▲見どころ、読みどころ▼

 最近といってもごく最近、幼稚園に通いだしてからというもの、知恵が付き始めたのか、うちの息子は顔色を変えずに嘘をつくことができるようになりました。以前は嘘をつくときには自分で笑い出したりして、明らかに嘘だということがわかるような嘘のつきかただったのが、とても巧妙になり、表情も変わらないのでどこまでが嘘でどこからが本当のことなのか判然としません。いまのは、本当の嘘なんじゃないの?と尋ねて喜ぶ親の方も拍車をかけていてよくないのだとは思いますが、たしかに大量の嘘をばらまいています。
 嘘だけではありません。自分に都合の良くないことを言おうとしなくなりました。けんしょう、よくないことをしたんだよとまでは告白するのです。しかし、なにをしたの?

と聞くと、いいたくないんだよと返答します。その「いいたくないんだよ」という返答に、うまいなあと感心してしまうので追及の手が緩んでしまいます。そこを振り切ってさらに追及すると、「ママ、いって」となります。くそう、パパにはいえないけれどママにはいっているんだなと、ひそかにジェラシーの火花がパッ、パッ。怖がられているときが華かな。慰めたりなんかして、では、どうぞ。

のり

自分でのりをくっつけたのに
おまえは、これパパのはなじゃないのっていったらしいな
いくらパパがばっちくても
はなたらしたままににしておかないぞ
しっぱいしたらすぐあやまりなさい