第二回 講座ポイント
日本のファンタジー文学
-雨月物語、泉鏡花、宮沢賢治に代表される。
-三遊亭円朝−江戸から明治への転換期に、伝統的な話芸に新たな可能性を開いた落語家。 代表作は「怪談牡丹灯篭」。
口語体文学の先駆者である。当時日本に導入された速記術によって、円朝の噺は速記本になり、新聞に連載されるなどして人気を博す。
これが二葉亭四迷らに影響を与え、言文一致運動につながっていった。
このころ創立された「講談社」は、もともと講談の速記本を売っていた。
-標準語は、政策の上意下達を円滑にするため、明治政府が作ったもの。
-「小説」は、18世紀にイギリスで誕生した。
日本では当初、小説は「女子供向けの庶民的な読み物」というジャンルだった。
イギリスにおける小説の変化
-時代が封建主義(王様→貴族→諸侯→騎士の縦社会)から資本主義に変わるとともに、小説の題材も変化した。
主人公が、「王様」から「一般人」へ。eg 「ロビンソン・クルーソー」、「パメラ」。
この時代の小説の特徴は、「リアリズム」。時間の経過、情景、登場人物が細かく描写されている。
恐怖小説の台頭
-18世紀にリアリズム小説が主流となるなか、恐怖小説も人気を博す。
eg メアリーシェリー「フランケンシュタイン」、ポリドリ「バンバイア」、レファニュ「吸血鬼カーミラ」、ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」など。
代表的な欧米の児童書
<第一期>
19世紀半ばに児童書が初めて台頭。
「水の子どもたち」1863年、「ふしぎの国のアリス」1865年。
この頃、グリム童話、アンデルセン童話が英訳される。
これらを基盤にしたのが、「たのしいムーミン一家」1948年(フィンランド)、「ピーターラビット」1902年
<第二期>
1965年に「指輪物語」がアメリカでベストセラーになる。
児童文学(ファンタジー)が、初めて注目される。1970年代に、英米で児童文学のジャンルが確立される。
この後、ミヒャエル・エンデのブームが到来するが、ファンタジーブームにはつながらなかった。
<第三期>
1997年に「ハリー・ポッター」シリーズ刊行。世界的なベストセラーになり、ファンタジーブームとなる。
小説とは?これからは、ますます小説のジャンルが広がっていく。
読者が想像できる、リアルな世界が存在するファンタジーなども、取り込まれていく可能性がある。
講座に登場した文献
(2006年6月3日)
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