな人が死のうとしてるんだから だったら普通止めようとするんじゃない?」
「僕も異常だからね。 それに君が死のうとするのを 止めることができないことを僕は知っている。 止めても無駄。君はそういう人だ。 僕は君のことが君よりもかはわからないけど、 世界中で誰よりも大好きだ。 そんな君が誰かに、 例え君自身にでも傷つけられたりするなんて我慢できない。 全力で守ろうとする。でも不可能だったら……いっそ僕自身が君を殺す。 そしてその時が今なんだ。君の死のうとする意思を 封じることは僕にはできない。だから、好きだから、殺す」
 僕はナイフを握りなおす。 殺意を持った人間を目の前にしても、 彼女は恐怖する様子もない。当然か。 だって彼女はもともと死のうとしているのだから。
「自分勝手、君が手に入らないなら殺してしまえって ドラマで出てくる最低のストーカーみたい」
「そうだね。自分でもそう思う」
「私も同じね。私は誰かに……今はあなた、 に傷つけられるなんて耐えられない。嫌。 私は私自身にしか干渉されたくない。だから死んだ後も 死体が腐って骨になるぐらいまでは見つからないような…… この廃ビルを選んだのにあなたが来た。私の自殺を邪魔しに来た。 あげく、私を殺そうとさえしている。だから私もあなたを殺すわ。 邪魔だもの。私の完璧な自殺を実行するにはあなたが邪魔。 だから殺す。私は自殺するためにあなたを殺す。あはは! おかしな話!」
 僕は彼女が自殺するから殺す。 彼女は自殺するために僕を殺す。 馬鹿げてる。狂ってる。 僕だって、本当は……こんなこと!  でも、もうどうしようもないんだ。 最早僕達二人が死ぬことは決まっている。 僕は彼女を殺すことができたら、その後僕も自らで命を絶つつもりだ。 彼女も僕を殺した後、自らで命を絶つ。 そういうこと。どちらにしろ、二人とも死ぬ。 既に決まっている。 だったらこんな殺し合いに意味はないんじゃないかって?  いや違う。 今、問題なのは過程なのだから。 警察だってそうだろ? 問題なのは自殺か他殺かなのだから。

 どちらが生き残るかはわからない。 男対女だから僕のほうが有利かもしれないけど、 実のところ僕は彼女に殺されるならそれもいいかなぁ、 なんて思ってる。 だからその狂った感情によって、もうどうにでもなれって 動きが鈍ったとしたらどうなるかわからない。 わかっているのはどっちが勝っても最悪の結末にしかならないということ。 最低だ。どうしてこうなってしまったのか、 どうすればこんなことにならなかったのか考えてみるけど、 例え気をつけていたとしても何も変わらなかった気がする。 意識して気をつけようとする、その気をつけるという行為。 そもそも気をつけようとする前に これから気をつけようとしようとした 出来事があったわけなのだから、 実際のところ気をつけていたところでそれは起こる。 後で後悔したって何もかも遅い。 なんだかわかりにくい話だけどそうだと思う。

 彼女が僕のほうへとにじり寄ってきた。
 どうして死のうとするんだよ……
 そうしなければ、
 殺さなくてもすんだのに。
 僕も半身になってナイフを構える。
 最低の殺し合いが始まった。

7月27日







38   縛られること

 名前に縛られ続けている。言葉にした時の響き、 甘く耳に残る感触。 いつまで経っても心の中からその人が消えることはないのかもしれない。 僕は一生後悔し続けるだろうし、その人は 僕のことなどもう忘れているかも、というかとっくの昔に 忘れていて、もし覚えていたとしてもどうでもいいこととして認識している だろう。要するに最早過去のことなのだ。 5年以上前の過去のこと。 後悔なんてくだらない、するだけ馬鹿げてる。 もっと前向きに生きるべきだ! などとわかってはいるけれど!  名前なんて何かを認識するためにつけられた、 ただの記号でしかない。発音でしかない。 意思や意味があったとしてもそんなもの単に 誰かに決められただけのもの。 名前なんかに縛られるべきじゃない。 でも響く。 その音色が僕を縛る。 正確にはその名前の音を持つあの人の想い出に 今も縛られ続けている。 いつかこの呪縛から解き放ってくれるような人を 僕は探し続けている。 世界との接点が限りなく希薄な僕は 実際のところ、誰かに縛られ続けたいだけなのだ。 そうまでして世界と繋がっていたいだけなのだ。 ああ、誰かに拘束されたいなぁ、なんて思うのだ。

