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エボニーデビルEBONY DEVIL:漆黒の悪魔
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| スタンド形成法 | 射程距離 | パワー | 射程・パワー増加法 | |
|---|---|---|---|---|
| エボニーデビル | 身体・融合変身体 | 数100m以上 | 中 | 切離パワー供給 +全操作分離 |
| 武器 | 封念武器 | − | − | − |
宇宙・人類・個人といった存在における、その生涯や一時的に行う計画などを、成長する一つの「生命」、範囲を持った一つの「世界」と捉え、これら「生命世界」が進化や目的の実現へ向かう際に起こる変化の普遍的な共通性を図像化したものである『生命の樹』。「セフィロト」とも呼ばれるそれは、「状態」を表す10個の球体「セフィラ」と、それを結び「変化」を表す22本の小径「パス」から成る。そのパスに対応する22枚の「タロットカード」のうち、「創造せしもの」を暗示する「クヌム」のセフィラと「卓越せしもの」を暗示する「アヌビス」のセフィラを結ぶ「悪魔」は、「過酷な状態の持続」を暗示するカードである。
一般的に世界というものは、平穏な状態の時より過酷な状態の時の方が、その過酷さに耐え抜かざるを得ないために強く優れた要素が発生しやすいものである。(軍事技術の副産物として大きな科学的発展をもたらす「戦争」はこの一例と言えるだろう) しかし過酷な状態は大きな成果をもたらしやすいと同時に、「被害」や「荒廃」をも確実にその世界にもたらす。その状態が結果的に被害を充分上回る有益さを獲得できればまだ良いが、ほとんど無益に終わるならば残るのは荒廃だけとなり、そして被害があまりにも甚大であれば、それはその生命世界の破滅にも繋がりかねなくなる。
人が目的または目的のための手段として何事かに精通し卓越するためには、それに見合うだけの労力を費やす必要がある。そしてその最大の原動力となるのが強い「欲求」である。人は自らの強い欲求を満たすためになら、その前にどんな過酷な困難が立ちはだかろうとも、時間や労力を湯水のように注ぎ、寝食を忘れ、冷めることのない「情熱」をもって我慢強く取り組めるものである。しかし当然、欲求への注力は多かれ少なかれ、自分の生活ひいては人生に犠牲をもたらすことになる。また、この情熱が行き過ぎればそれは「執念」や果ては「狂気」と呼ばれる域にまで達し、それはより大きな犠牲をその者にもたらすが、それと同時により大きな成果を得る可能性をもその者に与えることになる。
そして欲求への情熱に対する最大の妨げとなるのは、その行いが無益または危険であると警告する「理性」に他ならない。理性は個人的な趣味に過ぎないものに意味や意義を問いかけ、得られるかどうかも分からないものに対して犠牲を払うことの不毛を説き、あの手この手で欲求への情熱を否定しようとする。しかし、一見情熱という悪に対する善に思える理性も結局のところ、自分を守ろうとする本能や過剰な理想に根ざすものでしかなく、つまり理性で思いとどまるも犠牲を厭わず情熱に邁進するも善悪の別は無く、当人の自由でしかない。(ただし犠牲が自分のみならず周囲にも及ぶ場合はまた話は別である) また、情熱に邁進した者が犠牲と引き換えに得た成果は、時として世界全体にとっても有益なものとなり、世界の進歩発展はそういった個々人の望んだ犠牲の成果が大きな割合を占めているのも事実であろう。(そしてその有益さは深い執念・狂気によって得られたものほど高くなりがちであるのもまた事実である) 欲求のもと犠牲と引き換えに優れた力への道を切り開く情熱・執念・狂気と、それに歯止めをかけてしまう理性。それが人の心に対する「悪魔」のタロットの意味である。
| 暗示 | 正位置 | 逆位置 | |
|---|---|---|---|
| 総合解釈 心理解釈代表 |
過酷な状態の持続 欲求 |
有益な成果の獲得 情熱 |
無益な荒廃の損失 理性 |
