契約翻訳講座(13) ライセンス契約(2005-08-05)
Right or
title
「権利もしくは権原」と訳す。 権原とは、所有権などの場合所有者ではなく、借りる人からみた権利の呼び方。
Neither
Neither〜やNo〜など、否定語で始まる文章は、「〜も〜しない」と訳す。
Upon
"Upon"単独の場合は、「〜した場合」、「〜に基づいて」と訳す。 "Upon request"
は、「〜次第」
Assume
"Assume obligation"は、「義務を引き受ける」。 「権利を譲渡する」(assign
right)とはいうが、「義務を譲渡する」とは言わない。 「義務を引き受ける」「義務を引き受けさせる」または「義務を委任する」という。
子会社と関連会社
"Subsidiary"は「子会社」。親会社が支配権を50%以上持っている場合。 "Affiliates"
は「関連会社」。親会社が支配権を25-30%以上持っている場合。
その他
- 契約書では、なるべく代名詞を使わない。(あいまいな表現を避けるため)。
- "in〜"とあるときは、「〜にする際には」、「〜に際しては」と訳す
- "Property"は「財産」。"Asset"は「資産」。
- "Sublicense"の動詞は「サブライセンスする」でよい。
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契約翻訳講座(11) ライセンス契約(2005-07-15)
Liquidated
Damage 予定損害金(リキダメ)
日本の民法で、「損害賠償額の予定」のこと。 起こりうる時間の損害については、計算できないので、あらかじめに年率(%)で清算する。
箇条書きを訳す際の注意点
項目は、同じ体裁にする。 英語で数字(金額等)が前に出ている場合は、日本語でもなるべく前に出して、 わかりやすくする。
allの訳
「すべての〜」とするよりも、「〜はすべて」と、名詞句の最後においたほうが、日本語として自然になる。
定訳
"for reason(s) attributable to the
Licensee" "The reason(s) for which the Licensee is responsible" "The
reason(s) the Licensee is responsible
for"
上記はすべて
「「ライセンシー」の責めに帰すべき事由により」または、「「ライセンシー」に帰責自由がある場合」とする。
その他
- "Apartment"は、「アパート」とは違う。もう少し広々としていて、家具もついているコンドミニアムタイプのマンションのこと。
「アパートメント(貸間)」と訳す。
- "Boarding Expenses"は、「渡航費」ではない。「宿泊費」のこと。
- "Consult"は「相談する」よりも「協議する」としたほうが契約書らしい。
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契約翻訳講座(10) ライセンス契約(2005-07-08)
会社組織の違い
<日本> ・取締役会 会長、代表取締役、取締役、執行役員
<米国> ・ Director 会長、社長、副社長(多数) ・
Officer Secretary(セクレタリー)・・・総務関係の重役 Treasury(トレジャリー)・・・財務関係の重役 Audit(監査役)
ライセンス契約とは
実施権(ライセンス)の取り決め。
所有権は、一番強い権利。 モノを自由に1.使用し 2.人に貸して収益を上げ、3.処分できる 貸せるものには、有体(家とか)、無体(特許、商標権とか)のものがある。 有体物を貸す権利が賃貸権。 無体を貸す権利が実施権(使用させる権利)またはライセンス。 ライセンス契約には、イニシャル・サム(情報開示料。有体の権利金にあたる)とロイヤルティ(賃料にあたる)がある。 権利を転売した場合は、サブライセンス権となる。
grantの訳
grant license
は、「ライセンスを許諾する」 grant rightは、「権利を付与する」
Superior
Court
ニューヨーク州では、上級裁判所(地裁)のことをSuperior
Courtというが、これは最高裁判所のことではない。
他の州では、District
Courtが地裁をさす。 州際(州をまたがる)取引および特許権は、連邦裁判所の扱いとなる。
コストの勘定科目
用語によって勘定科目が違うので気をつける。
Salary(ホワイトカラー)給与: Overhead Cost 一般管理費、間接費 Wage 賃金: Labour Cost
労務費 Fee 手数料: Outsourcing Cost 外注費
定義条項
"The following terms shall, for
all purposes of this Agreement, have the meaning as defined below, unless
the context requries otherwise:"
「本「契約」では次の用語は、文脈上他の意味に解釈されない限り、下記に定義された意味を有するものとする。」
その他
- plantはプラントと訳せばよい。モノを処理するプロセス、施設のこと(セメントを作るプロセスとか)。
- 占有…事実支配。占有権はposession。所有権はownership
- 頭書で、Delaware Corporation等とある場合は、「州」をいれずに「デラウェア法人」でよい。
- "upon"は、「〜があり次第」。「〜によって」ではない。
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