天然繊維はいろいろな不純物を含んでいるのでそのまま染色すると色ムラの原因になります
精錬はこの不純物を除去する作業で、繊維の種類によって精練の仕方が違います
植物染料の多くは、主にたんぱく質で出来ている動物性繊維にはよく染まりますが、主にセルロースで出来ている植物性繊維には染まりにくい性質を持っているので植物繊維には染料が結合しやすいものを生地に定着させておくために
下地処理をする必要があります
【動物性繊維(ウール シルク)の精錬】
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・繊維を40〜60℃のお湯に30分ほど浸けておき、軽く脱水します
・不純物が多い場合は、繊維の重さの3%の中性洗剤を温湯によく溶かしてから、40〜60℃のお湯に加え、30分ほど浸けておき、その後軽く脱水し温湯で静にじゅうぶんすすぎ洗いをします
【植物性繊維(綿 麻)の精錬と下地処理】
・未使用のものの場合、30分ほど、60〜80℃の湯に浸してから水洗いします
・Tシャツなど一度でも着用したものは、洗剤を使って煮沸し、汚れを落としてからすすぎ洗いします
・下地処理は、染める生地がゆったり浸る量の熱湯(生地の30倍の重量が目安)を用意します
・ティスポンを熱湯1Lにつき3〜4ccの割合で入れてかき混ぜます
・生地を入れて15〜20分間ムラにならないようによく動かし、水洗いして軽く脱水します
*ハーブ染液の抽出*
・ハーブ染めにむいているハーブは、カモミール、ペパーミント、レモングラス、レモンバーベナなど
・染液に使うハーブの量は染める生地や糸の量に対して、フレッシュの場合は同量から2倍、ドライの場合は半量以上用意します
・ステンレス製のタンクか鍋に測ったハーブを入れ、染める材料がすっかり隠れる量の水を加えて水から30〜40分煮出します(沸騰するまでは強火で、その後弱火で煮詰めすぎないように注意します)
・ハーブの色素を抽出した抽出液を布で濾し取ります この抽出液が染液です(この染液は時間が経つにつれて酸化しますのでなるべく早く使い、ハーブ染めをするつど染液を作ります)
*媒染剤*
媒染とは、糸や生地などの繊維に染液の色素を発色させ、定着させる事を言います
媒染することによって、繊維と染液の色素をしっかりと結びつけ色の堅牢度が増し色落ちしにくくなります
媒染剤には、アルミ、銅、鉄、チタン等の金属媒染剤や、酢酸、食酢、クエン酸等の酢媒染剤、灰汁等のアルカリ媒染剤等、数多くの媒染剤があります
総体的にアルミ媒染では明るめの色に、銅媒染では緑色系や金茶色系に、鉄媒染ではグレーや焦げ茶色など暗めの色に染まります
よく使われる媒染剤は「みょうばん」です
*ハーブ染めの工程*
ハーブ染めの方法には、先媒染法と後媒染法があります
【先媒染法】
精錬→媒染→水洗い→抽出・染色→水洗い→脱水・乾燥
【後媒染法】
精錬→抽出・染色→水洗い→媒染→水洗い→染色(本染め)→水洗い→脱水・乾燥
参照:ハーブコーディネーター養成講座テキスト