解自
〜底編〜

HN:デブリ
年齢:31
性格:何一つ見出すことができない タイプ4です。
陰気ですぐに塞ぎこんでしまう。

ログ: デブリに至るまでの軌跡

このサイトについて:
勤労より出ずる苦しみを呪詛り、
あらゆる一切を灰燼へ帰するサイトです。
咲き乱れろ徒花たち!


30   心の磨耗に支えられし現代社会

 鬱積をぶちまけ続けたパラダイソから距離を置いていた、この5年余りの歳月、私から絶望感が奪われたわけではなかった。 それは幸せという皮膜に巧妙に覆い隠され、さながら不気味な泡のごとく表層に至っては突き破ることのないようひたすらに制御されていた。 リミッターが外れた今はどうか。 思考はできる、世界は憎める。ただそれらを伝える際の文章を脳内で再構成する時、私の納得いくべき芸術性や指向性を持たらすことができなくなっている。 余りにアウトプットを怠った己への罰であろう。私の価値というものは個人的な尺度で捉えると絶望を撒き散らし、 そこから紡がれる文言により他者の幸福を多寡あれど減衰させること、その一点に尽きていた。 色褪せる景色がないように、かろうじて誇れるべき己の能力すら風化した今、紡がれるべきものは何? 君たちは何?(賭博覇王伝 零)

 私は原初に立ち返る。会社を、勤労を憎むというシンプルかつ明確な敵対思想に今でこそ立ち還る。 鈴木先生というドラマの一節「今の学校教育は手のかからない生徒の心の摩耗の上に支えられている」を想起してみよ。 これは学校教育というチンケな枠では収まらず、正社員を神格化した社獄というシステムそのものではないか。 残業をしすぎれば無能扱い。評価に響き、業務上のミスしようものなら退職・減給を匂わせ、 私の所属するIT業界という暗黒輪廻で申せば納期という言霊を持って社畜を縛り付ける。 幸いなことに私に家族はいないけれど、もしも家庭まで持ち、転職できる能力がなければ逃げ道すら封殺され全てを奪われる。 これを歪みと呼ばず何と呼ぼうか? 劣悪な環境下、健全な精神を持たぬ下郎共が辿り着く果てを私は知っている。 鈍化し、停滞し、諦観するしかないのだ。

 世界と対峙し、変革する意識も能力もない、薄っぺらな自己顕示欲と閉ざされた世界で切り刻まれた精神漏洩を続ける、私に残されたものは絶望思想しかない。 思想とは殺意である。全てをもぎ取らんばかりに周りを打擲せよ。逃れるためにはそうするしかない。 心の磨耗、どころか全てが削られゆく残滓としての文言。颯爽と吹きすさび、何物にも囚われぬ疾風になりたかったか?  お前はヘドロだ。濁りと共に縛られ続けよ。

2012年12月25日






29   その者、青き衣を纏いて 金色の野に降り立つべし

 バトルアスリーテス大運動会の一節に「その向こう側にあるもの」とある。 その言霊に意味はそれほどなかったかもしれないけど、当時10代だった自分にとっては割と衝撃的なフレーズで今になってもたまに頭を巡りその意味を考えることがある。 それって何よ?向こう側とかwwww現代的には厨2病オツと冷静に考えればそのように片付けられるだろうけど、 まあ、自分的には堅牢な壁みたいなものが眼前に立ち塞がっていて、それを乗り越えることで向こう側に到達できると思っていた。

 陳腐だけれども「壁」とは「愛」で他者に愛され他者を愛することだと漠然と思っていた。 それを成すことができれば、自己を愛しすぎ閉塞し続けてきた自分の何かが変わると。その最たる形が結婚だと妄念に囚われていた。 6年交際してきた恋人がいて、彼女ならば! と希望を持ち愛した。さすがに、自虐のプロも悔恨主義も卒業しつつあるのでそれがダメであったとは今更言うつもりはないけれど、この度、別れることとなり私はここに!再び!思いを叩きつけに舞い戻ったわけです。

 三十路を迎えて、酒量も増え、体重も増え、業務の責任も増えた。誰にも伝える意思のない文章を書き連ねる力も増していると信じたい。 今だからこそ! 夢も希望もなくとも死のうとは思わないし、生の意思は消え失せない、何もかも。 とっくのとうに向こう側には到達していたのかもしれない。だけれどもここにあるかもしれないものは未だ見えない。

2012年12月20日






28   ライトオン

 意味はよくわからないのですが、私の社獄での肩書きはIT Developerという俗人らしく、関連しましてUNIXサーバーに日本語名ファイルを乗っけてHTTP経由でクライアントからダウンロードできるようにして(笑)てな、爆笑レベル(意味が解らなくて)の要件の調査を賜りまして心の中にデブリが舞っております。何を言っているかわからない方がいらっしゃいましても大丈夫。なぜなら私もサッパ意味わかんね〜から…!

 プロの方であれば、即座に判断できるのでしょうが、私はIT知識に関して興味もありませんし、まったくのド素人ですので、ちょろっと定時近くまで調べてやっぱりできませんね(笑)と通達したところ、「URLなんちゃらという方法は試しました(笑)。ひょっとしたら…」みたいな推論かまされまして残確。憶測ベースでモノ語ってんじゃねえぞクソが…!最なる内でマインドエクスプロードが発生し更にデブリが飛散します。これ以上、環境汚染を広げるわけにはいかない…。未来の子供達のために…。崇高な気概と共に心の全域にばらまかれたデブリの除去作業に奔走することとなりましたが、いや、しかしながらこの甚大な量…。テクノーラクラスの半課風情の処理能力を遥かに超えておりまして、イッパイイッパイ。呼吸をしているだけでイッパイイッパイ。こう…息苦しくなってしまって何もかもがどうでもよくなってしまいます。

 デブリの飛散による環境汚染。これは2081年頃に宇宙で社会問題となる話ですが、私の心の内部では既に現実問題として降りかかって来ております。未来を先取りしすぎたチルドレンであるが故に起こった悲劇といっても過言ではないでしょう。進化しすぎるのも悲しいものだな。産まれるのがもう少し遅ければ僕はきっと幸せになれたのかもしれぬ…。ニュータイプと同レベルの葛藤を抱え、そのURLうんたらの方法を試していたところ、文字化けはするもののファイルが開いてしまいなんか上手くいきそうな気配が醸し出されてしまって超ベリバ…! だって、ここで上手くいくと代替案ではなく、オレがより深く調べなければならんだろうがクソが…! 私にも真理が啓けます。このTrueは伏せたままなんとかごまかしうることはできないものだろうか…。文字化けもしてるし、エンコーディングも微妙ヤン? 思索に耽り私の注意力が-y軸へ至った瞬間は見逃されませんでした。リンクが開けた瞬間を見咎められたのです。疾風よりも速く、神速と呼ばれた私のAlt+Tabのスピードよりも速く…!

 「ひょっとして開けましたか(笑)?」私の幽世の門がね…。死んでも口には出せぬ戯言は置いておきまして、フリスクを一気に5粒ワイルドに噛み砕きながら意を決して「もう少し調べてみます!」宣言。正直、己の矮小っぷりに射精しかねました。滅することこそが真なる美。あまねく生命どもの滅美を切に願いましたね。もう帰ることはできない…。なぜ、ここまで帰還に執着するのか。丘に戻ることは我々スペースノイドが内に抱える本能かと認識しておりますが、私にはもう一つ帰らねばならぬ理由があったのです。月9で神田さんに逢瀬するという崇高な目的がね…。しかしながらハキム(調査を頼んできた糞便)は帰らない。さすが宇宙防衛戦線の猛者。私の宇宙開発の全てを妨げることに抜かりはない。だが20時半。スキを見せた!「先に帰りますが大丈夫ですか?」「もう少しだけ調べてみます」邪に染まりし者が帰った、帰った。私も数刻遅れて帰還。21時半、帰宅。遅れてしまったけど、さあ、ようやく遭えるね神田さん…! 勇みながらテレビジョンに食いついた私の眼前に写るはカメナシのクソばかり。

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 私が呪われし件の記号符を使うまでに。デブリは更なる飛散を繰り返す。そもそも明日、なんと調査結果を報告するか。私がこれまでに培ってきたごまかし能力の全ての真価が問われるといっても過言ではないであろう。僕のボルテスク界が一体どうなってしまうのか。もうわからないよ。賛美と共に報われぬ世界たちへ…!追い詰められたこの瞬間に私は全てを識ることができる気がするのです。さあ孤児たち!僕は嬰児!何もできない。僕も君達の仲魔!奪い去られた夏に叫ぶ。ママ!ママ!傀儡どもが。行きたくない。会社に行きたくない。例え居場所が象の下敷きでも結構だ!胎動し痙攣する。無職ども、光満ちろ。ニートども、己を賛美しろ。勤労者ども、呪詛を綴れ。そしてオレ、拝め、神に。何もかもを。アッ…!オッ…!

2006年9月12日






27   僕らがいた

 クソども、ここでの定義といたしまして「僕らがいた」というアニメを観ていない輩をクソどもと定義させて頂きますが、には何ら伝わるものがないでありましょうが、とかく当アニメの「ヤノ君と山本さんが中学時代に何かあった」という矮小な些事につきまして一体何話引っ張る気なのか…?ライトなアニメフリークを自称する私ではありますが、さすがに戦慄を禁じえません。ハエがたかりそうな臭ぇセリフをこれでもか!と穢れきった害物に向け叩きつけてきますので、一人で見ているといたたまれない気持ちになってきて、「オレ、今誰かに監視されてたら間違いなく死を選ぶ…」と妙な悟りを啓いてしまって気が気じゃありません。私の苗字は高橋なのですが、このアニメの主人公も高橋。私、乙女です!みたいなオーラを全開に発散して矮小っぷりを見せつける様を見ていると、なんだか感情移入してしまってムカつきが止まらね〜よ…!?なぜなら私もヤノ君に抱かれたいから…。まあ、ヤノ君も大概矮小なんですけどね。矮小な者どもが矮小な出来事に右往左往するアニメ。いや、何で見てるの?と問うのはやめておくれ!わかっております。対象年齢がずれている二十歳を超えた人間が見てぶち切れる様こそがもっとも矮小であると…!わかっておるのです…!ムカつくことがわかっていながら見て、結局ムカついた自分にムカつくお年頃の自虐師なら(ファミ通レビュー) ア・・・ヤノ君、こいつはクズだぜぇ〜!

2006年9月06日






26   僕らはいない

 どうも、社内ニートです。ニートと言えば聞こえは悪いですが、あなた達にはなることができません。なんせめんどくさそうな仕事を全部中国人にMA・RU・NA・GE!て悠々自適ですから。まともな神経じゃそんなことできませんよ。労力を使いそうな仕事はできるだけ回避するよう状況を見極められる高度な判断力と、クソのような問題をさも大事かのように振る舞い解決しました!と上司にタンカ切れる強固な精神力が求められます。しかしながら根は優しい私ですので、働かずに金銭、つまりは利潤のみを享受する自分に心が痛み、いたたまれない気持ちになってきて落ち込んでしまいます。ゴメン、ぶっちゃけまともに働いたほうが疲れないかも…(笑)

 クソ微塵も思っていないことはともかく、ゲロ暇なんでとうとうペルソナ3を真剣に始めました。どうしようもない現実は忘れて化け物どもをぶちのめしてやるぜ…。そう意気込みながら始めたのですが、ムカツキが止まりません。あの受け入れ難いオシャレな造りはギリギリ許容してやるとして、大いなる問題はそんな部分ではありませんでした。基本的に昼は学園生活、夜はタルタロスと呼ばれる塔を登るという進行なのですが、この戦闘メンバーが戦いを繰り返している内に「疲れた」とかほざくんです。言うにことかいて疲れただぁ?いや、間違いなくオレの方が百倍疲れてるから。私にとっての現実は常に影時間。消耗が著しくロクなことがない。そんな私の気持ちを無視して「今日はもう帰るね」と言いながらあっさりと離脱するメンバー。オマエ何言うとんねん学生のクソニート予備軍の分際で大概にせいよじゃあなにか疲れたらオレも業務中に帰ってええんかこらぁなめんなボケェ表でさらせえ、ていうかオレも帰らせてやぁ〜休ませてやぁ〜頼むから!

 まあ、昂ぶってみましたがいいんですよ。そういうパラメータがあって、戦闘しすぎたら疲れて帰る。周りに合わせて卑屈な笑顔は浮かべない。やりたい放題。正に現代っ子じゃないですか。ただ、主人公で敵をぶち殺しまくって全然行動してないキャラが戦闘後に「疲れた」とかもしも言い出したとしたら…。

おい“バール”もってこい“バールゥ”! 今からこいつを“挽き肉”にしてやっからよぉ!?

 コントローラーぶん投げた

2006年9月01日






25   デブリック勤労の実態

 尊子の遺言で「いつも笑顔で生きていきなさい。あなたが笑顔でいれば周りも幸せな気持ちになれるから…」と言われましたため、出来うる限り笑顔でいるように心がけているのですが、「キモい」「人をバカにしている」「無気力」と言われる機会がこの5年で2桁以上あったことを鑑みますに、どうにも私のやり口は失敗であった気がしてしょうがありません。違うんですよ、認識に差異があります。バカになんてしていませんし、いつだって戯事(ざじ)に精力的です。私、あなた達を睥睨しているだけですし、世界に絶望しているだけですから。

 最近の社獄では108分毎にコンソールに向かい「4,8,15,16…23,42」と呪われた数字をぶち込んでエンタングルすることにより、世界を救っているという錯覚に陥る、ダーマ構想的な業務に従事しているのですが、たまに訳のわからないことを尋ねられるとマジで困惑しますね。いや、その数字の意味がなんなのかとか私に聞かれてもねぇ…みたいな?穴を掘っては埋めています!みたいなアウシュビッツ収容所的な回答なら幾らでも語れますがね…。

 ギャグみたいな話なのですが、社獄では私の常套句である「知るか」「消え失せろ」「クソが」みたいなコミュニケーションが通用しないという事実に今更ながらに口をあんぐりと開けて驚愕してしまいます。まあ、私も25目前にして早くも社会人生活4年(4年も!?マジかよ…)を過ごしてきた負け組の兵ですから。私がこれまでに培ってきた全ての語彙センスを駆使し、「知ったこっちゃない」「○○さんに確認した方がより確実」といった真理を煙に巻きながら伝えようとするのですが、「じゃあ、調べといて」ってお前何聞いてるの? オレ、結局○○さんに聞きにいくやろ? んで、お前に伝えるって、どこの合コンの伝言ゲームだよ。情報の正確さ無駄に削いでるよ! バカだろ…。糞便をローションにしてシコってろクソが。

 非常に残念なことなのですが、最近は資料を作成する機会が増えてきまして、こう見えましても私、働くのが大嫌いなモノでね。いかに楽な楽な方向へと己を導くか。余念がありません。導かれし者(DQ4)と私を呼んでくださって結構ですが、しかしながら、働かなければならない無残な自己を慈しみながら、社会へキックバックする必要があるため、ささやかなる抵抗と致しまして、決してヤツラが望むモノを作成しないようにしております。確認の段におきまして、わかりやすい不備やツッコミやすい点を意図的に作り出し、それを修正させるよう指摘させるのです。それが予想通りだった場合には、ざまぁ!知ってるよ、ジャリが!悦に浸ってるんじゃねえぞ、クソが。と彼らの虚栄心を満足させながら、予め指摘された場合に必要だと用意した文言を埋め込み再提出してOK!をもらいつつ私も悦に浸る。真に必要な考慮すべき点を見据える段階に至らせない。さすがに致命的にヤバイ点が見過ごされた場合は、自分から思わず追記してしまいますが、基軸はそんな感じ。これはオレオレ詐欺のやり口にも通ずる(真に確認すべき事項に疑義を挟ませない)手法です。アダム・スミスの「神の見えざる手」の思想を体現するこの様!私ですら何を言っているかわからなくなってきましたが、見習って欲しいものです。ただ、このやり口は紙一重ですので素人にはオススメできない。査定?評価?知るかよ、と吐き捨てられる、クビにならない最低防衛ラインさえ保てれば…という社内ニートを目指すプロにしか適合させることはできません。最悪、重機のアームで裡門頂肘(りもんちょうちゅう)ぶち込まれる覚悟まである人であればあるいは…(バーチャをやってる人にでさえ微妙な例え)

※24→プリズンブレイク→Lostの流れを汲み、社獄のクソどもの英会話リスニングがある程度わかるようになってきた自分が怖い

2006年8月24日






24   格差の現場から

 いやあ、お盆シーズンですね!

 電車も空いていて快適! 正直、帰省とかバカンスとかほざいて今、車内にいないクソどもが二度と戻ってこないことを真摯に願いますね。偉くなりたいなら人が休んでいる時も働け、とは出世を目指す上での常套句です。私はだから今日も元気に働きます。ただ、ひたすらに高みを目指して…!

