<マンションの現況>
全国のマンション数 528万戸(平成19年末)
居住者数 1300万人(同上)
<マンション管理の課題>
(従来からのもの)1 管理組合運営関係
(1) マンションの住まい方の理解不足(管理規約を知らない、 区分所有法の内容を知らない、適正化法の内容を知らない)
(2) 管理組合活動の停滞(総会欠席席者、役員は抽選・順番で1年交代)
(3) 不十分な管理規約の存在(管理組合自身が作成少ない、不利益な管理規約の存在)
(4) 専門的相談体制の不足(周知不足)
2 修繕関係
(1) 長期修繕計画の未整備(11%)と積立金の不足(長期修繕計画に基づかないもの)
(2) 専用部分と共用部分の区分の問題
3 委託関係
大部分が管理業者に委託(管理事務の総てを委託約75%)しているが、委託内容の不理解「契約内容をほとんど知らない」、管理業者が管理費の通帳・印鑑共に保管等がみられる。
(近年の傾向)
1 老朽化(築30年超 63万戸 平成23年には100万戸超)
2 賃貸化(賃貸化率20%超 平成15年26.3%から20年18.6%)
3 空室化(空室無し 平成15年52.9%から20年43.8%に)
4 高齢化(世帯主60歳以上 平成15年31.6%から20年39.4%に)
5 永住意識(平成15年43.7%から同20年49.9%に)
6 超高層化(首都圏 住宅取得者の2人に1人はマンション、その内5分の1は超高層)
7 IT化(個人により考え方に相違 合意形成の難しさ)
8 新耐震基準(昭和56年)以前のもの 106万戸
(最近のトラブル)1 リホームによる騒音等(永住化、若年層の都会回帰現象による中古マンションのフローリング化、システムキッチン化、ベランダのガーデニング)
37%の管理組合で生活騒音トラブル
2 ペットの飼育(高齢化、定住化)
35%の管理組合でトラブル
3 空き駐車場による管理費等の収入減(賃貸化、高齢化、ワンボックス化(機械式では下に駐車不能)
4 管理費等の滞納(高齢化、リストラ、低収入、ローン地獄、倒産等)
管理費滞納(3ヶ月以上)38.5%)
5 管理会社とのトラブル{管理委託契約の変更、管理会社の変更、原始規約の改正}
(永住化、委託契約の自然更新の廃止、公取の調査結果の公表)
6 理事会の運営の困難(賃貸化、高齢化、事務所化、空室化)
役員資格者の減少
7 ピッキング、カム送り(防犯対策強化の必要性)
(本項の数字・%・割合の大部分は「平成20年度マンション総合調査(国土交通省)による)
<行政の対応>
1 マンション管理に関する法律の制定・改正
(1) マンション管理の適正化の推進に関する法律(13年8月1日施行)
@ マンションの定義
A マンション管理士制度創設(マンション管理組合の相談に応じ、指導、助言、援助)
B マンション管理業者(登録、管理業務主任者設置義務)
(2) 建物の区分所有に関する法律及びマンションの建替え円滑化等に関する法律の一部改正(15年6月1日施行)
@ 大規模修繕等の決議要件の緩和(4分の3から2分の1に)
A
建替え決議要件の見直し(過分の費用+5分の4決議から後者のみに、敷地の同一性要件の緩和)
B 団地内マンションの建替え円滑化(承認決議の導入、一括建替え決議の導入)
(3) 住生活基本法(平成18年6月8日 公布・施行)
フォロー重視からストック重視・市場重視へ大転換
@ 良質なストック形成
A 住宅市場の環境整備
2 施策の強化(充実中)
(支援)
(1) 各地方公共団体のアドバイザー制度(マンション管理士の活用 東京都、神奈川県、横浜市他)、相談体制の強化、セミナー・交流会開催(マンション管理士の活用)
(2) 優良マンション登録表示制度
(助成)
(1) 建替え補助(優良建築物等整備事業 国3分の1、地方3分の1、都市再生事業補助(共同施設整 備費補助 国3分の1、地方3分の1 家賃対策補助 国2分の1、地方2分の1))
(2) 建替え融資、都市居住再生融資(住宅金融公庫)
(3) 債務保証 事業資金の借り入れに対する債務保証(組合再開発促進基金)
(4) 各地方公共団体による修繕の調査費、利子補給等の助成
(5) 一定の要件を満たす分譲マンションについて耐震改修費用の3分の1を補助
(6) 避難路沿道等分譲マンションの耐震改修の促進
3 標準管理規約の改正(16・1)
(1) マンションに関する法制度の充実を踏まえた改正
@ 「マンション」標準管理規約と変更
A 「参考」という位置付け
B マンション管理における専門的知識を有するものの活用に関する規定の新設
a
マンション管理士等の活用 b その費用を管理費の支出事項として規定
C 建替えに関する規定の整備
合意形成に必要となる事項の調査に関する業務の規定とこのため必要な費用を修繕積立金から取り崩すことができる規定の整備
D 決議要件や電子化に関する規定の整備
a