8月5日







39   実際

 いっつも社会に縛られたくないとか言っておきながら、 誰かに拘束されたいだなんてどういうことかしら?  だからどうしようもない。

8月5日







40   ありえませぬ

 小生、生まれ出でてから20年以上もの恒久の時を 過ごしているわけでございますが、 正直今回の件に関しましては湧き上がる憤怒の念をかき消すことができませぬ。 このVBたる言語ときたならばまったくもって意味が不明瞭なのでございます。 この暗鬱たる蠢きは怒髪天、いえ天をもつらぬく勢い、と申してしまっても相違ございません。 日本人ならばなんて素敵なジャパネスク的様相を持って対処すべき問題も、 いつだってアルファーベットというハイカラな記述方式によって 書くことを迎合しなければなりませぬ。 私たちは仮にもITの申し子、いわばこの四角い箱たるコンピューターを 支配する側の立場であるにも関わらず、なぜ、かようにエラーを極度に恐れ、 彼らのご機嫌を窺い、ビクビクしながらコードを コンパイラーに通さなければならないのでしょう。 この形式、下克上。主従・従属関係が逆転してしまっているのでございます。 気づけば最後の方などはお願いたもうたれ! と心の中で叫んでしまっておりました。 それでも私めの求める要求に答えてくれることはございません。 機構がおかしいのでございます。最早重症。立ち直ることは叶いませぬ。 過ちを犯した人間が、これ以上舞台の上で実存しているわけにはいきませぬ。 もう演技(コーディング)を続けることができなくなってしまいました。 無条件降伏でございます。ノーモア、ノーモアー

 最後に俗っぽい言い方をさせていただいて、 現在の心境を一言で表すとするならばVBありえない、この一言に尽きると思います。 世俗の理はここまでにも歪んでしまったのです。

 小職、里に帰らせていただきます。
 お疲れ様でした。

8月13日







41   きっちゃない

 ホームへの階段を降りると、生温い風が頬をかすめた。 茫洋とした意識で電車を待っていると、 隅っこの方で結構大きな虫が潰されて息絶えているのが視界に移る。 黒っぽくて甲羅のようなものがついたアブラムシが更に巨大化したような。 僕はゴキブリを見たことがないのでわからないが、 形状からああ、きっとこれがゴキブリなのかなと思った。 誰が潰したのかが気になったが、 その死骸の側にもう一匹同じ形状をした虫が蠢いている。 虫の世界のことはよくわからないが、 目の前に同族の死体が普通に転がっているというのはどういう気分なのだろう?  人間なら死体を見たときには大体の人は恐怖するだろう。 彼らの世界では日常茶飯事のことで、当然のこととなっているのか。

 電車が到着する。空気の抜けるような音がしてドアが開き、 瞬間で思考回路は閉じられた。

8月15日







42   言い訳

 今週更新できなかったことやら掲示板のレス、メールの返信が遅れたことに 関しての言い訳をさせていただくなら 木曜:仕事→飲み会→終電に遅れたので渋谷の雀荘で朝までマージャン →金曜:そのまま仕事→死にかけで帰って即睡眠→ 土曜:昼から営業の先輩の家でのホームパーティーらしきもの に参加→終電→死にかけで帰って睡眠→日曜:現在に至る、 といった凄まじいコンボが炸裂した週末だったからなのです。
 皆さん、あなたのどこがひきこもりなの? とツッコミを 入れたくなっているのでしょうが、 本当のところ僕はひきこもっていたいのです!  しかし、社会が! システムがそれを許してはくれない!  来週こそは金曜の夜から月曜まで家から一歩もでない 完璧なひきこもりができるよう頑張ろうと思います。 エイエイオー!

