BLUEIII ロックンロール ジー・クン・ドー |
第4の部屋・・・byベイビー佐々木
超ロック的『 死亡遊戯』大特集!!!・・その1・・
’99年の「BRUCE LEE in G.O.D/死亡的遊戯」及び、「A WARRIOR’S JOURNEY」更に、’03年の「BRUCE LEE in G.O.D/死亡的遊戯 2003 Special Edition」で、死亡遊戯関係の話題も、そろそろ打ち止め・・・(と言うか、いい加減止めて欲しくもある)となった感もある。 ブルース・リー、真の遺作「死亡遊戯」。このコーナーでは、俺のようなお金の無いファンの為にも、原点に戻って新たな「死亡遊戯」探求の旅に出てみたいと思う! まずは、’78年公開のロバート・クローズが監督した「ブルース・リー 死亡遊戯」から行ってみよう! |
1.何故、「 死亡遊戯」で、ブルース・リーは ジャージを着ているのか? |
「死亡遊戯」のブルース・リー。何故か黄色に黒のライン のつなぎのジャージ(トラックスーツ)姿だ。しかも ご丁寧にシューズとヌンチャクまで色に合わせてある。 ちなみに現在市販されているレプリカは、実際に着て みるとわかるが、かなりダボッとしていて、カッコ悪くなって しまう。おそらく、ウェットスーツをオーダーする時のように ブルース・リーも自分の体型にフィットするように特注 したのであろう・・・。 |
一般的なブルース・リーのイメージと言ったら、黒のズボン(紺色もあるが)に、上半身ハダカ、そして、黒い棒にクサリのついたヌンチャクだと思う。 しかし、彼の遺作である「死亡遊戯」だけは、それまでのイメージとは、全く異なり、黄色地に黒ラインの入ったツナギのジャージ=トラックスーツを着ていた。 ’70年代当時完成前にこの写真がスクリーンやらロードショー、またはそれらの別冊特集本に載っていて、彼の他の主演作とは違う、異色作だと思ったはずだ。 |
「燃えよドラゴン」のブルース・リー これが、一般の人にも馴染み深い。ハダカに黒ズボン (ズボンは功夫スーツ)姿。 |
他の主演作は、黒ズボン...とは言っても、これは当時の香港映画、例えば、ジミー・ウォングや、チャーリー・チャン、チェン・シン等、カラテスター(当時,情報が無い時代、日本に入ってくる功夫映画は全てそう呼ばれていた)が、皆着ていた伝統的な功夫服で、(YMOが後に流行らせた人民服ともまた違う)ボタンではなく、とんぼくるみ(!?)式のヒモで結ぶ、中国服のことだ。 ズボンの方は、ベルトではなく帯で縛り、動き易さを追求したためか、ご丁寧に足首もヒモで縛っている。(燃えよドラゴン、怒りの鉄拳参照) それに、白い靴下に功夫シューズと言うのが、ブルース・リー映画の基本的ファッションスタイルだ。(ドラゴンへの道は、靴下が黒!で、足首のヒモは、ドラゴン危機一発同様していない..燃えよドラゴン前半も...) |
「燃えよドラゴン」地下ファイトで有名なキャットスーツ姿 トラックスーツと同じ仕様だが、設定上007風...!? |
では、何故、「死亡遊戯」では、あのようなファッションスタイルになったのか? 当時のロードショー付録の死亡遊戯特集本によると、”自分の動きをシャープに見せるために、黄色を選んだ”とある。 確かに、それもあると思うが、アメリカ帰りのブルース・リーのこと、単に、世界的にジャージがファッショナブルで、スポーティーなものになってきたからだと言う気がしないでもない。 俺も、小中学校の頃、陸上部や、バスケ部なんかで、アディダスとか、アシックスのジャージを小遣いで買った時、単純に「カッコイイ」と思ったものだ。 |
「ドラゴン危機一発」の3ボタン式功夫シャツ姿 ジャッキー・チェンやブルース・リャンも着ていたネ! なんとラストのボスとの戦いでは白い靴下にヒモ付き(!) の功夫シューズだ! |
それに、世界を征服しようと思っていたブルース・リーだから、完全に自分の作品を監督出来る立場にもなったことだし、それまでの、伝統的な功夫服をやめて、世界にも通じる、ジャージを選んだのだとも思う。 それに、彼の編み出したジー・クン・ドーの練習風景の写真を見ると、アシックスの運動シューズに、ジャージで練習しているのがわかる。 確か、初期のジュンファングンフーの頃の写真は、功夫服を着ているのだが、ジー・クン・ドーの頃になると、技も自由だが、服装もより動き易く、自由なジャージを着用しているのだ! では、何故「燃えよドラゴン」では再び伝統的な功夫服に戻ったのであろうか? |
「ドラゴン怒りの鉄拳」の功夫服姿。恐らくこの紺色の ヒモ結び式功夫服に白い靴下に功夫シューズが、一般の 人が思い描くブルース・リーのイメージだろう。 |
それはと言えば、この映画は、初のハリウッド映画で、アメリカ時代ブルース・リーは、”東洋人”というだけで、差別的に主役の座をもらえなかった仕返しともいえるのではないだろうか? アメリカ映画だからこそ、東洋人としての自分をアピール...それには、わざと伝統的な功夫服を着る必要性があったと、俺は思うのだ。 それを証拠に、同じ東洋人でありながら、お隣中国の文化を全く知らないこの俺も、功夫=中華服姿のブルース・リーを、ものスゴくカッコいいと感じ、功夫服を手に入れ、着てみたいと感じたのだから。 |
「ドラゴンへの道」。ちょっとすすけた黒っぽい色の功夫服に 袖をまくるというのが、この映画の特徴。 何故か靴下は黒だ! |
ちなみにこの頃、まだ通販も何も無く、トラックスーツも、功夫服も手に入れることは不可能だった。 一部お金持ちの子供が、上野のアメ横や、中華街で買った、功夫服を除いては..。 一般の人達が、トラックスーツや功夫服を手に入れるのはそれから何年も先のことだ...。 (今では、その辺の雑貨屋でも簡単に手に入る...) |
次号!その2、「トラックスーツでもわかる!?簡単、偽ブルース・リーの見分け方
/トラックスーツの種類と、トラックシューズの種類」に続く!
以下、その3「死亡遊戯のヌンチャクは、何故ヒモか?」
その4「小説版、死亡遊戯のなぞ」・・・と、続々スーパー特集!!!