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「子供時代をやり直す」試み

 

 アスペルガー LD書字 自尊感情の低下 中学男子

 

自閉症の親が 学齢小学5年の子を 3歳児の保育園で過ごす試みをして 言葉はないがお互いうまく交流したということでした。

 その親は、「ゆっくりでも必ず成長している、成長の過程は飛ばしてはいけない」と書かれていました。

 

考 察

  就労準備支援で 労働-―賃金―消費 というプログラムを企画しました。

働いた賃金(500)で好きな物を買う時 全員が本屋行き 個々に好みの本を購入しましたが はずかしがって見せないのです。自分の嗜好が同年代より幼い自覚があるからです。

このことから 成長がずれている事を感じました。

 

中2の時、ローラーブレードを毎日して上達していまいした。一人でこつこつ頑張っていました。「やっとできるようになった時には もう誰もいない」と、言いました。(余談ですが、この子たちはこんなに悲しい思いを胸に秘めているのだと思い 明るく楽しい仲間との居場所を作らなければと思いました)

回りは4.5年生の時にみんなで楽しんでいました。あの時一緒にやりたかったのだと思いました。(こうして、自尊感情が低下していくのでしょうね)

成長のずれをまたや感じました。

 

成長の過程は飛ばしてはいけない

 子供に 嗜好が幼くても恥ずかしくない事を伝える

     幼稚園の子に交じっても恥ずかしがらなくていい

     大人でも幼いものが好きな人が沢山いる

 

 ADHDの5年生と遊ぶ

     剣ごっこ・カードゲーム・仮面ライダー嗜好全開で遊ぶ

 

成 果

 すぐに効果が出ました

    全く自分で買い物に出ることがなかったのが

   ・古本屋のはしご 隣の市まで自転車で行くようになる。

   ・虫キングカードをしに自転車で出かけ 幼稚園児にまじって順番まちをする

     いままで途中入りを許さなかったが 大目に見れるようになる 

・服装・髪を気にするようになる TPOを意識する

・一人で電車で映画を見に行く 事前に映画を楽しむための準備もする

・思ったことが出来る自分がうれしく 自信が出てくる

  

 

 

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「環境が占める影響」

 

  アスペルガー(以下AS)は社会性やコミュニケーション、想像力の3つの発達領域 (3つ組)の障害をもつと言われますが、家に居るとそうでもないのです。ということは社会性やコミュニケーション、想像力が全くないわけではないということになります。外に出ると(3つ組)の障害が出てしまうのです。環境が影響するということでしょうか。

 

 就労準備支援活動の時

  ASの中学生が3人、老人施設でゲームの手伝いをしました。決められた役割をこなしていましたが不都合が出てきました。3人とも言葉も交わさず自然に役割をスライドさせて、手の空いた子は仕事を自分で作り 自然にゲームが進みました。これを見た時 奇跡を見たような気がしました。 

  何故できたのか?―――― ボランティアという上からの立場

               老人相手という優しい環境

               職員さんの優しさ

  環境が整えば社会性やコミュニケーション、想像力の3つの発達領域 (3つ組)の障害をも超えると感じました。

これからの支援の大きな軸となると思います。

 

試 み

   支援活動のなかで 環境を作る

     上の立場に身を置く―――ボランティア(してあげる立場)・教える立場

      パソコンの得意な(軽度の発達障害)会員で 地域の人に「パソコン活用法」講座を開く

     得意分野  言葉は丁寧  教えるのが上手い

 

 

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「学校生活が過ごせない」

 中学3年  AS IQはかなり高いのに学校生活が送れずにいる

学校で勉強しない 朝から終礼までいられない 9〜12時まで

進学を控え 先生の評価が低い 持っているものが出しきれていない

 

アセスメント

   家では気を使うが学校では気を使わない

 

   家ではお手伝いや家族への気配りのある子です

   学校では勉強もせず 文句も多いようです

 

本人の学校への認知が学齢相応でないように思う

幼稚園レベルで止まっている

 

何故か

  いなかったように過ごされてきた

   遊びでも教室でも 認知が学齢より低いため一緒にできない

   先生も子供たちも 一緒にいるのに居ないように過ごした

   そのため 学校生活のスキルが身に付かなかった

     社会性もコミニケーションスキルも 子供同士の遊びの中で育つもので 成長過程は飛ばすことはできない ゆえに子供時代をやり直し順に成長過程をなぞっていく必要がある

   学校生活も同じ

 

方 略

   本人に学校でのスキルが幼稚園のままである事を優しく説明 

   中学生は先生に評価される立場にある

   そのためには自分のいいところを出すこと ()

   先生の言うことを素直にきいて実行すること(明るい返事 感謝等)

   まわりに好かれる事をすることを教える(いいところをほめる等)

 

新学期に向けて どうなるでしょうか

 

 

「おしゃれ」

 活動のなかで 一見しただけで違和感のある印象がありました

 

 第一印象で7割が決まるそうです

 この子おかしいと思われたら なんでも変になるが

 外見が普通の印象なら おもしろいとか 天然の印象になる

 

服装に無頓着

 見た目で違和感ある服装--- 中学生なのに小学時代の短い服を着ている(親が着せている) 

 見た目で違和感ある髪型--- 中学生なのに親が散髪している

 

服装は流行を少しとりいれる――姉兄にアドバイスもらう 兄のおさがり等

髪は散髪やさんで流行を少しとりいれる

 

結 果

  無頓着だった服装を気にするようになる

  少しおしゃれな服はまんざらでもない様子

  出かける時の服装を気にするようになる

  TPOを考えるようになる

  自信が出てくる

 

本人が言わないからと親が気を使わないと 周りから異質に見られる

おしゃれはやる気も引き出す(僕ってまんざらでもないな〜〜 自信)