BLUEIII  ロックンロール ジー・クン・ドー

BLUEIII 誕生前夜 高校時代 

− 勝利くん −



 そうだ!朝なら空いてる!
 美術部やって、道場に通っている・・・。それだけでも普通の高校生なら十分忙しい。

 しかし、俺のその足りない”何か?”を求めて、俺はまたもや自分を追い込むようなスゴイ行動に出てしまった。

 ギターがどうしても欲しくて、朝、新聞配達を始めたのだ。
 もう、雨の日も雪の日も、チャリンコでさ、すげーキツかった。朝3時からさ。200軒くらいまわったのかな・・!?

 で、やーーっと半年間頑張って買ったよ!買いました。
 それもよりによってその友達と同じマイケル・シェンカーモデルのフライングV!

 今思うと、何であのギター買ったのか不思議。
 マイケル・シェンカーが好きなのはわかるけど、わざわざ友達と全く同じヤツ買わなくてもね・・・!?

 当時6万5千円くらいしたのかな?ちっちゃいアンプからシールド買って8万くらいかかった。もう毎日毎日弾きまくった。

 とは言っても、ただアンプにつっこんで鏡の前でポーズキメるだけ・・・。だって全然弾き方知らないしね。そんなことが1ヶ月以上(!)続いて
「こんなことじゃイカン!」
と、マジメに教本とか、ギター雑誌を買って、弾き方を覚えたよ。
 
 マイケル・シェンカーの「アームド・アンド・レディー」とか、ディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のリフを弾けるようになったら、も〜う面白くて。

 それから学校から帰ってきたら、飯も食わずに、ずーーっと練習してた。
 そうやってメキメキ腕を磨いていったね。

 そんな時、ライヴハウスでハードロックのフィルムコンサートをやると言うので、観に行ったんだ。
 当時、今みたいにテレビでプロモを流す番組って「ベストヒットUSA」くらいだったから、これは貴重だった。

 何しろ当時、雑誌の「ミュージックライフ」が唯一のロックの情報源で、そのグラビアで観まくったマイケル・シェンカーの”動く”姿が観れるんだから。
 これは、たとえフィルムコンサートでもスゴイことだった。

 はじめて観るギターを弾きまくるマイケルの姿に、シビレたものの、その後流れた日本の新人バンドに俺は目が点になった。
 当時大人気だった、ジャパメタのラウドネスを完全にパロディー化、と言うか、おちょくったナイスでおバカなプロモビデオ。

 それは、爆風スランプっていうバンドの「たいやきやいた」という曲だった。
 そのインパクトたるや、マイケル・シェンカー、いやそれ以上の衝撃を俺に与えたのだった。

 その爆風スランプの話を次の日早速学校で話し始めた俺だったが、1人だけそのプロモを観たヤツがいた!!

 それが勝利くんで、勝利くんのことはモチロン同じクラスだったし、知ってはいたけれど、”イラストが上手いヤツ”くらいの印象しかなかった。
 勝利くんが描いたイラストは、美術部の俺が見ても素晴らしかった。が・・・!?その爆風スランプの話で2人は急接近・・・。

 将来的にもかけがえのない友人となっていくのだった・・・。




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