青春はちゃめちゃストーリー「あすかや物語(ディレクターズカット版)」
誕生編
あすかや物語 表紙


プロローグ 第1話  第2話 第3話  第4話


プロローグ

あすかや物語 プロローグ 白衣を着た数人の男が、手術台を囲んでいる。
改造手術の最中のようだ。
手術台の人物は麻酔で眠らされているらしいが時折苦悶の表情を浮かべている。

数時間後...
あやしくうごめく覆面集団の中に、さきほどの人物はいた。
人物...いや、もう人ではない。
その人は「あすかや怪人」として生まれ変わったのだ!

第1話へつづく...










第1話 〜目覚め〜
(あすかや怪人 変化の1:カニ怪人)

天気の良い日曜日。
数人の子供たちが砂場で山を作って遊んでいる。
そのとき事件は起こった!
カニ怪人あらわる! 砂場がモコモコと盛り上がりカニのような人物が出てきたのだ!

子供A「あっ!カニの着ぐるみだっ! あんまり可愛くないぞ」
子供B「ほんとだ。ダサ〜イ」
あすかや怪人「ち・違うよっ!これは断じて着ぐるみではないっ本物だぞぉ!」

取り乱すあすかや怪人。どうやら図星だったらしい。

あすかや「ちっ!生意気なガキどもめ! こうしてくれる!」

そういうと、あすかや怪人必殺のキックが砂場の山を打ち砕いた!
子供たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
口々に「ぬいぐるみのカニのばかぁ〜」と叫びながら。

滑り台の影から一部始終をみていた人物が近づいてきた。

???「見事だったぞ。あすかや怪人」
あすかや「あっ!これはこれは浪漫大使。お褒めにあずかり恐縮でございます」

秘密結社”熊の穴”の大幹部、浪漫大使であった。

浪漫大使「それにしても見事な作戦よのう。子供たちの楽しみをめちゃくちゃにすることによって楽しみの無い大人へと成長させる」
あすかや「そうすれば感情の無いロボット人間が出来上がるという寸法で」
浪漫大使「おぬしも悪よのぉ〜 おほほほほ」
あすかや「浪漫大使さまこそ がはははは」

2人でバカ笑いをしていた、そのとき。

???「まてぇいっ!」

ジャングルジムの上に人影が。逆光のため、顔が見えない。

???「子供は国の宝。宝は大事。だから子供は大事なんだ。人それを”子宝”と言う」
あすかや「なにいってるんだか? 誰だっ!」
???「おまえたちに名乗る名前はないっ! とぉっ!」

もそもそとジャングルジムを降りて、ポーズをとる謎の人物。

バードまん「わたしの名前はバードまん。バドやんと呼んでくれ」
あすかや「なんの用だ!(名乗る名前はないとか言って、自分で名乗ってるよこの人)」

バドやんは不敵な笑みを浮かべてこう言った。
バドやん「おぬしたち、敗れたりっ!」
あすかや「な・なにを急に...」

バドやんは説明した。
先ほど壊した砂山で遊んでいた子供たちは少し前に別の子供たちが遊んでいたところを乗っ取った、
いじめっ子だったのだ。

バドやん「つまり、いじめっ子たちをこらしめたことになるのだ。よっ正義の味方っ!」
あすかや「な・・・なんと」

ガックリとうなだれるあすかや怪人

浪漫大使「むむ・・作戦失敗だ。引くのだあすかや怪人」

とぼとぼと夕焼けに消えていく2人

バドやん「はぁ〜はっはっは また頼むぞっ」

今回の世界征服作戦は、あすかや怪人のドジで失敗した。
だが、あすかや怪人の新たなる作戦はすぐに始まることだろう。
負けるなあすかや怪人。がんばれあすかや怪人
そして、謎のヒーロー(なのか?)バードまん。彼はいったい何者なのだろう?


第2話へつづく...


第2話 〜暗躍〜
(あすかや怪人 変化の2:電器屋店員怪人(怪人なのか?)

例の事件から一週間たったある日。公園のそばの住宅街に怪しい人影がたたずんでいた。
いわずと知れた、あすかや怪人である。
作業服に身をつつんだ、あすかや怪人の帽子には”○○電器”と書いてある。
おもむろに、目の前の家に近づくとチャイムを鳴らした。

ピンポ〜ン

奥様「どなたぁ〜?」
あすかや「○○電器です。エアコンの点検にまいりました」
奥様「は〜い、待ってたわよ。今あけますわ」

疑いもなく、あすかや怪人を家に上げる住人。これはいったいどういうことなのだろう?
なんとあすかや怪人は普段は電器屋でバイトをしているのだ。
(それにしても、怪人がバイトとは...熊の穴の安月給では暮らしていけないらしいw
 もっと給料を出してあげてよ、浪漫大使)

