鹸化価


鹸化価とは、油脂1000gを液体石鹸にする時に必要な苛性カリのg数の事で、固形石鹸を作る時に使う苛性ソーダ分量はこの数値より換算します
固形石鹸を作るのに必要な苛性ソーダの量は
鹸化価×40÷56.1÷1000
で計算して1gの該当油脂を固形石鹸にするための苛性ソーダのg数を算出します
鹸化率とは油脂を鹸化させる苛性ソーダの割合です
上記の計算式で算出された苛性ソーダの量は鹸化率100%になりますが、苛性ソーダがこの量より多いと石鹸内に苛性ソーダが残り、少ないと油脂が残ります
同じ油脂でも製品によって微妙に鹸化価が違い、苛性ソーダが石鹸内に残ると安全ではありません
石鹸内に苛性ソーダが残らないように苛性ソーダの分量をディスカウントするとより安全です
苛性ソーダのディスカウントによって石鹸内に油脂が残り、その残る量によってしっとりした石鹸ができます
鹸化率90%〜95%はさっぱり、85%〜89%はしっとりした石鹸になります
85%未満になるとべたべたした柔らかすぎる石鹸になり使いにくくなります
苛性ソーダの分量をディスカウントしたり、トレースの出た後にオイルを少し入れて石鹸に鹸化しない油脂を残すことをスーパーファットと言います 油脂の性質によっても質感が違うので、好みで加減します
                    
*主な油の鹸化価表*
オイル名 鹸化価 固形石鹸を作る時の
油100gあたりの苛性ソーダ量
備 考
オリーブ油 191 13.6g トレースに時間がかかる
ココナッツ油 25818.4g 固くなり石鹸の泡立ち洗浄力を良くする 肌を乾燥させる
パーム油 20314.5g 石鹸を固くする
パーム核油 24917.8g 冷水でも良く溶け起泡力のある石鹸になる
キャノーラ油 18713.3g 保湿効果がある
コーン油 193 13.8g 安価
ヒマワリ油 190 13.5g 保湿効果がある 酸化しやすい
ベニバナ油 190 13.5g 保湿効果がある 酸化しやすい
スイートアーモンドオイル 194 13.8g 栄養素が豊富
ホホバオイル 92 6.6g 植物性液体ワックス 浸透性がある
グレープシードオイル 188 13.4g 薄い緑色の石鹸になる 軽くさっぱりしている
小麦胚芽油 185 13.2g 小麦アレルギーに注意
マカダミアナッツオイル 195 13.9g パルミトレイン酸を多く含む
椿油 193 13.8g シャンプーに 単独で使わず他のオイルに混ぜる
月見草油 188 13.5g 泡立ちが良い
ローズヒップオイル 190 13.5g 酸化しやすいオイル
大豆油 192 13.7g 固くなる
太白胡麻油 191 13.6g 少しピンクがかった石鹸になる
米(ぬか)油 188 13.4g 保湿効果がありトレースが早い ビタミン、ミネラルを含む
アボカドオイル 133 18.62g ビタミンを多く含む ベビーソープによく使われます
ココアバター 201 14.3g 皮膜のカバー力がある 硬く溶け崩れにくい石鹸になる
シアバター 178 12.6g 紫外線予防効果があります
アボカドバター 186 13.2g 髪と皮膚に潤いを与え、自然な紫外線防止効果がある
レッドパームバター 199 14.2g オレンジ色は天然のカロチンの色で傷を修復する作用がある
豚脂(ラード) 198 14.1g ブタの油脂で、保湿、泡立ち、硬さのバランスがとれている
牛脂 196 14.0g とても硬い石鹸になる 脂肪臭あり 安価
馬油 200 14.3g 不飽和脂肪酸を多く含み、とても肌に浸透しやすい
乳脂(バター) 196 14.0g きめ細かい泡が立つ 牛脂より軽い洗い上がり
蜜蝋(ビーズワックス) 91 6.5g 硬く溶けにくい石鹸になる トレース時間が短い
植物性ステアリン酸 14.2g 溶けにくい石鹸になる いったん立った泡には持続性がある
植物性ミリスチン酸 17.5g 泡立ちが良く溶けくずれにくい石鹸を作る
*2010.5.3 修正*

※同じオイルでも、製品によって鹸化価が微妙に違っている事あります
 この場合、未反応の苛性ソーダが発生する事を避けるため、少ない方の鹸化価で計算します
※苛性ソーダの量を5%〜15%ディスカウントする事をお薦めします
 (オイルは製品によって多少質感が違う場合があるので未反応の苛性ソーダが残る事を防ぐためと
 未反応のオイルが発生する事でよりマイルドな石鹸に仕上がります)
※水溶液として使う精製水、蒸留水等の量はオイルの量の30〜40%を目安にする


アルカリ計算機


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