BLUEIII  ロックンロール ジー・クン・ドー

BLUEIII 誕生前夜 高校時代 =入学の頃=


 そんなこんなで、中学時代ある意味バスケで完全燃焼してしまった俺は、目標を見失っていたんだな。

 「将来何になりたいか?」と言われても、何も考えていなかった俺は、一応普通科を受験したんだ。

 何も・・と言ったけど、漠然とは考えていたんだよ。
 小・中学校と、俺は生まれつき絵を描くのが得意だったんで、図工とか美術の成績が良かった。

 だから親は、将来的にそっちに進ませたかった訳だ。それで一応高校で普通科に入りさえすれば、美大に進学できると考えたんだね。

 俺自身も絵を描くことは大好きで、何になりたいかとかは考えてなかったけど、しばらくの間、ずーーーっと絵を描いていられれば楽しいかな?と、ここの高校に入学したのだった。

 高校に入るとすぐ、美術部に入部。毎日デッサンや、油絵の練習をしまくった。それと同時に、バスケで一時辞めていた空手も本格的にはじめたのもこの時だ。

 授業が終わると美術部で部活、電車で帰るとそのまま空手道場へ・・。
 ハタから見れば、充実した高校生活。しかし、”何か”が足りないのだ。
 学校じゃ友達もいなかったし、休み時間は誰とも口をきかず大好きなロックをウォークマンで聴きまくっていた。

 しかし、そんな俺にも転機が訪れようとしていた。
 なんと、空手の大会で3位に入賞したのだ。空手をやっていることは、学校にも内緒にしていたから、学校の先生も新聞で俺の名前を見てびっくり!特に中学時代、高校時代もそうだけど、ヤローの関心事って、女の子のこととか、誰々がケンカが強いとか、誰々がツッパリの仲間になったとか、そんな事だったでしょ?!

 この日から、俺の存在は、クラスではちょっぴり知られるようになった。
 「アイツ強い」ってことで・・・。





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