 そんな万感な思いを込めて出社すると給与明細を頂きました。昇給だったのですが、たった月6600円UPて。前回は2万オーバーだったのにこれは一体。「デブリ君は自分の考えを上手く人に伝えられない」というえげつない評定の結果がこれですかね? ふざけろォ…!(丸めた明細を上司にブン投げながら) さすがの私もはだしのゲン気取りでデスクでギギギ…!とうなってしまいました。そろそろ四捨五入して三十路に差し掛かる年齢に至るにも関わらず、未だに手取りが20万超えないのですがこれって負組…? 「人間はカネに負けない…!」と家なき子気分でいたため、最近はナリを潜めていましたが、久々に会社を辞めたい病を発症してしまいました。今更ながらまざまざと見せ付けられる厳しい現実。冒頭の戯言が瞬時に瓦解致しました。皆が休んでいる時に働かされる人間を社会は社畜と呼びます。ていうか、頼む、オレも休ませてくれ!まあ、私レベルの休みとなるとバカンスとかいう生易しいモノではなく、リタイアなのですが…。格差の現場からデブリが綴る叙情詩を今後ともお楽しみ下さい。

 それにしても神田さんが月9において亀梨のクソをユウ君呼ばわりするんですが、こりゃヤバイっすよ…!神田さん…!神田さん…!(現実逃避)

 まあ、逃げてばかりではいられません。現実と闘わなくっちゃ。というわけでそろそろLOST気取りで無人島に漂流しようと画策しております。モヤシっ子よりも色白で虚弱体質の私が無人島に行ったならば、瞬時に死んでしまうこと請け合いです。気付けばSEASON2に突入してしまったLOST。アイツラのもったいつけっぷりったらマジ半端ないっすよ。「ヤツラが来る…」「ヤツラって?」「Others…!」どんだけコミュニケーション不全なんだよ。絶対、笑かそうとしてるだろオマエ。

月9も終わり何もかもやる気がしないので、ひぐらしの最新作やって寝ます(やる気マンマン)

2006年8月14日






23   言語の壁

 この度、社獄でボーナスが支給されました!未だに社会人初年度の50万円にすら到達しないというFactに対しては、余り深く考えると上司に突貫しかねない勢いですので、ロボトミーさせて頂きますが、なんつうのか、これが資本主義?競争社会?格差の現場から?マジでぇ。超ヤバイっすよぉ。(安直に描く若者像を模しながら)

 それよりもヤバイ出来事。

 今週より新たなプロジェクトに叩き込まれまして、社内で使用するあるツールのサポート的業務と申しますか、多摩川の砂利と同等の知能しか持たぬ愚鈍どもの疑問に応えることと相成ったわけです。私の現場におけるコミュニケーション能力は、上司との人事考課面談において「デブリ君は自分の考えを上手く人に伝えられない」とまで酷評されたまでの低みに達しているのですが、驚くべきことに日本語を正確に解することのできる人材がチーム内で私しか存在しないと言うディープインパクト。しかしながら質問してくる石灰岩は多摩川に転がっているジャパネスクなので、私しか彼らと解り合える人間がいない…。ナンテコッタ。おまけに技術的なことに関しては外人ども(ゲイ(英語圏に所属している))にコンタクトを取らねばわからない状況というものが存在しまして、ではどうするのかといえば、メンバーに英語と日本語を多少ながらに両方わかるチャイニーズが唯物しておるため、まずはその方に現況を伝えコンタクトを取るわけです。
つまりは、

質問:私→チャイニーズ→外人(ゲイ)
回答:外人(ゲイ)→チャイニーズ→私


 というルーチンとなるわけですが、マジで要領を得ない回答が返ってきた時は果たして目の前にいるチャイニーズをぶん殴るべきか、ゲイをぶん殴るべきかマジでわからなくて怒りをぶつける対象すら曖昧としており気分が優れない。とりあえずオレの目の前にいる明らかに中国語のニュースサイトを見てくつろいでいるチャイニーズに関しては棒で突き刺しても許されるとは思うのだけど。我愛イ尓?(ウォーアイニー?) その要領を得ない回答を私なりにアレンジを加え、砂利に伝えたところの「この人何言ってるの?」感な口調で電話を切られた時のその様。オレが悪いのか…?オレ…逝く…!

 これが幕之内一歩の見ている風景か…!
 サポートとかマジ無理。キチガイ。

 そろそろプリズン(社獄)ブレイクを考える時期に差し掛かっているのかもしれぬ…(7Fの窓ガラスをぶち破る方法を模索)

 まったく関係ありませんが亀田さん、新世界チャンピオン奪取おめでとうございます!

2006年8月03日






22   自虐問題

 己の能力不足を棚にあげ「“敢えて”私は大学に行かなかった」と同様の形式で。「僕は仕事が嫌いだから、“逆に”会社を愛しているのかもしれない…」と価値転換を図るため、「だからこそ、今こそ“敢えて”、この悲劇の連鎖を断ち切るために“逆に”会社に行くんだ!」と、つまりこれは“キャッチーな〜〜”だかなんだかと同等の…語の勢いのみに頼るという大衆文法の形式そのものなのだが、私クラスが用いれば、それは自虐のメイルシュロームとなり、白夜に天の龍が舞い上がりデストピア(社獄)へと私を導くのである。

 これだけの理論武装で我が身を固めても、魔獄で絶えず放たれるムドオン(呪殺)を免れることはできぬ。

 「デブリ君て何型?」

 「B型ですが」

 「私は血液型占いを余り信じないけど、デブリ君はB型っぽいね。色々、適当だし(笑)」

 この低き水準を、見よ。この時、私に湧き上がった殺意をX・憎悪Yとして、「お前信じてるやんけwwwwww」と発話者を心の中でのみ嘲笑いつつ、実際には「よく言われるんですよ…ウヘヘェ」と卑屈な笑いを浮かべることしかできなかったデブリの無念さをZとして、彼の中でエクスプロードした自虐度(立法メートル)を求めよ。(中級難度)

 答えはあなたたちの胸の中に…!(回答放棄)

(真なる見所は、己を絶対的な低みにおき「クズだからしょうがない」と絶対障壁であらゆる攻撃から罷免されようとしつつも、相手の「足元」を地より低きところより見下しながら(つまりは相手の姿すら見えていない)、このような相手の目が届かぬところで毒づくデブリムの醜き姿勢である。典型的な自虐論法。“彼”(無為に客体化することの効用は以前に述べた通りである)の悲劇はそのあさましき形式に気付いてしまっていることである。気付いてしまっているならば己の胸の中にしまっておけばよいものを、それを書き記してしまう瞬間に生じる息苦しさ、いたたまれなさがもたらす高揚を求める姿。自虐中毒者の典型的な末路である。こんなオレは一体なんなんだ…?生きている価値があるのだろうか…?神田さん…!(月9萌え))

2006年7月25日






21   『鞄を巡る冒険』第一話

 愚物の皆様方におかれては本日も啓けた人生を謳歌なさっていたことだろうが、私クラスともなれば、チャザックの幸福と同程度の確率で、四国4県を暗唱できなくなるほどの魯鈍っぷりを発揮する。これに世界意思を組み合わせるとサティアン(社獄)で半日(ハーフデイ)の向こう側を垣間見されられた上に、買ったばかりの鞄を電車内に忘れるという堕獄を果たすこととなる…。なあ、一体、オレがなにを…? 珍しくマジメに業務に励めばこの仕打ちか…? 網棚に置いた鞄の存在をすっかり忘れ、降車する人の流れに身を任せ、己の身の軽さにハッとした時には既に空気音を炸裂させ扉は閉まっていた。その時、私は神の姿をはっきりと視認した。ニーチェよ、いや、ツァラトゥストラよ! あなたは間違っている。「人間は汚れた流れである。それを受け入れて、しかも不潔にならないためには、我々は大海にならなければならない。」とまで言ったお前が何故神の存在を認識できなかったというだい? 神はいる…。私のすべて!私の神様! 車窓にすがる私を「黄色い線の内側までお下がりください」とたしなめるアナウンス。そうやってお前達体制側は俺達を内と外で隔てればコトが済むと思いやがって…!オレは間違いなく貴様らに屈さない。覚えてろよ、肥溜めどもが。罵倒と共に私は階段を下る。

 私ほど神への漸近を果たした人類はこれより前も、これ以後も誕生しないであろうが、本日、再び神との邂逅を果たしたのはやはりシステムの恩恵というより他ならぬ。ヤツらは私達を常に監視し、思い上がった唯物には罰を!と張り切っておられる。あらゆる憎悪・怨嗟をどれほど巧妙に発露したとしても結局は巡り巡って発した者の元へと丁重にお還しする。これが、彼らの定めたルールだ。全ては平衡による秩序を保つために作られた。rule of balance。

 数分後、私は駅の窓口にいた。無論、鞄を巡る冒険を続けるには彼ら体制側の協力が不可欠であったからだ…(あっさりと屈するゴミっぷりを如何なく発揮)

 私は事情を説明した。いくら地獄を監視する獄司といえども、その体に流れる血は紅きモノのようであった。「終点駅に問い合わせてみますので10分後にもう一度来て頂けますか?」との返答が。10分後、再び窓口へ。果たして艱難辛苦を長きに渡り(3日間)共にした私の相棒の行方は如何に…?(続くっ!)

2006年7月20日






20   自虐解体真書

「藤井さんは仕事が好きなんじゃなくて一人が好きなんだよ!」(月9より引用)

 名言を放たれた側は、まるでそのような視点に今まで気付くことができなかったような振る舞いを見せながらハッとする。その様。定型的な感動名句(ex.あなたはかわいそうな人ね!)に心が震わされなければならないキャラクターの図式にある種の諦観と共に爆笑するかどうかは、当人のギャグセンスに依拠するところであろう。月9新番組サプリ。とりあえず我々が注視する点は縁故で入ったニート同然の糞バイト野朗である主人公がいかに年上バリマンキャリアOLであるところの伊藤美咲を落とすか。その手法。括目せよ…!

 Job日記:やる気になれば軟便のごとく呪詛をぶちまけそうなので、委細は省きますが、現在の仕事はダボが作ったExcelツールを用いてある種のデータを作成することにあるのですが、このツールの使えなさが人間(私は人間ではありませんが)を苦しめるために特化したとしか思えぬ圧倒的なユーザラビリティを誇っておりましたため、私も難儀したわけです。これまでに15万件ほどのデータを作成してきたわけですが、残り30万件余り残っているという事実にプロの自虐師であるところの私もさすがに閉口。余生(オナニー)を楽しむためにもこれ以上指を破損するわけにはいかぬと、勝手にツールを改造し最適化いたしました。私が余りに天才過ぎるため…アーラ、アラ。火曜日には終わりますから勘弁して下さい…と私が弱音をほざいていた作業が本日、完了いたしました。初めからこうしておれば…。いえ、粛然とした事実にはあえて触れぬことが、社獄での嗜みです。そのことは無論、彼ら(迎合側)には告げず私は明日まで完璧なる余暇を得た次第です。しかしながら、ジョブというものはラディッツを倒してもベジータが襲来するのと同等の形式を誇っておりますため、別口からまた、新たなジョブが到来いたしました。社獄にいる限り、苦しみにはことかきませんな!最高で〜す!

 笑いについて:
 暇になったので、おもしろさとは何かについて社獄で考えてみたまとめ。

 笑いが何処から生じるかは無論、個人個人に尺度があろうが、まず、いかにして定型的なコミュニケーションの中において相手の思惑を外すことを言うかにあろう。これを私は“ずらす”と呼んでいるが、常識的な発言、こう言えば、こう返ってくると予想されるであろう、返答を予期しえぬものとするのだ。「1+1」は2ではなく、「1+1」はメガンテ!だとか。私に万人を笑わせるセンスがないことは重々承知だし、そういった方向性をまるで目指してはいないので、この例示がおもしろさを引き起こすかはさておいて、基軸はこういった要素にあろうと思っている。定型的なものをずらすには、常に定型的ではない返答を天然で行う者が適しているだろうかという可能性も湧き上がるが、いや、そうではない。彼らはずらした先で時に、とんでもない混沌に我々を導き場に静寂をもたらすではないか。棄却できる(ただ、圧倒的なセンスの持ち主が存在することは認める)。彼、あるいは彼女の信者(ファン)的な者の前でしか常に披露しないというのであれば、それはそれで一つの形式であろう。万人受けする笑いとは、センスなどに依拠せず、技術的なものに培われていくモノこそが真なるものであろう。合コンで受ける持ちネタを正確に再現できる話力、一般的にウケるネタとは何なのか、常に世俗にアンテナを張り、それをおもしろおかしく昇華させ、展開させる能力。それは、その場しのぎのおもいつきなどではなく、ある程度定型化された技術に裏打ちされるものであろうと私は思う。笑いのセンスの尺度にダウンタウンを持ち出す輩がいるが、それは最早、彼らのキャラクターあっての持ち味である部分が最近は多々見られるので尺度たりえない。それはもちろん飲み会やらキャラ性がよくわかっている人間の前ならば通じるモノあるだろうけれど…。

 転じて自虐語り:
 かくいう私も自虐論法の大半をキャラ性に頼っている現状である。例えば私がいきなり「仕事が楽しくなってきたぞ〜!」と前向きなことを書き出し、世界に希望を見出したとしたらあなたたちは笑うであろう。嘘こけっ、と。そうだよクソが嘘だよ。それは私がこれまでに書いてきたJob罵倒から発生するものだ。私は万人が楽しめることなどより、いかに自己が満足できる深淵なる自虐を行うかに人生を賭けていますので。だがしかしながら最近は考えている。幅広く万人が受け入れてくれる自虐とは何なのかということについて(その可能性については「さんまのからくりTV」が示唆してくれている。ドン底の状態を明るくパフォーマティブに振舞うことによって笑いに転化する技法だ。 だが、この形式はおぼっちゃまくんにおける貧保耐三によって既に為されたものである)。私が目指す指向は、圧倒的なドン底にあり、一片の救いももたらさないに関わらず、思わず笑ってしまう姿勢・筆力。自虐用語集にて、こういった技術に裏打ちされているのですよ!というある程度の答えを導いたような気がしたのですが、逆に言えば、逆に(己の好んでいない言葉を敢えて使用する余りに安易な自虐)!?そういった背景説明をしなければ、その真意を伝えることができない程度の。私がこの数年で築き上げてきたものは言ってしまえばその程度のものだったのです。私は自分自身にガッカリしました。そして、そのガッカリする姿を克明に書き記すこと。それこそが真なる自虐の形ではないかと。技術も虚飾も無く、ひたすらに己の情けなさを臆面なく書き記すこと。それこそが真なる高みに近づけるのではないかと。数年前の私はそれを行っていた。それを超えるものは書き出せなくなった。それはそれでよい。若さゆえの過ちとかいうヤツだ。老いてしまった私達が今、目指すべきところはどこなのか、常に考えている。自虐を体系的に語る三浦ジュンのような立場になってよいものかどうか。私達は今一度考えなければならない。もうすぐ25歳。ここは岐路である。考えなければならない。事件は会議室で起こってるんじゃない!と青島を気取るか。室井さんのように外部からその下部構造について語りえる高みを目指すか。私は迫られている。時間は余り、ない。こんなことばかりを毎日考えている。一体、オレはどうすれば…?

2006年6月27日






19   Proof of existence

 昨日より遥かなる十指の酷使を強要されまして、握力まで喪失いたしました。指先が、粟立ってる…!

 娯楽少なき私にとってのささやかなる癒しは金曜日にゲーセンで格闘ゲームに興じることだったのですが、本日は指が痛くてそれすらままなりませんでした。自虐士史上最長不倒の呪詛日記を書けるまでにテンションを高め帰ってきたデブリはすぐさまにPCを立ち上げキーを叩き出す。しかしながら、打つたび指先を疾る激痛に、布団の上をおもむろに七転八倒する大技、ヒキコモリバスターを炸裂させた。

 つうか、これだけ書いただけでマジいってえよ!日記すら書けなくなるとは、まさかアイツラ、これを狙ってオレにあんな激務を!? だとしたら目論見どおり。完敗だ…もうやることがない…!アッ…ガッ…オッ…!何もできずにこのままではまたヤツラが来る…。月曜日。

 世界から隔絶された私の元にメッセージが。

 YUKI.N>またカンパニーに

 ダイブッ…!(腐った水の釣堀に)

※長い間、ゴミを見る眼で見守っていただきありがとうございました。デブリ先生がこのまま荼毘に付すことをご期待下さい。

2006年7月08日






18   キチガイJOB

 コピー&ペーストを5万回以上繰り返さなければ終わらないという、キチガイじみたジョブをやらされることになったんすけど、Ctrlキーを押す左手の小指が完全に破壊されました。うが、あががぁ、うぐぅ、ぐがあぁあぁ……!!(カガリの泣きマネ)いつの時代の打鍵屋だよ。マジでバカじゃねえの。ミスがなく、かつ、スピーディーにというトンデモな要求をされているため、マウスでチンタラやるわけにはいきません。小指が再起不能になるという障害を背負わされたかわいそうな私、今度は薬指でCtrlを押すケナゲさっぷりを発揮いたしましたが、薬指までも完膚無きまでに破砕されたのです! うが、あががぁ、うぐぅ、ぐがあぁあぁ……!!さすがに中指を用いて、コピペを繰り返すのは余りにも効率が悪いため、私的には禁断の邪技であるところのShift+Insertまで駆り出し作業に従事したならば、十指全てがぶち壊れました。マジでザケんな。しかも…しかも…第一級障害者レベルまで自分を貶めたにも関わらず、5…5分の1しか終わっちゃいねぇ…! こんなの人間がやる仕事じゃない。僕は人間じゃない!と常々自称してまいりましたが、会社側にもどうやら看過されておったようです。嬉しいな…僕のことをこんなに理解してくれてるなんてアタイ嬉しい…!ドキドキが止まらない。それしても熱いわね…。体が火照ってきちゃったわ。燃え上がりそうなくらい!イーヤッハァ〜!(練炭をくわえながら体に火をつけて社獄へダイブ) こりゃあ、仕上がった。

2006年7月07日






17   神への肉薄

 Tokyo Metro Oedo Line 英語がわからぬ下郎どもにもわかりやすく言えば「屍蝋出ずる冥府の門」 地獄と紛いそうな日本一深きヘネ魔石鉱より、私は茫洋とした意識の中、気付けば天(あま)へ翔けていた。無論、頂にある目指し場所はあの忌むべき社獄である。時刻は午前9時前。バカな。私の定時は9時半であったはず。それが、いつしかこんなことに。何故…? 私の網裏、粗野なVisionが去来する。それは先週に舞い降りたAir Mailに書かれた文言であった。「誰とは名言しませんが、一部の方の出社時間が問題となっております。今まで9時〜9時半までであった曖昧な出社時間ですが、次週より定時9時を厳守とします。これは会社方針です。」と。『誰か』とは明らかにここ半年、毎日9時40分前後に出社していた私とハートフルフレンジーであるところの先輩を指しておられる。これは高度な揶揄?それとも諧謔? 私達は急遽、談合の場を設けた。しかしながらこれは疑義の余地なき決定事項なのだ。大いなる力の前、屈服せざるを得ず、俯きながら両者沈黙す。お前達のことは皆、お見通しだとでも?クソが。いや、もうクソなどというチンケな言語野にヤツらは納まらぬ。アンタら…肥溜めの便器だ!クソ溜まりじゃありませんよ!クソ溜まりにまみれた穢れしモノです!じゃあ、一体オレは…?そこまで穢れしモノに牙抜かれた犬のごとく媚び諂え従事するオレは一体何だ…?そうだ、あそこでならオレはいくらでも!いくらでも自分を貶めることができる。自虐の天竺。法師も目指していた。至るまでのその黄道、シルクロードと彼らは呼んだ。オレが今、辿るこの道。命名しよう、これがデブリロード…!