共用部分の変更に関し普通決議で実施可能な範囲を「その形状又は効用の著しい変更を伴はないもの」と規定
b 電磁的方法の規定整備
(2) マンションを取り巻く情勢の変化を踏まえた改正
@ 新しい管理組合業務の追加
a 修繕等の履歴情報の整理及び管理
b コミュニティ形成
A 未納管理費の請求に関する規定の整備
未納の管理費等の請求に関しては、理事会決議により、理事長が、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる旨規定
B 環境問題、防犯問題への対応の充実
4 標準管理委託契約書の改正(15・4)
(1) 更新の申し入れ時期を3ヶ月前までと明記(自動更新条項を削除)
(2) 出納業務に係る財産の分別管理について詳細に規定
(3) 委託費の内訳の明記
(4) 管理業者の免責事項について整理・明確化
5
「マンション履歴システム」(マンションみらいネット)の実施
(財)マンション管理センターでは平成17年10月末からマンション管理履歴の登録を開始。
国土交通省ではこれに併行して平成17年度にマンション管理標準指針を策定。
6 分譲マンションストックの質の維持向上等の推進事業(うち「専門家派遣事業」)の実施
(財)マンション管理センターが国庫補助事業の主体となり、地方公共団体と連携し、マンション管理士等専門家を管理組合に派遣するなどし、マンション管理に対するアドバイス等を行うことで、地域におけるマンション管理適正化の普及方法等について検証を行い、適正化推進モデルを構築。
本事業は平成19年度からの3ヵ年計画。
7 マンション管理相談データーベースの構築・公開
マンション管理に関する相談事例等(基本的な解説、Q&A、判例集、資料集)を(財)マンション管理センターのデーターベースに登録し、登録会員がインターネットを通じて閲覧。
平成19年7月1日から公開。
8 「新たな管理方式」の検討
平成19年度において(財)マンション管理センターが事業主体となり、専門家を活用した管理組合の「新しい管理方式」について有識者等からなる「新たな管理方式検討委員会」が、平成20年3月「マンション管理の新たな枠組みづくりに関する調査検討報告書」を提出。
9
長期期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメントについて
〜分譲マンション長期修繕計画の標準様式を初めて作りました〜
マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値の維持・向上を図るためには、建物の経年劣化に対応した適時適切な修繕工事を行うことが重要です。そのためには、適切な長期修繕計画を作成し、それに基づいた修繕積立金の額の設定を行うことが不可欠です。
しかし、長期修繕計画をどのような様式により作成するのかは、これまで定まったものはありませんでした。
そのため、国土交通省は、平成19年9月に「長期修繕計画あり方検討委員会(委員長:秋山哲一 東洋大学工学部建築学科教授)」を立ち上げ、長期修繕計画を作成するための様式等についての検討を行ってきました。
このたび、委員会での検討を踏まえ、「長期修繕計画標準様式」、「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」を策定したので、公表します。
なお、本内容は、平成20年6月17日、住宅局長及び建設流通政策審議官から関係団体に通知しました。
〜 ポ イ ン ト〜
○ 管理組合が長期修繕計画について理解し、比較検討を容易にするため、作成者ごとに異なっていた様式について「標準的な様式」を初めて策定した。
○ 項目漏れによる修繕積立金の不足を防ぐため、標準的な「推定修繕工事項目」を示した。
○ 修繕積立金の額の将来的な引き上げ額の幅を少なくするため、「均等積立方式」により修繕積立金の額を算出することとした。
<長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメントの添付資料>
10、 マンション政策のあり方の答申
社会資本整備審議会はストック重視の観点から、「分譲マンションストック500万戸時代に対応したマンション政策のあり方」の答申を平成21年3月6提出。
11 マンション等安心居住推進事業の実施
分譲マンションの維持管理・再生について、マンション管理組合等を対象にモデル的に支援を行うことにより、必要なノウハウ蓄積等を図るマンション等安心居住推進事業(モデル支援に係る事業)を、平成21年5月26日から平成21年7月14日まで、国が公募し、学識経験者からなる評価委員会での議論を踏まえ、平成21年8月11日、36件(応募76件)の採択事業を決定。
12 平成20年度マンション総合調査結果公表
国土交通省は5年に1回全国的に管理組合や区分所有者のマンション管理状況を調査しているが、その平成20年度の調査結果を平成21年4月10日に公表。