BLUEIII  ロックンロール ジー・クン・ドー

第9の部屋・・・byベイビー佐々木



 JAMES GANG
  

 BANG
 

  
 あのイーグルスのジョー・ウォルシュが在籍していた事で有名な、ジェームズ・ギャングだが、その全盛期はやはりそのジョー・ウォルシュ在籍期で、いかにもの南部的なロックが魅力だった。

 しかし、今回紹介の「BANG」では、当時まだまだ無名だったトミー・ボーリンが参加している。

 この頃のトミー・ボーリンと言えば、ジャズ・ドラマー、ビリー・コブハムのソロ「SPECTRUM」への参加で、一躍フュージョン的な凄いプレイをするギタリストとして注目だったので、ジェームズ・ギャングのようなストレートなロックバンドへの参加が実に興味深い。

 しかしこのアルバムで聴かれるトミーのギターは、まさしくトミー・ボーリンそのもの。この南部的なファンキーロックをセンスあるプレイで弾き倒している。

 曲も全曲関わっているし、特に自らヴォーカルもつとめるラストの大作「MYSTERY」では、ストリングスも入れたりと、彼が並々ならぬ才能のミュージシャンだった事がわかる。


 
 JAMES GANG


 MIAMI


  
 こちらもトミー・ボーリン期の名作。

 興味深いのは、2曲目の「DO IT」。後年のソロ曲「TEASER」のリフは、この曲から発展させたのは明白だ。(そう言えば、前作「BANG」の2曲目「THE DEVIL IS SINGING OUR SONG」もディープ・パープルで、後で披露する「LOVE CHILD」のリフが一瞬登場する)

 このアルバムでも、アコースティックギターからスライドギターまで、1度聴いただけでトミー・ボーリンとすぐ分かるクセのある、それでいてセンスの良いギターを弾きまくっている。

 ソロになると、ビリー・コブハムやアルフォンス・ムザーンのフュージョン期同様の、すさまじいプレイも展開。5曲目の「MAIAMI TWO−STEP」は、カントリー風のスライドギターをフューチャーしたインストだが、ここまでくると天才!と言いたくなる絶品のプレイだ。
 
 
 ALPHONSE MOUZON
  

 MIND TRANSPLANT
 

  
 ジャズドラマー、アルフォンズ・ムザーンのソロアルバム。

 ここでもトミー・ボーリンがセッションギタリストとして参加しているが、ジェームズ・ギャングのストレートなロックとは違う、完全なフュージョンギターで、自由にインプロヴィゼーションしまくっていて、ビリー・コブハムの「SPECTRUM」と同等のプレイを聴かせてくれる。

 このアルバムには別の曲で、あのリー・リトナーも参加しているが、聴き比べるとわかるが、本当にトミーのギターは、音作りからフレージングまで個性的だ。

 ジェフ・ベックが、ギタリストとしてこういう音楽にチャレンジしたくなるのもわかる内容だ。


 
   
 

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