月/産卵

月、

夜のための静かな号砲。

光の鏡が膨らみきったので

万物は位置を交換する。

男は女へと、水は卵へと。

水卵は光の滴りを受けて、

それを外皮とする。

つややかな水と、

成分だけの光。

ひとはそれを真似て、受胎する。

幸せはどこにある、ここ、そこ。

見つめあう泉よ。

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