 九時に死地へ赴いた私は余りの静謐さに驚愕す。人間がいない…。そりゃそうだ。ここの本来のコアタイムは10時。半数以上が未だ空席であった。オフピーク通勤叫ばれし昨今、まともな時感持ちし者、訪れるわけがあるまい。じゃあ、こいつらは一体…。そうか翼手か!閃き、達観す。D塩基持ちし忌まれる人外ども。ここにありふれていた。クソだるい四肢を振り絞りながら愛機のパスワードを入力した後、思索に耽る。これは一過性の事象などではないのだ。この九時出社は今後も続くのだ。デブリ論においては<<僕がこの境遇から逃れるために選べる道は3つある。いや、…3つしか許されていない! 山の手線に飛び込むか、全てをかなぐり捨ててホームレスになるか、一切の感情を殺してしまい艱難辛苦も感じぬ石になるかだけだ!>> 「そのどれもを受け入れることができないから、苦しみ続けるというのね!」いや、私も成長した。見くびるなよ貴賎な者ども。強靭な意思により私は石になることを選ぶ。動ぜぬ。働かぬ。yahooに見入った、見入った。見入りながら私は至った。前々から予感はありました。聞いてください。何にって…、真理にですよ!九時出社なんぞしたらそりゃ私クラスは真理に至ってしまいますよ!神様が私には見えたのです!神様は両の手で黄金比の三角形を形しながら、さながらムウのΩ(オーム)のポーズを取りながら体育座りで私を見つめていたのです。興奮の余り、私はホッチキスを無為に空打ちしながら来賓を歓迎す。ついに私を救うために来てくれたですね…! だが、しかし、あなたは何もしてくれない。ただ、私を見張るだけ。一体、これは…? まさか、アンタ、オヤシロさま…? 私が自分の故郷(自宅)を離れてこのような異郷へ来てしまっていることにお怒りを…! 大丈夫です。すぐに帰りますからどうかお許しを。しかしながら席へ訪れし同僚、まさかの仕変の通達をせし。最早、定時に帰れない…!私は擬視されしまま、定時を迎えることとなる。ゴメンなさい…ゴメンなさい…ゴメンなさい…。咽び、謝辞示そうともあいつらは一向に許しちゃくれませんよ!まさか、ここで練炭フレイムをかませとあなたは仰るのですか!こりゃ雛見沢大災害。これこそがまさかの真相。あの村にも働きたくなかった者がいたか…。真相に肉薄した彼は静かに息を引き取った。

2006年6月27日






16   デブリ勤論

 其処に存在していることそのものが不快以外のなにものでもない社獄という収容所の中で、腐臭満ちた害悪細菌(グリーングリーン グリーン)としか言いようのない汚染空間において、思わず漏れる呪詛・怨嗟の囁きすら虚無と化す金色の不夜城の中で、劣悪ながらも一筋の光明を見出すため、私達がいくばくか快適に過ごしていくには一体どのような振る舞いが求められているだろうか。一つの解をここに示そう。方法はこうだ。如何様な命令に対しても己の思惑・道理を主張せず、仕事を速やかにこなさず、業務案件を前に悩むアピールを欠かさず(暫時、思案すればわかりそうなことであれ時には助力も求めよ)期日厳守であれば遅れず、そうでもない場合は状況に応じ、延期の交渉を申し訳なさそうに顔を伏せ、交渉に赴き(無論、適度な理由のでっちあげを忘れずに)、周囲の足を引っ張らない程度に凡庸以下の(10段階で言えば3〜6)能力を発揮する姿勢。これが重要である。

 あなたが無論「出世」やら「昇給」なる我々クラスにとって強度無き意味を尊ぶ企業戦士であれば、このように戯事に関わる必要はないし、そもそも私の文章を読む意義もないであろう。ここは業務に苦しむ勤労無能どものしゃべり場である。速やかに消え失せてくれ。この方法論、一見ツッコミどころは満載かもしれぬ、しかし、特に効用があろう対象は、職場の人間関係に苦しんでいるというダボどもにであろう。私が職場の人間関係に苦しんだことがない性質の人間であるが故、彼らの持つ苦しみは一片たりとも共有することはできぬが、私の私見において関係不和に落つる者達は必ずなんらかの主張持つ者たちであった。出世なりなんなり、社内地位の向上ないし、何らかの評価得たいであれば止めはしまい。というより、そのような野望持つ輩がこのような愚痴を零したとすればカッコワルイ。速やかに死んでくれ。いいか、お前達はよく見られたいのだ。他人より優れているという評価を得たいのだ。この世界は押し付け合いである。自己の能力・主張を世界に轟かせたいのであれば、無論、他者との軋轢、想定できよう。没個性に埋没せぬ自分を顕現させたいのであろう?では、それを嘆くな。そうしてしまったお前、多摩川の砂利だ。その道はお前が思っているより何段も困難な道であることを確固づけよ。恥ずべき痴態を曝け出してしまっては、凡夫の証明ではないか。猛き者は君が嘆いている間にも自己の向上に余念がないぞ、自虐・自嘲にかまけている暇があらば、信念の向上にでも努めるがよい。

 脱線した、今は凡庸叩きの場面ではなかった。劣に至る道とは一体いかなるものかの追求の場である。例えば人間関係。例として、あなたが業務の進捗法なり、勤務態度などの人間性の不備を指摘されたとしよう。その場合、どう対処するか。まず、価値観が真なる意味で人それぞれであり、確固たる価値が己の中に構築されていると仮定せよ。そうであれば、他者のいかなる指摘も気にする必要はないではないか。この当たり前ながら相対化できぬ認識。人々はなかなか辿り着くことが出来ない(筆者もそうである)。指摘を受けてしまった以上、小さな私達は稚拙な反駁など控え、その人が納得するような振る舞いをすることが肝要であろう。相手がいかなる行為に苛立っているか分析し、その挙動を速やかに修正軌道する。それこそが「他人の気持ちを考える」ということである。そうでないものは適時、信念をぶつけ上司と対立するのであろう(私にはそのような状況が想像できないが)。

 ドブを這いずり回ると決めたにも関わらず、それでも上司に物申したいという贅沢な輩よ。クソのような君達にもまだチャンスはある。飲み会である。ここは職場ではゴミであるところの私達にも自己主張が許される唯一の場である。どうしても物申したい時は以下のようにすればよい。

・常にチームのメンバー(一個人)にとって正しいことを行うことが、組織にとって最良の結果を生み出すとは限らないことを酒の勢いを交えつつ平易に指摘しつつ、

・自己の判断などより長年努めあげてきた上司の判断が経験・業務知識上優れていることを表明しつつ、

・上司は万人にとって正しいと選択をしていますよね、と持ち上げつつ、しかしながら私には○○のような弊害・不備・不満がある(あった)ことを柔らかなニュアンスで伝えると、まず角は立たない。(私の経験則上)(あったとしても各自繋ぎトークのフォロー力で諌めよ)

 無論、この進言がどのようにフィードバックされるかなどは考えてはいけない。価値観は人それぞれと念頭に入れつつ期待せず、得られるものは少なくとも主張は押し付けたと自己満足に浸り、ストレス解消すれば充全である。(しかしながら、私がたまたま「人間性」、つまりは結果が全て的な観念を持たぬ上司としか相対したことがないため、例示より外れた人間と対峙した場合、どうなのかは責任を持てぬ。例えば営業とかといった人種は想定できぬ)

 ここまでダラダラと語り尽くし、私が何を言いたいか。わかったもの、デブリの才覚あろう。つまりはどれもこれも…どれだけ弁舌並べ立てようとも私には無理…!勤労無理ぃ〜!並以下の能力を発揮すること無理ぃ〜!なんたること。ここまで落ちたあなた。あんた、勤労障害者だ…!ここまで思慮尽くして初めて名乗れるのです!何一つ追い詰められていないのに、クソみたいな勤労呪詛は止めてくれ!(これが押し付けだ!) わかりますか?いえ、理解は求めません。私の価値は私の中にしかあらず。自己嫌悪を通り越し、あらゆるクソどもと全てを呪うデブリ!悲劇が語られる時、全ては終わっている。つまりは私こそ…!焉…!

2006年6月19日






15   テーマ:細かすぎて伝わらないモノマネ選手権

デンデンデンデデデンデデンデン

『午後6時に退社するデブリ〜』

(無音で椅子から立ち上がるパントマイム)

「お先に失礼致します!」(さも用事があるかのように早足で)


『午後9時に退社するデブリ〜』

(無音で椅子から立ち上がるパントマイム)

「っす、お先っす…」(まだ残る同僚に疲労感をアピールしながら申し訳なさそうに)


『続きまして、午前0時に退社するデブリ〜』

(無音で椅子から立ち上がるパントマイム)

「っ………!」(最早、誰もいない社獄より俯きながら)

ガッシャーン!(奈落へ落下)

どっ……。(スタッフ爆笑)


決勝戦

デンデンデンデデデンデデンデン

『終電間際のデブリ〜』

(改札機に気だるそうに切符を入れるパントマイム)

(プルルルルル…電車発車のベルを口マネ)

「ダイブッ・・・!」(奈落へ無音落下)

どっ……。(スタッフ爆笑)

2006年6月15日






14   意味がよく分かりませんが

 まず本日、体調不良とかほざいて休んだ○田。W杯か? まさかW杯のせいか? オレがあれだけ苦しみながら出社したのにその様はなんだ? 許されようはずがない。俺の中の脳内査問でキサマには死刑の判決が下った。私だけのデスノートに名前が刻まれる。いえ、私が許しても神様は赦しやしませんよ!ジャクトリフ神様!伝来あなた様の忠実な腹心であるとこのハプスグルム家嫡男であるデブリムめのこの嘆願、聞き入れて下さいませ!さあ、その死神の鎌『デスサイズ』できゃつめに断罪と粛清を!クク…。魯鈍な○田。いずれ神罰が下ることを気付かず待つがよい…。つまりはお前は最早、天命を全うすることしかできなくなったわけだ…。

 無為な虚妄、湧き上がる憎悪こそが私の原動力の全てです。呼応して膨張するジョブ達よ、お前達だけが私の話を聞いてくれる…。私は今日、未来視に成功いたしました。アカシックレコードへの先触れ。託宣を賜ったのです。今週はもう定時に帰れない…!

 私は何も、定時に帰れぬスケジューリングを組まざるを得ないこの社獄のリソースプランに対し、深淵なデブリ哲学による警鐘を促したいわけではない。暇そうに帰り行く同じプロジェクトの同胞達に「…全部、あんた達のせいかぁ〜!」と己の中の精神と時の部屋における凄惨な描写を書き殴りたいわけでもない。そもそも、これまで腐るほどあった業務時間内、フルにやる気を出していれば何ら問題がなかったのではないか…?というVisionがありながらも、無理ぃ〜と叫びながら自閉し続けた私の勤労障害者っぷりをことさらに嘆きたいわけでもない。

 心の底から自己信仰へ揺さぶりをかけて下さる、勤労というある種洗脳的なマインドブラストに対し、「ありがとう!もう辞めさせて…!」呪詛にもとれる謝辞を口走るほどの一抹の小悟に、私は感慨を覚えたのである。

 定時を過ぎ、己が静謐に閉じてゆく乖離感と共に霧消する疲労感。脳内で瞭然とアドレナリンの噴出を感じる、神秘的とまで言える高み(ゾーン)への達感。これまでのデブリっぷりが嘘のように業務に励む、今更ながらにあさましく這いずり回るこの姿のなんと醜悪なことか。だが、嫌悪感とは裏腹に迸る活力達よ!体が…仕事を欲している…!?バカな…!窮鼠は猫を、噛むぞ、噛むぞ。追い詰められた時にのみ、自己に感ずるこの無限の可能性。これが、ポジティブシャナ…?いえ、違います。こりゃただの躁病患者ですよ!

2006年6月14日






13   WK

 日本負けちゃいましたね。ウウウ…。あんなに応援していたのに悲しいです。

 でもまだ緒戦。厳しい状況ですが、残り2試合ありますから大丈夫。やってくれると信じています!最終戦のホイッスルが鳴るまで力いっぱい応援したいと思います。私はもうずっと昔から日本代表を応援し続けてきましたから。具体的に言えば、2-2で引き分けたドイツ戦辺りからです。ナカタ、ナカムラ、ヤナギサワ。正直、選手の名前はよくわかりません。ヒデさんが切れてた記事には爆笑した性質だけれども…。

http://wc2006.yahoo.co.jp/hl?c=event&a=20060605-00000007-spn-spo

 まあ、試合結果に関しては1点取れてラッキーっぽい。「走らないことにはサッカーはできない」当該記事でも仰っておられましたが、まったくその通り。後半ヘロヘロだったし。川口の神がかり的なセーブが崩れた瞬間、追加点をバンバン決められるというあの烏合っぷりは2002年W杯決勝ドイツのカーンを思い出す。

 ここまでの記述を読み、違和を覚えた方がいらっしゃいましたら、あなたは私のことがよくわかっていらっしゃる…。まず、私がW杯なんぞに興味があるか否かを疑ってらっしゃるわけだ。答えは無論、否(バウアー)。

 はっきりいって日本が勝とうが負けようがどうでもいい。と、発言しちゃう輩が必ず社獄にいるわけで。凡言の極み。日本中の大半が盛り上がっているのだから迎合しておけ、という文化的理由のみで納得できないのであれば、彼らが明確な信仰(宗教)を持っていない限り、正月もクリスマスも誕生日のケーキもナイフやフォークを使って食事することにも疑問を呈していかねばなるまい。「サッカーに興味がないから」とほざく輩もいるであろうが、その発言をすることにより、いかなる交流・意味を成すかを考えてせねべなるまい。そこから生み出されるは軋轢ばかりであろう。損である。明確な信仰無き虜囚は「楽しければ何でもよい」という思想に流されるのが、自然な「流れ」であろう。

 といった種々の指摘もまた既に時代遅れである(これを嬉々として語る人間がいたとしたらセンスを疑う)。我々自虐師達はもっと高みを目指すべきだ。興味がない。特に私などはWカップ開催と共に残業カーニバルが開催された身である故、忌むべき感情すら抱いている。お得意の責任転嫁。試合に間に合わない。だから21時で…!今日はお祭りの日だからね…。と誰もいなくなった社獄(今日は本当に社員達の撤収が早かった)で呟き、日本を応援しなきゃ…!と退社する姿勢。これですよ!これこそが私の目指す完璧な自虐。

 「俺達は12人目のフィールダーだ…!」行き過ぎた狂信者達は感動めいた妄言を呟くであろう。「そうですね!応援しなきゃ!」私達は賛嘆する。心と裏腹にあらゆる全てを賛せよ。苦しいか…?心は悲鳴を挙げておるか…? 権力的な圧倒的な敗北と、背反する自己の表明に私達はこの上ない愉悦の感覚を覚える。日本は負けたぞ。矮小な自己、真なる私よ。さあ、沈鬱なる面持ちで叫ぶが良い。「日本が負けたから…今日は休暇を…」言えない、言えない!私、言えない!私にも一片の矜持が残っておろうと?違うわ、デブリ。あなたには、破綻した言い訳で休む度胸すらない…。唐突ですが、ジンの飲みすぎでゲロを吐いたので寝ます。無理ぃ〜!!

2006年6月13日






12   HELL EDGE ROAD

 先の日記を読み返すとオレは苔だとか、こりゃ宗教戦争ですよ!とか訳のわからないことをほざいていて間違いなくこの人は病んでいる…と客体観測より真理に辿り着いてしまったわけですが、信じられないことに今週は全て定時退社してるんだよね…。え、その程度の負荷にすら?耐えられない体に?

