生の音と響き
カーオーディオを調整しているといつの間にか楽器の「生の音」を忘れてしまうことがあります。忘れないまでも耳がカー寄りになってしまうこともあります。そんなときはやはり「生の音」を聞いて耳をリセットすることがとても大切だと実感しています。
バイオリンもその音色をオーディオで再現することが難しい楽器だと思います。そんなときは身近なバイオリニストに音を聞かせてもらいます。「ハンガリアン舞曲」や「タイスの瞑想曲」を十八番にされている方です。
ピアノも身近にあるので自分で鍵盤を叩いたりして音を耳に焼き付けます。このピアノの鍵盤を叩きながらRTAをやると鍵盤を叩いたときの中心周波数や音の立ち上がりと消えてゆく様子、また「オクターブ」と「周波数の関係」が実によく理解できるようになります。よく使われる「1/3オクターブ」の言葉の意味を詳しく理解している人は少ないような気がします。
左の写真は何をやっているところか分かるでしょうか? 実は「ラ(A)」440Hzの音叉を鳴らしてギターの胴で共鳴させています。この「A」の音に弦の音を合わせます。ちなみに振動する音叉を歯でくわえる骨導音が味わえます(笑) 音楽を愛し楽器をいじる者にとってはこの調律の基準440Hzは非常に耳慣れていて脳が覚えている音階なので、聴感で周波数を読むときにとても便利です。
音叉を膝頭などにぶつけて振動させ、このように指でつまんだだけでは音はほとんどしません。上の写真のように何かに振動を伝えてそこが共振してはじめて音になります。この原理は実はカーオーディオに利用できます。それが「オルゴール」です。
オルゴールも写真のような単体ではきれいな音の響きが出てきません。本体を何かに当てると「その当てられた素材の響く音」がします。その原理は音叉と同じです。
そこでこのようにバッフルに使う素材にオルゴールを当ててその素材の響きを確認します。バッフルが共振することで生じる音色を探ります。例えばバッフルとして新しい素材を試すとき音出しをするまでどんな響きになるのか想像できないよりも、事前にそのバッフルの音の傾向が読めるのです。また音叉やオルゴールを、吸音材を詰め込んだ箱に当てたときとそうでない箱に当てたときの響きや余韻は全く異なります。この傾向は音が出たときにも同じなのです。ただ自分の知りうる限りこのホームや楽器のテクニックをカーで実践している人を知りません。真似されそうだなぁ・・・(笑)

H15.11月追加分
サックス奏者のM氏が来店しました。常々生の音は大切だと感じていますが、サックス奏者はなかなか身近にはいません。生のサックスの音が聞きたい場合は是非M氏にご協力頂いてミニコンサートというのもいいかもしれません。
M氏によれば「アルトサックスはE♭調の移調楽器なので、他のC調の楽器(ピアノ、ギター、フルートetc)と合奏する場合、同じ調で書かれた譜面では合わない。必ず長6度上げるか短3度下げなければならない。」とのことです。