手際よく点検作業をするあすかや怪人。

あすかや「はい、点検終了しました。フィルターが汚れてましたから、掃除しておきましたよ」
奥様「ごくろうさま〜まぁお茶でも飲んでいって」
あすかや「いえ〜まだ仕事がありますのでこれで失礼します」
奥様「あら、残念ねぇ〜」

深々と礼をして家を出たあすかや。

そのとき、電信柱の陰から様子を伺っていた人物が近づいてきた。

???「首尾はどうだ、あすかや怪人」
あすかや「あっ!これはこれは浪漫大使。万事とどこおりなくいってございます」

秘密結社”熊の穴”の大幹部、浪漫大使であった。
(いったいどれくらい隠れていたのだろう? とても暑かったらしく汗だくである)

浪漫大使「それにしても見事な作戦よのう。バイトのふりをしてエアコンの温度調整を狂わすとは」
あすかや「設定より”1度”高くしてございます(いや、ホントにバイトなんですけどね。給料あ・げ・ろ!)」

(浪漫大使「ん?何かいったかの?」あすかや「べつにぃ〜(ぼそっ)」)

浪漫大使「それにしても、真夏の暑い時期に温度があがるということは...」
あすかや「暑さによって人はイライラがつのり、やがてはちょっとしたことでケンカをいたします」
浪漫大使「治安の悪化は世界征服の第一歩よのう」
あすかや「ははぁ〜おおせのとおりで」
浪漫大使「おぬしも悪よのぉ〜 おほほほほ」
あすかや「浪漫大使さまこそ がはははは」
2人でバカ笑いをしていた、そのとき。

???「まてぇいっ!」

浪漫の隠れていた電信柱のてっぺんに人影が。逆光のため、顔が見えない。

???「花火をするときはバケツを用意しよう。雨が降りそうなら傘を用意しよう。次の日が運動会ならテルテルぼうずを作ろう。人それを”準備”と言う」
あすかや「また、なんか言ってるよ...誰だっ!」
???「おまえたちに名乗る名前はないっ! とぉっ!」

ゆっくりと、そしてそぉ〜と電信柱を降りてポーズをとる謎の人物。足がガクガクしている。(怖かったらしい)

バードまん「わたしの名前はバードまん。バドやんと呼んでくれ」
あすかや「またあんたか...なんの用だ!また名乗ってるよこの人)」

バドやんもまた汗だくになりながら不敵な笑みを浮かべてこう言った。(浪漫大使よりも長い間立っていたらしい)
バドやん「おぬしたち、敗れたりっ!」
あすかや「な・なにをまた!...」

バドやんは説明した。

バドやん「エアコンの温度を一度あげることによって、冷房の効きすぎを防ぐことができるね」
あすかや「あ...」
バドやん「そして、何より、地球温暖化対策まで考えてるとは...人類の、いや地球の味方っ!」
あすかや「な・・・なんと」

ガックリとうなだれ、涙ぐむあすかや怪人

浪漫大使「むむ・・またまた作戦失敗だ。引くのだあすかや怪人」

とぼとぼと交差点の向こうに消えていく2人

バドやん「はぁ〜はっはっは また頼むぞっ」

今回の世界征服作戦は、またもやあすかや怪人のドジで失敗した。
だが、あすかや怪人の新たなる作戦はすぐに始まることだろう。
負けるなあすかや怪人。がんばれあすかや怪人
そして、謎のヒーロー(なのか?)バードまん。彼の目的はとはいったい?


第3話へつづく...


第3話 〜決意〜
(あすかや怪人 変化の3:浪漫の想像で全身タイツあすかや怪人)

わたしの名前は浪漫大使。
泣く子もだまる秘密結社熊の穴の大幹部である。

わたしがあすかやを始めてみかけたのは新年の集まりのときだった。
当時あすかやは怪人養成学校の一生徒であった。
生徒たちの一番後ろで大首領の話を聴いていたあすかやは、気持ち良さそうにコックリコックリと居眠りをしていたね。(立ったままで)
わたしが見ているの気がついたらしく、恥ずかしそうに下をむいていたっけ。
それから3ヶ月後、研修期間を終えたあすかやはわたしの元に配属された。

あすかや怪人の作戦はどれもすばらしく、中でも”買い物浪費大作戦”は本部から「がんばったで賞」もらったね。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
補足1 買い物浪費大作戦
スーパーで買い物している人のカゴに勝手に品物をいれて買い物をさせ、家計を圧迫させ、国民を窮地に追い込むという、魔の作戦

補足2「がんばったで賞」
秘密結社熊の穴での勲功の一種。副賞として賞金5千円が与えられる。他にも少しの成功の場合の「もっとがんばりま賞」1年間無遅刻・無欠勤の時の「皆勤賞」など
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ただ最近は少し調子が悪いのか失敗が続いてるね。
とくに気に入らないのが全身白タイツのアイツ!
あすかやの作戦を台無しにしやがるんだ!