「教わったとき、怖くて眠れなかった。」
「あの言葉って、滅びの!?まさか!!」(ラピュタ)

 滅びの呪文、“残業”。それすらないのにこの劣の撒き散らしっぷり。昨年の本日の日記http://mixi.jp/view_diary.pl?id=20572386&owner_id=7679を読み返しましたが、同じぶちまけるにも理由があった。あの頃の彼。一元的なくりしみがそこにはあった。今のオレはどうだ。何もない…。通常の理想的な勤労形態に身を置いているにも関わらずこの体たらく。自己を勤労障害者と定義付け逃避する毎日。こりゃ近い…。敗れは近い…。(銀と金) 平井銀二は競馬勝負直後にこの台詞を吐いた。そうだ、オレも覚えがあるぞ…? 天皇賞。あの勝ちはいわば布石。デブリ君…ここから先は簡単には行かない。地獄の淵を通る―ヘル・エッジ・ロード…!(HELL EDGE ROAD)

 これじゃあ、また、キチガイじゃねえか…!

2006年6月8日






11   なんちゃって鬱 罹患者の日記

 マジでゲロクソデッドブルー。

 昼休み。コンビニに赴き、皆、大好き、とれたてキッチンのパスタ札をチョソンに差し出したら、あたふたして冷蔵庫を探し出したはいいが、最終的には品切れとか一体、どうなってるんだ…? お前に食わせるタンメンはねぇって? なあ、この札、残り3枚はあったんだが、在庫管理どうなってるの? レジは行列になるし、これじゃあまるでオレが悪い人間みたいじゃないか…!(矮小な自己)

 ゲンナリしながら、エレベータに乗ったら、アングロサクソンに「Fine?」とか話しかけられるし、マジで最悪だよ。お前はこの土気色の、憔悴しきったオレのツラをどの角度から見てFineとか問いかけられるのか。人種で差別するなんて恥ずべきことだなあと思ってましたが、このワークプレイスに来たらそんな概念は一切、吹き飛びます。私に容赦なく英文Mailを叩きつけてきたテリーの蛮行、一生忘れるわけがあるまい…。あいつらの空気の読めなさっぷりは容赦なく私の勤労意欲を削ぐ。

 いや、初めから勤労意欲などない。あなた達の指摘はごもっともだ。それは認める。しかしながら、私の中のカスかな残滓。例の苦行に耐えうるための僅かなマナすら、根こそぎ削がれる今日、この善き日をカーニバル・ディと名づけ、自席でふんぞり返り、小さな、小さなストライキを決め込んだ。なあ、メリケンどもよ…? 6月6日。666。お前達(私は外資系の企業にバシルーラされています)の信望する教義で獣の数字と忌み嫌われるこの日に働くなんて、悪しきことだとは思わないのかい? あんた達、咎人だ…。罪憑きです! 私には見えますよ。あんた達の翼は真っ黒だ。そのままじゃ轢死してしまいますよ(灰羽連盟)!オレは君達の信仰心に問いかけている。このままでいいのかいって…。理解はされないかもしれない。それでも構わない。こいつはオレだけの聖戦(ジ・ハード)。なあ、笑い事じゃねえんだよ。こりゃあ、最早、宗教戦争…。デブリとキリストの宗教戦争ですよ!まさか、三十年戦争を去来させるとでも。その時、私は55歳。ジオンじゃあるまいし、持ちゃしませんよ!(全面降伏)

2006年6月7日






10   なんちゃって鬱 罹患者の日記

 「クールドライヴ!」と叫びながら布団の上を芋虫のように猛回転で這いずり回ったり、眼球の毛細血管が千切れそうなほど、ドラゴンボールGTを熱視していたら週末が終わっていました。ねえ、一体、どうして? 理由など考える間もなく、私は赴かねばならなかった。定時という約束の時までに世界の彼方のあの社獄へ…!

 二日酔い。リボビタンDを嚥下して尚、一発も出ぬファイト。私からは全てのやる気が枯渇している。胃の鈍痛は昼までは休まなければ、治まらぬというのに、月曜、朝、九時半という日も昇りきらぬ絶望的な時刻にMeetingを開催する蛮行に関してはまあ、よい…。よくないのは私の体調だけ。ユウジがいても、何にもできぬ…! ネガティブシャナを気取って、重い矮躯を引きずり会議室まで辿り着いた私を待っていた衝撃の宣告とはなんだったのか。

 「あなたと私は何から何までまるで違う。でも、一つだけ同じ…。それは働いていること。立ちなさいデブリ。ワタシがあなたのパルよ!」(シムーン)

 働くのが大好きです!と9時定時なのに呼ばれてもいないのに、8時半に来やがる、キンキのやる気マンマンSongを凌ぐ、活力に満ち溢れた御仁とのパル宣告。いや、しばらく一緒にジョブってもらうと言われてもね…。死んでもゴメン。賭けてもいい。お前といたって死んでも賦活などせぬよ…。

 饗宴を終える。席に戻り、Yahooを開いた。刹那の休息。息つく間もなく、会議招集のMailが届く。1 On 1。会議召集。「現在の認識合わせをするために、Meetingをしましょう!」ってアホか。お前と疎通させることなんか、マジで何もないっつうの。なあ、せめてその時刻設定。11時て。今は、何時だ…?10時50分だろう?なら、せめてスケジュールを組むなら午後からっていうのが、人情深き王道勇者ってもんだろうが…! しかしながら、私はこのディストーションフィールドにおいて発言する権力を一切持たぬ哀れな虜囚であった。ため息一つ、席を立った。白いYシャツはズボンからはみ出さないように、くたびれたネクタイは翻らせないように、俯いて歩くのが、ここでのたしなみ。

 それにしてもかの方の喋ること、喋ること。パラパラッパーを遥かに凌駕するレベルでホゥ、ホッと心の中で念じていてもこの訓話は終わる兆しをまるで見せぬ。私の方はいつものごとく、覇気なく、無駄な発言をせぬよう努めていたにも関わらず、まさか、正午を過ぎても終わらないとは思ってもみなんだ。悪夢のような時の潮流を私は駆け巡る。昼休みを超過した時刻分、眼前に座るこの男に煉獄を見せてやる夢想に堕ち自我を保つことに成功した。

 そして、ようやく獄門から解放され午後を迎えた。ここからが私本来の時間…。やらねばならぬことは山積みだ。だが、午前中で全てのやる気、勇気、根気を削がれた私はPCの画面を見ただけで吐き気を催した。二日酔いだからじゃないんだ。無理…!無理ぃ〜!僕は人間じゃない…!だから働けない…!だって、だって、よく考えておくれよ。僕が人間じゃないとしたら。働くから人の字(あざ)を削岩す。すると浮かび上がってくるは、「動けない」動けないですよ!自分が何者なのかずっと模索し、考え続けてきた。やっと見つかった。つまりはオレは植物…!大地に根ざし、一歩も動けぬ植物だったのですよ!それも陽も射さぬジメジメした部屋にひきこもることを好み、クローゼットに自閉するという己が癖を鑑みるにおそらくは苔類!そう、私は苔だった!苔だった!コケティッシュ!幼少の頃、連れて行かれたあの場所を思い出した。「苔の洞門」と呼ばれし、あの場所へ!

http://www.geoweb.jp/kokedm.html

 自分の記憶をようやく取り戻した私は、その覚醒と共に強烈なノスタルジーに包まれた。私は今、ようやく故郷へ還るべき時を迎えたのかもしれない。さあ、あの苔の聖地へ。いまや全てが懐かしい…。さあ、帰ろう…?定時と共に私は飛び出した。(今日は何も出来ませんでした〜!)

2006年6月5日






9   私クラスの社獄の飲み会

 金曜日は、例の機関が催す飲み会という名のサバトへ参加してまいりました。我が結社の飲み会は2月に1回ペースで施される割には、会費がタダor半額という、行かなきゃハドソン!と叫びだしかねない汚いやり口で私達に蠱惑的な招集をかけてきますので、行ったらオレは組織の犬に成り下がる…!下郎めが。あれほど例の組織に所属することへ、吐き気にも似た嫌悪感を持っていたデブリめが、タダ酒には容易く篭絡か。このクズめが…! 人間学園の教官たちが良い子になあれ…!良い子になあれ…!と電磁根で私をいたぶる脳内憧憬にもがき苦しむ妄想活劇、ありつつも脆弱な私めはアルコールへの劣情を我慢することができず、赴いてしまうのでありました…。

 飲みにケーションと呼ばれる錯誤感拭えぬロストユニバース的な交際術を未だ源流とす、彼らと対峙する時の注意点は、親睦と謳いながらコップに忌むべき黄色いエキス(ビール)を臆面もなく、しこたま注ぎ込んでくるお酌と呼ばれる無礼な作法をいかにかわすかにあろう。私はビールを飲むと、500mlで吐き気を覚える特異体質を持つため、彼らのあの蛮行には、殺意にも似た衝動を覚える…。オレは焼酎やら何某をしこたま飲みたいというのに…、あれは最早、飲尿を強要しているようにしか見えぬ…。つまりは回避すること、重要であるため、私がビールを飲めないことを知っていて、酌をせぬ知己の方々の側に席を陣取ること。これ、肝要となる。弊社の企業戦士どもは同じ組織と言えども、様々な派遣先へバシルーラされているため、同じ派遣先に出向いてる先輩様がたと相席するのが、解決への近道だ。

 さて、今回は私の隷属する派遣先より6名の有志が会に参加する。座席は温泉旅館の広間的な長テーブルが並ぶスタイルとなっていた。私達は一緒に会場に到着したため、そのまま一団となり座陣を形成することとなった。6名により卓を囲むとなれば…その陣形は黄金比による長方形やないか! なんとか辺の中央に行けぬものかと、画策したが残念なコトに角に陣取ることとなった。まあ、仕方あるまい…。群集に囲まれ五方よりビールを注がれる事態よりはマシ…。と安心しきっていた浅はかな私。声がした。「○○さん、そんな男ばかりのとこいないでこっちおいで」局よ。なんたる下劣な…。その誘いを契機に眼前に座る同僚の女性社員が、謝辞を示しながら消え失せる。図説しよう。こうなったわけだ。

空空空同同|壁
空空私同同|壁 ※同は同じ派遣先の社員。空は空席

 完璧な長方形はいびつな座形へ成り下がる。そうこうしている内に私のレフトサイドに陣取るは別の派遣先のグループたち。 ねえ、待って。τ(タウ)になるまで待って…?(森) 戯言は虚空へ吸い込まれた。特に眼前に座った、このクソオタ。全社員に送付された新入社員紹介のメールにおいて「趣味:ネカマ、自己犠牲(笑)」とぶちまけて来たアトミックボーイじゃねえか…!来たなプレッシャー。ねえ、オレ、ヤツの眼前だけはやだ…!神様!あたしの神様!いない、いない、そんな神いない。自己の中においてですら卑下される希求。惨憺なる状況の中、乾杯の音頭は取られた。

別別別同同|壁
別別私同同|壁

 始まる宴。空虚な会話。下卑た笑いが場を支配する。酒を卓に残すのは美徳に反するという過剰な美意識を持つ私は、なんとか乾杯のビールを飲み干し、すぐさま注文式のアルコールを頼もうとしたのだが、ビールは飲む度、眼前と左翼から注がれた。半分も飲んでないのに注ぐかね!?シャアを超えた亜高速。ここは地獄だ…。

「どうや、デブリさん。その席の居心地は」
「悪くない」(オカルティ)

 利積さんを気取ってる場合じゃない。いや、確実に劣悪だから。でもこの殺伐とした雰囲気。嫌いじゃないよ。悪くない。ここで、飲めるかボケ〜!と酌した虜囚の顔面にビールぶちまける類の攻性防壁を、もし私が実装していたならば状況は変わっていたであろう。だが、私は、もうビールは堪忍…とは言えなかった。注がれた酒を飲まぬ…。それはアル中(自称)としての矜持に反するから…!誰にも何にも主張できないんです。なんたる矮小さ。誰にも嫌われたくないから…!だから…!まあ、嘘ですけど。誰にも、というのは私の中の私自身、私の中のあなた達にですから。私の全て!私の全て!究極の自己愛の権化。こりゃ、太宰を超えましたよ!皆さん、そう思いませんか?私はまったく思いませんけど。

 そして、煉獄を猛進する私に転機が訪れる。卓上のビールが全て空になり、女郎に追加のビールを注文したのである。ここしかあるまい…。初顔合わせとなる新入社員はビールを注ぎに来た。ビール瓶片手に酌して回るウザいマネージャーも既に通り過ぎた。ビールはこれから注文される。ここで、別の酒を注文し、ビールグラスを逆さに置けば、最早ビールを注ぐ輩はいない…。私は叫ぶ。「ウイスキーを…ロック・ダブルで…!」ざわめく卓上。「ビールはそろそろ…」酒豪アピール。ビール爆撃で仕上がりかけているのに、ここでウイスキ〜? まったくのデジタルアウト。そりゃオカルト…。いや、スーパーデジタルだ! デブリがまさかのサーカスプレイ!? 山の頂を目指していた。頂上はまだ見えぬ…。飲み続ける、ウイスキ〜を飲み続けるんだよ。春樹は言っていた。

 しこたま、飲み耽った私はこの後、ウーロン茶しか飲めぬ、 トップから…ラスだ…!ってな、エベレストからマリアナ海溝にダイブする類の最悪な2次会へと突入することなるのですが、それはまた、別のお話。

2006年5月22日






8   業務日誌

 悪の枢軸こと、ビル・ゲイツが作りやがったマイクロソフトプロジェクトという、魯鈍なお前達の本日までの進捗具合はどれどれ…?とクソどもが、あの底意地悪い笑みを浮かべながら、管理・監視することでお馴染みの極悪なソフトウェアが私の所属するプロジェクトに導入されたため、「今日は心の風邪だから…しょうがない、ね」と呟きながら、日々サボり倒してきた私も働かざるをえなくなったわけだけど、導入一週間にして早くもスケジュールから1日遅れ。まあ、その遅延の原因は先週の金曜に二日酔いで無為に会社を休んだせいなのだから自業自得。「何もかもオレが悪かった!」と咽び、遅れを取り戻すのに奔走したよ!だが、悲劇は何処から生まれるのか…? 考え続けている。答えを導くことなどできない。

 委細はこうだ。あのカオスティックプレイス(社獄)にゲロを吐きそうになりながら(マジで)、なんとか本日も赴いたオレは朝からあくせく働く企業戦士たちを尻目にリアルゴールドを飲んでいた。なぜなら二日酔いだったから…。毎日、気持ち悪くて午前中など働く気がしない…。炭酸が焼けた喉に染み渡る。飲み干した後は下界に降り立ち喫煙スペースで紫煙をくゆらせながら携帯mixiに勤しむ。自分ですら何を書いたか覚えていない、自虐用語辞典を読み耽りここはあの文言の方がよかった、そこはそうじゃないよ!と一人日記レビューを行う。なんたる暗さ!

 だが、気付けば迎える午後の暗澹さは私の心の闇を遥か凌駕する。前日のMeetingで現在、担当分は本日までに終わらせます!と豪語してしまった手前、今日中に終わらないと悟りを啓いてしまったならば、「このプログラムの設計に不備がありまして…本日中にはちょっと…、ですねぇ(笑)」等の虚空から問題を生み出す類のアクロバティックな言い訳をしなければ殺されてしまうことであろう。いや、言い訳をしても殺される…!なぜならこのプログラムの修正の設計を担当したのもオレだからだ!あいつ等はなんら無表情で人を殺す。知っている。欠片も冗談を言えぬ、この機械人形がぁ…!(ソルティ〜)

 そうこうして、14時より本格的に動き出す。さあ、勤労を始めよう…!(西尾維新) 始めるに当たり、ここで本当に便所でゲロを吐いた。ただでさえ二日酔いで気持ち悪いのに、昼にカツ丼食ったから。果たして理由は本当にそれだけだったのか。思索を深めるのは恐ろしい…。

 プログラミングとはRPGのボスをぶちのめすようなものと思ってくれて構わない。必要な文言を書き殴り、あるいは削除し、ヤツらへとダメージを与えていく頭脳労働とは程遠い肉体労働。ディスプレイをツルハシで叩き壊すような作業と言えば、伝わるであろうか。生産性は0。どころかマイナスだし、何気に激務だし。いや、それは私が勤労している際に浮かぶ脳内憧憬ですがね…。とかく、書き殴り終える。Testする。画面の挙動より正常に動作しているかEvidence(証明)をスクリーンショットを用い作成する。終わる、終える。煉獄をもう少しで抜ける…。最後のテスト項目にOKの烙印を押し、Alt+F+Sでファイルを保存する。そうこうして、何もかもがおしまいですよ! 時刻は午後5時。私クラスともなれば、1人日を3時間に縮地することができる…。参ったな、天才よ。定時までのこの余暇、どう過ごせばいいというんだい…? 悦に浸った、浸った。内線が鳴る。プ・プ・パッポー。24を意識しながら受話器を取る。「はい、アルメイダ!」「実は今日までに行っていただく予定の、担当して頂いていた機能なのですが、修正が入ることになりまして…」聞こえない。「あ、そうなのですか。先ほどテストまで終えてしまったのですが…」「結構、大幅な変更になりますので、できれば再テストを…」オレは聾唖者だ。何も聞こえない。ボスは倒したんだ。世界は平和になったのですよ!だが、アイツも聾唖者だ。何も見ないし、聞こうともしない。この悪魔神官が…!まさか禁忌のザオリクをボスに!?「変更の詳細はまた後日に…」遠くに聞こえる声。受話器を置く。腕を、足を、もがれたはずのデスピサロが完全体で再び私の眼前に…!想像して欲しい。目の前が真っ暗になった。やはり私は生きていてはいけないのだろうか。あらゆる艱難辛苦を未来の自分に託し、定時に私は脱獄する。

 コップに注がれたジンを見つめる。冷え切っているが、飲み干せば喉がカーっと熱くなる温度差たるや。この熱さだけが私が感じうる唯一のリアル…!

