繋ぎ続けるは命の本能。
エコーズACT1 ECHOES ACT1
本体名:広瀬康一 <ヒロセ・コウイチ>
プロフィールJC34巻P145〜
能力:音を物体に貼り付け、繰り返し響かせる
スタンド形成法 | 射程距離 | パワー | 射程・パワー増加法 |
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身体・能力顕現体 | 50m | 低 | 半操作分離 |
スタンド解説
■広瀬康一が発現させた何もできない卵型スタンド、その殻を破って孵化した「エコーズ」の第一形態。その全身像は、大きな頭部に小さな胴体と腕、足代わりの小さな車輪に、体長の3分の2以上を占める長く太い尻尾という、スタンドの幼生体とでも言うべき奇妙な姿をしている。(その全長は尻尾も含めて約2m) その顔には、眼球らしき2つの大きな突起物の間にウツボのような小さな口があり、また頭部・背面・腕がカブトガニのように殻で覆われている一方で、尻尾はウミウシのように滑らかな表皮を晒している。そしてこのスタンド体には、本体広瀬康一の人格とは別の「本能」が宿り、その本能が本体の望みや指令に応じてこの奇妙な造形の体を動かし、またたまに「ギャアース!」と鳴いたりもする。
■なお、広瀬康一は自分のスタンドが後にさらに形態変化するとは思っていなかったため、その時点でのこのスタンドは単に「エコーズ」とだけ呼ばれており、「ACT1」と呼ばれるようになったのはACT2への成長以降である。
■ACT1のスタンド体は、その見た目どおり非常に脆弱であり、腕力も生身の人間に劣る。しかしACT1はその脆弱な肉体ゆえに、周囲の物体から発せられる「振動」を、非常に敏感にその身で感じ取り、また繊細に操ることができる。ACT1の能力は、周囲で起こる振動をスタンドエネルギーで包んで固め、さらにそれに自分のスタンドエネルギーを供給することで、その振動を延々と繰り返させることにある。ただしACT1のパワーでは、扱える振動の量に上限があり、例えば何かに殴られた時のような「衝撃」レベルの振動は、上限をはるかに超えているため扱えない。ACT1が扱えるのはもっと小さな、空気や物体を震わせる程度の振動、つまりは「音」そして「声」である。
■ACT1が音を操る基本的な手法は、ACT1の周囲で発生した音や声を、「音の塊」に変えて手で捕まえ、物体に投げ付けて貼り付け、その物体内で繰り返し響かせるというものである。また周囲の音以外にも、本体が頭の中で思い浮かべた音のイメージから、音の塊を作り出すこともできる。スタンドエネルギーで包まれた音の塊は、その音に相当する「擬音」の形、マンガの描き文字に厚みを与えて立体化したような形になり、それが物体に貼り付けられると、厚み部分が物体内部に埋まり、厚みのない描き文字のシールを貼ったような外観になる。なおACT1は、複数かつ別々の種類の音の塊を、同時に維持することが可能である。
■エコーズが物体に貼り付けた音は、その物体を震わせて繰り返し響く。このためACT1が操る音は物理現象として実体化しており、スタンド使いでない一般人にも聞こえる。その最大音量は、音を命のない物質に貼り付けた場合には非常に高く、作中では踏切の警報音をそのまま再現していた。一方でスタンドへの抵抗力がある生物やスタンドに対してはその効果は格段に落ち、人の大声程度の音量が限界となる。(ちなみに踏切の警報音と人の大声との音量差は、おおよそ100倍(40デシベル差)である)
■また、ACT1が作り出す音の塊のうち、特定の人物の「声」や何らかの意思を込めた「言葉」は、時として単なる音以上のものを相手に伝え、「相手の心を大きく揺り動かす」ことがある。しかし逆にそういった声はその特性ゆえに、相手の心の力でガードされてしまうこともある。その場合その声は単なる音よりも無力となり、声の塊は力なく剥がれ落ちてしまう。
■ACT1のスタンド体と能力の射程距離は共に50mであり、重さを持たないそのスタンド体は、上空方向にも簡単に移動できる。そしてACT1の視覚は本体にも共有されるため、50mの長射程は上空からの周囲の探索に非常に便利である。なお、ACT1はACT2への形態変化以降も、以前の形態に戻して出現させることが可能である。
内部リンク
- 『エコーズACT0』
- 最初期形態(卵型)。その外観のとおり何もできない。
- 『エコーズACT3』
- 最終形態(人型)。太鼓の膜を叩いて凹ませるように「重力場」を殴って凹ませることで、対象に「重さ」を与えることができる。