そんなある日、とうとう本部からあすかやへの通達が届いた。
「次の作戦に失敗した場合”怪人”から”戦闘員”への変更もありうる」と...降格の予告だった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
補足3 怪人の待遇
基本的に給料制 有給 ボーナス有り 服装・髪型 自由 バイトOK

補足4 戦闘員の待遇
歩合制 服装は全身黒タイツ マスク(デスト○イヤー風)着用(階級が上がるとマス○ラス風・タイ○ーマスク風・グレー○サスケ風など可)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

その内容に、わたしは冷静でいられなかった。
そして、通達をあすかやに伝えず燃やしてしまった。

あすかやにそんなことさせるわけにはいけない!
あすかやの全身タイツ姿を見たい気もするが(はっ!いかんいかん)他人に見せたくはないぞっ!
わたしがあすかやを守らなければならないと確信した。

今度の作戦が正念場だ。
そのときは、最近邪魔をする全身真っ白なタイツ姿のアイツもなんとかしないとな...

ふふん、今度の作戦が終わったらあすかやをつれて居酒屋にいこう。
そして、メニューの端から端までを一度に注文するんだ。
あすかやの喜ぶ顔が目に浮かぶなぁ〜

そして、運命の朝をむかえた...


第4話へつづく...

第4話 〜危機〜
(あすかや怪人 出番なし)

一週間ほど前のとある居酒屋にて...

僕はバードまんっていうんだ。バドやんって呼んでよ。
実はね。地球人じゃないんだよ。びっくりしたでしょ?ね?ね?
え?びっくりしてない?なんで?

ふ〜ん、地球には全身白タイツで口ばしがある人間なんていないの?
へ〜 そっちの方がびっくりだよ!マジムカツクぅ〜!
え?逆切れ?なにそれ?
日本語ワカリマセ〜ン! え?だめ? まぁいいじゃん。
一休さんも言ってたよ。「あわてないあわてない いぼころりいぼころり」って。
え?それも違う?もう!細かいなぁ〜そんなんじゃあ出世しないよ。

僕が地球にきたわけを教えてあげるよ。
唐突?まあね。僕ってやせてるけど出てるとこは出てるし引っ込んでるとこはちゃんとひっこんでるんだよ。
え?それを言うなら「凸凹(おうとつ)」だって?とうとつとおうとつじゃあ、わけがわからんよ!
おじさん。聞いてる?おーい!寝ないでよ、もう!お話しようよ。ささ、もう一杯飲んでよ。

さっきの話の続きだけどね。
僕の星が、ブラックホールに飲み込まれちゃってさぁ。大船団で宇宙をさすらってたってわけ。
え?内容が重いのに僕は軽い?ま〜ねぇ〜それって何世代も前の話らしくて、いまじゃあ船で生まれた人数の方が多いくらいでさ。
僕もその一人ってわけさ。
まぁ〜宇宙は広いからね。何個かの隊に分かれて永住する星を探してたんだよ。
1ヶ月くらい前だったかなぁ〜僕の隊が太陽系に来たのは。
そしてこの星を見つけたんだよ。みんな大喜びだったんだぁ。水も空気も、そして何より鳥たちがたくさんいる。
ここは楽園だね、うん♪
それで今は調査のために、僕が一人で活動してるってわけなのさ。

それでさぁ〜最近、困っちゃってるんだよね〜 ん?なにがって?
僕たちがこの世界を治めてあげようってのに、先に活動してるグループがあるんだよ。
秘密結社熊の穴って言うんだけどさ。え?知らない?
まあ、この地区の担当はドジっぽいからどうでもいいんだけどね。ちょっとウザくてさぁ〜
今度、僕たちの宇宙船を使って追い出してやろうと思うんだ。
そしてごみ掃除が終わったら...

大船団に連絡してみんなを呼んじゃうんだよ〜

でさぁ〜冷凍睡眠中の100億の民がこの星にきたら、キミたちは要らないからなぁ〜
ポイさw
あとは、鳥たちと僕たちバード星人の星さ♪クックック、あぁ〜楽しみw

あれ?寝ちゃったの?はぁ〜ホントに緊張感ないね。この星の人って。
だから、あんなのがうろちょろするんだよねぇ〜
お・や・す・み、おじさん。


居酒屋で酔っ払い相手に話しをしているバードまん。
彼の正体は、正義の味方などではなく、外宇宙から飛来し地球を侵略しようとしているバード星人だったのだっ!

どうなる、地球の未来は!
そして、あすかやの運命はいかに?


第5話(最終回)へつづく...

戻れます