 神様!あたしの神様は何処へ!?

2006年5月22日






7   上司の土産はちんすこう


 昨日の日記を書いた記憶は泥酔という名の深淵の彼方、曖昧模糊としており、まあ、その、なんだ、ぶっちゃけ、ない。ボクは自動的だから…。つまりは法的な元、私に責任能力は絶無なわけでございますが、これだけは謝罪させて下さい。デカルトのありがたい言葉を改変し、あまつさえそれが致命的な誤謬であるという認めがたい事実。動機がまさかカントンなどと劣悪な下ネタを述懐するためだけにだなんて…。それのみに関して私は全霊の謝意を示したい。莫大なゴミ(文章)を撒き散らしたコトに関して。それは、よい…。なぜなら今日もこれから撒き散らすから…。

 そもそも、昨日の日記で到達したかった地点はどこなのか。ベニス、オマーン、という言霊の響きに異常な興奮を示し、果てはパラジクロロベンゼンの頭語を例の文言に変換し、ほくそ笑む根暗な私が、日比谷線六本木駅で目撃した衝撃のポスター、MAX MARAについてだったのですよ!MAX MARA。どうせ、MAREの見間違えだろ?となんどポスターを凝視したことか。直訳:怒張、ですよ。ここまでまざまざと卑猥な単語が世にまかり通る時代が来ようとはな…。ねえ、知ってる?この街って奇跡で出来てるんだよねぇ〜!(ARIA) 識者の皆々様方におかれましては慣れ親しんだブランドかもしれませんが、私に走った衝撃はブラストフォールのそれを遥かに上回ったという…。社獄に辿り着き、あの憧憬が幻視でないことを確認するため、MAX MARAを検索する無垢なる私。気づけば、背後に気配あり。あなたの後ろに立つ人だあれ?(上司) マジでジャストなタイミングだな、オメー…! 窓からダイブしたい衝動、抑えた、抑えた。その代わりに日記でダイブ…!昨日の死はつまりはそういうことだったらしいですよ。夢の中なら何度でも人は死ねる…。

 それにしても今日も飲みすぎてもうアッ…!アッ…!(もがき苦しむ月の動きを形態模写)

2006年5月21日






6   泥酔により書き殴られ愛されし

 目覚め。短針が指し示す時刻は午前10時。私の頭が炸裂する、という夢を見た。暗鬱たる未来を想起させるに難くない鬱波の奔流に逆らうことなどできようもなく、布団という腐海の中、もがき続け黎明を迎える。現実、と言っても私は多次元的な夢の中に生きているので、現(うつつ)と呼ばれるこの夢の次元において、という言い方が正確なのだが、とかく、目覚めにクロノス(時の神)が啓示した時刻は午前8時であった。これはシャワーを浴びつつ20分で家を出る、といった離れ業をこなさねばならぬ時刻である。迫る刻、怠惰と絶望、加え敏捷さを備え支度せねばならぬ状況に、私の勤労意欲はミクロン単位で死滅する。GWという5日間の奇跡は瞬きする間なく過ぎ去った。次の奇跡は海の日まで訪れぬ。至るは7月…。持たない。保ちようがない。瞬間、分かりきる、瓦解する、罹患する。奇跡は起きるものではなく、起こすものなんだよ。内なる声が囁く。どれほどまでに「私のすごい方法!」とアヤヤ気取りで有休という奇跡を呼び起こそうと私の中で葛藤が巻き起こったか。自我、臨界。咽びながら、誰へともなく救い(休暇)を請い、地べたを這いずり回る浅ましき醜態を直視せよ。デブリの御名(「ぎょめい」―だが、「みな」と読め)を持つ者にしか想像できまい。

 こんな時はジンを一口。勇気が湧いてくる(カケルくん!)。理解する。解っている。だけれども、ジンはもう卒業…!と叫び出した私が手に取ったのはウォトカ。これからはウォッカの時代ですよ!とルシアン(ロシア人)気取ってみたはいいものの、両者の違いは何一つわからない。ただ、顔が火照り、喉がカーっとくるだけ。だが、その魔力により私はあの艶美な蠱惑に克己した。見よ、納期という名の獄鎖の元、燦然(さんぜん)と私は敗北したのだ! 我々は稜線を、その境界を吐き違えてはならない。法人の定めたなんら法的根拠も持たぬ期限を、一個人である私が遵守する必要などなんらないにも関わらず、社獄での小さな小さな己が領域(テリトリー)を維持するため、内なる衝動を押し殺したオレを敗残者ならず何と呼ぶのだ!? 定時に魔獄に赴けぬ者=悪と、彼ら定める“善”(社則)に基き、断罪せしめたらんという醜悪な規範に飽き足らず、ノルマという凶悪な枷用い、生きとし生けるほぼ全ての者たち=プロレタリアートの社会権―保障されるべきはずの人が人間らしく生きるための権利―を悠々凌駕し侵害する魍魎どもを、しかし私は愚直に巨悪の枢軸とは捉えない! 実存も定かではない悪を打擲(ちょうちゃく)、つまりは懲悪すべき中枢であったと仮定しよう。いや、私はそれこそが社会であり、シンメリック!極に位置する合わせ鏡の二つ名を持つ例のあの者ども、会社だと!愚かにも仮定してきたのです!だが、ほれ、それ見たことか!鍬(すき)は持ったか!?振りかざす、叩きつける。あのコンクリのビルにゃ傷一つつきゃしませんよ!

 妄想に生きた。吹きすさぶ。凶風、一陣。企業戦士たちを運ぶあの乗物の扉が開く。奇跡の過ぎ去った車内は隙間なく人肉で埋め尽くされていた。強烈なプレッシャーの中、吊り革をあらん限りの力で握り締める。通勤地獄の後は、勤労地獄に叩き込まれる。劣が故、我くりしみ…!(カントン)。なんでだ…?なんでこんな思いしなきゃならないんだ…?減量に苦しむ鷹村さんはそう呟いた。殺してやる――誰を…?呪詛は止まない。電車は地下へなだれ込んだ。窓ガラスに映る顔。アレは誰だ…?誰だ…?誰だ…?…あ、オレだった。全部…全部てめえのせいかあっ…!(窓ガラスを破り本当の自分にダイブっ…!)

 死んじゃったよ!

2006年5月20日






5   俺達のキッズウォー

 お前の日記は読みづらいので死んでくれ、といったえげつない指摘を受けたと仮定してみて、一体、どれだけノワ(ノワール)ればお前達は納得するんだい…?<<ボクはいらない人間だ!>>といった過剰な自意識の葛藤に思い悩む、自己完結式の自虐に勤しむ私に去来した訃報は、今年最大級のジ・ハードへ私を導くこととなる…。

 弊社の(と申しましても私には一切の所属意識がありません)社長の御尊父様(ここでは<<御尊父様>>と各位殿クラスの誤った2重敬語を敢えて使用することにより、まるで尊(たっと)んでなどいない意を示そうとしたが、<<御尊父様>>はどうやら用法的にはアリらしく、筆者は思うがままに想いを記することができない文章力にひどく落ち込んだ)がこの度、逝去なされたとのことで、それはそれはご愁傷様です…と神(デブリの)に祈祷捧げる敬虔な信徒っぷりを発揮したのですが、その後マルスは幸福の名のもとに支配するであろう…といったMMR的展開など私にゃ訪れやしませんよ! 訪れたのは弊社の御名のもと、通夜に訪れるがよい…という恐怖の大王。いかに私が大陸に名を馳せた五虎神とはいえ、西川口というザナルカンドレベルの僻地まで列島を縦断させられるとなれば、正直、アストラルサイドにおける死までも視野に入れなければならぬ…。だが、覚悟を決めるその前に、私には解決すべき問題が山積みであった。初めての通夜へも隙なく事に望む私への飽くなき礼讃は置いておき、ヤツラへの隷属を示す聖具がまるで整っていなかったのだ。具体的なそれはネクタイと呼ばれ、平時であればいつでも自殺できるように、それを首に巻きつけておけばよいといった類のフォークロアは多々伝聞していたが、より地獄へ近い斎場というデスパレスへ赴く際は、黄昏よりも昏き色のそれを身に纏わねばならないらしい。私が持つ聖具といえば、社獄からの害周波を幾ばくか和らげる効果を持つ<<アーティファクト>>毛布一枚だけである現状を鑑みるにして、どうにも私はあらゆる手段を用い、それを明日までに手に入れなければならないらしい。こうして、不本意ながらも夜の帳下りる<<街>>へ私は舞い踊ることと相成った。

 さて、私がネクタイをこの手中に納めるまでの軌跡はここでは省略させて頂く。ただ一つ言えることは手に入れるまでに2000円という巨額の資本の投入を余儀なくされたことだ。2000円。贅沢しなければ、2日は生き延びられる金銭を損なった私は2日分の寿命をヤツラに奪われたと言っても過言ではないだろう。いかに、この社会という目に見えぬ巨悪が我々を苦しめるのに邁進しているかが窺える悲しき一幕であった。

 命からがら家に舞い戻った私は、玄関先でへたれこみ「もう大丈夫。ここまで来ればもう誰も追って来れない…」といつもの安寧の儀式に一時の癒しを見出すことにぬかりない。私はこれより見てはいけない幻視としてきた光景を現実へ揺り起こす邪法に手を染めねばならないからだ…。機能している、といった意味で先は保持するアーティファクトとして毛布を挙げたが、通夜なる祭事にはもう一つの聖具が必要となる。そう、スーツである。いかに愚鈍な私でもそれは理解していた。動悸の高まりを悟られぬよう、クローゼットの前に立つ。心の扉、秘密の扉、オープン…!(永久アリス輪舞曲) 眼前に現れるそれは、まだ私が若かりし頃、クソ紅という企業に牙を剥けていた時代に辛苦を共にした相棒であった。大阪という幻の大地にバシルーラで飛ばされると言う非人道的な核の投下により、その闘いは幕を閉じるわけではあるが…。とかく、所持する法衣の中で唯一5万円超えを果たす、破格的価値を有する彼を私は親愛を込めて呼ぶ。「ただいま、ロトの鎧よ…」だが、鈍色の輝きを放ちいつも私を迎えてくれた彼にあの頃の輝きはもうない…どころか、ところどころ白き斑点が…。これは…カ、カビだ〜!!! カピカピカピ〜! わかってはいた。どんな宝剣も放置すればいずれ錆付くのと同等に気づいてはいた。いずれクリーニングに出さなければならないとも思っていた。だが、誰が明日、必要になるだなんて想像できる…? 冠婚葬祭、訃報は突然。猿でもわかるヴィジョン(未来視)の予見を怠った、だがしかし、明日までになんとかしなければならないのだ!

 私がこの危機を脱するにあたっての顛末を描くには、ミヤギさんという老人を紹介しておかなければならないだろう。ご存知の通り、ベストキッドに出てくるあのよぼよぼの爺さんである。ミヤギさんは主人公のダニエルに空手の修行を始めるにあたり「ワックスかける、ワックスとる」とおよそ空手とは無関係に車の窓拭きを強要する。この両手の交互のアクションが試合で完璧に相手の正拳突きを封殺する防御法になるとは、映画ゆえんの笑劇的ノリととりあえずあなた方は一笑に付していてよい…。だが、私には笑い事などではなかった。なぜならこれは現実…。現実なんだ…。気づけば左手に聖水(ファブリーズ)を、右手に乾いたタオルを…。「ワックスかける」と吹きつけ、「ワックスとる」とカビの生えた患部をシャッと拭く。一体、何がどうなってこんなことになっているんだ…? 私はしかし、磁場の狂ったこの光景に演劇的要素を取り入れなければ、とても耐えられなかったのです。見知らぬダボの通夜などに何故このオレが…。行(生)きたい者だけが行(生)くるがよい…。姉さんにはこんな気持ち、一生わからねえんだろうな…。斜陽の遺書を気取りながら私はひたすらに世界を呪う。

 呪詛り、偽り、復讐し得ぬ無力を「この世界を愛してる!」と叫びながら『善意』に変え、脆弱、薄弱、無力、無能を、「ボクは人間のクズだ!あなたたちはボクのようにならず、幸せになってくれ!」と臆病な劣等を『謙虚』に変え、やむなく待たざるを得ない無残な現状を『寛容』と称し、悦に浸る。我々にとっては「社会的に」意味のある発言、行為など何一つ高揚をもたらさない。己にとって精神的に高低あるかのみが重要なのだ。危惧せよ、虐げられし者達! 我々は虐げられる!が故に、<<虐げている者たち>>を、彼ら(大多数は彼らが何者なのかすら定義づけできない。せいぜい、社会だとか世界だとか漠然としたものに還元する)がどれほど自分たちより社会的に貢献しているかの一切を無視し、「あいつは迫害者」と悪のモデル化を行う。「我々は悪に立ち向かう正義!」と己を鼓舞し、我々は正しい!と一種、視野狭窄に陥りながら対峙するこの構図! そして現況を変えられず、精神的によって【のみ】救われるこのダサさ! 病的です、据えた匂いがしますよ!

 ニーチェはそれを、ルサンチマンと呼んだ。
 (デブリ辞典 ルサンチマンの項より転載)

 私は形式のダサさを理解しながらも何故こんなことを続けるのか。そうしなければ保てない。一体、こんなこと…いつまで続けるの…? もう、やめて…。

 「だが断る!」(JOJO第4部)

 JOJO〜!!オレは香典を払うぞぉ〜!!(死ぬほど払いたくない…!)(ゴゴゴゴゴ…!)

 第2部:ドッキドキお通夜編に続く…!

2006年4月25日






4   よみがえる呪詛

 夢も希望も抱けぬまま、この地球と言うアルカトラズ収容所に不当な無期懲役かまされてる我々ことエヴァンゲリオンチルドレンですが、何一つ見出せなくとも勤労という強制刑務に服している以上、どうにも年間目標なるものを掲げなければならないらしくてね…。まあ、政治家の公約と一緒。何一つとして成しとげる気もないし、遵守する気もホールドニースメルチなわけでありまして、幾度となく受験し落ちている某資格試験合格を今年は適当に標榜したわけであるけれど、何度も受けているわけだし過去問を幾度も解いている輩と同等…あるいはラッキボーイであるところの私クラスであればひょっとしたら受かるのではないかという一筋の希望…いや、持ってるわけがないだろ、クソが、という背反した感情を伴ったまま、しかしながら希望を捨てられないお年頃なので、せめて受験するだけはしてみよう…とまるで学習しないまま当日を迎え、覚醒した私がスリップしたタイムは早、試験開始より数刻経った時空…。ここは一体、どこだ…? 認識はする。だが、本能は認識を拒絶…するわけでもなく、当然のこととして受け入れてしまう私がそこにはいた。伊達にデブリを長年名乗っているわけではない。この程度、想定内…。何一つ落ち込まない。何もかも足りない。さあ、もっと、もっと絶を! あらゆる地点から絶たれる処。そこが私の到達すべき点なのだ。遠くへ! 隔絶されよ、劣りし者。果てにある断絶! 希求している。ジンを手に! アル中は脱したのでは? 違う! 違うね! お前だけは違うんだよ…。縋るべき拠り所、その一点のみが特別でいられるオンリーワンだとでもあなたは言うの? きっとそう、あなたはそう、極点に至れぬとわかりながらも繰り返し続ける不毛なその虐。見苦しいわね。 でもボクは何も感じない。だから自由なのだし、あなた達には縛られない! だから、だからと叫び続けて幾千夜、重ね続け、 いつものように意識を失う。

「ラーマーヤナではインドラの矢とも伝えているがね。」

 そう、これが今、僕を貫こうとしているものの正体。 目覚めると始業時刻には間に合わない時間をとうに過ぎていて。 2日連続のありえぬ事態に頭は空に染められる。 これが毎日、職場でWEB ARCIVEを駆使して旧き良き時代のテクストを読み耽っていた僕に降りかかってきた災厄か。 仕事がクソのように暇で、ぬるま湯に浸かりひたすらに勤労からの逃避を繰り返してきた僕に訪れた困難な仕事。今、僕はあの頃の呪詛を蘇らせる地点へと到達しているのかもしれない。 根源から湧き上がる、もどかしくやりきれないあの負の感情は、消え失せたかと思ってた、 湧き上がることはなくなったと思っていた。 僕はもう大丈夫、ここに帰ってくる必要なんて二度とないんだって、思い込んでいた。 でも、なんてことはない、もちろん、全ては勘違い。あるいは気づいてはいたけれど、必死で見ないフリをしていただけなのだろう。今ならわかる。全部、わかる!  世界を変えたかった? 結局、変えられなくて自分が変わるしかないって頑張った?  どれも嘘。虚飾に満ちた、無為な奮闘。あなたの根本的な部分は何も変わらなかったし、今後も変わることはないし、 相変わらずゴミのまま、クソのまま、ラッキーだけで生き長らえちゃって安易に喜んでる。 それでいいってあなたは言い続けてきて。それでもどうにもならない状況に焦がれ、 そこにありもしない「本当の自分」を求め、虚飾に満ちた自分を演じ続ける。 未来はある? 考え続けている。ない、あるわけがない。 未来の見えない人間に、先を見出さず何もしない人間に開けた未来が訪れることがあるわけがないのだ。 わかってる。でも、どうすればいいのかはわからない。 動こうと指先に意志を込める。微動だにしない。身体は動けと言っている。 だが、意思が! 奥深く巣食ったあの劣等意識がボクの全てを阻害する。