■本体デーボが他者に対して抱く「恨み」をパワーに変え、相手を攻撃するスタンド能力。そのスタンド像は呪いに使われる人形のように不気味かつ異質さを感じさせ、その菱形の頭部からは角とも触手ともつかない伸長物が生え、右手に持った短刀は顔の高さに構えられている。「エボニーデビル」の能力はデーボの相手に対する恨みが最大に高まった瞬間に、その恨みのパワーをスタンド像とともに本体から切り離し、あらかじめ用意しておいた人形などに宿らせることで発動される。(なお、本編中で使用されていたのは身長40cm強・3頭身前後の子供の人形である)
■人形に宿った「エボニーデビル」は、本体デーボを恨みによって戯画化した分身のような存在であり、いわゆる「使い魔」のように自動的に活動する。(ちなみにそのパワーやスピードは、人間の大人を多少上回る程度といったところである) その精神には恨みと同時にデーボの人格・記憶もコピーされ、そしてその精神は恨みによって塗り潰された状態が持続されるようになっている。そのためこの人形は本体並に臨機応変に頭脳を働かせることができ、また、放たれた後に本体デーボ側の相手への恨みが弱まったとしても、人形側は恨みに満ちた精神状態のまま活動を続ける。また、本体からパワー的に切り離され、且つ恨みの念が凝縮されて内にこもるこの人形は、人形という物質が物理的に発する影や足音以外には殺気などのいかなる気配も発することは無く、動きを止めればただの人形にしか見えなくなる。またさらに、この人形がカミソリや割れたビンなど武器として使える物を手にすれば、人形からその物質にも「恨みのパワー」は流入し、それらは殺傷力が上がるとともに、スタンドに対してもダメージを与えられる性質を帯びる。
■スタンド「エボニーデビル」の最大の長所は、極限の恨みによって得られる狂気の域に達した「集中力の持続力」にある。それに加えて寝食を忘れる以前に必要としない人形の体もあいまって、このスタンドは24時間1440分86400秒、テンションを全く落とすことなく恨みを晴らすためだけに頭脳をフル回転させ続け、執拗に相手を付け狙い狡猾に罠を張り巡らせ相手を攻撃することが可能となる。(なお、この人形が動き続けられる時間は与えられる恨みのパワー量に比例して増減するが、恐らくは最低でも数日は持つものと思われる)
■本体「呪いのデーボ」はアメリカインディアンの呪術師という触れ込みで商売をする殺し屋であり、依頼された相手を殺害する際にこのスタンドを使う。まずデーボは自分が殺し屋であることは隠して殺しの相手に近付き、行きずりのトラブルなどを装い相手を挑発して自分を殺させない程度に痛めつけさせる。デーボはその恨みによって「エボニーデビル」を発動、負傷の苦痛が強いほど、負傷の取り返しがつかない(とデーボが感じる)ほど、人形に与えられる恨みのパワーも強くなる。動き出した人形は恨みを晴らす一念で偏執的に相手に付きまとい、相手の隙をつきまたは罠を仕掛け、姿を決して見せることなく攻撃を行う。(万一見つかった場合には動きを止め人形としてやり過ごす) 相手は自分の身に受けた不可解なダメージや罠の痕跡などから何者かに攻撃されていることに気付き、得体の知れぬ敵に怯え最大限警戒するであろうが、「エボニーデビル」は1秒たりと途切れることのない恨みの集中力によって、警戒している相手が一瞬見せる隙を逃すことなく執拗に攻撃を繰り返す。相手は繰り返される攻撃と解くわけにもいかない警戒によって精神的・肉体的にどんどん疲弊し、その果てに大きな隙を見せてしまったが最後、「エボニーデビル」がとどめとばかりに畳み掛ける罠の数々にはまり、消耗しきった精神と肉体でろくな抵抗もできないまま最期を迎える。そして、奇怪な状況の中絶望の表情を張り付かせて死んでいる犠牲者の姿によって、殺し屋「呪いのデーボ」の名は広まり高まっていくことになる。
■ただし、「エボニーデビル」の人形は操作的には本体から切り離されているものの、人形の体に視聴覚を持たせ自在かつ器用に動かすためか、恨みのパワーを人格とともに人形に宿らせるという能力の原始的性質のためか、身体的には本体との対応が保たれている。このため殺しの相手が人形の過酷な攻撃を耐えしのぎ、人形を破壊するなり燃やすなりして撃退に成功すれば、デーボはいわゆる「呪詛返し」のごとく、自分自身が最期を迎えてしまうことになる。