新北の詩人
新北の詩人




 日本橋の鰻屋で早めの昼にした後、ぶらぶらと上野まで出てみました。


三越前 ああ上野駅
バイク街跡 絶滅


 上野といえばバイク街。かつて、その悪名を全国に轟かせたバイク屋群も、バイク文化の終焉と「悪は滅ぶ」の理に抗えず、今ではほぼ絶滅したようです。
 オレっちも上京して間もない25年前、そんな極悪とは露知らずここでVTZを買っちまいましたよ、あぁん。
 VTを買った店がどこらへんだったのか、当然さっぱり憶えちゃいねえんですが、マンションとかの下敷きになっちまったようで、これも時の流れってやつですかねえ。
 しかし、バイク街が無くなって綺麗なマンションが建ったところで、不思議とこの辺りを行き来する人ってのは全く変わりませんね。
 若い女性が一人では絶対来ないほうがよろしいかと存じます。


駅の中 新幹線のりばへ


 私たち中高年者にとっては、東北新幹線が東京駅から出るようになったところで、北の玄関口と言えば上野駅以外にありません。
 駅に入ると、いろいろ小奇麗に改装されていますが、高い天井や古い交番に若き日々の記憶が甦り、軽い興奮状態に陥ります。
 せっかくここまで来たので、東北新幹線に乗ってみましょう。
 昔、急行の自由席に並んだ地上ホームの脇を通って、新幹線の改札口へ向かいます。


弁当屋 東北山形秋田上越長野
構内 スーパーこまち


 長いエスカレーターで地底深くに潜ります。
 東北・山形・秋田・上越・長野と5つもの新幹線がひとつのホームに次から次へとやって来ますが、なんか有楽町線の駅みたいで旅情もへったくれもありません。
 あの、胸躍る旅立ちの気分ってのは、どこへいっちまったんでしょうね。オレが歳食ったから?それだけじゃねえと思うんですけどねえ。


シュウマイじゃねえよ 八戸線


 駅弁を選るのも旅の楽しみですが、さっきうな重を食べたばかりなので崎陽軒のシウマイを買い、はやぶさ15号新青森行に乗り込みます。
 と、車内をウロウロしたり大声で騒いだり、どうにも客層がよろしくありません。
 東北新幹線のカッペ客ってこんなもん?と思ったら、近○ー・クラブ○ーリズムの特定アジア向けツアーの団体様ご一行でした。
 個人の客にこんなクソみてえな席発券してやがんじゃねえよこの野郎と、上野駅のトロそうな窓口の女にムカついても後の祭りです。
 車掌が来たら文句言ってやろうと思いましたが、結局降りるまで検札にも来やがりません。
 これが東海道新幹線ならまるで犯罪者を探すように執拗にやってくるのに、エライ違いです。
 切符を買う時、どうせならグランドクロス200にしようかちょっと迷いましたが、しとけばよかったかしらん。
 でもそれで怠慢なJR東日本が儲かるってのもなんかムカつきますし、とにかく歳取ると気に入らないことが多くなって困ったもんです。
 しかし、宇都宮を過ぎる頃には特亜客も電池が切れたように寝静まり、那須塩原を過ぎてちょっとウトウトしてたら知らぬ間に郡山・福島を過ぎて宮城県に入ってました。
 先頭車の半分くらい鼻なだけあって、さすがに速いです。
 古川あたりから雪が積もってきました。八戸で降りることにします。


八戸市街 まだやってない
銭湯 もうぼちぼち


 八戸から八戸線に乗り換えて本八戸へ、そこから八戸市営バスに乗り換えて八戸中心街へ向かいます。
 八戸はあまり雪が降らないらしいんですが、今日は吹雪です。
 まだ飲み屋も開いてないのでとりあえず銭湯に行き、百貨店の本屋で時間を潰します。



うう寒い フェリーへ


 寿司屋を二軒ハシゴしたあと、シャトルバスで八戸港フェリーターミナルに向かいます。



船内 二等船室


 八戸発苫小牧行き、川崎近海汽船のシルバーエイト・通称"銀八"は2013年6月30日に就航したばかりの真新しい船です。
 フェリー好きの私としては船内をうろうろしたかったんですが、エントランスのカウンターには凛々しいお姉ちゃんがずっと立っていて、不審者と思われるのも本意ではない(不審者なんだけど)ので大人しく寝ることにします。
 明後日からさっぽろ雪まつりですが特に関係ないようで、空いていてとても快適です。
 揺れも少なく、8時間寝転がって楽しい船旅でインターネット割引2等4380円でした。


シルバーエイト 苫小牧フェリーターミナル


 北海道へのフェリーといえば大抵新日本海フェリーなので、苫小牧フェリーターミナルに来るのは20年振りです。
 東国の夜明けは速く、2月の朝の6時でも明るくなりつつあります。
 今日は丸1日、レンタカーで貯金です。



熱く燃える SAPPORO


 夕方からひどい吹雪になりました。
 今日は南小樽駅前の安旅館に泊まります。
 夕食を旅館で食べた後、電車で札幌に出てみますが、明日から雪まつりのせいか車内も駅も街も、どこ行ってもケバケバしい色のダウンジャケットを着て傍若無人に振舞う外人だらけで萎え萎えです。
 人妻になった大学時代の同級生をストーカーしてやろうかと思い、勤務先の無料案内所に行ってみましたが居てません。
 なんかぐったり疲れました。とっとと帰って寝ることにします。