2006年4月18日






3   結局、夢だからさ

 選挙に行かないようなヤツに政治を語る□なんぞない! という意見を目にしました。確かに私は産まれ出でてから選挙に行ったことがありませんので、政治に関して語る■はないのかもしれません。そりゃあ選挙に行ったかと聞かれると微妙です。少なくとも極上生徒会の選挙があったら「桜梅 歩」に一票入れるぐらいの参政意欲は持っているけど…。なあ、でも一体、誰がオレが選挙に行ってないだなんて証明できるんだ…? そんなこと指摘された日にはそれこそ、常々感じていたあの“オレは見張られている感”が現実になってしまいます。なあ、見てるんだろクソどもが! 出てこいよ! やり口が汚ねえんだよ、ダボども! さあ、勝負しろ! 沈鬱な面持ちでそう語る私を罵倒する世俗の輩どもの正論にはほとほと呆れる。「あなたの一票が日本を変える!」って、変わらないよ。変わるわけがない。制度として心を揺さぶりかける名言にはUNZARI。私が一生デブリであり続けるのと同じぐらいそれは変わらない。ああ、そうでっかぁぐらいにしか感じず、僕の心のやらかい場所には一切届きません。君たちが何を言おうと、でもオレはオレだから…。自殺幇助装置…! マーシトロン注入…!(天18巻) アカギさんが命を懸けてまで体現した通り、独我を持った人の心を変えることのどれだけ難しいことか、なあ、オマエラわかってるのか…? 郵政民営化なんてどうでもいいよ! と多くの人が思っている民意を声高に主張する政治家が何処かにいたとしたなら…オレ、投票しに行くよ…!約束だ…!(得票数50票の賛同民意(イエスより低得票の結果にまた絶望))

9月14日






2   デブリたれ!と呟き続ける

 最近は恋焦がれ、待ち望んでいた定時退社が叶っているため、これは罠だ!こうやって平和に見せかけて、俺を油断させ、またドン底に突き落とすための罠に違いない!と喚き、慄き、狂乱しているのですが、これが例え罠であってもいいじゃないか…。今はただ、安らかで静謐なこの刻を享受すればよい…と僕の中のポジオ君が脳下垂体に直に囁きかけてくるため、 よーし、パパ今日は好きなことしちゃうぞ〜と意気揚々家に帰ってきたのですが、 や、やることがな〜い! 少し前までは麻雀格闘倶楽部に生を見出す毎日だったのですが、 余りの資本の浪費っぷりにうんざりしたため、封印したのでした…。 そうなると、やることがありません。困りました。たかだか、ゲーセンに行くことを禁じただけで、 何もなくなる? あなたはどれだけやることがないの、デブリ? 僕の中の私が苛むのですが、 だって何もない人間だもの、しょうがないことでしょう?  そう、例えカタルシスに満たされようとも、デブリの本質は何も変わっちゃいなかったんだ…。 変わらない、変われない人間のクズことデブリでした! アディオ! あ〜、明日会社行きたくね〜!(病気)

8月31日






1   そして新たなる世界

 久々の更新となってしまいました。申し訳ございません。 ただこのサイトDay/3Hitとかなので、謝罪する相手がそもそもいるのかすら疑問なのですが…。 更新がなかった理由は、余りに深い絶望で最早、 汚物を撒き散らすことすら億劫になってしまったからです。 更新を再開する理由と致しましては、幸せに…。そう、私、救済されてしまいまして、 日課であった絶望で布団の上を転げ回ることができなくなり、 どうしようもないほど暇になってしまったから、もう一度ここで何か始めてみようかな…なんて…。 私からは鬱をぶちまける力すら損なわれ、今後は、いかに働きたくないかに重点を置いた日記を書いていくつもりで、見ている方々の希望に沿う文章は書かれないかもしれません。 まあ、自分のやりたいように適度に更新していきたい所存です。 それ、今までと一緒やん! それはともかく、とりあえず、改めてよろしくお願い致します。

8月30日






12   下劣の曙光

 枕に顔をうずめて必死に布団を握りしめる。 そうすることで希望らしき何かをつかみとろうとしていた。 何でもいいから自分にとって価値を感ずられるものを手に入れたかった。 それだけが、僕の望みだったのだ。 当然のことながら、初めからそんなものはなかったのだし、 天啓も訪れることはない。砂を握りしめるのと同じだ。 瞬間、手に入れることが出来た気になろうとも、 一握の砂は次々と手のひらから零れ落ちて、最後には一粒残さず消え失せ、 何もかもがすっかりとダメになってしまうのだ。 頭の中で喚き続ける否定と呪詛の声に堪え切れなくなった僕は うつ伏せのまま、頭の後ろで手を組み、祈りを捧げる。 依るべき神も、祈るべき対象も、何もかもを損ねてしまった今、一体、何を祈ろうというのだ!  どこに? 一体、何に? まさか…まさか、自分自身に? オイオイ、ちょっと待ってくれ。 悪い冗談だ。いくらなんでもそれだけは止めた方がいいんじゃないのか?  それは悪夢ですよ! 悪夢ですよ! 幾度そうして、幾度裏切られてきたのですか!  だけど、だけれども、…もうそうすることでしか、己が人間のゴミだとすっかり信じきっている 自分を信じるしか、逃れられないこと、わかってるでしょう?  どうやら、自分は完全に気が触れてしまったのではないかと思う。 遠くから俯瞰する自分がそれを告げてくれる。今、“此処”で祈りを捧げる自分はそれをまだ理解することができない。実際、いつ、何時、自分が気ちがいだと咎められようとも、最早何一つ反証はなかった。そうされるべきことで、そのような定義で僅かながらでも楽になるというのなら、 受け入れる覚悟がすっかり出来上がっていたのだ。

<<僕がこの境遇から逃れるために選べる道は3つある。いや、…3つしか許されていない! 山の手線に飛び込むか、全てをかなぐり捨ててホームレスになるか、一切の感情を殺してしまい艱難辛苦も感じぬ石になるかだけだ!>>

「そのどれもを受け入れることができないから、苦しみ続けるというのね!」

 全ての思想・行為に疑問を持ちながら、答えを探し、 それでもどこにも至れず、何もすることの出来ないクソ虫。 だから、お前をデブリと名付けたのだ! おまえ自身が認めたのではないか!  ようやく認めることが出来たのにお前はどうして! お前はどうして、 こんなにも未だに苛まれているのだ! 「そのどれもを受け入れることができないから、苦しみ続けるというのね!」 違う、希望を持ってしまうからだろう!?  ありもしない、どこかに待っているかもしれない奇跡を? デブリ破壊禄? いえ、まさか!  ここから抜け出そうとしている、あなたの下卑たその思想! 饐えた臭いがしますよ! この部屋はすっかりと悪臭に満ちています!  もちろん、全部あなたの臭いですよ! あなたが、悪臭の元なのですよ。 まさか、そろそろ足りたとでも思っているのですか! だったとしたら、そりゃ罪ですよ、 重罪ですよ! あなたのような宿便はもっともっと、苦しみ、嘆き、咽び、もがき続け、そして果てに 至った先で何一つ見出すことも手に入れることもできず、絶望しながら死ぬのです。 それだけが唯一の救いなのですよ! わかっているでしょう?   <<…わかっている、それが真理だ。僕自身が唯一破綻ないと信ずることができるすっきりとした解だ!>>

 「だからあなたは罪人だけれど、実のところとても正しいことをしているのです! 続けなさい! もっともっと! 生きるのよ、その苦しみを背負ったまま、解かれることなく一生、死ぬまで!  バカなデブリ! すっかり狂ってしまったのね!」

 そうして、また一層強い波が脳内を震わせ始める。 鬱波。長い付き合いだが、この飛来する瞬間の不快感にはいつまで経っても慣れる事はできなかった。

<<信じられるかい!? 僕は彼方から去来するこの波のせいですっかりダメになってしまったのですよ! 逃れることが叶わないなら、こいつらに敵わないなら、せめて、…せめて希望を殺せ、殺戮だ! 虐殺しろ! そうすることで、せめて失う苦しみだけは避ける事ができる。そうすることで、そうすることでしか、僕は続けていくことができないんだ。>>

「そのどれもを受け入れることができないから、苦しみ続けるというのね!」

 苦痛から瞬間でも逃れたいがために何かに縋り付いて時間を稼ぎ、磨耗され続けながら、 どれだけ惨めになろうとも僕は生き続ける。どれだけ悲惨で醜くともこれだけは言える。 死にたくないんだ! 死にたくない! 生きたいよ、生きたい! これも悲劇だと? あなたたちは? 笑うのですか? 意思を石へと! さあ、早く、早く! 僕が早急に目指すべき地点はおそらくは其処なのだ。それを認められるように未だに祈りを捧げる“最も内側の最もクソである自己”を叩き伏せるべきなのだ。やってしまえと己を叩く。やってしまえと己を叩く。まずはジンを飲む。 今は、喜びと希望を捨て去ることしか出来ないけれど、 きっといつか悲しみも絶望も何もかもを捨て去ることができるんだろ?  僕は信じてる。だから、飲む。意識を失うまでね! 飲み続ける! またそれか? だけど! だけれども! それでいいの? 本当にそれで? 偽りの希望の呪句。濁った液体に飲み込まれて消え失せる。そうすることで明日のまともを捨て去る。そうすることでしか保てない人間がいる、なあ、本当にいるんだよ…。

「何かと思ったら、また佯狂!? ウンザリよ、このにせキチガイ!」
「僕は結局、偽者なのですよ! 少しなりとも輝きが残ってるなら、絶対、こんなことになってない。 でもね、君がわかってないことが一つだけある。エセだろうと、続けていると本当にキチガイになっちゃうんだ…。ひどいことになっちゃうんだ。君はそれだけはまだ理解していない…。理解したら全部オシマイです! 何もかもオシマイです! だからもう話しかけないでくれませんか。僕は皆、大嫌いなのですよ。僕は大嘘つきなんですよ…。生きてるのが恥ずかしすぎて、もう会わせる顔もなくて、だから、だから…本当にもういいでしょう? そういうの。受け入れますから、何もかも。それで、全部上手くいくっていうなら、そうしますよ。信じてください。本当ですよ。」
「そのどれもを受け入れることができても、苦しみ続けるというのね!」

 頭がひしゃげ、割れそうに痛む。酒をまた一口飲み干す。 この絶望感の本当の果てに果てに、扉が見える気がする。 それが、劣等を超越した先にある、何かだと僕は信じきっている。なんだ? 結局、希望を持っているのじゃないのか? それが、お前を苛み続け、殺し続ける。それが、僕にとっての本当の悲劇なのだと理解しているにも関わらず、希求を止めることはできなかった。ずっと、ずっと、止めることができないのだと大悟すると、自然、双眸は涙に溢れ、何も見えなくなり、僕の意識も根こそぎ断ち切られる。 僕に今、できる、もっとも正しいと信ずられることはそれしかなかった。

7月4日






11   再びアル中、デブリの無限回帰

 いかなる時も付き纏い続ける、憂鬱と絶望と自己嫌悪から湧き上がる呪詛の声。 殺さないで!と叫びながら僕はジンの入ったコップに手を伸ばす。 違うだろ、誰がお前のような無価値な人間を殺すんだ? これは自殺じゃないんです、自殺じゃないんです、…て、主体がおまえ自身ならそれは自殺なんだよ。  酒か? 酒がお前を殺そうとしているのか。違うだろ! 少し考えればわかることじゃないか。 その手が…酒に手を伸ばそうとするお前のその手が、現実に耐え切れずすぐに逃避に走る その意思がお前自身を殺そうとしているのだ! 何故それがわからない。わかっているのにわかろうとしない?  止められないからですよ。何一つ止められないからですよ!  酒もタバコも自虐も仕事もデブリも…。何もかも止められないのですよ!  認めれば楽になった気分? いえ、いえ…違うね!  更に苛まれ、濃質な闇が心を覆い、塞ぎこんでしまうだけさ。 何処まで行っても後悔の連続で。でも、何一つ反省はせず、悔い改めようとしないから いつまで経っても楽になりゃしない。泣き言か? この泣き言さえせめて止めれば、 苛まれずに済むのですか!? 主よ! 跪き、何度も祈りました。僕は敬虔な信徒。 誰よりも願い、祈り、希求し、それでも一意に負荷は払拭されない。 デブリの神ではやはりダメなのですか?  救いを希求するよりも微塵も苦を感じ得ない強靭な心を養うべきなのですか?  だったら、だったら…! あなたは酷だ。そんな素養が僕に少しでもあろうものなら、 こんな風になってしまうだなんてあなたは思いますか!?  違うのですよ、それは間違いなのですよ!

 希望を絶望に! 夢想を悪夢に! 憐憫を自己否定に!  支えるは、僕を殺そうとしている、感情たちだ。正を全て負に変換し、 命を削りながら生き長らえている。どうして、再びアル中になってしまったのだろう。 意思で全てを叩き伏せ、もう大丈夫だと僅かながらの光明を見出した時、訪れるこの苦難。 なあ、僕はたとえ苦しみながらでも上手くやっていけるはずじゃなかったのか?  無理よ! 無理よ! 無理に決まってたじゃない!  どこかで破綻が訪れること、あなた自身わかっていたじゃない!  そうだ、偽りの鼓舞でいくら己を奮起させてもデブリを直視した瞬間、全ては瓦解する。 崩落の一途。そうして、至らぬ自己の力を補完するために、僕は…僕は伸ばしてしまったのです! 更なる偽りの力を得るためにあの魔瓶に再び!  僕はもう一度跪き、涙ながらに絶叫する。 「僕は弱い人間です。いや、最早、人間であると自身でも信じられませんし、 認めていません。確かに、僕はあなたに値しない存在です! ですが、悔い改めること、 どんな畜生にだって許されているはずでしょう?途絶えぬ呪詛の声、 昔は幾ばくは和らいだのですよ。 今は、…今はどうですか! 僕はただ、意識を失いたいがためだけにこの液体を口にしているのですよ! そうすれば瞬間でも自身を終わらせることができると錯覚できるからです! 死にたくない! 死にたくない! 消え去りたいけど、死にたくない! ねえ、もう僕はダメなのですか!? そこまで僕は至ってしまったのですか!?」

「解自。カイジ。自分から解き放たれる。いい、タイトルよね。至らないことを知りつつも、届かないと悟りつつも紛糾しちゃうそういう無駄な努力。私、とっても大好きよ。ゲジ虫。私が大好きと言っても、どこでもいってもお得意の自己愛なのだけれど」
「それ、言っちゃっていいんだ」
「メタよ、メタ。前提としてのクソみたいなメタ視点。だって、あなた、そういうの大好きでしょう?」
「大好きで、愛してて…。対象を何としても意味なんかないんだ。わかってる、時経るごとに 理解できて希望を潰させることができる、魔法の概念」
「捨て去りたいのに捨てることすらできない、クソみたいな自意識」
「僕は死にたくないんだ! 消え去りたいんだ!  正確には、僕に巣食うこの魔物どもを殺したいだけなんだ。後に、残った善なる自分。 こんな僕でも、上手くやっていけるんじゃないかって信じてるんだ」
「善なる自分って何? だって、あなたには初めから何もないのよ!」
「虚無論なんてうんざりだ! 無を望んでいるわけじゃない。僕だってね、何かを手に入れたいんですよ。見出したいんですよ。でも全部無くなる、全部無くなる!」
「最後に残るのは私たちだけなのよ。呪い続ける。大丈夫、一生、呪詛り続けてあげるから!」

 そうして、僕は最後に絶叫して意識を失う。
「何もかもおしまいですよ!」
 働かなければならない明日が訪れることがおしまいなのだ。 どれだけ終焉を願っても、終わらせることができない、この脆弱な精神こそがもっとも忌避されるべきものなのだ!  下賤たれ…! もっともっと! お前はこんなモノじゃなかったはずなのだから!  取り戻せ、暮れ果てろ、お前はこの場所で 誰にも相手にされないように自分を見張り続けなければならないのだ!

7月1日






10   それだけが僕を傷つける

 もうお終いなのだよ、といくら念じてみても終わることはない。 終わらせる勇気もないし、前に進むだけの向上心も持たぬ僕は延々とその狭間をたゆたっている。 生き地獄。これが、永遠に続くことも僕はどこかで既に悟ってしまったのだけど、 その理解が深まれば深まるほど、自己を苛む苦痛は増すばかりで安らぎなど訪れようにもない。 ダメなんだよ、どうしても無理なんだ。何をどうすればいいのか。見つけることはできない。 見出すこともできない。踏み出しても意味はない。踏み出すこともできない。 その気力すら日々を生きているだけで僕からは損なわれてゆく。 決断しても遂行できない脆弱な意思力、行動しても達成できない乏しい実行力。 何もできない。その一切の劣と抱えて生涯を過ごさなければならない。 何をどれだけ失ったのか、その喪失を認識するほどに、僕は損なわれていくばかりで。 脱したいとは思う。願っている。 でも結局、自分の求めているのは差し伸べられる救済の手なのだ。 この期に及んでまだ? 誰にも何も与えられぬゴミが、求めるのですか?  でもね。どれだけ、求めていても手に入ることはないんだ。だから、せめてそれぐらいだけは…!  その希望も、あらゆる一切も、なくなってゆく。 僕は逃げ続けてきた。嘆くことが何の解決にもならないことを悟りきりながら、 その行為を止めることもできない。不要な人間。ステージを去らなければならない。 苦渋にまみれ、指をくわえて己の崩落を見つめていることしかできなくとも、 続けていかなければならないのだろうか?

