islands in the stream
海流の中の島々 〜異形編〜




 今日はまず、喜界島の湾港を5時30分発の『フェリーあまみ』に乗船して名瀬に渡る予定です。
 が、何かイヤな予感がしたので、早起きして4時くらいに港へ行ってみると…
 やっぱり早町港に変更でした。


早町港待合所 ふたたび「フェリーあまみ」へ


 てなわけで、漆黒に寝静まる島を横断して早町港です。
 けっこう乗船客がいます。1日1便の名瀬行きなので当たり前っちゃ当たり前ですが、『フェリーあまみ』は名瀬より北では割と利用率が高いようです。
 ほぼ定刻の運航で、7時半過ぎに名瀬港入港です。


超魅惑の円簡易局 今も残るアマコー表記のJASバス


 計画では、今日と明日で請島と与路島の2局を除く大島51局を全部回らなければなりません。
 奄美大島は広く、かつ僻地にまで局が分散しているので、遊んでいるヒマは全くなさそうです。
 しかし、いきなり奄美観光の長大ごみ、じゃなかった、超醍醐味ともいうべきJASバスに遭遇し、思わず足が止まります。


佐仁簡易局 喜瀬簡易局
朝仁簡易局 大棚簡易局
今里簡易局 11111.1


 ひたすらストイックに回り続けて33/51終了。
 数だけ見れば上等ですが、明日は超僻地局攻撃が続くので油断なりません。
 今晩はドミトリーと称する、たぶん日本では奄美沖縄にしかないと思われる激安宿を取ってあります。


ドミトリー 夜の名瀬港


 今日と明日の寝床は、アパートの一室に置かれた二段ベッドでした。
 しかも宿主は東京に行っていて居らず、長期滞在客が仕切るという超適当っぷりです。
 夜は名瀬の繁華街までてこてこ繰り出し、ゴージャスに生ビールと鶏飯です。
 帰りに名瀬港に立ち寄ると、『琉球エキスプレス』が那覇への出発を待っていました。


せとうち海の駅 乗船券
フェリーかけろま 古仁屋港


 翌朝。
 天気はベリーバッドですが、8時10分の『フェリーかけろま』に乗るためにまだ暗いうちに宿を出ます。
 しかし奄美大島に来るといつも雨が降ります。つってもまだ2度目ですけど。


生間港 諸鈍のデイゴ並木
男はつらいのよ 諸鈍局


 フェリーかけろまで生間港へ、そこから小さな峠を越えて諸鈍集落へ入ります。
 諸鈍には立派なデイゴ並木と、『男はつらいよ』のロケ地記念碑があります。
 こんな土砂降りの日に1日中バイクに乗らなければならないなんて、ホントに男はつらいんですよ、奥さん。
 他に平賀盛神社もありますが、全く時間が無いので残念ですが当然割愛です。


素敵な西阿室局 瀬武の旧実久村役場跡
瀬相港 カケロマン・バス
さよなら加計呂麻 古仁屋港のフェリーきかい


 あなたは 稲妻のように
 加計呂麻4局を切り裂いて、瀬相港から古仁屋へ戻ります。
 わずか2時間半の加計呂麻島滞在でした。


これまたハードヒットな嘉鉄簡易局 古志簡易局
野良ヤギさん 大島海峡


 ひたすらワキ!ワキ!と貯金を続けます。
 すると山の中の道端に野良ヤギさんの群れが…
 しかし、人の顔を見るなりダッシュで逃げていきました。何とも失礼な奴らです。


美しき西古見集落 石垣沿いの道
山間簡易局 夜のなみのうえ


 雨に濡れながら、ストイックに男の貯金道を邁進してきましたが、痛恨にも1局残して午後4時になってしまいました。
 ぐったりと疲れ倍増、重い気分でドミトリーに戻ります。
 繁華街の小料理屋で一杯ひっかけ、帰り道をプラプラ歩いていると、今夜は『フェリーなみのうえ』が入港中です。
 毎日毎日いろんな船がやってくる、そんな失恋レストランのような名瀬港は、フェリー好きにはたまりません。ハァハァ。


朝の道 入港予定時刻
名瀬港待合室 特別謝恩価格
ありあけの巨体 黄色い三連星


 翌朝。
 今日は7時20分の『フェリーありあけ』で、一路琉球の首都・那覇へ向かいます。
 6時過ぎに宿を出ると、この島で合宿を張る大学だか実業団だかが群れをなして走っています。
 フェリーターミナルに着くと、お得意の遅延で8時30分入港予定だそうです。
 で、結局『フェリーありあけ』がその巨体を港湾内に現したのは、午後9時過ぎでした。


ヒッピーどもの巣窟 ニラ入島つきあげ
団体名「空缶 びん類」 青い空と沖永良部(たぶん)


 『フェリーありあけ』は東京〜那覇を結ぶ超長距離フェリーで、東京を出て既に40時間以上経過し、船内には饐えた空気が漂っています。
 空いてるのはいいんですが2等船室はたいがいボロく、少ない客は長旅でぐったりした小汚ねえヒッピーばかりで、はっきり言っちゃうのも何ですけど客層は相当悪いです。
 耐えかねてデッキに出てみれば空はスカッと晴れわたり、今までずっと雨ばかりだったのにこんな移動日だけ晴れやがってと思うとムカつきます。


琉球エキスプレス 夕暮れの那覇


 退屈すぎて偏頭痛がしましたが、大阪へ向かう『琉球エキスプレス』とすれ違うと那覇まであともう少しです。


長旅のありあけ 那覇港新港ふ頭船客待合所
宿のねこ ベロベロ


 遅れを1時間まで回復し、那覇新港にめでたく到着。
 今日と明日は具志川の二千円ドミトリーに泊まります。


 

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