BLUEIII  ロックンロール ジー・クン・ドー

第2の部屋・・・byベイビー佐々木

 BLUEIIIサウンドコンセプトはジー・クン・ドーであるが、基本的にどんなサウンド、音楽性を目指していたかと言う事になると、こんなアルバムが挙げられる。


 Trapeze

 You Are The Music・・・We’re Just The Band


 第3期ディープパープルの、ベース兼ヴォーカリストであったグレン・ヒューズが、パープル加入前在籍していたバンドだが、その音楽性は、パープルとは程遠い。どちらかと言うとツエッペリンに通じるファンキーなブルース・ロックだ。

 他メンバーも、後にホワイトスネイクに加入する、ギターのメル・ギャレーと、やはり後にジューダス・プリーストに加入する、ドラムのデイヴ・ホーランドと強者ぞろい。

 このトラピーズの3rdアルバムは、ファンクとハードロックの見事な融合というか、とにかくそのグルーヴ感がすさまじい。

 グレン・ヒューズのヴォーカルは、まるでスティーヴィー・ワンダーのようで、本当に黒人並みのソウルフルさ!ベースもうねりまくっていて、デイヴの手数、足数の多いドラムと絡み合い、クリームやジミ・ヘンなどとも違う独特のサウンドだ。

 特にメル・ギャレーのカッティングは、ファンキーでたまらない。味のあるソロも、美しくて素晴らしい。しっとりとしたソウルバラードからファンキーなハードロックまで、今聴いても全く古さを感じさせない。

 特に、グレン・ヒューズの天才的な歌は、この頃からすでに絶品だ。


  
 TEN YEARS AFTER

 UNDEAD


 当時の速弾きギタリストとして有名だった、アルビン・リー率いる、テン・イヤーズ・アフターの2ndだが、2ndにしていきなりライヴアルバムである。

 テン・イヤーズ・アフターもそうだが、この頃のブルースロック系のギタリストって、とにかくライヴ盤に尽きるのだ。ロリー・ギャラガー、ロビン・トロワー、ジョニー・ウインターなど、みんなスタジオ盤より絶対ライヴがスゴイ。これは、今と違って、この頃のギタリストは、みんな即興性を重んじるインプロヴィゼーションに奏でており、あの当時の、ジャズなどの影響でもあると思われる。

 で、アルビン・リー。気分が乗ってくると、もう弾く弾く弾く・・・のインプロヴィゼーションの鬼で、他のメンバーも彼にあおられ、ドラム、ベース、キーボードも交えた、大アドリヴ大会と化してしまうのだ。
 しかも、全員テクニシャンぞろい。これは、今のスタジオ盤を、そのまま完コピしてきました!のロックとは大違い。一体その日のライヴがどんな事になってしまうのか、聞いている者も、演奏している方も、誰も予測がつかない。

 だから、この頃のアーティストのライヴブートレックが売れるのもそのためだ。(ツェッペリン然り、パープル然り・・・)そして、アルヴィン・リーのギターは、速弾きとは言っても、今のイングヴェイなどのメタルギタリストとは違い、マンネリのフレーズを、スケール通りに繰り返す訳ではなく、とにかく味のあるスゴイフレーズを、次々と繰り出してくれる。しかも、速弾きとはいっても、それ程速くなくブルースやジャズのカッコイイフレーズを弾きまくるのだ。(まるで、チャーリー・パーカーのよう)

 このアルバムでは、2曲目の「AT THE W00D CHOPPER’S BALL」がオススメだが、名曲「I’M GOING HOME」は、ウッドストックのヴァージョンがオススメ。(映画ももちろん必見!)アルビン・リーがスイカを持ってく勇姿も見れるぞ!



 MUDHONEY

 Superfuzz Bigmuff

 後に、ニルヴァーナ、ソニックユースと並ぶ、グランジロックの帝王と言われ、メジャーデヴューまでしてしまった、MUDHONEYだが、もともとアンダーグラウンドでは、ニルヴァーナよりも有名で、特にこの1stアルバムが出る前に放ったミニアルバム(現在のCDでは未発表EPなどもプラスしたお得版)は、個人的に大傑作・・・というか、俺が好きなのはこのミニアルバムだけ。

 1曲目の「Touch Me I’m Sick」を聴いた時は、ぶっ飛んだね。ジミ・ヘンばりのぐちゃぐちゃのファズギターに、ファンキーなリズム、それに乗っかるハイトーンシャウト!パンクでもハードロックでもない。新しいROCKの予感がしたね。

 音はジミ・ヘンだけど、テクはニール・ヤングばりのヘタウマギターで、そこがまたカッコよかった。BLUEIIIがこのアルバムから受けた影響ははかりしれない。曲も粒ぞろいで、「If I Think」っていう、ブルース・リーをも感じさせる曲の、静から動へ、動から静へと移り変わる緊張感は、まるで、ツェッペリンの天国への階段のようにドラマティックだ。

 エンディングがラモーンズばりのパンクロックになってしまうところもたまらない!ヘタなギターでも、ロックのツボさえわかっていればカッコいいんだ!とわからせてくれる最高のアルバム。

 最近出てきた、ザ・ダットサンズなんか好きな人にも、ぜひこのアルバムをオススメしたい。


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