 何も持っていなかった。何かを手に入れたいとは思わなかった。何者にもなりたくなかった。 何者かになる必要性が感じられなかった。僕は僕であることの価値を信じて疑っていなかった。 全ては過ぎ去った昔の話だ。取り戻すことはできない。今はどうだ? デブリ。今のお前は何もないことの虚無感に恐れ慄いている。何かを手に入れたいと希求している。でも、自分の手の届く範囲で 何一つ手に入れたいものが無い現実に暮れ果て、嘆いている。 お前がもっとも忌諱していた人間に成り下がっているじゃないか! 一体、どうなっているんだ?  これも新しい自虐のバリエーションだとでも言いたいのか?  奮起させる言葉を言い聞かせる度に、至らぬ自分を省みて嘲りが心を覆っていく。 おしまいですよ。何もかもおしまいなのですよ! 違うだろ! そうじゃない。 既に終わっている。なぜ、それに気がつかない? もう一度、はじめよう。できると思ってるのか!?  僕は諦めだけは悪いんだ! 立ち上がるんだ! 鎚を手に取れ! お前ならできる! わかってる! 剣に鋤を! 乗り越えよ! 破砕せよ! 何者でもない僕に! 僕は僕を目指してここを脱獄するのだ!

3月29日






9   それでも行使に至らない

 考えることは一つだった。 起点がどうであろうと、最終的にはそこへ収束されていく。 どこにいても何をしていても、解放されることはありえない。 心の底から笑える日も、何もかもを忘れて解き放たれる日も最早訪れないのだろう。 もう、この粘ついた蠢く感情から逃れられることはないのだろう。 誰かに助けて欲しかった。油断するとすぐに弱さは顔を覗く。 どこまで甘ったれてるんだよ、クズが。 湧き上がる希望と希求を無理やりに叩き伏せる。 そうする度に大切な何かが損なわれ、 代わりにドロリとした負荷が心の奥底にへばり付くような感覚を覚える。 わかってる。自分が何とかしなければ一生このままなんだろ?  でも決まってるんだろ? 助からないんだろ?  悟り始めているのだと思う。わかりきっていたことではあるけれど、 未だに心の奥底では奇跡が起こり何とかなるんじゃないかという、甘い希望観測が 徐々に失われているのだ。 お前は何がしたいんだ? 脳内で囁く声。お前は一体、何がしたかったんだ? 僕は答える。 幸せになりたかったんです。あなた達はバカげた妄想だと嘲笑うかもしれませんが、 僕の望むことは本当に人並みの幸せだったんですよ。 でも、大丈夫です。諦めます。このクソどももすぐに叩き伏せますから、 もう少しだけ待ってください。なあ、黙れよ。無責任に頑張れだなんてどうして言えるんだ?  その度に絶望に打ちひしがれて朽ち果てて何が残ったんだよ。何も残らなかった。 こんな何もない人間がどこにいる? ここですら一人で消え失せても一人だ。好きなものも誇るものも何もない。 ここまでになってもどこまでも暮れ果て嘆きやがって。カッコ悪いヤツだな。 頭が軋む。ひしゃげそうな鈍痛に顔をしかめてうずくまる。救われない助からない生きている意味など何もない早く死ね早く死ね早く死ね死ね死ね死ね。 コイツらは一晩中、囁き続けるのだろう。 何一つ継続できない分際でこういったことにだけは粘着質だ。 逃れられるためには死ぬしかない。わかりきっている。 でも、死ぬ勇気すらない劣った自分だからこそ永遠と苛まれる。 打ち勝つための気力を奮い立たせるために命を削って己を鼓舞する。 僕は消耗されていく。でも、生き延びるにはそうするしかない。 そうしなければ保てない。偽りの夢や希望が心の中で湧き上がる。 とても素晴らしく甘美で…でも希望はそれだけしかないけれど、それだけは叶わない。 だから止めてくれ。もう一人の僕は泣き喚きながら、偽りの僕に訴えかける。 湧き上がったものは闇に飲み込まれ消え失せてゆく。違う、消し去りたいのはそれではない。 僕は無限じゃないんです僕は無限じゃないです僕は無限じゃないんです いつまで続ければいいんだ? 愚かしい延命。見出すことも出来ないくせに。滑稽だよ、デブリ。 ガラスの割れる音。僕のシールドは破られ、彼らが僕を傷つけにやって来る。 気力は使い果たした。もう耐えられない。命を削って彼らを押さえ込むのと、 心の中を跳梁跋扈されて傷つけられることと何の違いがあるんだ? 変わらない。濁りが溜まりきる。たまらずに僕は買い置きのウイスキーに手を伸ばした。 ビンに直接口をつけて一息に飲み込む。 溜まりきった濁りも、暗鬱たる想いも全て洗い流されたような錯覚に陥る。何も解決はしない。 わかってる。こう見えても僕は何でも知ってるんだ。 どんよりと酩酊してきた勢いそのままに布団を頭から被り、僕は自閉する。 今日を凌いだってまた明日があるんだ。お前だけは許さない、許せない。 それでも声が止むことはない。 いいからもう黙れよ。わかった、わかった。言いたいことは本当によくわかってる。 僕は君らに対して、こんなに理解を示しているつもりなんだよ? もう何も考えたくない。 だから今日だけは許してくれ。絞り出すその声もどこにも至らないし、届かない。 彼らが消え去ることを望んでいた。今はもう僕が消え失せてしまいたかった。

3月14日






8   早くいなくなればいいじゃない

 何もないことに耐えられなくなる。そこから産まれる感情はどこまでも絶望だらけだ。 それでも昔は平気だったのに、ただただ、苦痛と悲しみがひたすらに僕を苛み続ける。 これは代償だ。わかっている。瞬間の幸せを手に入れてしまったが故の罪悪なのだ。 手に入れた代償以上にあらゆるものが根こそぎ奪われていく。 罪憑きが! 幸せになれるかもしれないだなんて希望を抱きやがって。クズ。死ねよ。消え失せろ。 耐え忍ぶしかない。張り裂けそうな胸を押さえて深呼吸する。 でも治まることはない。それもわかりきってる。これは一生付き纏う類のモノなのだ。 損なわれてゆく。失われてゆく。どれだけ無くなっていくのだろう。 訪れる暗澹たる未来を想像すると逃げ出したい衝動に駆られ、 でも、逃げる場所ですらもうないという事実にただただ真っ暗な部屋の隅で塞ぎこんでしまう。

 壊れる。嫌だ。壊れたくない。助けて。あなたの意思なんか関係ないのよ。 でも、それでも。悟れ、黙れ。 僕は決めたのだ。苦しくないとはとても言えないけれど、自分から湧き上がる苦しみ、 呼吸をするだけで降りかかる苦しみ、行為の結果、訪れる苦しみ、そのいずれも全て受け入れようと! 結果、何もなくてもしょうがない。実際何もないのだろう。でも想い続けろ!  いつか僕を願いの叶う場所へ連れてって下さいと。訪れぬモノを願いつづける以上、 退路などないのだ。闘い続ける。いつか、自分に自信が持てるように。 一生無理よ。うるさい、黙れ。それでも、それでも。

 ふと、死んでしまいたくなる。消えてしまいたくなる。 憐れみの感情が心の中に広がり続ける。 どうしようもない孤独感に押し潰されてしまう。 願うことも、愛することも、何の意味もないし求められてもいない。 自分の価値のなさをこうして確認したいだけなのかもしれない。 そうすることで安心するから。希望が絶たれていくことで、 もう求めなくてもいいのだと諦めることができるのだから。 心の中が濃質な闇で塗り潰されてゆく。僕は全てを叩き伏せなければならない。

3月10日






7   その想いも何ら影響を及ぼすことは無い

 昨日は起床直後に脳内警鐘を促がすラプラスの魔ゴッコが 自動的に始まってしまいまして、「魔が…来る…!魔が…!」と 布団の上でのた打ち回っていると、会社イキタクナイナイ病が更に悪化してしまい、 湧き上がる絶望感から心の風邪をひいてしまいました。 心の風邪と言うと聞こえはいいですが、要約すると負け犬宣言です。負け犬め! うわぁ、認めちゃったー。もう限界! タップタップとギブしたところで、 一向に自意識を締め上げる力は緩まる気配がありません。 世界意思はどれだけ許しを請おうと容赦なく牙を剥き、我々に襲い掛かってくるのダ! そんなこんなな他の追随を許さない底辺レベルでの鬱闘がありまして、年明け初の有給を消化してしまった次第ですが、会社を休んでも何一つ、何一つ!やることがない自分を省みて 一人家でまた絶望する始末。 会社に行ってもヘコむし、会社を休んでも落ち込む。八方どころか万方塞がり。 見渡す限り、巨大な壁に囲まれて抜け出すことができない気分です。ああ、空があんなにも遠いよ…。 そうか、これは井戸か! 自意識の井戸なんだ!(ハルキ的発想) 病状は悪化する一方です。絶対に逃がさないからな。その底で膝を抱えて体育座りしていると、 そんな声が聞こえてくる気がします。ああ…私はどうあがいても、ヤツラから逃れることはできない。 余りの無気力っぷりにいつものごとく、こんなことでいいのかと思い悩みます。 もう逃げ場などない。貴重な有給休暇を使用し、できたことといえばとっくに明確となっているコトの事実確認。やってしまえと己に囁く。やってしまえと己を叩く。超越せよ!跳躍せよ!打擲せよ!

3月9日






6   衝動、破動、壊動

 最大限に破壊せよ!とシグナル化された明確な波形を持つ鬱波が襲い掛かる。 もちろん、それが訪れるのはいつだって突然だ。理由を考えたり、数え上げていたらキリがない。 さあ、ビッグウェーブの到来だ! 今回も派手に凹もうぜベイビー!  だが、そうはいかない。過呼吸と胸の痛みに堪えながら、僕はそれでも! と意思を持って立ち向かう。僕は成長したんだろ? こんなもの…! こんなもの…! いつまでも脅えて部屋の隅で丸まってばかりだと思うんじゃねえぞクソが! 超越せよ! 克服せよ!  あらん限りの罵倒と克己の言葉で僕はそれを迎え撃つ。 負には邪。この考えは誤っているのだ。 それは平穏で包み込み浄化させなければならない類のモノであるのに、 僕はより大きなエネルギーで叩き潰そうと試みてるのだ。 毎度ながらご苦労なことです。両者の勢いはとどまる事を知らない。

 救われたかった? 救われたかったです。今もそう思ってる? 思っています。 あなたの人生を台無しにしたのは誰なの、わかってる?  僕です、僕自身です、僕が全てを終わらせました。 だったら随分と自分勝手な話じゃない?  僕は自分勝手なんです、だから誰もが離れていくのです、 でも、もういいかもしれないと思ってもいます、あなた達のおかげです、 そういう意味では僕はあなた達に感謝した方がいいのかもしれませんね。 嘘つき。はい、そうです、僕は未だに焦がれ、どうかその憧れの中へ 僕を連れてって下さいと希求し続けている。それが最大の罪なのね?  これを罪と呼ばずして誰を罰せられるというのですか!?

2月24日






6   僕は何度も殺された

 よく聞けボンクラ。お終いなんだよ。潰えてるんだよ。 これ以上許すわけにはいかない。僕が、僕だけが! その扉に手をかける。 どうしてもそこには踏み出せない自分。 踏み込むことができない自分。過剰な自意識がそれを阻害し続ける。 今度はどれだけ引きずるんだろう。想像するだけでうんざりした。 自分がこんがらかっている。幾人もいるあいつ等のどれが自分なのか区別がつかなくなってきた。 本当はあの中に本来あるべき自分が隠れているんじゃないかって、そんな幻想まで抱く始末だ。 ただ、ただ、逃げ出したい願望が生み出す都合のいい理屈。ダメだ、僕は弱っている。 ただでさえ、弱く、醜く、劣っているにも関わらず落ち込んでいる。 スーパーネガティブ。あらゆることが終わっているとしか考えることができない。 それでも、逃げ出すわけにはいかない。踏みとどまらなければならない。 ここで逃げてしまったら無駄だらけだった人生ではあるけれど、 その全てを否定したことになってしまう。自分がいくら否定されても構わないけれど、 その行為はこんなゴミのような自分に関わってくれた周りの人たちをも否定したことになってしまう。 僕はそうしたくはなかった。強迫観念だけが僕の体を突き動かす。 もちろん、そんなことは誰も望んじゃいない。わかってはいる。それでも、ね。 自分の成してきたことに何らかの意味があると勘違いしたい年頃なんだ。許しておくれよ。 もちろん、決議は満場一致での否決だ!  扉を開くことはできない。鈍重な鉄の扉の前。うずくまり、咽び、跪き、許しを請う。 声が遠ざかる。皆が僕から離れてゆく。

 自身をどれだけ否定してきたのでしょう、もう記憶にも残らない。 十年以上も続けてきた行為の果て。至るのはいつだって深遠なる虚無の海と 深淵なる絶望の沼の底でした。もがこうとすればするほどより深いところへと引きずられていく。 不意に、ここから脱することができそうな奇妙な超越感に襲われることがありました。 しかし、これも彼らが仕掛ける最もスタンダードな罠の一つで、浮き上がり、ここから 這い上がる半ばでいつも否定の呪詛に、おぞましい現実に叩き潰され、 結局のところ僕はより深いところへと沈んでいくだけだったのです。 積もり積もっていくその負荷を罪と呼びました。僕は罪憑きです。 全ての行為はそれを積み上げるだけに終わり、また自我の中で自律的に 増殖していく廃棄されるべき濁りでした。 彼女の幻影に縋り付き、許しを得たいとも。また、求めていました。 それもまた、同様です。 満たされる、どころか僕は終息に向かい消失していくだけなのです。 思えば思うほど、願えば願うほど、世界と離れていくような気持ちになるのです。 それでも僕は、最後に僕は…。穢れが体を覆いつくす瞬間が近づいている。 僕の死は自然死ではないのです! これは殺人なのです。  だって僕は僕自身に殺されてしまうのですから! それでもこの結末を自殺と呼ぶのですか!?  意識が飛ぶ。何もかもわからなかった。 力を振り絞り、託したい物語ですら誰にも届けられないまま終わる。

2月23日






5   訪れてしまう前に

 前向きな自分をイメージしてみる。 あらゆる物事をポジティブに捉え、活力に満ち溢れ、 開けた未来へ向かって突き進む自分を想像してみる。 瞬間、想起する間もなく儚い砂嵐だらけの映像は 彼らが引き出す膨大で鮮明な負の映像に切り替えられ、 頭の中で幾つものシーンが展開される。 これでもか、これでもかとでも言いたげに。 繰り返してきた失敗。犯してきた過ち。瞳を閉じても逃れることはできない。 僕は消えてしまいたくなる。それでも、逃げ出すわけにはいかない。 これが、僕なのだ。どれだけ、苦しかろうと辛かろうとこれは行われなければならないことなのだ。 勝てるわけがない。それはわかりきっている。 しかし、僅かながらの可能性に賭けると決めた以上は劣った自分を見つめ続け、 果てに何もないと悟りきりながらも僕は継続していかなければならないのだ。 また繰り返す。立ち上がっては叩き潰されまた塞ぎ込む。 そもそも僕はどうして続かなければならないんだ?  それも考え続けている。理由なんか果たしてあるのだろうか。 もう何が何やらわからかった。考えたくも無い。でも続けなければならない。 意義すら感じられない使命感と束縛と罪悪感が僕に纏わりつく。 粘度の濃質な闇。徐々に体を蝕んでゆく。

 僕はやっぱり逃げるべきで、ここから去るべきなのだと思う。 そうすることがどうしてもできない。僕には余りにも何もないから。 他の人が持っているであろう、ここではない自分の存在が許される場を何一つ持たないのだ。 そして僕は、もうここにいることを許されてはいない。 勘違いでも被害妄想でもなんでもいい。自分自身が告げているのだ。 しょうがないことじゃないか。 捨ててしまえ。消え失せてしまえ。誰もが望んでいる。おまえ自身も望んでいる。願ったり叶ったりじゃないか。このゲジ虫が!  自分の妄念から逃れられる瞬間は一時たりともない。僕は疲弊していく。 命が磨耗されていく。ありありと感じる。 お笑いだな。幸せになるためには結婚だなんて言ってったっけ。 自分の中の魔物どもに殺されてしまいそうな人間が誰を支えられるんだ?  誰を守ってあげられるんだ? そんな自分の愛になんの価値があるんだ。 誰が喜んでくれるっていうんだ? 頭がおかしいんじゃないのか? デブリ。  自分のことで精一杯どころか、死力を尽くしても僕すら保つことができない。 こんなゴミですら? 本当に自分が嫌になる。 大事なものがどんどんと消えてしまう。身が裂けてしまいそうな喪失感。 叶わない夢を見て、瞬間で否定され霧散され、僕はいつものように 布団をかぶりながら訪れることの無い救いを希求する。 いつものようにヤツラの呪詛が頭の中で響き始める。 薄っぺらい心のシールドは破られ、 僕はこれ以上なく、自分がいかに終わっている存在かを認め、力なくグッタリと横たわる。 跳ね返せ! こいつ等の抑圧を跳ね除けろ!  デブリであるところの自分から生み出されたこいつ等など僕の敵じゃない。 大したことがないはずじゃないか。そうだろう?

