ジャスティス JUSTICE:正義

2003/12/20公開

本体名:エンヤ婆

両右手の老婆にして魔女、J・ガイルの母親

能力:死体を操る霧のスタンド

スタンド形成法射程距離パワー射程・パワー増加法
無定形集合体 数100m以上 環境パワー伝達

スタンド解説

■「大気」と融合してこれを濃密な「霧」へと変え、この霧で半径数100m以上の大気中を包み込む「霧のスタンド」。そのスタンド像の核となる中心部では、霧が形をとって王冠を被ったドクロの頭部と鉤爪の生えた痩せさらばえた手の姿となり、体の残りの部分は霧のマントを纏ったかのごとく霧の中へと溶け込む。(なお、本体のエンヤ婆の手は両手とも右手であるが、「ジャスティス」の手は普通に右手と左手になっている) この「霧のスタンド」には一切の物理的攻撃が効かず、さながら水面に映った像を相手にするかのごとく、殴ろうが切ろうが一時的にその姿をかき乱すことしかできない。

■「霧のスタンド」である「ジャスティス」は、それ自体の物質に対するパワーはほぼ無力であり、物質を動かしたり、霧の中に居る生物の呼吸などを阻害したりすることはできない。「ジャスティス」の能力の真髄は、気体である「霧のスタンドの形」を操ることで、「偽りの固体の形」を出現させられることにある。つまり、本来気体は固体の形に押しのけられた形で空間内に存在するが、「ジャスティス」はこれを逆手にとって、実際には存在しない固体の形に押しのけられた「まやかしの霧の形」を作り出すことで、霧を避けさせた領域に「まやかしの固体」を作り出せるのである。ただし、この「まやかしの固体」の存在力は霧の中心部から遠ざかるにつれ弱まっていき、中心部では本物の物質のように「実体」を伴うが、周辺部では実体を持たない蜃気楼のような「映像」にしかならない。

■「ジャスティス」がこの能力を使えば、例えば「そこに建物が在るかのように」霧を建物の形に避けさせれば、そこには本当に建物が出現する。また、この霧を白骨化した死体にまとわせ「その骨に肉体が在るかのように」霧を避けさせれば、死体は「受肉」される。さらに、その受肉された死体の身体各部に「穴」を空け霧を糸のように通せば、その死体を糸で吊った人形のように操り、生きているかのように動かせる。しかも、それら死体を操るために必要なパワーは霧を動かすだけの最低限で済む。本編において「ジャスティス」はこれらの手法でもって、墓場を濃い霧の中に浮かび上がる街並みに、受肉させた墓下の死体を街の住人に変え、人口数千人ほどの街に見せかけていた。

■前述したように、霧のスタンドである「ジャスティス」はもとから存在する物質に対しては無力であり、敵の肉体に対しても直接攻撃することはできない。ただし、ある条件を満たした場合のみ「ジャスティス」は生物の肉体に直接干渉することが可能となる。その条件とは、気体と固体の中間状態である「液体」によって、「霧のスタンドと生物の肉体内とが橋渡し」されることである。ただし、汗や唾液を出す分泌線程度では「ジャスティス」にとっては狭すぎるらしく、結果「ジャスティス」は「傷口」とそこから流れ出る「血液」によって干渉を行う。

■「ジャスティス」が敵を攻撃する際には、受肉させ操る死体の群れを襲いかからせ、とにかく敵の肉体に出血する程度の傷を負わせようとする。(この時、受肉された死体はその口から吹き出す「息」で霧を押しのけることで、それをヒョロヒョロとうねる先端の尖った触手状の物体に受肉させ、これを主な武器として攻撃する) そうして傷を負わせることに成功すると、「ジャスティス」は傷口から流れ出る血液を赤い霧に変えて霧の中へ舞い上げ、「血液の道」を「霧の道」に変えながら肉体深くへと侵食を進め、遂にはトンネルのように傷口からその身体部位の裏側まで貫通する「穴」を空ける。この「穴」は、受肉させた死体に空けた穴と同様「霧の糸」を通して操ることができ、そのパワーは強力で敵を引きずり宙へと持ち上げることも造作無い。なお、敵の肉体に「穴」を空けたり死体や敵を「霧の糸」で操ったりするパワーは、「ジャスティス」の核となるドクロのスタンド像に近いほど高くなるらしく、死体の群れを襲いかからせたり敵を操る場合には、このスタンド像自身が数m以内にまで近づき操ることになる。