きたぐにの旅 |
a journey to Nothern Area |
田舎にずっと籠もっていると、どうしても息が詰まってきます。 なつかしい夜汽車に乗って旅に出ましょう。 |
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きたぐに新潟行 | 大阪駅11番ホーム |
というわけで、大阪駅11番ホームにやってきました。 少し遅い帰宅ラッシュの大阪駅ですが、早く来たせいもあってこの北陸線ホームには誰も居らず、閑散としています。 北海道ワイド周遊券を握りしめて自由席の列に並んだ前回の乗車から27年、年老いた今はB寝台の、しかもなんと下段を奮発です。すごいだろ、まいったか。 昔、近くに勤めていたこともある大阪駅ですが、変な覆いみたいなのが出来て大きく変わりました。 |
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きたぐに入線 | ボロボロ |
待ちくたびれた頃に、もっとくたびれ果てた旧ソ連の列車のような「きたぐに」が入線してきました。 この寝台電車に乗るのも「ゆうづる」以来、25年振りです。 その頃はまだ青函連絡船があって、青森行の寝台列車がたくさん走っていました。 |
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なつかしい車内 | モハネ583 87 |
平成も四半世紀が過ぎようかという今、こんな列車に乗れるとは奇跡に近く、ある意味何と贅沢なことだろうと思いますが、さすがにもうボロボロで、いつ無くなってもおかしくなさそうです。 昔はたくさん走っていた夜汽車ですが、今はもう日本中に指折り数えるほども残っていません。 オフシーズンの平日で、大して乗る人も無いまま静かな出発です。 |
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泊 | 来迎寺 |
花嫁は 夜汽車に乗って 嫁いでゆくの あの人の 写真を胸に 海辺の町へ 出発時間が遅く、6月の夜明けは早いのであまり寝た気がしませんが、目が覚めると北陸の海辺を走っていました。 降りる人もあまり無いような小さな駅に、ちょこちょこと停まっていきます。 |
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B寝台下段 | 天井の風景 |
新潟は遠く、ごろごろして時を過ごします。 |
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べにばな | 米坂線 |
新潟には定刻に到着しました。 ここから米坂線の快速列車に乗り換えます。「べにばな」と名前まで付いていますが、米坂線に入ったら全部停まるので特に快速でもありません。 米坂線は緑豊かな山間を行くローカル線ですが、同じような山の中に住んでいる私には沿線風景にあまり感動がないのがつらいところです。 |
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米沢牛 | つばさ28号 |
米沢で駅弁を買って、山形新幹線に乗り換えます。 |
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牛肉どまん中 しお | 福島駅 |
新幹線の中で「牛肉どまん中 しお」にします。 超有名人気駅弁で絶賛の嵐らしく、たしかに城崎のかにずしとかと比べたらべらぼうに美味かったですけど…正直1100円出すんなら、駅弁じゃなければもうちょっといいもの食えんじゃね?という感じです。 どうしても売れ残りが出るからか、他に何か理由があるのかよく分かりませんが、駅弁ってのは高いですわね、奥様。 などと考えている間に福島駅に到着です。 |
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こっちじゃないよ | 飯坂温泉駅 |
かつて山○交通・三○交通とともに悪辣な経営陣で知られた福○交通で、奥州三名湯のひとつである飯坂温泉に向かいます。 |
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駅から下流の風景 | シンボリックブリッジ |
福島駅から20分の小旅行で、福島競馬で勝ったオヤジどもが色欲を爆発させるといわれている飯坂温泉に到着です。 もっと山の中かと勝手に思っていましたが、ちょっと想像と違いました。 |
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波来湯 | 廃ホテル |
大不況ニッポンのどこの温泉地でもそうですが、巨大な廃ホテルが目立ちます。 原発事故の影響もあるのか、雰囲気は暗いです。 |
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駅前通り | さよなら飯坂温泉 |
車の往来は多いですが、駅前通りにはだれもいません。歓楽街もどの辺りにあるのかよく分かりませんでした。 昨日のB寝台で散財してしまったので、日帰り湯にだけ寄って宿泊はせず飯坂温泉を後にします。 |
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生ハムチーズ | 車内 |
福島駅はけっこう通過列車が多く、次に来る列車の自由席に並ぶ身としては少々イラッときます。 それでも何とか東北新幹線で東京まで出て、帰りも夜行列車「サンライズ」です。 銀の鈴のあった辺りが惣菜屋だらけになっていたので、田舎では食えないようなものをいろいろ買い込んでB寝台個室でひとり酒宴です。 懐古趣味がなければ、「きたぐに」よりこっちのほうが圧倒的に快適です。値段も同じで、いくらなんでも不平等過ぎんじゃね?と誰しも思うことでしょう。 |
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東京駅 | 朝 |
昔はたくさん夜汽車の出ていた東京駅も、今となってはこの「サンライズ」がわずかに1本残るだけで、何とも寂寥感漂う旅立ちです。 満員電車に乗り込む疲れたサラリーマン諸君を俯瞰し、優越感に浸りながら飲んだくれるうちに眠りこけ、目が覚めるともう伯備線です。 昨日一日丸々サボりましたので、これから作業地獄です。 |
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