「でもあなたは私たちにですら打ち勝つことができない。 強靭な意志の力があれば、消え失せるはずの私たちをかき消す力すらない。 ねえ、どういうことだかわかる? あなたは望んでいるのよ。私たちの呪詛を。 否定を。そこから生み出される絶望を。」

 ああ、そうだ…。僕は望んでいる。この負荷さえかき消されて平穏となってしまったら 僕には本当に何もなくなってしまうから。これだけ苦しんでも、ここに居座り続けているのは、 いつか絶望が払拭され抜け殻のようになってしまう自分が何よりも恐ろしいからだ。 空っぽな自分を恐れてそれを絶望で埋め尽くすだなんて。 余りにも愚かしくて滑稽で、頭が狂ってしまいそうだ。

2月23日






4   もう戦いですらない。リンチ。私刑。

 どこまでいっても自分一人なので、いくら思考を重ねたところで 有意義なことは何一つ生み出されない。 自分が望んでいることは全力で努力した結果、残る徒労感であり、虚無感であり、 不幸であり、嘆き、悲しみ、苦しんだ末にある何かを超越したものだと言ったことはあるけれど、 あるけれど…どれほどどうしようもない思想なのだ、 人間なのだろうと思う。 誰もが僕の不幸を望んでいる。誰もが僕に空気であれと唱えている。 誰もが僕に何もすべきではないと願っている。 俯瞰しろ、傍観しろ、達観しろそして死ねゴミが、と。 あらゆる出来事が一連のメッセージ性を帯びて、そう訴えかけてくる。 無を負へと変換してしまう、この自意識に感心すら覚えるけれど、 それでもやはり自分自身こそがこの世でもっとも忌むべき存在であり、 内から湧き上がる自分自身への悪意を処理することができない。

 あらゆる実行までの距離が途方もなく遠い。何もできない。 想うことすらできず、願うことすらできず、閉塞していく。 もう生きていく意味はないと思う。様々な束縛だけが僕を生かしている。 いいことなどもう何もない。幸せは訪れない。多幸感を感ずることはもうない。 諦める努力、明らめる努力。誰にも認識されるな、顔を伏せろ。 下を見つめて、それでも周囲に迷惑をかけることなく歩け。 本当にもうどうにかなってしまっているのだと思う。 世界に向けられるべき生きていく上で必要量、発露されなければならない悪意が全て 己の中を駆け巡る。 壊れろ、破砕されろ、せめて暮れ果てて死ね。

「どうする? どうする? どこまでいってもあなたは否定されるの。どうする? 否定され続ける。耐えられないでしょう、どうする? どうする?」

 声を止めることはできない。

「本来ならゴミのように生きていくことしかできなかった人生なのに、あなたは類まれなる幸運を持っていたから、たとえ瞬間でも幸せを感じることができたのでしょう?  これ以上、何を望んでいるというの? 私たちからの脱却? 逃避?  あなた、気づいていないだろうと思うけれど、それこそが最も際たる自分自身の否定なのよ?  これには気づいてた? ねえ、デブリさん。私たち、あなたに死んでもらいたいの。当たり前でしょう? 何のためにこれだけの手間と負荷をかけてると思っているのよ。 それ以外の目的があるわけないでしょう。死ね、クソ虫。私たち、もうあなたの中にいることに耐えられないのよ。ねえ、私たちを倒せるだなんて本当に思ってる? 上手く共存してごまかせていけるだなんて本当に思ってる? できるわけがないじゃない。頭がおかしいんじゃないかしらね。 それもあなた一人だけでだなんて、笑っちゃう! それ、最高にイカしてるわね。 誰かに救いを求めるの? 助けてくれる人なんているの?  そんな人いないことぐらいあなたはもう充分に分かっているし、 いたとしても、持ち前のそのうざさっぷりを如何なく発揮して見捨てられる。 それも、一つの最高のショーではあるからできるものなら構わないけれど。 私、未来が見えるの。 あなたのそういう不幸に関してだけの未来であればね。 試してみたらどう? アハハ! そうよ。 もうそんな気力も残ってないこと知ってて言っているのよ。 少し、期待させちゃった? ゴメンね…」

 いつまでも、いつまででも脳内で響き続ける声。僕は体を丸めて心臓を押さえながら耐える。 何一つ防ぎきれていないし、その闇の侵食を食い止める意思力はもう僕には残されていない。

2月22日






3   君が生きていることは迷惑をかける方が多いんだよ。

 何一つ決断することが出来ない。自分の中のもう一人の意識に「今、何をすべきか」と投げかける。彼も決断することができないので、更に意識を分散させもう一人の彼に同じ疑問を投げかける。 それが延々と脳内で繰り返される。頭の中がたくさんの意識でゴチャゴチャになる。私たちは誰一人決断することが出来ない。何もできない。戻り値も実装もない再起関数のように意識の奥深くで無限ループして、いつの間にかそれは消え失せる。答えが出ることはない。

「要するに君が生きていることが迷惑なのだと思うよ。誰にも必要とされていない、 無害であることはあるかもしれないけれど、存在していることで決して正の方向へ働くことがない。 そういう人間のことをなんていうか知っている? 不要っていうんだ。デブリっていうんだ。 さあ、呟いてごらん? 繰り返してごらん?」

 そうだね。君の言うとおりだと思うよ。 同じようなことをあの手この手で君は語ってきたわけだけど、 僕には何もない、何もしたくない、何もできない、消え失せたいと言いたかっただけじゃないか。 それをいかに複雑に語るかが問題か、だなんて言ってもいたけど、本当にもうさぁ…求められてないんだよね、そういうの。うざいから。 立ち直れていないわけではない。僕は元の状態、あるべき姿に遷移しただけだというのに何だろう。 ただ、この喪失感に慣れない。いつか慣れてしまう日は来ると思う? 慣れてしまった時に、本当に僕は終わってしまうのだと思う。僕は今、ビルから飛び降りた中空にいるんだ。 崩落を終え、叩きつけられた瞬間がその時なのだろう。 僕は必死に救いを求めていた。しかし、 僕の落下にさえ、誰にも気づかれず終焉を迎えてしまうのだろう。 それもしょうがないことなのだと思う。 誰かに頼って、甘えて、搾取して、迷惑しかかけず、自分自身が与えられるものは何もない。 誰もがいなくなって当然じゃないか。 何が魔物だって? 本当は僕本体がもっとも性質の悪い魔物なんじゃないのか?

2月22日






2   乗り越えてまで生きている意味があるのだろうか。

 自分を蔑めば楽になれる気がするんです。 今の自分が、本当の理想とする自分から余りにかけ離れているから、 徹底的に糾弾することでこれが本当の自分だと認められる気がしたのです。 そうして辿り着いた場所から、新たな自分を発見できると勘違いしていたのです。 誰に言われなくとも、それが間違いだとは気づいていました。 私の存在そのものが過ちそのものですからね。仕方の無いこと、 だとは決して認めたくはありませんでした。しかし、いつまでも子供のように 駄々をこねているわけにはいきません。 到達した地点で待っていた自分は想像以上に醜く、劣った矮小なウジ虫だったのです。 自分が一人で生きていけるものだと勘違いして上京してきましたが、 大阪に飛ばされた時にそれが間違いであると気づかされました。 私は生きていくために他人を必要としなければならないと気づかされましたが、 私自身はつまらなく価値のない人間なのです。 社会に興味が持てず、勤労に喜びを感じられず、趣味さえ見つけることができない人間なのです。 私は私の周り全ての人を愛しました。 そうすることで、私に欠片でもいいから価値を感じてくれるのではないかと思ったからです。 自らでそこを逃げ出したこともあれば、捨てられたこともあります。 きっと、どうしようもないことばかりで私にはどうすることもできないことだらけ だったのでしょうけど、ひどく悲しかったです。慣れることはありませんでした。 私の劣等証明が為される度に私自身の心の負荷は積もっていったのです。 祈りました。今でも祈っています。どうか、私の周りの知りうる全ての人たちが 幸せになってくださいと。 そのためならば、自分にできることは何でもするという覚悟を持ちながら。 自分が必要とされることなど一生ないとはわかっていますが、それでも願わずにはいられないのです。 私のようなクソ虫と少しでも関わりを持って、接してくれた方々には時間を無駄にさせたと 申し訳ない気持ちでイッパイです。

 私のような人間が前向きになることは間違っていたのでしょうか。 明るくなりたかった。ささいなことで笑いたかった。 それが許されない場所へ自らの意識に追いやられ、 命がどんどんと削られていくような感覚で毎日を生きています。 心臓の痛みは鈍痛から激痛へと変わり、耐え難いモノとなりました。 生きていることはつらかったです。 私は自身を見捨ててしまった今後の人生をどう生きるかについて考えました。 いつでも、どこにおいても考えました。 見つかりませんでした。生きている意味も、やるべきこともできることも何も。

 結局、僕には何もない。 とうの昔に出ていた結論を今更のようにこんな形で宣言する自分に笑っちゃうけれど。もう、この牢獄から抜け出すことができない気がして、どうにかなってしまいそうだ。

2月22日






1   さあ、全部

 なくなってゆく。それそのものは仕方の無いことかもしれない。 ここにいる理由も最早よくわからない。本来はもう去るべきなのだと思う。 ここにいてはいつまで経っても呪縛からは逃れられないのだし、 執着も捨てられないだし、実際は辛いだけ。 永遠はないけれど、永遠に近いその距離がもう縮まることはないという自分の達観が辛い。 壁の向こう側の…というそれはただの願望か。 馬鹿げてる。いつまで経っても居座り続けているのは、 ここ以外にもう居場所がないからなのだろう。 一番大好きなことは、酒を飲みながらダラダラとくだらない話をすることだけ。 なのだけど友達は絶望的に少ない。

 幸せになるためにはどうすればいいんだろう、 そもそも何が自分の幸せなのだろうと考えたりするわけだけど、 多分結婚なんだろうなあと漠然とは思う。 自分に何もないから。楽しいと思えることも少ないし、 趣味もないのだから、だから自分の好きになった人が幸せになってくれれば、 自分も幸福感を感じられるだろうなあとか思ったりはする。 そのためであれば、ゴミみたいな僕だけど、精一杯その人のために頑張れる気がする。 要するに、またお得意の誰かに何かを求める依存的なクソみたいな観念だ。 んで、まあ、仮に願いを叶えるとするならば、 そのためには恋人とやらを探さねばならないのだろうけど、 笑っちゃうほど狭い交友関係に女性の姿は欠片もないし、好かれることもないのだと思う。 誰かを好きになることももうないのだと思う。 というよりも自分から誰かを好きになったことなんてないんだ。 理由はわかっている。二十歳を過ぎてからようやく気づいた。 だって、自分に自信のない人間が誰に自分と付き合ってくださいって言う資格があるんだ? 誰が何もない人間に魅力を感じるっていうんだ?  んで、まあ、ダメダメと。結局、いつものように閉塞していく。 いつまで続くんだろう。きっといつまでもだよ、お似合いだね、と自嘲的に呟く。 自分の中に住む魔物が僕の中で囁き続ける。 僕は自意識の深い海の底で呪詛と否定と罵倒を浴び、もがき続ける。 ただ、ここから連れ出してくれる人をずっと待っている。 助けを、救いを、ずっと求めている。それじゃあ、このまま終わってしまうんだろうという確信。 本当は自分一人の力で抜け出さなければならないんだ。 だって、僕は笑っちゃうほど一人なのだから。耐えられないほど一人なのだから。 死んでしまいそうなほど一人なのだから。 自分しか自分を心配してくれる人はいない。 恐ろしいまでの孤独感。 この負の螺旋から抜け出すために、じゃあ、どうすれば、何をすればいいのか。 ずっと考え続けている。そのことばかり考えている。結局わからない。 僕はいつかこいつ等に殺されてしまうのだと思う。

2月22日






OP   

 ただの劣等証明だろうが、クソ虫が。お前の生きている価値も理由もそれしかないんだよ。どれほど前に学んだ? まだわかっていないのか。知ってるよ。僕は答える。だったら、なぜ諦めないんだよ。見苦しくキモイんだよ。自分でも思ってる、君が思っている以上に僕は理解しているのだと思う。君にわかるかい? 目標もなく、これから先、何もないんだろうと自身で決め付けた上で希望を抱きながら未来がまったく見えないこの絶望的な気持ちで毎日を過ごすことの苦痛がどれほどのものか。現状に満足して意思を貫いて、終わる。それではダメじゃないかと確認した上で、気づいた時には手遅れになっている。ただの油断であり、あらゆることが勘違いだった。そういうことなのだ。全力は出し切った。それでも終焉はやってくる。何度でも繰り返すのだろう。それは、それで。昔は何もかもを諦めたくなかった。今は、もう何もかも諦めたい。それでいい。それが最善なのはわかりきっている。それが最大の願いだ。クソみたいな自意識が蠢き続ける。負荷が蓄積されていく。消え失せろと何百、何千回も言い聞かせた。それでも消え失せないことにもううんざりしている。諦めろ、ゴミ。何度でも言ってやる。諦めろ、ゴミ。何度だって。何度でも。毎日、ボロ雑巾のように必死で働いて。それでも、苦痛も葛藤もまるで評価されることなどない。一生ない。なんだよ、褒めて欲しかったの、無能君? 違うよ。できて当たり前のことがとてつもなく苦痛だと感じる自分自身にどうしようもなく嫌悪を覚える。ただ地べたを這いつくばっていればいい。わかってる。それでも、劣った自分はこの負荷にもう耐えられそうにない。ただ、それだけのこと。誰しもがどうでもいいこと。僕の中だけで完結すればいいだけのこと。

 なんでこうなっちゃったんだろう。僕には嘆く資格すら本来無い。幾つかのこの状態から抜け出すためのチャンスを与えられたくせに、それすらドブに投げ捨てたゴミに何の権利が残っているというのだろう? 何もないよ。後はただ証明を繰り返すだけ。 なんと強大なのだろう。僕には無理だ。 こいつらを止めることができない。気力がない。ただ定時まで仕事することですら苦痛なのに、 こんな問題まで抱えてしまってもうどうしようもないと思う。 ひたすらに心臓が痛み続ける。死んでしまう。ただ、許してくださいと誰へでもなく、願う。 届かないことなんてわかりきっているのに、それでも。 頭の中を凄まじい勢いで駆け抜けてゆく映像。脈絡のない僕を否定する言葉、言葉、言葉。 どうすればいいのだろう。何もわからなかった。考えられなかった。思考を放棄したいのに、 何もかもを放棄したいのに、彼らは僕を一時も解放してはくれない。 部屋の隅で頭を抱えて震えて時を待つ。通り過ぎることのない嵐から逃げ出すように。

 夜、身を包む劣等感と敗北感にのた打ち回りながらロクに眠れず、朝、絶望感を抱いて出社して夜遅くまで働いて。何の希望も持てない毎日をただただ機械のように繰り返す。それでいい、ともう思っている。思ってしまっている。だって、しょうがないことでしょう? この言葉に至りたくないが故に、色々と試みたけれど。そのどれもこれもが状況を更に劣悪させてしまった今、もう諦めざるをえない。 それが君の出した結論なんだよ。 頭の中の魔物たちが何千・何万回も僕にしか聞こえない声で囁き続ける。 抗うこともできず、声を止めることも僕にはできない。 ただ、絶望の海の底で体を小さく丸めてもがき続けることしかできない。 消え失せたい。死にたいのではなくただ、この世界から消え去りたい。 殺してやる。湧き上がる殺意。お前は死ぬんじゃないんだ。 僕が、俺が、誰でもない自分自身の手でお前ら全員殺してやる。 頭の中に巣食う魔物たちへの宣戦布告。誰も介在しない、 誰も知る由のない孤独な戦争。いつまでも続く。果てなく続く。 僕自身が終わるまでこの戦いは終わらない。 僕は病気だ。認めよう。だから何? 認めたところで、状況は変わらない。 会社にいるだけで毎日、疲弊して心臓が痛み、頭がボーっとして吐き気がしてくる。 誰でもできていることができない人間は頭がおかしいんだ。 僕はできない。社会人生活2年が過ぎても、勤労に価値も達成感も感じることができないゴミなんだ。

 要するに捨て去れない。馬鹿げてる、お笑いだ。 僕は世の中のことほとんどに執着はないのだけれど、 というよりも執着したところで手に入れることもできないし、叶うこともないわけだけれど、 だから何もかもを捨て去っていつものようにお得意の懺悔を嘆きながら 塞ぎ込んでいればいいわけだけれど、 それでも…彼女のことだけはどうしたって振り切ることはできない。 治癒しない傷口を抉られるような心の痛みにどうしようもなくなってしまう。 だが、縋るべき拠り所はそれだけしかない。それが問題なのだ。 そして同時に起因であることに苛まれ続ける。でたらめだらけだ。 救いを希求してしまった。僕のようなデブリが多幸感に包まれてしまうなどという 誤った現象が継続するわけがなかった。 それが故の苦しみ。負荷が一つ増えただけ。今更、何を思い悩むことがあるんだい? デブリ。 僕はもう会わせる顔がない。その人の前で塞ぎこんでしまった自分を回顧するだけ で自身にうんざりする。 僕がかろうじて他人と接触できる場へ行くことすらできなくなってしまう。 世界から切り離されていくどうしようもない感覚。 そんな自意識にも、こうなってしまった現状にもあらゆること何もかもに 頭を抱えて憔悴してしまう。 僕は誰かを守る王子様になりたかったのだ! それだけが僕の望みだったのだ!  そこで勘違いしてしまったのだ。本当に申し訳ない。幸せを願う。 うんざりするぐらいに何度も言ってきたけれど、誰にも求められていない。 僕はいらない人間だ。自虐でも何でもなく真摯に自分を見つめた上でそう思う。

 僕は結局、一人だ。ゴミはゴミらしく。誰にも相手にされないようにこの場所で、 自分を見張り続けなければならない。

2月22日






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