いやいやながら、恋をして

だからいつも言っているじゃないか。あんたには、人のこころというものが分からないのか。
なにいってんの。盗人たけだけしいとは、このことよ。自分勝手なことばっかりしておいて、すこしも家のことなんて考えようとしないんだから。あなたに威張ってもらうために結婚したんじゃないのよ。
やれやれ、ぼくだってまさか、女性の皮をかぶった狼を妻にするなんて思わなかったよ。

(二人、かけあいで歌う)
優しさのルアー、
釣れたものもドライフラワー、
オアシスにみえたぬかるみ、
だけど、花園を荒らしたのはどなた。
まったく、
ああいえばこういう、
(二人いっしょに)
結婚なんてしなきゃよかった
ねえ。

ぼくら、この点でだけは一致するんだよな。
あら、もうひとつあるわ。ビールの銘柄。
ああ。たとえ結婚相手は譲れたって、ビールだけは譲れないね。

(また二人で歌を歌う)
晴れた日にはお昼のビール、
雨の日にはしっとりビール、
寒い日には外で冷やしたビール、
暑い日にはゴクゴクビール、
結婚相手は譲れても、ビールだけは
ビールだけはよそのビールは飲みたくない。

そして酔いがさめれば、
またもとのもくあみ。
もうこんなけんかにも飽きてしまったし、
どうする。
もう別れない?
それがいちばんいいんだけど、
(と、ベビーベッドのなかの赤ん坊をのぞいて)

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