BLUEIII  ロックンロール ジー・クン・ドー

BLUEIII 誕生前夜 高校時代 

− 仲間たち −



その、初コンサートの噂を聞きつけたのかは、知らないが、ぜひ俺に会いたいって、友達から一人の男を紹介された。

そいつが、一学年下のアキヒサって奴で、ブラスバンド部で、パーカッションを担当していて、エレキも弾いて、かなり上手いらしい・・・。
早速、そいつの下宿先へ行った。

そいつは、レスポールを持ってて、ちょっと弾かせたら上手い!
音楽の趣味もハードロックとか合うし!
そいつは、同じく俺の一学年下のヤスハルって奴と、ヨシイチって奴と、バンドもどきみたいなもんを、やろうとしていたらしい。

この頃俺は、ギターをやるのと並行して、美術部を辞めて、陸上部に入っていた。
なぜ?陸上部かって言うと、体育の時間に、俺、走り高跳びで、スゴイ跳んだんだよね。で、陸上部の奴から
「こんなに跳べたら、県大会夢じゃないぜ」
って言われたから、ツラれて・・・。

しかし、本当の理由は、この頃、俺、好きだった女の子にフラれて、とにかく”走りたくなった”のね。
 それと、やっぱり、今の生活に足りない”何か”を、探したかったからだ。

で、さっき話した、アキヒサの友達のヨシイチって奴も、同じ陸上部の奴で
「あれ?お前、ギター弾けるんだ」
って、びっくりだったね。

で、アキヒサは、はじめっから下宿に俺を呼んだのは、俺をバンドに誘う作戦だったらしく
「バンド、やりませんか?」
と、直球で切り込んできた。
俺もその場で、即答!
さっそく、適当に、レパートリーをキメて、みんなで合わせようと言うことになった。

真夏の、すごく暑い、夏休み・・・。
パートは、俺とアキヒサがギター。ツインリードギターだ。
そして、ヤスハルがドラムで、ヨシイチがベース。

夕方の美術部部室は誰もいないから
「あそこでやろう」
と、勝手に許可も取らずに、楽器を美術部部室へ持ち込んだ。

忘れもしない。「スモーク・オン・ザ・ウォーター」
初めて、バンドで合わせた演奏・・・。

もう、シビれたね。
ライヴをやるため、とか、成功したいから、とか、女にモテたいから、とか、そんな事は、全て無縁。
ただ、音楽好きな奴が、楽器を買って、音を合わせる・・・。
もう、そんだけでサイコー!みたいな・・・。
ホント、バンドの原点みたいなもんだよ。
純粋なさ・・・。

もちろん、その後、美術部室から追ん出されて、お叱りを受けましたが・・・。




TOP        BACK