8月18日







43   言い訳2

 更に続きました。日曜午後:更新した瞬間に即寝。 月曜:仕事は休み。 午後に同期の人が家に来て、その後、5人で渋谷のメキシコ 料理屋に行く→終電→家で朝までトーク。 火曜:そのまま仕事→渋谷ハンズで僕とは関係のない買い物→ お好み焼き屋→終電。水曜:仕事→やっとまともに帰宅。 残業もないのに一週間で4回終電って(2回寝ないまま仕事)。 我ながら終わってる。 マジ疲れた。寝る。おやすー。

8月21日







44   沸点

 変わろう、変わろうと今までに何度も思ってきた。 無気力でだらしなくその場凌ぎで日々を過ごしてきた。 だがそれではいけないのだ。確実に違うのだ。 それでもいい人だってもちろんいる。 危機感を感じているかどうかだけの問題だ。 昔から感じてはいたのだけど、 どうせ自分はダメなんだろうなぁ、頑張ってもダメなんだ って諦めてきた。 それがもっともダメな考え方だった。 どうにも僕は他人と感覚が違うというか、 昔からあなたはおかしいとか言われ続けてきたけど、 実際のところ皆と同じように振舞うことだったら可能だと思う。 システムの迎合。 他人とは見えているものが違う?  そんなもの幻想だ。ただ自分は普通でないと思おうとしているだけ。 もしそうだったとしてもよっぽどの抜きん出た才能が なければ社会不適合者になるだけ。 金、金、金。 システムの根底にあるもの。 皆、金のために働いている。 とても健全で正しいことだ。 僕もどうやらそうなることを求められている。 まるで他人事。僕が生きてる理由ってのは そうやって主観から客観的に自分を見た場合に、 どう流されていくんだろうということが楽しみだからなのだ。

8月27日







45   

結局わからなくて、わかりたいとは思っている。
彼らは僕より伝え方がとても上手で。
僕は彼らより伝え方がとても下手だった。
彼らのこともわからないし、 彼らは僕のことをもっとわかっていない。
他人のことなんてわからない。当然。

理解してもらう姿勢は大事だけど、
理解を得られないからって周りに当たるのは最低だ。
例えば誰もわたしのことをわかってくれない、とか。
思うのは勝手だけど、それを口に出して時点で。

8月28日(言葉遊びしまーす:宣言)







46   イヤー!

 夏がもう終わってしまう? いや違うね。 その人にとって一般的に夏に行うものだと 思われるイベントがなかったのならば、 夏という季節があったとは言わないのだ。 つまり僕にとって夏なんてきていない。 花火もキャンプも海水浴も、お盆も甲子園も 遊園地も。僕には何もなかった。 秋のイベントは果たしてなんだろう。 僕には秋も、きっとこない。

9月3日







47   僕の物語

「どんな人間からでも学べることはある。それが例え路上で暮らす ホームレスからであってもね」
 ある年上の知り合いにそう言われたことがあった。 僕はそう思いますと笑いながら返したけど、 心の中ではよくある一般論だなと嘲笑っていた。 実際のところそうであるかは別として、 他人の言葉を常に上段からの視点で見下していたのが昔の僕だった。 まだその頃の僕は若かった。 自分の関わる事象から何かを学び取ろうとする貪欲な姿勢は もちろん大切なのだろう。成功するために必要な何かをそこから取捨選択して 自分のものとし、上手く利用し、少しの運がある人は成功者となる。 僕の目指す生きていく上での方向性は彼らとは大きくかけ離れていた。 僕の定義した「彼ら」が僕の思っている 以上にずっとたくさんの人が含まれると いうことに気づいたのは二十歳を過ぎてからだった。

 世界に希望があるのかどうか。 人によってまちまちだろうけど、
「宝クジで一億当たるから」
という言葉をもう十数回以上別々の人間から 聞かされてきたことから考えて、 大金が欲しいわけではない僕に希望はないのだと思う。

9月15日







48   僕の物語2

「乾杯の時の初めの一杯はビールだって、これは決まっていることなんだよ」
「でも僕は水割りを飲む」
「きつい酒の方が好きなのかい?」
「ビールは嫌いなんだ。そもそもアルコール自体あまり好きじゃない」
「じゃあなぜ酒を飲む?」
「システムさ。この場にはそういうシステムが蔓延しているんだ。 人が死んだり空には太陽があるといった根源的なシステムではない、 造られたシステムがね」
「またシステムかい」
「システムさ」
「中途半端だね」
「中途半端さ」
「でもそういうことをあまり言わないほうがいいよ。 君の言うシステムから逸脱した行為だ」
「本当はオレンジジュースで充分なのにね」
「君に何か言うことは無駄なことなのかな?」
「僕はそうは思わないけど、君がそう感じるならそうなんじゃないかな」
「とてもそうとは思えないね」
「周りの人に何か言われるたびに、どんどんとシステムを 迎合していっている自分を認めてしまっているよ。それでも 無駄なことだと思うかい?」
「そんな自分は嫌い?」
「わからないね。僕はダメなのだなぁとはいつも思うけど、 嫌いではないんだな」
「だったら、それでいいのかもね」
「いいのかもね。本当のところはわからないけど」

9月16日







49   僕の物語3

 ずっと続くと思っていた日々が、ひどく大切なものだったと気づいたのは かなり後のほうだったけど、 そんな中で奇跡のように訪れたひと時もあった。 僕はそのことにひどく執着し、今でも ひきずっているのはこの文章を書いている時点でも明白だ。 文章というものは誰かに見せることを目的として書かれるものが 多くなのだろうけど、 僕の書く文章は大体において対象は僕自身に向けたものだ。 これから書かれるものもそうだし、これからも ずっとそう。変わらないと思う。今更だけど言っておこう。 僕の書く文章には意味の通じない部分も多いし、 結末も僕の中だけで完結してしまうこともある。 それはひょっとしたらよくないことかもしれないし、 あるいはどうでもいいことなのしれない。 しかし少なくとも僕にとってはどうでもいいことだから、 そのことに関して責任を持つつもりはない。 自分勝手だけど、世界の大半はそんな感じで構成されているのだから 特に問題はないだろう。見せることではなく、見ることを目的として書くということは、ストレスの発散であり、自己を療すための手段に他ならないのだから。

9月21日







50   僕の物語4

「人間って変われると思う?」
 彼女とあてもなく歩いている時、そんなことを聞いてきた。
「何が変わるの? 高校生から大学生? 大学生から社会人?  人が変わる要素はいっぱいある。 僕達が今歩いていることだって変化なのかもしれない」
「こう、なんていうのか。性格とか仕草とか。 人間の根本的な部分って言えばいいのかな?  人格のようなものよ、例えば」
「変われる人もいるし、変われない人もいる。 …いや、ちょっと違うか。 …その人によって変われる部分もあれば、変われない部分もある、 かな、正確には。僕はそう思うけど?」
「じゃあ私は? 私は変われると思う?」
「うーん」
 僕は少し考えた。
「僕には答えることはできない。君が何を変えたいのかわからないから。 でも、君は今の状態から変わる必要はないと僕は思うよ」
「もう、そんなこと聞いてるんじゃないの。あなたっていつもそう。 そうやって物事を曖昧にしてごまかそうとするんだから」
「それが僕の変わらないところ、かもね。 それに今言ったことが本当に僕が思ってることなんだから しょうがないじゃないか。嘘を言ってほしかったの? 嘘は好き?」
「嘘は嫌いだけど、嘘をついてほしいときもあるわ」
「曖昧だね。皆、結局曖昧なんだよ。 物事を曖昧にしない能力に秀でていない人たちは」
「あなたにはその能力はないの?」
「優れているのかどうか、試したことがないからわからない」
 僕が言うと、彼女は少し呆れた顔をして笑った。 というのはいささか変な表現だけど、僕にはそう見えた。
「ところで僕達どこに向かって歩いてるの?」
「別に目的地はないよ、初めから。あてもなく歩いてるだけ」
 彼女の答えに僕は、
「曖昧だね」
 と呟いてから空を仰いだ。
「私たち、曖昧にする能力には秀でてるみたいね」
 世界そのものが曖昧だと感じてしまう。そうなるべきだと望んでいる。 僕と彼女の関係もひどく曖昧なものだった。どうしようもなかった。

9月22日